豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

江島雅紀

日本インカレ初日~男子棒高跳・女子やり投で大会新


『天皇賜杯第86回日本学生陸上競技対抗選手権(通称:日本インカレ、全カレ)』が開幕しました。
桐生祥秀と多田修平の100m頂上対決が話題を占めています。予選・準決勝はともに強い追い風の吹く中、まずは両者互角の睨み合いといったところ。3番手以降の選手も僅差で続いており、土曜日の決勝では好記録のレースが期待されます。

◇男子100m・準決勝
 1組(+2.9) ①多田 修平(関西学院大3) 10"20 Q
②染谷 佳大(中央大1) 10"27 Q
 2組(+2.4) ①桐生 祥秀(東洋大4) 10"14 Q
②田中 佑典(日本ウェルネス大2)10"28 Q
③川上 拓也(中央大4) 10"31 q
 3組(+2.8) ①竹田 一平(中央大3) 10"21 Q
②大嶋 健太(日本大2) 10"23 Q
③西村 顕志(富山大4) 10"26 q


その一方で、男子棒高跳、女子やり投というフィールド2種目で大会新記録が生まれるレベルの高い戦いがありました。

男子PVでは、ゴールデンルーキー江島雅紀と関東チャンピオンの来間弘樹が登場しましたが、機先を制して大会新の5m60を先にクリアした中京大4年の鈴木康太が競り勝ち、さらにバーを5m70に上げる見せ場を作りました。
江島は関カレに続いて全カレでも狙っていた4連覇の出鼻を挫かれた格好となり、注目のルーキーイヤーは吉凶相半ばするシーズンとなりました。

◇男子棒高跳
 ①鈴木 康太(中京大4) 5m60 GR
 ②江島 雅紀(日本大1) 5m50
 ③来間 弘樹(順天堂大4) 5m50

女子やり投は、ともにユニバーシアードに出場して余裕の予選通過を果たしながら、片や日本学生新記録で銀メダル、片やトップ8落ちと明暗を分けた斉藤真理菜と北口榛花が再びマッチアップ。
1投目でいきなり自身の持つ大会記録を1m40も上回る59m61でトップに立った斉藤が、2投目にして早くも60オーバーの60m24でトップに立ち、さすがの貫録を見せます。
一方の北口は3投目まで55mラインにも届かず、5位で4投目以降に進出。4投目に56m11、5投目に58m54と調子を上げる一方、斉藤は「ライバルは自己記録のみ」と力んだ投擲が続いたか3投目以降は55m前後をウロウロ。
すると最終6投目に、北口が昨年7月以来の60超えとなる60m49で大逆転。斉藤の最終投擲は54m台に終り、見事なユニバのリベンジが達成されました。
3位は北口とともに昨年のU-20世界選手権に出場した山下実花子。彼女にも早く、「60mクラブ」の仲間入りをして欲しいものです。

◇女子やり投
 ①北口 榛花(日本大2) 60m49 GR
 ②斉藤 真理菜(国士舘大4) 60m24 GR
 ③山下 実花子(九州共立大2) 57m11

アシックス(アシックス) 日本代表応援Tシャツ A17B11.JP90 (ブラック/S/Men's)

その他の決勝リザルト上位3名は、次のとおりです。

◇男子400m
 ①ウォルシュ・ジュリアン(東洋大3) 46"80
 ②髙橋 祐満(近畿大4) 47”65
 ③好岡 郁弥(福岡大4) 47”67

ウォルシュが戻って来た!…というのが唯一の収穫で、ひと頃勢いのあった学生400mはどうしちゃったんでしょうか?世界選手権代表の北川貴理(順天堂大3)は48秒台、U-20代表の松清和希(福岡大2)は49秒台でいずれも予選落ち、オリンピアンの加藤修也(早稲田大4)はDNS…いやはやなんとも。

