豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

青山聖佳

第101回日本選手権の見どころ ② ~女子スプリント


オリンピック翌年の静けさ、といっても今までとは少々雰囲気が異なる気がするのが、世界の陸上界です。
どの競技にも言えることながら、己の選手寿命を見限るタイミングというものが先延ばしになる傾向が強くなった結果、オリンピックという節目で姿を消す選手が少なくなり、そのため以前は顕著だった新旧交代という図式が描きにくくなっています。
その一方で、オリンピック翌年のひと息、というムードが充満しているのもまた明らかで、ダイヤモンドリーグなんか見ていますと何となく記録的に盛り上がりが少なく、平板なまま推移している感じもします。DL出場選手の過半数を占めるNIKE契約の選手の場合、リオ五輪金メダリストだけが他と異なるユニフォームを着用しているので非常に分かりやすいのですが、多くの金メダリストが参戦しているにも関わらず、なのです。
今季のDLはツアー・チャンピオンシップ方式が大きく変更されたことや、たとえ総合優勝しても翌年の世界選手権のワイルドカードを得るというメリットがないことも、いま一つ盛り上がりを欠く理由の一つなのかもしれません。

そんな状況ですから、男子スプリントの活況を中心に、日本の陸上界が世界に少しでも追い付くチャンスではあるのです。トラック&フィールド・シーズンの最初の天王山、『第101回日本陸上競技選手権』まで、いよいよあと5日と迫ってきました!

◆女王・福島、大ピンチ
女子スプリント界の、いや日本陸上界のヒロインである福島千里(札幌陸協)の100m8連覇、200m7連覇に黄信号が灯っています。
長年所属した北海道ハイテクACを退団しプロとして独立するという決断をもってスタートした今季は、織田記念でのDNF以降まったく精彩を欠き、選手権前の調整試合に選んだ布施スプリントでも決勝でほぼDNFに近い状態で最下位と敗れました。
オリンピック代表選考戦線が続いた昨季も同じように脚の状態に不安を抱えていたとはいえ、無事に走り切ったレースではそこそこのタイムを出していたのに比べ、今季はまったくいいところがありません。プロとしての選手生活が影響しているのでしょうか、それともそのこととは無関係な不調および体調の悪さと見るべきでしょうか。

これまでの数年間であれば、少々の不調ではあっても福島選手の実力があまりにも図抜けていたために、連覇記録は途絶えることがありませんでした。
ただ今季は、某スポーツ紙が盛んに「美女スプリンター」と囃し立てる(私にはどうしてもそう見えないんですけどね)市川華菜(ミズノ)が、春先から絶好調です。
布施の予選では、実際にガチンコのレースで福島に完勝しており、6年ぶりにPBタイの11秒43(+1.1)を記録。決勝は+2.1mの参考記録となりましたが11秒38と、2着の世古和(クレイン)に3メートル差の圧勝劇を演じました。
過去に福島の前に立ち塞がった髙橋萌木子、土居杏南といったライバルの場合は、福島がそれ以上の実力を見せつけることでねじ伏せてきたのですが、その地力が発揮できるかどうかが疑わしい今回、スプリント界の女王にとっては最大のピンチが訪れた、と言ってもよいでしょう。
 

もう一人、昨年高校2年生で100・200ともに2位となった齋藤愛美(倉敷中央高3)が、今季はスロースタートです。インターハイ岡山県および中国地区大会では相変わらず無敵ぶりを見せてはいますが、+2.8mの中国大会100m決勝では11秒83と、かなり物足りない内容。もし、福島が王座を明け渡すのならば次代を担う齋藤に、と願っているのですが、どうなるでしょう?

注目の女子100mは、全種目のオープニングレースとして、23日(金)の15時過ぎから予選が始まります。

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◆女子400も混戦
日本記録保持者の千葉麻美が引退、99回大会優勝の青木沙弥佳(東邦銀行)、さらには石塚晴子(東大阪大2)や吉良愛美(アットホーム)らが400mHに専念する中で、不動の第一人者の地位を築きつつあった青山聖佳(大阪成蹊大3)が日本個人インカレで5位と惨敗して、こちらも混戦模様です。
昨年高校3年で2位と奮闘した青木りん(東邦銀行)の近況が先日TVで紹介されましたが、虎視眈々と狙っている感じがします。あとは関東インカレ(54秒36)、個人インカレ(54秒05)を制した岩田優奈(中大2)が好調。毎回高校生の活躍が目立つ種目ですので、IH近畿大会で53秒台に突入してきた川田朱夏(東大阪大敬愛高3)にも注目しておきたいところです。

陸上てんこ盛り・週末のまとめ



まとめです。ふー!

