豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

矢田みくに

木村友香が5000mランク1位を奪取!



1週間遅れの記事になってしまいましたが、12月4日(日)に横浜市青葉区の日本体育大学健志台陸上競技場で行われた『第255回日本体育大学長距離競技会』女子5000mで、好記録が続出しました。
『全日本実業団女子駅伝』から僅か1週間後のレースながら、この10月1日から有効期間となったロンドン世界選手権の参加標準記録に挑む貴重なチャンスということもあって、実業団・大学・高校の多くのトップランナーが集まる記録会となりました。

<女子5000m第6組成績>

255日体大記録会1-20
255日体大記録会21-41

「日本体育大学長距離競技会」HPより(http://www.nittai-ld.com/result/pc/C201616/main.html)

高校留学生ランナーのエカラレに次いで2着に入った木村友香(ユニバーサルエンターテインメント)のタイムは、7月に横江里沙が『ホクレンディスタンスチャレンジ網走大会』で記録した15分18秒11を僅か0.03秒上回り、堂々2016年の日本ランキング・トップに躍り出ました。
木村は日本選手権を初制覇した1500mでは記録ランキング3位に甘んじていましたが、9月の『デカネーション』で2000mに日本新記録、先週の『実業団駅伝』では初の2区区間賞と続いた充実の1年を締めくくる、見事なレースをしてみせました。これまでの「中距離ランナー」としての活躍から、さらに一皮むけた長距離界のニュー・リーダーへと、着実な成長を続けています。
なお、木村と3着・森田香織(パナソニック)は、ロンドンの標準記録(15分22秒00)を突破。横江や今季2位だった尾西美咲(積水化学)のタイムは有効期間以前に出されたものなので、この2人が来年の代表レースの先陣を切ったことになります。

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感想(1件)


4位以降も好記録が続出した中で、特筆すべきは7位・矢田、9位・小笠原、10位・森林と、3人の高校生が出して見せた快記録です。
U-20世界選手権にも出場した矢田の15分25秒87は、藤永佳子(諫早高)の高校記録15分22秒68に次ぐ高校歴代2位。絹川愛、新谷仁美、小林祐梨子、上原美幸といった後の日本代表の高校時代の記録を抜き去ってしまいました。小笠原と森林のタイムもそれぞれ、高校歴代5位・6位にランクされるものです。
エカラレ、矢田、森林は2年生、小笠原に至ってはまだ1年生です。矢田のルーテル学院は残念ながら今年の都大路で見ることはできませんが、高校女子長距離界もしばらくの間、逸材たちの動向がいっそう楽しみになりました。

3人の高校生に挟まれる格好となった立命館大1年・佐藤成葉のタイムも、大森菜月の15分28秒32を上回る学内現役最高記録(もしかして立命記録?)となります。10月の『全日本大学女子駅伝』ではほろ苦い駅伝デビュー戦となった佐藤が、年末の『全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)』で巻き返しを期す立命大の"秘密兵器”として、俄然注目を集めそうです。

年内にはあと1回、『第17回日本体育大学女子長距離競技会』が24日(土)に予定され、5000mと10000mのレースがプログラムされています。時期的に見て、ここにも多くのトップ選手たちが「標準突破」を目指して挑んでくるものと思われます。
クリスマスイヴの記録ラッシュを、楽しみにしましょう!

 

U-20・5日目/DLロンドン2日目 速報 ~日本400mRで銀メダル!

 

今夜は「U-20」と「DL」が丸カブリ。TVとPCとタブレットを前にしながらのせわしない観戦は疲れてしまうので、TVでじっくりDLロンドンⅡを観た後でポーランドの状況を追うことにしました。


U-20のほうは、モーニング・セッション(日本時間の夕方)から決勝種目が盛り込まれています。
オープニングは男子10000m競歩決勝。40人が出場。
「競歩大国日本」の実力を見せてほしい一戦でしたが、川野将虎(御殿場南高)、山本龍太郎(富山商高)はともにトラックでの10000mは実績がなく、40分41秒で決着した上位陣のスピードにはついて行けなかったようです。
川野が41分42秒48で9位、山本は43分14秒19で25位という結果に終わりました。

続いて女子5000m決勝には、加世田梨花(成田高)矢田みくに(ルーテル女学院高)の2人が登場、出場18人による一発決勝です。
1000mを加世田が先頭で通過する積極的なレースを進めましたが、結局上位はエチオピア、ケニア、バーレーン、ウガンダという「やっぱりね」の顔ぶれとなり、それらの国以外では最上位に粘った加世田は15分39秒66というなかなか立派なPBで8位入賞です。矢田も15分49秒63で12位とまずまずの成績でした。