◇男子1500m
 ①舟津 彰馬(中央大2) 4’01”31
 ②清水 鐘平(山梨学院大3) 4’01”46
 ③田母神 一喜(中央大3) 4’01”51

1位から10位までが1秒29差。動画を見ましたらラスト1周からのヨーイドンになったみたいですね。それにしても4分かかるシニアのレースって…。本命の呼び声高かった館澤亨次(東海大2)は6位に終っています。

◇10000m
 ①サイモン・カリウキ(日本薬科大3) 28’20”50
 ②パトリック・ワンブイ(日本大3) 28’21”85
 ③西山 和弥(東洋大1) 28’44”88

ユニバ銅メダルの塩尻和也(順天堂大3)は、東洋のルーキー西山に先を越されて表彰台ならず(4位)。全体を見渡すと、青山学院、駒澤といったところがエントリーしていないものの、今季の男子学生長距離陣はやや小粒感あり、でしょうか?

◇男子ハンマー投
 ①根本 太樹(流通経済大M2) 67m18
 ②木村 友大(九州共立大3) 66m00
 ③奥村 匡由(流通経済大M1) 65m83

茨城県の大学院生が大活躍!それにしても、室伏広治の大会記録71m84は、決して雲の上の数字じゃないんですけどねえ。(日本記録は雲の上ですが)

◇男子やり投
 ①小南 拓人(国士舘大4) 78m53
 ②小椋 健司(日本大4) 78m32
 ③相原 大聖(日本大4) 77m41

女子ほどではないが、上位はなかなかの好記録。ユニバ・コンビがワンツー。

◇女子400m
 ①岩田 優奈(中央大2) 55”37
 ②佐藤 日奈子(大東文化大3) 55”56
 ③小林 茉由(日本体育大3) 55”67

男子に付き合ったのか、こちらも記録低調。春先から下降線の青山聖佳(大阪成蹊大3)は7着惨敗。石塚晴子(東大阪大2)はエントリーなし。

◇女子1500m
 ①卜部 蘭(東京学芸大4) 4’28”06
 ②上田 未奈(城西大3) 4’28”50
 ③保坂 野恋花(東京農業大2) 4’28”65

◇女子10000m
 ①今村 咲織(順天堂大4) 33’05”02
 ②清水 真帆(大阪学院大3) 33’07”45
 ③古谷 奏(松山大3) 33’10”88

中長距離2種目が終った段階ですが、去年ほどの「松山旋風」は吹き荒れていません。大学女子駅伝の大本命・立命館は、太田琴菜(4年)の10000m4位が最高ながら、関紅葉(3年)・和田優香里(4年)と主力どころが出場して順調の模様。5000mには佐藤成葉(2年)・加賀山恵奈(3年)も出ます。松山ではやはり3000mSCの高見澤安珠(4年)が注目。
ユニバ・ハーフマラソン金メダルの棟久由貴(東京農業大2)は10000m5位。

◇女子走高跳
 ①仲野 春花(早稲田大3) 1m81
 ②寺谷 諭美(筑波大3) 1m75
 ③濱津 麻愛(大阪国際大4) 1m75

この種目はいまや仲野の一人天下。トワイライト・ゲームズで1m83を跳んで今回は84に上げましたが残念。久々の90の大台を彼女に期待するのは、酷でしょうかね?

◇女子砲丸投
 ①郡 菜々佳(九州共立大2) 16m57
 ②太田 亜矢(福岡大4) 15m68
 ③長沼 瞳(国士舘大4) 15m19

これって、もしかして郡のPB?森千夏さん亡き後、なんか久々にまともな女子SPの記録を見たような気がします。その森さんが残した大会記録まで、あと4センチ!順調にいけば、標準記録レベルも見えてくるかもしれません。

さて、第2日は男子100m決勝を中心に、さらなる盛り上がりを期待しましょう。

<遅報!?>ユニバーシアード日本選手の成績


ほんと、投稿が遅くなってスイマセン。先月23日~28日に台北市で開催された、2017夏季ユニバーシアード大会・陸上競技の結果をまとめます。
今回のユニバは、日本選手団が全競技総合の金メダル数(37)、メダル総数(101)ともに第1位となる大活躍で、我が陸上競技でも史上最多の7個の金メダルを獲得しました。(過去最高は1967年東京・95年福岡大会の5個)

