いよいよ『第101回日本陸上競技選手権』が、明日からの開催と迫ってまいりました。
2週間前から書き始めた「見どころ」ですが、会期前にひととおり書き終えるかどうか、どうも怪しくなってきました。
ブログデビュー直後だった昨年は、会期前から会期中と、書く時間がたっぷりあったんですが、今回は仕事の合間を縫ってということで、なかなか思うに任せないんですよ。初日の金曜日もリアルタイムでのインターネット観戦~速報記事という去年のパターンはできません。ということで「見どころ」も少々端折りますけど、よろしくご容赦願います。
◆<跳躍>活況の男子、不況の女子
1990年代であれば、跳躍種目の注目度ナンバーワンといえば女子走高跳、2000年代なら女子走幅跳、というのが日本陸上界の傾向でしたが、現在のところは男子が各種目に代表を送り出す勢いがあるのに対して、女子はまったくいけません。
男子では、走高跳=衛藤昴(AGF)、棒高跳=山本聖途(トヨタ自動車)・荻田大樹(ミズノ)、三段跳=山本凌雅(順天堂大4)と「標準」到達者が4名。走幅跳でも、サラブレッド橋岡優輝(日大1)を筆頭に8m15の「標準」を視野に入れている選手は大勢います。
対して女子はというと、各種目の「標準」が、HJ=1m94、PV=4m55、LJ=6m75、TJ=14m10ということで、現有戦力ではとても「無理無理!」。唯一リオ五輪代表になったLJの甲斐好美(VOLVER)はノー・エントリー。どうにもなりません。
何か、理由というか、この傾向をもたらしている要因があるのでしょうね。私には今のところ思い当たることがありません。なぜ、日本の女子アスリートはバネをなくしてしまったのでしょう?
種目別に見ると、男子走高跳は「標準」を2度クリアしている好調の衛藤に対してエースの意地を見せたい戸邉直人(つくばTP)、ベテランの高張広海(日立ICT)が絡む展開。平松祐司(筑波大3)が不参加のため、「標準」に近い争いになるとこの3人以外ではちょっと荷が重くなります。
棒高跳は「標準」の2人に今季はセミリタイア状態か?とも思われた澤野大地(富士通)が巻き返しを図る構図は去年と同じですが、ここに進境著しい江島雅紀(日大1)が加わります。標準記録云々はともかく、自身が塗り替えたばかりのU-20日本記録5m61の更新を狙っていただきたいものです。
走幅跳は今季唯一8mを超えているのが関東インカレの橋岡。昨年大台に乗せた城山正太郎(ゼンリン)、山川夏輝(日大4)、他は峯村鴻汰(モンテローザ→富士通)、下野伸一郎(九電工)、小田大樹(日大4)などが7m90台にひしめくという感じですが、条件次第で8mラッシュという状況も起きるかもしれません。8m18を持つ菅井洋平(ミズノ)の復活にも期待したいところです。
三段跳はリオ組の長谷川大悟(横浜市陸協)と山下航平(福島陸協)がともに「一発屋」で終わっており、唯一の「標準」到達者・山本の安定感が群を抜きます。昨年大会新記録を跳びながら山下に敗れた関東インカレの悔しさが、いいモチベーションになったのではないでしょうかね。
女子は、優勝者予想くらいしかできないのが寂しいですけど。
走高跳はここのところ安定して1m80をクリアしているのが仲野春花(早稲田大3)くらいという状況。本人はユニバ標準記録の1m84を大目標に掲げていますので、視線が高い分、有利だと思います。大雨の中で行われた昨年を制した京谷萌子(北海道ハイテクAC)やベテランの福本幸(甲南学園AC)らがどこまで食い込めるか。
棒高跳は第一人者の我孫子智美(滋賀レイクスターズ)の出来次第というところ。4m20程度のバーであれば、まだ優勝経験のない仲田愛(水戸信金)、昨年の覇者・青島綾子(新潟アルビレックスRC)、最近ネットで注目度の高い今野美穂(トーエル)らが台頭してきそうです。
走幅跳はまさにドングリの背比べ状態で予測不能。持ち記録最上位の枡見咲智子(九電工)も全盛期の勢いはなく、ヘンプヒル恵(中央大3)に初優勝・混成と二冠のチャンスがあります。
美人の多い三段跳は、宮坂楓(ニッパツ)の独擅場でしょう。
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◆<投擲>ごめんなさい!注目は男女ともやり投だけ
ということで、男子は今季スランプの新井涼平(スズキ浜松AC)に「標準・楽勝」の斬れ味が戻っているかどうか。うかうかしていると、重鎮・村上幸史(スズキ浜松AC)はおろか、長谷川鉱平(福井陸協)や伸び盛りの佐藤隼矢(東海大3)あたりにも足元を掬われかねません。
そして女子は、私的には今季のフィールド・イチオシ注目種目。
大エースの海老原有希(スズキ浜松AC)、時々穴をあける宮下梨沙(大体大TC)、若手最有望株の北口榛花(日大2)、そして今年新たに60mスロワーに仲間入りした斉藤真理菜(国士舘大4)。さらには瀧川寛子(中京大大学院)、當間汐織(九州共立大4)、山下実花子(九州共立大2)、長麻尋(和歌山北高3)といったイキのいい若手が55~60mの間にズラリと順番を待っています。嫁に行って(だと思いますが)名前が変わった森友佳(東大阪市陸協)も元気です。
やり投って、冬のスキージャンプ競技に似た面白さがありますよね。いい向かい風を貰って、白熱の空中戦を、ぜひとも!
ほんと、思いっきし端折っちゃって、スイマセン。