男子円盤投(1.75㎏)予選には、A組に安藤夢(東海大)、B組にSPとの2種目出場となった幸長慎一(四国大)が、予選通過記録の59m00にチャレンジ。
安藤は3投目の55m93が最高で、この組10位という厳しい状況でB組を待ちます。
B組の幸長は2投目までその安藤の記録を超えられませんでしたが、3投目に日本ジュニア新記録の57m98を投げて全体の10位に上がり、みごと決勝へ進みました。安藤は全体20位に終わっています。

午前のラストは男子4×400mリレー予選(2組3着+2)。
1組の日本チームは松清和希(福岡大)‐北谷直輝(神戸市立科学技術高)‐渡部佳朗(城西大)‐小渕瑞樹(東海大)で臨み、強国ボツワナに次ぐ2位で、ジャマイカやインドを抑えて着順通過を決めました。タイム3分07秒59も全体2位ですが、決勝でメダルまで行くためには、メンバーアップを図ってくるアメリカやジャマイカを相手に、もう少し上げる必要がありそうです。

夜の部は、男子棒高跳決勝から。
5m50オーバーの猛者がひしめく中、5m42の高校記録保持者・江島雅紀(荏田高)が5m00を3回目、10、20、30をそれぞれ2回目と苦しみながらも懸命に食らいつき、次の5m35を一発クリアして一時は3位のポジションにまで上がりました。しかし、40をパスした後の45を2回落として、本来ならここで高校記録更新を目指すところ、「勝負」に出て50にチャレンジした敢闘精神には拍手です。結局、5m35で6位入賞ということになりました。
優勝はディーキン・ヴォルツ(USA)で、5m65のPBを跳んだあとそのまま競技をやめたようです。

女子100mH準決勝(3組2着+2)には、1組に田中佑美(関西大一高)、2組に大久保有梨(中大)が進んでいましたが、田中は13秒46(+0.6)のPBで惜しくも4位(プラスの次々点)、大久保は13秒67(-0.1)で5位と、いずれも決勝進出を逃しました。まあまあ、力は出し切ったのではないでしょうか。

男子やり投決勝に進出した佐道隼矢(東海大)は、64m04としょうもない記録で14選手中の最下位でした。トップ6の記録が前日佐道が投げた72m65より1センチ長かっただけですから、実力を出していれば、というところです。なお、優勝したニアラジ・チョプラ(IND)の記録は今季世界ランク8位になる86m48。またまたインドというやり投新興国から、新井涼平のライヴァルが出現してきました。

男子5000m決勝に出場した遠藤日向(学法石川高)は、日本選手権での好調ぶりから上位が期待されましたが、14分08秒38で13位、阿部弘輝(明大)は14分27秒70で20位という結果に終わりました。(出場25人)
上位は例によってエチオピア、ジブチ、ケニアといったアフリカ勢です。

個人種目では今日一番の期待がかかった男子400mH決勝ですが、上位3人が49秒台前半~中盤で入るハイレベルなレースとなり、山本竜大(日大)が50秒99で5位、渡部佳朗(城西大)は51秒09で7位と、タイムを落としての下位入賞にとどまりました。

そしていよいよ日本チームにとってのメインイベント、男子4×100mリレー決勝
予選と同じく竹田‐山下‐犬塚‐大嶋のメンバーで臨んだ日本は、39秒01と大きくタイムを伸ばしましたが、1走に200m優勝のマイケル・ノーマン・ジュニア、4走に100m優勝のノア・ライルズを起用したアメリカに0.08秒及ばず銀メダルとなりました。おそらく、ゴール寸前までは日本がトップに立っていたのではないかと想像されます。ドイツ、ジャマイカを0.12秒差で退けての2位ですから、拍手を送ることにしましょう。



さて、ダイヤモンドリーグ第11戦ロンドンⅡは、男子では5000mでのモー・ファラー(GBR)の独走Vが会場を大いに盛り上げました。優勝タイム12分59秒29はWLです。日本からただ一人参加した鎧坂哲哉(旭化成)は周回遅れで14分14秒89のブービーに終わりました。

女子では短距離2種目が注目されましたが、100mのシェリー・アン・フレイザー=プライス(JAM)は11秒を切れずに3着に留まり、調子が上がっていないことを露呈してしまいました。どうやらオリンピック3連覇は黄信号。

200mのダフネ・スキッパーズ(NED)は22秒13(-0.8)で圧勝。こちらはシーズン序盤からするとかなり順調に仕上がってきており、オリンピック本命の位置を確保したと言ってよさそうです。

このほか、昨年の世界選手権でマルチタレントぶりが注目されたカタリナ・ジョンソン=トンプソン(GBR)は、前日のHJでのPB1m95に続いてこの日はLJに6m84(+0.9)のSBで優勝。リオでは七種競技ともども複数種目での活躍が期待されます。


 
ギャラリー
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