◇種目別優勝者と日本選手結果・・・

<男子>
100m ①ヤン・チュンハン(TPE) 10"22(-0.9)
⑦多田 修平(関西学院大3) 10"33
-田中 佑典(日本ウエルネススポーツ大) 2次予選敗退(10"60)

200m ①ジェフリー・ジョーン(FRA) 20"93(-3.8)
⑧山下 潤(筑波大2) 21"16
-北川 翔(順天堂大4) 21"05

400m ①アクィノ・サントス(DOM) 45"24
-北川 貴理(順天堂大3) 予選敗退(47"85)

800m ①イェズス・ロペス‐アルバレス(POR) 1'46"06

1500m ①ティモ・ベニツ(GER) 3'43"45

5000m ①フランシス・バレ(FRA) 14'00"86
-塩尻 和也(順天堂大3) 予選DNS

10000m ①サディク・バハティ(UGA) 29'08"68
③塩尻 和也(順天堂大3) 29'20"96
-鈴木 塁人(青山学院大2) DNS

110mH ①バジ・バラズ(HUN) 13"35(-0.5)
④金井 大旺(法政大4) 13"69
⑤野本 周成(早稲田大4) 13"71

400mH ①アクィノ・サントス(DOM) 48"65
-鍛治木 崚(城西大4) 準決勝敗退(50"99)

3000mSC ①クリスチャン・ザレヴスキ(POL) 8'35"88

4×100mR ①日本(田中‐多田‐北川翔‐山下) 38"65

4×400mR ①ドミニカ共和国 3'04"34

ハーフマラソン ①片西 景(駒澤大3) 1:06'09"
②工藤 有生(駒澤大4) 1:06'23"
③鈴木 健吾(神奈川大4) 1:06'56"

⑥栃木 渡(順天堂大4) 1:08'59"
⑫鈴木 塁人(青山学院大2) 1:10'23"

同・団体 ①日 本(片西・工藤・鈴木健)

20kmW ①山西 利和(京都大4) 1:27'30"
③及川 文隆(東洋大4) 1:30'11"

⑦野田 明宏(明治大4) 1:31'00"

同・団体 ①日 本(山西・及川・野田)

走高跳 ①ファルク・ヴェンドリヒ(GER) 2m29

棒高跳 ①ディオゴ・フェレイラ(POR) 5m55
④江島 雅紀(日本大1) 5m40

走幅跳 ①ユスカ・ラデク(CZE) 8m02(+0.2)
-橋岡 優輝(日本大1) 予選DNS

三段跳 ①ナジム・ババイェフ(AZE) 17m01(+1.1)
③山本 凌雅(順天堂大4) 16m80(+1.7)

砲丸投
①フランシスコ・ベロ(POR) 20m86

円盤投 ①レジナルド・ジャガーズ(USA)  61m24

ハンマー投 ①パヴェル・ファイデク(POL) 79m16
⑬墨 訓煕(中京大 修2) 64m00

やり投 ①チェン・チャオツン(TPE) 91m36 UR
⑨小椋 健司(日本大4) 74m82
-小南 拓人(国士舘大4) 予選敗退(70m43)

十種競技 ①カイル・クランストン(AUS) 7687pt.


<女子>
100m ①シャシャリー・フォーブス(JAM) 11"18(-0.3)
-前山 美優(新潟医療福祉大) 2次予選敗退(11"93)
-壱岐いちこ(立命館大2) 2次予選敗退(11"96)

200m ①イレーネ・シラグザ(ITA) 22"96(-1.4)
-中村 美月(大阪成蹊大4) 予選敗退(25"17)
-竹内 爽香(慶應義塾大4) 予選敗退(24"68)

