豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

梅原紗月

明日は静岡国際


GWも中盤。5月3日(水)は『第33回静岡国際陸上競技大会』がエコパスタジアムで行われます。
かつては草薙競技場で開催され、『草薙リレーカーニバル』という大会名だったような覚えがあります。(間違ってたらごめんなさい!)
エコパは日本では屈指の陸上競技場で、私的には日産、ヤンマー、エディオンと並んで好記録を生みやすい「ビッグ4」ではないかと思っています。何より、静岡西部の温暖な気候が、特にこの季節のトラック&フィールドにはうってつけです。

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https://www.ecopa.jp/facilities/stadium/ エコパスタジアムHPより

例年この大会では、男女の200mや周回レース(400m、400mH)に好記録が出ます。男子200には「ビッグ4」+桐生祥秀という、目のくらむような顔ぶれがエントリー。(織田記念の100m決勝をDNSした藤光謙司は微妙でしょうか?)特に、最近チームの勢いが凄まじい上にお膝元でもあるスズキ浜松ACの原翔太に期待しています。
男子400mもトップクラスが揃いましたが、ウォルシュ・ジュリアン(東洋大3)は『ワールドリレーズ』での様子から察するに、今回は欠場でしょう。金丸祐三(大塚製薬)の復調如何をチェック。
男子400mHでは、海外を転戦した野澤啓佑(ミズノ)の調子が上がってこないのが心配です。どうも、昨秋のDL最終戦以来、リズムを狂わせているのかもしれません。彼のように海外で試合数をこなすという姿勢は非常に大切なことなので、今後も引き続き取り組んでもらいたいですし、この静岡から川崎にかけて、取り戻してもらいたいものです。
女子200mは、福島千里の状態が心配。昨年は春先から「絶好調宣言」がありましたが、やはり軽い故障の連続に苦しみました。プロに転じた今季は焦らず慌てず、経験を重ねつつじっくりと日本選手権にピークを合わせる感じでよいと思います。何と言っても彼女は女子陸上界の宝ですから。
他では、400mの青木りん(東邦銀行)、400mHの梅原紗月(住友電工)といった社会人ルーキーの躍進に期待しています。 


 

桐生祥秀マイルリレーを激走~日本インカレ陸上・最終日



「第85回日本学生陸上競技対抗選手権」最終日の上位結果です。(熊谷市スポーツ公園陸上競技場)

◇男子200m(-0.1)
 ①20.60 桐生祥秀(東洋大)
 ②20.82 川瀬孝則(日体大)
 ③21.01 橋元晃志(早大)
気持ちよーくコーナーを走り抜けた感じの桐生、あえて記録を狙ったふうには見えないゴール前の余裕度でした。もはや「第3~4コーナーは我が家」といった雰囲気ですね。
それにしても、日本にとって自慢のこの種目、学生のレベルが少し停滞しているのが気になります。小池祐貴(慶大=5位)、谷口耕太郎(法大=7位)あたりにはもっと上を目指して奮起してもらわないと…。

◇男子800m
 ①1.49.18 三武 潤(日大)
 ②1.49.21 市野泰地(岐阜経済大)
 ③1.49.58 田母神一喜(中大)

◇男子110mH(-1.9)
 ①14.02 高山峻野(明大)
 ②14.09 古谷拓夢(早大)
 ③14.11 栗城アンソニー(国際武道大)

◇男子400mH
 ①49.69 上野晃平(同志社大)
 ②50.13 野口直人(順大)
 ③50.51 濱井涼介(法大)

◇男子3000mSC
 ①8.38.27 塩尻和也(順大)
 ②8.43.92 石橋安孝(東海大)
 ③8.44.06 宮城壱成(東海大)

◇男子4×400mR
 ①3.05.48 東洋大(松原秀一郎-桐生祥秀-櫻井朴也-ウォルシュ・ジュリアン)
 ②3.06.42 日本大
 ③3.06.60 法政大

大車輪の締めくくりにと、とうとうマイルリレーにまで駆り出されてしまった桐生。2走に登場し、猛然とダッシュを効かせて先頭争いに割って入りましたが、さすがに終盤息切れ。とはいえ、珍しいサングラス姿や大瀬戸一馬とマイルリレーで抜きつ抜かれつなんていうシーンは、滅多に見られるもんじゃありません。
レースはアンカーに渡るところまでダンゴ状態の大混戦でしたが、最後にウォルシュを残していた東洋大が抜け出し、関カレでも獲れなかったタイトルを手中にしたのは、桐生の頑張りあっての成果でしょう。

◇男子10000mW
 ①40.38.01 山西利和(京大)
 ②40.49.85 及川文隆(東洋大)
 ③41.10.50 山田康太(順大)
 ※DNS 松永大介(東洋大)

◇男子走高跳
 ①2m21 松本修一(福岡大)
 ②2m18 中島大輔(日大)
 ③2m15 蛭子屋雄一(中京大)
 ※DNS 平松祐司(筑波大)

