たいへんたいへん、ご無沙汰をいたしました。
陸上ブログから脱線して「ピョンチャン五輪のミカタ」なんぞという記事を力いっぱい書いてから約1カ月。そのピョンチャン五輪もとうに終わってパラのほうが始まってるというこの時期。恥ずかしながら、帰ってまいりました。
いやね、オリンピックにラブラブな人間としては、期間中の集中っぷりは無論のこと、終わってからも録画機のハードディスクお腹いっぱいに溜め込んだ映像を見るのに忙しくって、書く時間が全然なかったんすよ…といった言い訳はさておき。ね、ね、私が自信をもってお薦めした競技・種目、どれもこれも面白かったでしょう?…といった回顧談もさておき。
気が付くと、男子マラソンはすでに今シーズンの主要レースがすべて終了、女子の方も本日の『名古屋ウィメンズ』1レースを残すばかり、という状況になってしまいました。
季節はすっかり、でもないですが、もう春と言っていいでしょうね。
もちろん、オリンピックTV観戦で多忙な中でも、『東京マラソン』も『日本選手権クロスカントリー』も、『全日本実業団ハーフマラソン』も、先週の『びわ湖毎日マラソン』も、ちゃんと見てましたよ。
設楽悠太選手(Honda)による15年ぶりのマラソン日本記録更新、MGC出場資格者続出、といった大きなトピックもあり、いくら忙しいからって、ここに何がしかの記事を書かないという手はなかったですよね。それをしなかった、というかできなかったのには、ただ時間がなかったということだけでなく、何かもう一つ、気分が乗らなかった、という理由があります。
マラソン界は日本新記録誕生に浮かれていますけど、一つ大切なことを忘れてやしませんか?
記録が誕生した『東京マラソン』では、2010年の藤原正和(Honda=当時)以外に、日本人優勝者は出ていません。同じく、『福岡国際マラソン』では2004年、『びわ湖毎日マラソン』に至っては2002年を最後に、日本人選手は優勝していないのです。国内3大マラソン、破竹の25連敗継続中!
今シーズンも、日本選手が地元開催の国際ビッグレースを勝つ姿を見ることはできませんでした。
2020年オリンピックへ向けて、男子マラソンが少しずつ活況を呈し始めていることは確かですが、記録やMGC到達人数を話題にするより先に、この事実に選手・関係者はもっと真剣に向き合うべきではないか、という感想が強く残ってしまったのです。
その意味で、記録のみならずトップまで41秒差と迫り2位に順位を押し上げた設楽悠の走りにはいちおうの評価はできると思う一方、気象コンディションが悪かったとは言われていますが、優勝タイムで7分台が出ているのにそこから3分も離されてギリギリ1人しかMGC資格記録を破れなかった『びわ湖』の結果には、正直言って失望しました。
男子マラソン、まだまだです。これからです。
さて、女子のほうはというと、MGC到達者はまだ前田穂南(天満屋)、松田瑞生(ダイハツ)、安藤友香(スズキ浜松AC)の3人しか出ていない現状。男子のことをとやかく言ってられません。
これには、今のところ到達者量産が見込めたレースが『大阪国際』1つしか消化されていないという事情があり、今日の『名古屋』で男子の『東京』並みにバタバタと出てくることが期待されています。
一番の注目は、3年ぶりの出場となる前田彩里(ダイハツ)。北京世界選手権後の故障さえなければ、おそらく女子マラソン界のエースとして君臨していたであろう実力者です。100%の状態に戻っているのかどうかにかかってくるでしょうが、今季の駅伝での走りなどを見る限り、私はかなり期待しています。
2年前にリオ代表を紙一重の差で逃した小原怜(天満屋)も、昨年はこのレースを目前にしての故障でしばらく苦しみました。こちらも、回復状態は上々と見ています。
昨年のロンドン世界選手権で日本選手最高位となった清田真央(スズキ浜松AC)は、3年連続の名古屋登場。前2回の好走(4位・3位)を上回り、成長の証を示すことができるか?
この3名がもしMGC到達となると、各チーム2人目の資格者誕生ということになりますね。
初マラソンで10代最高記録を出した岩出玲亜(ドーム)は、そろそろ勲章が欲しいところ。ただ、移籍後は『さいたま国際』で凡走、『大阪国際』を故障回避と、今一つ順調さに欠けているように見受けられます。
もう一人、注目を集めているのが初マラソンとなる関根花観(JP日本郵政G.)です。
当ブログではしばしば話題にしている「2012年・豊川高校黄金メンバー」のうちの2人には、新世代の旗手となるようなブレイクを期待しています。