400m ①マルゴルザッタ・ホルブ(POL) 51"76

800m ①ブランコ・アルマンザ(CUB) 2'02"21

1500m ①アメラ・テルジッチ(SRB) 4'19"18

5000m ①ハンナ・クライン(GER) 15'45"28
⑩細田 あい(日本体育大4) 15'05"66
⑭関谷 夏希(大東文化大2) 16'26"36

10000m ①ダリア・マスロヴァ(KGZ) 33'19"27
③細田 あい(日本体育大4) 33'27"89
④棟久 由貴(東京農業大2) 33'40"45
⑫関谷 夏希(大東文化大2) 35'21"19

100mH ①ナディネ・ヴィッサー(NED) 12"98(-1.3)

400mH ①アヨミデ・フォロルンゾ(ITA)  55"63

3000mSC ①チュグバ・グーヴェンツ(TUR)  9'51"27

4×100mR ①スイス 43"81
③日本(竹内‐中村‐壱岐‐前山) 44"56 日本学生新

4×400mR ①ポーランド 3'26"75

ハーフマラソン ①棟久 由貴(東京農業大2) 1:13'48"
③福居 紗希(城西大4) 1:14'37"

④古谷 奏(松山大3) 1:15'10"
⑤出水田 眞紀(立教大4) 1:16'24"
⑪山口 可純(大東文化大2) 1:21'55"

同・団体 ①日 本(棟久・福居・古谷)

20kmW ①インナ・カシャイナ(UKR) 1:39'44"

走高跳 ①オクサナ・オクニエワ(UKR) 1m97

棒高跳 ①イリナ・チュック(BLR) 4m40

走幅跳 ①アリナ・ロタルー(ROU) 6m65(+0.3)

三段跳 ①ニーレ・エッカート(GER) 13m91(0.0)

砲丸投 ①ブリタニー・クルー(CAN) 18m34

円盤投 ①クリスティン・プーデンツ(GER) 59m09

ハンマー投 ①マルヴィナ・コプロン(POL) 76m85 UR

やり投 ①マルセリナ・ヴィテク(POL) 63m31
②斉藤 真理菜(国士舘大4) 62m37 日本学生新
⑩北口 榛花(日本大2) 56m30

七種競技 ①フェレナ・プライナー(AUT) 6224pt.
-ヘンプヒル恵(中央大3) DNS

うーむ、金メダル7つの内訳が個人ロードで3つ・団体種目で4つとは、さすが日本。
今回はアメリカなどがまるきし本気のチームを送ってきていませんので、メダルラッシュを素直に評価することはできませんが、その中で女子やり投の斉藤真理菜にはMVPを差し上げたいくらいですね。

2投目の61m06でトップに立ち、5投目に逆転を許しましたが6投目の最終投擲者としてベスト・パフォーマンスで追いすがった見事な戦いぶり。世界選手権に続く60mオーバーでしかも北口榛花から学生記録を奪取する大幅なPB。いよいよ、海老原女帝に代わるエースに成長してきました。
今シーズンの開幕当初、女子やり投への大きな期待について書きました。期待どおり、と言うには斉藤以外の選手の活躍がイマイチですが、世界選手権のフルエントリーも実現しましたし、一人でもこうして若い選手が国際レベルの地力を付けてきているのは、嬉しい限りです。

それにしても、大遅報のレポートで申し訳ありません。(仕事忙しかったもんで…)
せめて月刊専門誌が発売される前に、と思ってまとめてみました。

第101回日本選手権の見どころ ⑥ ~男女フィールド


いよいよ『第101回日本陸上競技選手権』が、明日からの開催と迫ってまいりました。
2週間前から書き始めた「見どころ」ですが、会期前にひととおり書き終えるかどうか、どうも怪しくなってきました。
ブログデビュー直後だった昨年は、会期前から会期中と、書く時間がたっぷりあったんですが、今回は仕事の合間を縫ってということで、なかなか思うに任せないんですよ。初日の金曜日もリアルタイムでのインターネット観戦~速報記事という去年のパターンはできません。ということで「見どころ」も少々端折りますけど、よろしくご容赦願います。