◆第65回兵庫リレーカーニバル(GP種目上位ほか)
長距離種目ではロンドン参加標準記録の突破が期待されましたが、男子はディク(タヌイを破る大金星!)のタイムからすると絶好のペースになりながら、日本選手はついていけなかったようです。
既に15人が標準突破している女子10000mは、到達者の一人・松田瑞生が余裕の優勝。筒井、堀あたりはあと一息でした。
1500m男子、注目の遠藤日向の実業団デビュー戦は残念な結果に。
女子は地元の西脇工はじめ高校生の有力どころが出場しましたが、いずれも自己新には至らなかったようです。

◇男子1500m(出場15人)
① 3'45"08 松枝 博輝(富士通)
② 3'46"43 鎧坂 哲哉(旭化成)
③ 3'46"82 戸田 雅稀(日清食品G.)
④ 3'46"94 井上 弘也(上武大4)
⑤ 3'47"18 西岡 喬介(中電工)
⑥ 3'47"23 河村 一輝(明治大2)
⑦ 3'47"49 秦 将吾 (大塚製薬)
⑧ 3'49"72 仲村 尚毅(関西学院大4)
⑨ 3'51"11 遠藤 日向(住友電工)

◇男子10000m
①27'39"40 ディク・ジョナサン(日立物流)
②27'45"85 ポール・タヌイ(九電工)
③27'48"51 ニコラス・コシンベイ(トヨタ自動車)
④28'07"23 上野裕一郎(DeNA)
⑤28'14"14 市田 孝 (旭化成)
⑥28'15"40 設楽 悠太(Honda)
⑦28'16"61 早川 翼 (トヨタ自動車)
⑧28'19"89 栃木 渡 (順天堂大4)
⑨28'38"36 塩尻 和也(順天堂大3)
⑩28'41"96 浅岡 満憲(日立物流)
⑪28'44"71 鈴木 塁人(青山学院大2)
⑫28'46"64 猪浦 舜 (八千代工業)
⑬29'01"23 中島 公平(城西大4)
⑭29'01"54 茂木圭二郎(旭化成)
⑮29'03"56 寺内 將人(愛知製鋼)
⑯29'07"57 工藤 有生(駒澤大4)
⑰29'10"29 上田 健太(山梨学院大4)
⑱29'11"57 高砂 大地(中央学院大2)
⑲29'23"08 山藤 篤司(神奈川大3)
⑳29'26"03 大六野秀畝(旭化成)
㉑30'02"98 下 史典(駒澤大3)

◇男子3000mSC(出場9人)
① 8'38"87 山口 浩勢(愛三工業)
② 8'42"72 松本 葵 (大塚製薬)
③ 8'49"34 荻野 太成(神奈川大2)

◇アシックスチャレンジ男子10000m(22日・出場47人)
①27'55"10 サイモン・カリウキ(日本薬科大3)
②28'02"85 ドミニク・ニャイロ(山梨学院大3)
③28'04"51 横手 健 (富士通)
⑦28'24"13 村山 謙太(旭化成)
⑨28'44"07 圓井 彰彦(マツダ)

◇男子円盤投(出場13人)
① 56m75 湯上 剛輝(トヨタ自動車)
② 56m44 米沢茂友樹(オリコ)
③ 56m40 堤 雄司 (群馬綜合GS)

