どうも、ここんとこの著しいアップ減少にはお詫びの言葉もございません。
いよいよ始まった駅伝シーズンに気合は十分なのですが、当面は、多忙な業務の合間を縫っての投稿となります事、ひらにご容赦ください…。
更新は滞っておりますけど、せっかく見に来ていただいた方は、ぜひ前の記事など読み返してみていただければ、けっこう面白いこと書いてありますよ。(自画自賛)

さて、体育の日恒例の『第28回出雲全日本大学選抜駅伝競走』が行われ、現在の学生長距離界をリードする青山学院大学が大方の予想どおり、2年連続・3回目の優勝を飾りました。
私は、「どんなに細かく戦力分析しても、駅伝の結果予想だけは無理」と思っているので、あんまり事前情報には目を光らせていなかったのですが、「今年も青学は断然強い」のか、「意外や戦国時代の予兆」なのか、今一つ判断に迷うレースだったと思っています。

そもそも、大学3大駅伝はそれぞれまったく性格の異なるレースです。
ざっくりと言ってしまえば、「5000mランナーを6人」揃える出雲、「10000mランナーを8人」の伊勢、「ハーフマラソン・ランナーを10人」の箱根が別種の駅伝であることは言うまでもなく、今回の結果から個々の選手の箱根での活躍を占うというのは不可能。
ただ、選手の状態やチーム全体の調整度合いを推し量り、今後の展開をあれこれと思い巡らすには、なくてはならない開幕戦だと考えます。

さて、ここ数年、青山とともに不動の「3強」を形成してきた駒澤や東洋から“大砲”クラスの選手が抜け、しばしシード権争いに汲々としてきた山梨学院、東海、中央学院、順天堂といったあたりが上位に進出してきたことは、「戦国」の予感を十分に感じさせるものです。


青山は主力3人が卒業した今年も、5000m13分台を13人擁する充実の陣容で、まずは大本命の座は揺るぎないところです。エース格の一色、下田らを東京マラソンに送り出して長丁場の自信をさらに深めさせた原監督の深謀は、箱根3連覇へ向けて盤石の態勢づくりだったと言えます。主力メンバーがいずれも順調な仕上がりを見せている様子で、残る課題は山の区間をどうするのか、ということに尽きるでしょう。

実は戦前からこれに匹敵する下馬評だったのが東海。5000m、10000mの持ちタイムでは負けず劣らずで、5000の上位平均タイムではむしろ青山を上回り、この出雲が「打倒青山」最大のチャンスだったと言えるでしょう。中でも鬼塚、館澤、關のルーキー・トリオ(髪が伸びて、一瞬誰が誰やら分かりませんでしたが)が期待通りの働きをしてくれた点は評価される一方で、ハーフの距離になった場合にどうなのか、この点はおそらく秋のハーフマラソン大会などで「試走」が見られると思いますので、注目してみたいところです。
伊勢では、再び青学と東海の激しいトップ争いが見られるような予感がします。

山梨は“予備軍”の付属高校が全国高校駅伝を制した時のメンバーが3年生となり、上田、市谷といったあたりが中軸としての力をつけてきたことが大きいですね。3大駅伝の中ではアンカーの距離的占有率が最も大きい(全行程の22.6%)ため、ニャイロ一人で形勢を大きく押し上げた感もありますが、伊勢・箱根での経験値も高い伝統校の強みは、今後も発揮されてくることでしょう。

戦力的に言えばトップ3に来ておかしくはなかった早稲田が、1区・平、2区・新迫の新旧エースがずっこけて、8位に沈んだのは意外でした。(ここんとこ、1区は鬼門ですねえ)平のほか武田、鈴木、井戸という4年生が充実している上での新迫らの加入で期待されながらのこの成績は、逆に言えば本領を発揮しさえすればかなり上位戦線を賑わす存在になるのではないか、と思います。

駒澤、順天堂、東洋といったあたりは、芯はしっかり通っているものの今季は今一つコマ不足。それぞれに中谷、塩尻、服部弾馬という大エースを擁し、2番手・3番手あたりも充実している割には、つなぎの戦力にやや不安を感じさせる陣容のようです。

今回参加できなかった日大、明治、中央といった箱根予選会組・古豪の動向も気になりますね。
特に、ワンブイ、石川颯真という核弾頭2門を搭載する日大の存在は不気味です。日大と明治は伊勢の全日本に出てきますから、そこでの走りっぷりを注目してみることにしましょう。

次は、11月6日の第48回全日本大学駅伝対校選手権。
その前週には、立命館大が6連覇に挑む第34回全日本大学女子駅伝対抗選手権があります。こちらも、楽しみです。