◆<跳躍>活況の男子、不況の女子
1990年代であれば、跳躍種目の注目度ナンバーワンといえば女子走高跳、2000年代なら女子走幅跳、というのが日本陸上界の傾向でしたが、現在のところは男子が各種目に代表を送り出す勢いがあるのに対して、女子はまったくいけません。
男子では、走高跳=衛藤昴(AGF)、棒高跳=山本聖途(トヨタ自動車)・荻田大樹(ミズノ)、三段跳=山本凌雅(順天堂大4)と「標準」到達者が4名。走幅跳でも、サラブレッド橋岡優輝(日大1)を筆頭に8m15の「標準」を視野に入れている選手は大勢います。
対して女子はというと、各種目の「標準」が、HJ=1m94、PV=4m55、LJ=6m75、TJ=14m10ということで、現有戦力ではとても「無理無理!」。唯一リオ五輪代表になったLJの甲斐好美(VOLVER)はノー・エントリー。どうにもなりません。
何か、理由というか、この傾向をもたらしている要因があるのでしょうね。私には今のところ思い当たることがありません。なぜ、日本の女子アスリートはバネをなくしてしまったのでしょう?

種目別に見ると、男子走高跳は「標準」を2度クリアしている好調の衛藤に対してエースの意地を見せたい戸邉直人(つくばTP)、ベテランの高張広海(日立ICT)が絡む展開。平松祐司(筑波大3)が不参加のため、「標準」に近い争いになるとこの3人以外ではちょっと荷が重くなります。
棒高跳は「標準」の2人に今季はセミリタイア状態か?とも思われた澤野大地(富士通)が巻き返しを図る構図は去年と同じですが、ここに進境著しい江島雅紀(日大1)が加わります。標準記録云々はともかく、自身が塗り替えたばかりのU-20日本記録5m61の更新を狙っていただきたいものです。
走幅跳は今季唯一8mを超えているのが関東インカレの橋岡。昨年大台に乗せた城山正太郎(ゼンリン)、山川夏輝(日大4)、他は峯村鴻汰(モンテローザ→富士通)、下野伸一郎(九電工)、小田大樹(日大4)などが7m90台にひしめくという感じですが、条件次第で8mラッシュという状況も起きるかもしれません。8m18を持つ菅井洋平(ミズノ)の復活にも期待したいところです。
三段跳はリオ組の長谷川大悟(横浜市陸協)と山下航平(福島陸協)がともに「一発屋」で終わっており、唯一の「標準」到達者・山本の安定感が群を抜きます。昨年大会新記録を跳びながら山下に敗れた関東インカレの悔しさが、いいモチベーションになったのではないでしょうかね。

女子は、優勝者予想くらいしかできないのが寂しいですけど。
走高跳はここのところ安定して1m80をクリアしているのが仲野春花(早稲田大3)くらいという状況。本人はユニバ標準記録の1m84を大目標に掲げていますので、視線が高い分、有利だと思います。大雨の中で行われた昨年を制した京谷萌子(北海道ハイテクAC)やベテランの福本幸(甲南学園AC)らがどこまで食い込めるか。
棒高跳は第一人者の我孫子智美(滋賀レイクスターズ)の出来次第というところ。4m20程度のバーであれば、まだ優勝経験のない仲田愛(水戸信金)、昨年の覇者・青島綾子(新潟アルビレックスRC)、最近ネットで注目度の高い今野美穂(トーエル)らが台頭してきそうです。
走幅跳はまさにドングリの背比べ状態で予測不能。持ち記録最上位の枡見咲智子(九電工)も全盛期の勢いはなく、ヘンプヒル恵(中央大3)に初優勝・混成と二冠のチャンスがあります。
美人の多い三段跳は、宮坂楓(ニッパツ)の独擅場でしょう。

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◆<投擲>ごめんなさい!注目は男女ともやり投だけ
ということで、男子は今季スランプの新井涼平(スズキ浜松AC)に「標準・楽勝」の斬れ味が戻っているかどうか。うかうかしていると、重鎮・村上幸史(スズキ浜松AC)はおろか、長谷川鉱平(福井陸協)や伸び盛りの佐藤隼矢(東海大3)あたりにも足元を掬われかねません。