◇女子1500m
① 4'13"64 アン・カリンジ(豊田自動織機)
② 4'17"79 陣内 綾子(九電工)
③ 4'18"59 田中 希実(西脇工業高3)
④ 4'19"13 和田 有菜(長野東高3)
⑤ 4'20"31 飯野 摩耶(第一生命G.)
⑥ 4'20"61 上田 未奈(城西大3)
⑦ 4'21"52 森川 千明(ユニクロ)
⑧ 4'22"04 後藤 夢 (西脇工業高3)
⑨ 4'22"87 高松智美ムセンビ(薫英女学院高3)
⑩ 4'26"69 向井 智香(名城大2)
⑪ 4'28"51 卜部 蘭 (東京学芸大4)
⑫ 4'29"92 西脇 舞 (天満屋)
⑬ 4'30"87 樽本 知夏(須磨学園高3)
⑭ 4'32"79 高橋 ひな(NIKE TOKYO TC)
⑮ 4'33"04 須永 千尋(資生堂)
⑯ 4'33"73 工藤 杏華(日体大1)
⑰ 4'42"23 下田平 渚(ダイハツ)


◇女子10000m
①32'15"85 松田 瑞生(ダイハツ)
②32'16"44 筒井 咲帆(ヤマダ電機)
③32'22"18 堀  優花(パナソニック)
④32'25"41 オバレ・ドリカ(日立)
⑤32'39"16 細田 あい(日体大4)
⑥32'40"92 棟久 由貴(東農大2)
⑦32'43"45 堀江 美里(ノーリツ)
⑧32'48"00 井上  藍(ノーリツ)
⑨32'52"41 関谷 夏希(大東文化大2)
⑩33'05"88 出水田眞紀(立教大4)
⑪33'08"13 小﨑 まり(ノーリツ)
⑫33'08"16 竹地 志帆(ヤマダ電機)
⑬33'08"26 清水萌衣乃(東農大3)
⑭33'08"93 池田絵里香(肥後銀行)
⑮33'11"56 フェリスタ・ワンジュグ(ユニバーサル)
⑯33'14"82 谷本 観月(天満屋)
⑰33'19"68 津崎紀久代(ノーリツ)
⑱33'24"93 池満 綾乃(鹿児島銀行)
⑲33'25"94 赤坂よもぎ(名城大4)
⑳33'28"70 橋本 奈海(デンソー)
㉑33'32"16 田中 華絵(第一生命G.)
㉒33'35"78 藤原あかね(松山大3)
㉓33'39"17 石澤ゆかり(エディオン)
㉔33'39"44 和田優香里(立命館大4)
㉕33'39"93 川上さくら(TOTO)
㉖33'48"11 横石 悠貴(九電工)
㉗33'55"58 宇都宮亜依(宮崎銀行)
㉘33'59"72 新井沙紀枝(肥後銀行)
㉙34'04"12 清水 真帆(大阪学院大4)
㉚34'33"37 川上わかば(TOTO)
㉛35'00"00 唐沢 ゆり(日体大4)
㉜35'12"77 今村 咲織(順天堂大4)

◇女子3000mSC
①9'50"72GR三郷実沙希(スズキ浜松AC)
②10'09"52 佐藤 奈々(スターツ)
③10'12"52 藪田 裕衣(京都産業大)
④10'17"54 森 智香子(積水化学)
⑤10'28"45 小池 彩加(エディオン)
⑥10'39"11 瀬川 帆夏(シスメックス)
 DNS 高見澤安珠(松山大4)

◇女子走高跳(出場12人)
 1m76 仲野 春花(早稲田大3)
② 1m73 徳本 鈴奈(福岡大3)
③ 1m73 平山  遥(高稜高校AC)
 1m70 京谷 萌子(北海道ハイテクAC)


◇女子走幅跳(出場11人)
① 6m36 枡見咲智子(九電工)
② 6m36 清水 珠夏(城北信用金庫)
③ 6m29 辻本愛莉香(大阪成蹊大4)

◇女子円盤投(出場16人)
①49m23 郡 菜々佳(九州共立大2)

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◆TOKYO Combined Events Meet 2017(GP種目上位)
時々ライブ・ストリーミング映像を注視していましたが、お寒い雰囲気に選手も縮こまってしまったのでしょうか、男女ともにパッとしない結果でした。
せっかくライブ映像を配信するのであれば、もう少しスイッチングや音声演出、画面情報など、さほど経費をかけずとも改善できる余地がたくさんあります。音声は放送室からのラインアウトのみなので、会場の雰囲気が伝わりません。(号砲の音さえ聞こえない)しかも、耳障りなBGMがずっと流れてるし(選曲の良し悪しではなくて、音質の悪い会場BGMをそのままラインアウトしているのでうるさくてしょうがない)。
私に、相談してみませんかね?
2017東京混成