◇男子やり投
 ①77m79 中村克也(九州共立大)
 ②74m72 森 秀(日大)
 ③74m71 寒川建之介(大阪体育大)

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◇女子200m(-0.5)
 ①24.06 青山聖佳(東大阪大)
 ②24.46 前山美優(新潟医療福祉大)
 ③24.48 中村水月(大阪成蹊大)
100を争った藤森・土井の両アンナがそろって予選DNS、となれば青山の独擅場。“スーパー高校生”が大学進学後、1年・2年と結果を出し続けているのは、最近の女子としてはむしろ珍しいことかもしれません。これが長く続くことを願います。

◇女子800m
 ①2.05.34 卜部 蘭(東学大)
 ②2.05.46 山田はな(東学大)
 ③2.06.04 広田有紀(秋田大)

◇女子100mH(-0.2)
 ①13.50 小林紗矢香(愛知教育大)
 ②13.59 中村有希(関西大)
 ③13.59 福部真子(日体大)

◇女子400mH
 ①56.79 梅原紗月(立命大)
 ②56.81 石塚晴子(東大阪大)
 ③58.22 近藤夏奈(環太平洋大)

U-20世界選手権で絶不調に陥り、今大会の400mでもいいところのなかった石塚が久々に主導権を握ってのレースとなりましたが、最終ハードルでこれを捉えた梅原がPBを1秒以上縮める大会新記録での大金星。石塚もいったん1mほどつけられた差を差し返す意地を見せたものの、惜しくも大学ルーキー・イヤーでの3冠を逃しました。

◇女子3000mSC
 ①9.56.96 高見澤安珠(松山大)
 ②9.59.17 岡田佳子(松山大)
 ③10.00.65 藪田裕衣(京産大)
オリンピアンとして負けるわけにいかない高見澤の快勝。今回の長距離3種目で40点を、それぞれ異なるメンバーで荒稼ぎした松山大駅伝チームの層の厚さは、立命館6連覇の脅威になるのではないでしょうか?

◇女子4×400mR
 ①3.40.24 大阪成蹊大(伊東里帆・吉見美咲・中島愛梨・青山聖佳)
 ②3.41.41 新潟医療福祉大
 ③3.41.52 駿河台大

◇女子棒高跳
 ①3m90 鈴木里菜(日体大)
 ②3m80 若園 茜(筑波大)
 ③3m70 中林麻奈(日体大)

◇女子走幅跳
 ①6m13(+1.1) 末永成美(大阪成蹊大)
 ②6m06(+1.0) 山下友佳(立命大)
 ③5m99(+0.3) 福西穂乃佳(京都教育大)
関東勢の期待を集めた山田優(筑波大)がNMに終わってしまい、関西勢がトップ5までを完全制圧。末永は個人インカレとの2冠です。ただ記録的には低調で、今後誰が、どの大学が抜け出てくるか、予測はつきません。

◇女子やり投
 ①58m21 斉藤真理菜(国士大)
 ②55m73 山内 愛(大阪成蹊大)
 ③54m76 瀧川寛子(東大阪大)
 ④54m32 當間汐織(九州共立大)
 ⑤53m95 久世生宝(筑波大)
北口榛花(日大)、山下実花子(九州共立大)の1年生コンビを欠いた(山下は予選敗退)とはいえ、学生女子やり投の錚々たる実力者が集まった中で、関カレ・チャンピオンの斉藤が自己ベストで個人インカレの雪辱を果たしました。これで、現役学生としては久世・山内・北口・山下に続く5人目の58mスロワーとなり、57mの瀧川、55mの當間と続いています。ポスト海老原の座を巡って、この先が非常に面白い種目です。

◇七種競技
 ①5547p ヘンプヒル恵(中大)
 ②5536p 山﨑有紀(九州共立大)
 ③5486p 西村莉子(武庫川女子大)

日本チャンピオンのヘンプヒルに、歳上ながら今年になってこれを脅かすレベルに成長してきた山﨑と西村のデッドヒート。6種目を終わったところで、やり投の52m20でジャンプアップした西村がトップ、24点差でヘンプヒル、さらに22差で山﨑と、800mの秒差にして2秒弱ずつに並ぶせめぎ合いです。
ここは2分13秒台を持つヘンプヒルかと思いきや、山﨑が僅かに先着。しかしコンマ差でヘンプヒルも粘って、この両者の関係はヘンプヒル11点差の逃げ切り。あとは西村の入線待ちでしたが、2人からは大きく離されて首位から3位に後退、上記の順位が確定しました。
5882点(日本選手権)のヘンプヒル、5751点(九州インカレ)の山﨑と、自己記録からするとやや物足りない結果かもしれませんが、好ライヴァルどうしの競り合いで、この種目のレベルを高めていっていただきたいですね。

 
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