そして女子は、私的には今季のフィールド・イチオシ注目種目。
大エースの海老原有希(スズキ浜松AC)、時々穴をあける宮下梨沙(大体大TC)、若手最有望株の北口榛花(日大2)、そして今年新たに60mスロワーに仲間入りした斉藤真理菜(国士舘大4)。さらには瀧川寛子(中京大大学院)、當間汐織(九州共立大4)、山下実花子(九州共立大2)、長麻尋(和歌山北高3)といったイキのいい若手が55~60mの間にズラリと順番を待っています。嫁に行って(だと思いますが)名前が変わった森友佳(東大阪市陸協)も元気です。
やり投って、冬のスキージャンプ競技に似た面白さがありますよね。いい向かい風を貰って、白熱の空中戦を、ぜひとも!

ほんと、思いっきし端折っちゃって、スイマセン。

U-20・5日目/DLロンドン2日目 速報 ~日本400mRで銀メダル!

 

今夜は「U-20」と「DL」が丸カブリ。TVとPCとタブレットを前にしながらのせわしない観戦は疲れてしまうので、TVでじっくりDLロンドンⅡを観た後でポーランドの状況を追うことにしました。


U-20のほうは、モーニング・セッション(日本時間の夕方)から決勝種目が盛り込まれています。
オープニングは男子10000m競歩決勝。40人が出場。
「競歩大国日本」の実力を見せてほしい一戦でしたが、川野将虎(御殿場南高)、山本龍太郎(富山商高)はともにトラックでの10000mは実績がなく、40分41秒で決着した上位陣のスピードにはついて行けなかったようです。
川野が41分42秒48で9位、山本は43分14秒19で25位という結果に終わりました。

続いて女子5000m決勝には、加世田梨花(成田高)矢田みくに(ルーテル女学院高)の2人が登場、出場18人による一発決勝です。
1000mを加世田が先頭で通過する積極的なレースを進めましたが、結局上位はエチオピア、ケニア、バーレーン、ウガンダという「やっぱりね」の顔ぶれとなり、それらの国以外では最上位に粘った加世田は15分39秒66というなかなか立派なPBで8位入賞です。矢田も15分49秒63で12位とまずまずの成績でした。

男子円盤投(1.75㎏)予選には、A組に安藤夢(東海大)、B組にSPとの2種目出場となった幸長慎一(四国大)が、予選通過記録の59m00にチャレンジ。
安藤は3投目の55m93が最高で、この組10位という厳しい状況でB組を待ちます。
B組の幸長は2投目までその安藤の記録を超えられませんでしたが、3投目に日本ジュニア新記録の57m98を投げて全体の10位に上がり、みごと決勝へ進みました。安藤は全体20位に終わっています。

午前のラストは男子4×400mリレー予選(2組3着+2)。
1組の日本チームは松清和希(福岡大)‐北谷直輝(神戸市立科学技術高)‐渡部佳朗(城西大)‐小渕瑞樹(東海大)で臨み、強国ボツワナに次ぐ2位で、ジャマイカやインドを抑えて着順通過を決めました。タイム3分07秒59も全体2位ですが、決勝でメダルまで行くためには、メンバーアップを図ってくるアメリカやジャマイカを相手に、もう少し上げる必要がありそうです。

夜の部は、男子棒高跳決勝から。
5m50オーバーの猛者がひしめく中、5m42の高校記録保持者・江島雅紀(荏田高)が5m00を3回目、10、20、30をそれぞれ2回目と苦しみながらも懸命に食らいつき、次の5m35を一発クリアして一時は3位のポジションにまで上がりました。しかし、40をパスした後の45を2回落として、本来ならここで高校記録更新を目指すところ、「勝負」に出て50にチャレンジした敢闘精神には拍手です。結局、5m35で6位入賞ということになりました。
優勝はディーキン・ヴォルツ(USA)で、5m65のPBを跳んだあとそのまま競技をやめたようです。