◇男子十種競技(出場22人・完了17人)
①7787pt. 右代 啓祐(スズキ浜松AC)
②7780pt. 中村 明彦(スズキ浜松AC)
③7490pt. 川崎 和也(Team Accel)

◇女子七種競技(出場17人・完了16人)
①5659pt. ヘンプヒル恵(中央大3)
②5524pt. 宇都宮絵莉(長谷川体育施設)
③5405pt. 山﨑 有紀(九州共立大4)

◆吉岡隆徳記念第71回出雲陸上
桐生祥秀が2レースともに標準記録(10秒12)を突破する好タイム。9秒台はいつ出てもおかしくない気配です。
特殊種目の300mでは、女子の青山聖佳が久保倉里美の日本記録37秒80を破りました。


◇招待男子100mウォームアップレース
1組(+1.1) ①10"11 桐生 祥秀(東洋大4)
②10"32 藤光 謙司(ゼンリン)
2組(+1.5) ①10"37 高瀬  慧(富士通)
②10"45 猶木 雅文(大阪ガス)

◇YOSHIOKA SPRINT男子100m(-0.5)
①10"08  桐生 祥秀(東洋大4)
②10"41  高瀬  慧(富士通)
③10"42  野川 大地(住友電工)

◇YOSHIOKA SPRINT男子300m
①32"47  藤光 謙司(ゼンリン)
②32"86  東  魁輝(NTN)
③33"04  木村 和史(四電工)

◇YOSHIOKA SPRINT女子100m(+1.4)
①11"89  青木 益未(七十七銀行)
②12"00  足立紗矢香(青山学院大3)
③12"03  藤森 安奈(As-meESTELLE)

◇YOSHIOKA SPRINT女子300m
①37"76NR 青山 聖佳(大阪成蹊大3)
②38"09  藤沢沙也加(セレスポ)
③38"47  青木 りん(東邦銀行)

◆第256回日本体育大学長距離競技会
◇女子1500m第7組(出場17人)
① 4'25"79 中川 文華(積水化学)
② 4'26"88 倉岡 奈々(デンソー)
③ 4'27"10 由水 沙季(ユニバーサル)
⑦ 4'30"88 リンズィー ヘレナ芽衣(金沢高3)

◇女子3000m第5組(出場32人)
① 8'53"70 ヘレン・エカラレ(仙台育英高3)
② 9'07"55 小笠原朱里(山梨学院高2)
③ 9'09"85 エスタ・ムソニ(仙台育英高1)
④ 9'09"95 小井戸 涼(日立)
⑤ 9'15"50 岡本 春美(三井住友海上)
⑥ 9'20"52 高見沢里歩(松山大2)
⑦ 9'21"21 菊池 理沙(日立)
⑧ 9'21"49 緒方 美咲(松山大3)

◆第7回高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン
 (IAAFゴールドレーベル・レース)
安藤友香は名古屋のハーフ通過タイムよりも1分以上遅く、後半順位を上げましたがやや期待外れ。まあ、調整が順調に進んでいることをよしとしましょう。


◇男子(出場355人・完走351人)
①1:00'57" アレクサンダー・ムティソ(MDソフト)
②1:00'57" マチャリア・ディラング(愛知製鋼)
③1:01'19" ポール・クイラ(コニカミノルタ)
④1:01'27" バーナード・キピエゴ(KEN)
⑤1:01'48" ケネス・ケテル(KEN)
⑥1:02'26" テクレマリアム・メディン(ERI)
⑦1:02'27" ゴイトム・キフレ(ERI)
⑧1:02:32" ジョエル・ムアウラ(黒崎播磨)
⑭1:03'50" 菊池 貴文(SGホールディングス)
⑮1:04'06" 川内 優輝(埼玉県庁)

◇女子(出場105人・全員完走)
①1:07'44"GR ジョイシリネ・ジェプコスゲイ(KEN)
②1:08'19" ベレイネシュ・オルジラ(ETH)
③1:12'12" 安藤 友香(スズキ浜松AC)
④1:12'22" ミミ・ベレテ(BRN)
⑤1:12'41" 清田 真央(スズキ浜松AC)
⑥1:12'51" 野村 沙世(ユニクロ)
⑦1:14'40" サラ・ホール(USA)
⑧1:15'03" 今田麻里絵(岩谷産業)

◆IAAFワールド・リレーズ2017(バハマ/ナッソー)
4×400mリレーでは、すでに持ちタイム(リオでの37秒68と37秒60)で世界選手権出場を確実にしているとあって、U-20チームのような陣容で臨んだ日本はバトンパスもオーバーハンド。1走・増田のスタートが悪く、流れに乗れないままに3位以下のタイム6番手でB決勝へ。予選ゴール後に脚を故障した大嶋に代わって4×400リザーブの藤原がアンカーに入り、日本帰化後の初代表レースを経験しました。
全般にどの国も走り・バトンワークともにまったく仕上がっておらず、予選でブレイク率いるジャマイカ、決勝ではデグラスを擁するカナダのほかイギリス・オランダが失格という大荒れのレースとなりました。アメリカもアンカー・ガトリンのところでお手玉しながら何とかオーバーゾーンギリギリでつないで38秒43で優勝。ゴール直後に「やっちまったかな?」という表情を浮かべるガトリンの姿が笑えました。2位は39秒台で最後に中国を差したバルバドス。アメリカがやっちまってれば、史上最大のアプセットになるところでした。日本がトップチームを送っていれば、文句なしに金メダルだったでしょう。


4×400mではベストに近いメンバーで予選に臨んだ日本は、1走のエース、ウォルシュが第2コーナーで痛烈な故障を発生してリタイア。僅か100mで日本マイル・チームは終戦となりました。こちらも通過ラインが3分05秒05と低レベルだったので、残念。と同時に、ウォルシュの状態が心配されます。


◇男子4×100m
予選 3組 ③39"52 増田 拓巳(東海大3)-齊藤 勇真(筑波大1)-
山下 潤(筑波大2)-大嶋 健太(日本大2)
B決勝 ③39"52 増田 拓巳-齊藤 勇真-山下 潤-
藤原 武(ユメオミライ)

◇男子4×400m
予選 2組 DNF ウォルシュ・ジュリアン(東洋大3)-田村朋也
(住友電工)-小林直己(セゾン情報システムズ) -堀井浩介(住友電工)

◆ロンドンマラソン
女子でメアリー・ケイタニー(KEN)が、世界歴代2位、女子限定レースでは世界最高となる2時間17分01秒の大記録で優勝しました。
※ポーラ・ラドクリフの世界記録2時間15分25秒は、男性ランナーのペースメイクによるもの

過去ロンドンに4回出場して2度優勝、またニューヨークシティマラソンには昨年まで3連覇中のケイタニーは、これでロンドンは5年ぶり3回目の優勝。昨年キャリアで唯一の大敗(9位)を喫したことでリオ代表から漏れてしまったわけですが、それ以外は8戦6勝、2位・4位(ロンドン五輪)各1回となり、35歳にして名実ともに世界最強の女性ランナーとして君臨することになりました。ハーフ通過はフルマラソン史上最速の1時間6分54秒で、女子マラソンがラドクリフ時代以来、再び超高速化のときを迎えていることを示しています。
2位は2時間17分56秒のエチオピア新記録(世界歴代3位)でティルネッシュ・ディババ、3位はアセレフェチュ・メルギアで2時間23分08秒、4位はヴィヴィアン・チェルイヨトの2時間23分50秒。

男子は24歳のダニエル・ワンジル(KEN)がケネニサ・ベケレ(ETH)の猛追を振り切って2時間5分48秒で優勝。途中いったんペースについていけなくなりながら、“皇帝2世”の意地を見せたベケレが9秒差の2位。3位には、初マラソンとなったビダン・カロキ(KEN=DeNA)が2時間7分41秒で食い込みました。


 

桐生祥秀マイルリレーを激走~日本インカレ陸上・最終日



「第85回日本学生陸上競技対抗選手権」最終日の上位結果です。(熊谷市スポーツ公園陸上競技場)