女子100mH準決勝(3組2着+2)には、1組に田中佑美(関西大一高)、2組に大久保有梨(中大)が進んでいましたが、田中は13秒46(+0.6)のPBで惜しくも4位(プラスの次々点)、大久保は13秒67(-0.1)で5位と、いずれも決勝進出を逃しました。まあまあ、力は出し切ったのではないでしょうか。

男子やり投決勝に進出した佐道隼矢(東海大)は、64m04としょうもない記録で14選手中の最下位でした。トップ6の記録が前日佐道が投げた72m65より1センチ長かっただけですから、実力を出していれば、というところです。なお、優勝したニアラジ・チョプラ(IND)の記録は今季世界ランク8位になる86m48。またまたインドというやり投新興国から、新井涼平のライヴァルが出現してきました。

男子5000m決勝に出場した遠藤日向(学法石川高)は、日本選手権での好調ぶりから上位が期待されましたが、14分08秒38で13位、阿部弘輝(明大)は14分27秒70で20位という結果に終わりました。(出場25人)
上位は例によってエチオピア、ジブチ、ケニアといったアフリカ勢です。

個人種目では今日一番の期待がかかった男子400mH決勝ですが、上位3人が49秒台前半~中盤で入るハイレベルなレースとなり、山本竜大(日大)が50秒99で5位、渡部佳朗(城西大)は51秒09で7位と、タイムを落としての下位入賞にとどまりました。

そしていよいよ日本チームにとってのメインイベント、男子4×100mリレー決勝
予選と同じく竹田‐山下‐犬塚‐大嶋のメンバーで臨んだ日本は、39秒01と大きくタイムを伸ばしましたが、1走に200m優勝のマイケル・ノーマン・ジュニア、4走に100m優勝のノア・ライルズを起用したアメリカに0.08秒及ばず銀メダルとなりました。おそらく、ゴール寸前までは日本がトップに立っていたのではないかと想像されます。ドイツ、ジャマイカを0.12秒差で退けての2位ですから、拍手を送ることにしましょう。



さて、ダイヤモンドリーグ第11戦ロンドンⅡは、男子では5000mでのモー・ファラー(GBR)の独走Vが会場を大いに盛り上げました。優勝タイム12分59秒29はWLです。日本からただ一人参加した鎧坂哲哉(旭化成)は周回遅れで14分14秒89のブービーに終わりました。

女子では短距離2種目が注目されましたが、100mのシェリー・アン・フレイザー=プライス(JAM)は11秒を切れずに3着に留まり、調子が上がっていないことを露呈してしまいました。どうやらオリンピック3連覇は黄信号。

200mのダフネ・スキッパーズ(NED)は22秒13(-0.8)で圧勝。こちらはシーズン序盤からするとかなり順調に仕上がってきており、オリンピック本命の位置を確保したと言ってよさそうです。

このほか、昨年の世界選手権でマルチタレントぶりが注目されたカタリナ・ジョンソン=トンプソン(GBR)は、前日のHJでのPB1m95に続いてこの日はLJに6m84(+0.9)のSBで優勝。リオでは七種競技ともども複数種目での活躍が期待されます。


 

U-20・3日目速報 ~110mH古谷が銅メダル!!



ポーランドのビドゴシチで開催中のIAAF U-20世界選手権は、中盤の3日目を迎えました。
ここまで日本選手は女子やり投・山下実花子(九州共立大)の6位が最高、そろそろメダル1号の声が聞きたいところです。

この日最初の登場は、男子棒高跳予選江島雅紀(荏田高)大久保圭介(関西学院大)
予選通過ラインは5m20で14人が決勝に駒を進めました。この春に高校新記録を樹立した江島は5m10を2回失敗してピンチに陥りましたが、3回目でクリアすると5m20は一発で越えて、14人の中の一人となりました。
大久保は4m80と95を3回目、5m10を2回目と苦しみながらも凌いだものの、自己ベスト・タイの5m20は失敗して決勝ならず。