◇男子200m(-0.1)
 ①20.60 桐生祥秀(東洋大)
 ②20.82 川瀬孝則(日体大)
 ③21.01 橋元晃志(早大)
気持ちよーくコーナーを走り抜けた感じの桐生、あえて記録を狙ったふうには見えないゴール前の余裕度でした。もはや「第3~4コーナーは我が家」といった雰囲気ですね。
それにしても、日本にとって自慢のこの種目、学生のレベルが少し停滞しているのが気になります。小池祐貴(慶大=5位)、谷口耕太郎(法大=7位)あたりにはもっと上を目指して奮起してもらわないと…。

◇男子800m
 ①1.49.18 三武 潤(日大)
 ②1.49.21 市野泰地(岐阜経済大)
 ③1.49.58 田母神一喜(中大)

◇男子110mH(-1.9)
 ①14.02 高山峻野(明大)
 ②14.09 古谷拓夢(早大)
 ③14.11 栗城アンソニー(国際武道大)

◇男子400mH
 ①49.69 上野晃平(同志社大)
 ②50.13 野口直人(順大)
 ③50.51 濱井涼介(法大)

◇男子3000mSC
 ①8.38.27 塩尻和也(順大)
 ②8.43.92 石橋安孝(東海大)
 ③8.44.06 宮城壱成(東海大)

◇男子4×400mR
 ①3.05.48 東洋大(松原秀一郎-桐生祥秀-櫻井朴也-ウォルシュ・ジュリアン)
 ②3.06.42 日本大
 ③3.06.60 法政大

大車輪の締めくくりにと、とうとうマイルリレーにまで駆り出されてしまった桐生。2走に登場し、猛然とダッシュを効かせて先頭争いに割って入りましたが、さすがに終盤息切れ。とはいえ、珍しいサングラス姿や大瀬戸一馬とマイルリレーで抜きつ抜かれつなんていうシーンは、滅多に見られるもんじゃありません。
レースはアンカーに渡るところまでダンゴ状態の大混戦でしたが、最後にウォルシュを残していた東洋大が抜け出し、関カレでも獲れなかったタイトルを手中にしたのは、桐生の頑張りあっての成果でしょう。

◇男子10000mW
 ①40.38.01 山西利和(京大)
 ②40.49.85 及川文隆(東洋大)
 ③41.10.50 山田康太(順大)
 ※DNS 松永大介(東洋大)

◇男子走高跳
 ①2m21 松本修一(福岡大)
 ②2m18 中島大輔(日大)
 ③2m15 蛭子屋雄一(中京大)
 ※DNS 平松祐司(筑波大)

◇男子やり投
 ①77m79 中村克也(九州共立大)
 ②74m72 森 秀(日大)
 ③74m71 寒川建之介(大阪体育大)

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◇女子200m(-0.5)
 ①24.06 青山聖佳(東大阪大)
 ②24.46 前山美優(新潟医療福祉大)
 ③24.48 中村水月(大阪成蹊大)
100を争った藤森・土井の両アンナがそろって予選DNS、となれば青山の独擅場。“スーパー高校生”が大学進学後、1年・2年と結果を出し続けているのは、最近の女子としてはむしろ珍しいことかもしれません。これが長く続くことを願います。

◇女子800m
 ①2.05.34 卜部 蘭(東学大)
 ②2.05.46 山田はな(東学大)
 ③2.06.04 広田有紀(秋田大)

◇女子100mH(-0.2)
 ①13.50 小林紗矢香(愛知教育大)
 ②13.59 中村有希(関西大)
 ③13.59 福部真子(日体大)

◇女子400mH
 ①56.79 梅原紗月(立命大)
 ②56.81 石塚晴子(東大阪大)
 ③58.22 近藤夏奈(環太平洋大)

U-20世界選手権で絶不調に陥り、今大会の400mでもいいところのなかった石塚が久々に主導権を握ってのレースとなりましたが、最終ハードルでこれを捉えた梅原がPBを1秒以上縮める大会新記録での大金星。石塚もいったん1mほどつけられた差を差し返す意地を見せたものの、惜しくも大学ルーキー・イヤーでの3冠を逃しました。

◇女子3000mSC
 ①9.56.96 高見澤安珠(松山大)
 ②9.59.17 岡田佳子(松山大)
 ③10.00.65 藪田裕衣(京産大)
オリンピアンとして負けるわけにいかない高見澤の快勝。今回の長距離3種目で40点を、それぞれ異なるメンバーで荒稼ぎした松山大駅伝チームの層の厚さは、立命館6連覇の脅威になるのではないでしょうか?

◇女子4×400mR
 ①3.40.24 大阪成蹊大(伊東里帆・吉見美咲・中島愛梨・青山聖佳)
 ②3.41.41 新潟医療福祉大
 ③3.41.52 駿河台大

◇女子棒高跳
 ①3m90 鈴木里菜(日体大)
 ②3m80 若園 茜(筑波大)
 ③3m70 中林麻奈(日体大)

◇女子走幅跳
 ①6m13(+1.1) 末永成美(大阪成蹊大)
 ②6m06(+1.0) 山下友佳(立命大)
 ③5m99(+0.3) 福西穂乃佳(京都教育大)
関東勢の期待を集めた山田優(筑波大)がNMに終わってしまい、関西勢がトップ5までを完全制圧。末永は個人インカレとの2冠です。ただ記録的には低調で、今後誰が、どの大学が抜け出てくるか、予測はつきません。

◇女子やり投
 ①58m21 斉藤真理菜(国士大)
 ②55m73 山内 愛(大阪成蹊大)
 ③54m76 瀧川寛子(東大阪大)
 ④54m32 當間汐織(九州共立大)
 ⑤53m95 久世生宝(筑波大)
北口榛花(日大)、山下実花子(九州共立大)の1年生コンビを欠いた(山下は予選敗退)とはいえ、学生女子やり投の錚々たる実力者が集まった中で、関カレ・チャンピオンの斉藤が自己ベストで個人インカレの雪辱を果たしました。これで、現役学生としては久世・山内・北口・山下に続く5人目の58mスロワーとなり、57mの瀧川、55mの當間と続いています。ポスト海老原の座を巡って、この先が非常に面白い種目です。

◇七種競技
 ①5547p ヘンプヒル恵(中大)
 ②5536p 山﨑有紀(九州共立大)
 ③5486p 西村莉子(武庫川女子大)

日本チャンピオンのヘンプヒルに、歳上ながら今年になってこれを脅かすレベルに成長してきた山﨑と西村のデッドヒート。6種目を終わったところで、やり投の52m20でジャンプアップした西村がトップ、24点差でヘンプヒル、さらに22差で山﨑と、800mの秒差にして2秒弱ずつに並ぶせめぎ合いです。
ここは2分13秒台を持つヘンプヒルかと思いきや、山﨑が僅かに先着。しかしコンマ差でヘンプヒルも粘って、この両者の関係はヘンプヒル11点差の逃げ切り。あとは西村の入線待ちでしたが、2人からは大きく離されて首位から3位に後退、上記の順位が確定しました。
5882点(日本選手権)のヘンプヒル、5751点(九州インカレ)の山﨑と、自己記録からするとやや物足りない結果かもしれませんが、好ライヴァルどうしの競り合いで、この種目のレベルを高めていっていただきたいですね。

 

新旧交代


JAC06

女子400m予選も、豪雨のため選手紹介は招集所(屋内)で受け、それからスタート位置に駆け寄ってすぐにスタートコール、という感じでやりにくそうです。
1組では青木りん選手(相洋高)が53秒44という高校生としてはなかなかのタイムで石塚晴子選手(東大阪大)に先着。なかなか、どころか高校歴代5位ですね。これは拍手だ!
3組に出てきた青山聖佳選手(大阪成蹊大)がこれに意地になったか、53秒28のこれまた好タイム。
一方で、2組に出た2人の東邦銀行勢。故障でシーズンインに出遅れた昨年覇者の青木沙弥佳は直線で伸びず、また千葉麻美はいいところなく最下位に沈んで、ともに予選落ち。マイルリレーが派遣対象になったとしても、これでは代表入りは絶望的でしょう。

決勝進出者
<1組>青木りん(相洋高)、石塚晴子(東大阪大)+樫山楓(志學館大)
<2組>吉良愛美(アットホーム)、小田垣亜樹(明石市陸協)
<3組>青山聖佳(大阪成蹊大)、島田幸菜(敦賀高)+松本奈菜子(筑波大)



 
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