トラックでは、男子3000mSC予選(2組5着+5)に荻野太成(神奈川大)がただ一人1組に出場。
この組は10000mの再現のように、エチオピア、ケニア、エリトリア、ウガンダの選手が上位を占め、荻野は粘りの走りで8分51秒50の5位となり着順で決勝進出です。

期待の種目・男子400mH予選(7組3着+3)には、渡部佳朗(城西大)山本竜大(日大)が出場。
5組に登場した山本は51秒51で3着、6組の渡部は51秒10の1着で、ともに明日の準決勝に進出を決めました。6組は2人が失格、2人がDNF(うち1人は救済措置で準決勝進出)となる大荒れのレースだったようですが、渡部のタイムは全体の3番目となる堂々たるものです。まだ49秒台は出ていません。

モーニング・セッション最後の男子200m予選(5組4着+4)も期待の種目。三段跳でリオ代表に滑り込んだ“山下ジュニア”航平の弟・山下潤(筑波大)と、犬塚渉(順大)が挑みます。
まず1組に登場した犬塚が21秒41(+1.3)の4着で準決勝進出を決めると、4組の山下も3着で自力通過。しかも-1.2mの悪条件下で20秒89の自己ベストは立派です。

その男子200m準決勝(3組2着+2)が、ナイト・セッション最初の日本選手出場種目になりました。
1組の山下は、今度は+1.5mの好条件に恵まれて、予選以前の自己ベストを0.29秒も上回る20秒67で3着。上位4名がかなりの接戦でレベルの高い組となり、まずはプラスで拾われる可能性は高くなりました。
一方の犬塚は調子が上がらず、3組で21秒41(+2.0)の6着に終わりました。
全体では南アフリカ勢がヴァンニーケルクに続けとばかりに1位・2位を占め、山下は4番目のタイムで決勝進出です。関東インカレの時の航平選手といい、どうもこの兄弟は2人とも、調子に乗ると大幅に自己ベストを破るところがあるみたいですね。

続いて登場したのは女子400mH準決勝(3組2着+2)の石塚晴子(東大阪大)です。トラック女子ではエース的存在。
しかしながら調子は最後まで上がらず、PBに1.8秒及ばない58秒55で3組3着。プラスには1組・2組で各3着の選手が入り、石塚は400mに続いて不本意な結果に終わりました。せめて57秒台なら余裕で決勝に行けただけに、この調子落ちは残念です。

男子400m準決勝(3組2着+2)には、松清和希(福岡大)北谷直輝(神戸市立科学技術高)が進出しています。
まず1組の北谷が46秒41のPBで4着となり、残るふた組の結果を待ちます。この記録は兵庫県高校新記録で日本高校歴代7位。
2組の松清も46秒69のPBで、こちらは堂々の2着で決勝進出。
3組を終わって北谷も決勝進出が決まりました。
両者のこれまでのPBは松清が46秒74、北谷が46秒89ですから、北谷の大幅な躍進が目立ちます。決勝進出者の中では7番手、8番手のポジションになりますが、一つでも上を目指してほしいところです。

ここからは決勝種目が続きますが、日本選手の登場は男子110mH古谷拓夢(早大)のみ。
その古谷選手、やりました!アジア・ジュニア新記録の13秒31(+0.2)でみごと銅メダル!
1位・2位はアメリカ勢でマーカス・クラーの13秒25にアミール・ラテンの13秒30。古谷はかなり際どい金メダル争いに加わっての、堂々の銅!だったわけですね。これで古谷は、ジュニア規格・シニア規格(13秒73)両方の日本ジュニア記録保持者となりました。

明日はヨンケイの予選・決勝や男子走高跳、3000mSC、400m、200mの各決勝に日本選手が登場してきます。特に平松祐司にはシニア代表の貫録を見せてほしいですね。ノってる山下ジュニアの快走にも、リレー・200mともども期待です。

 
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