豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

山本凌雅

<遅報!?>ユニバーシアード日本選手の成績


ほんと、投稿が遅くなってスイマセン。先月23日~28日に台北市で開催された、2017夏季ユニバーシアード大会・陸上競技の結果をまとめます。
今回のユニバは、日本選手団が全競技総合の金メダル数(37)、メダル総数(101)ともに第1位となる大活躍で、我が陸上競技でも史上最多の7個の金メダルを獲得しました。(過去最高は1967年東京・95年福岡大会の5個)

◇種目別優勝者と日本選手結果・・・

<男子>
100m ①ヤン・チュンハン(TPE) 10"22(-0.9)
⑦多田 修平(関西学院大3) 10"33
-田中 佑典(日本ウエルネススポーツ大) 2次予選敗退(10"60)

200m ①ジェフリー・ジョーン(FRA) 20"93(-3.8)
⑧山下 潤(筑波大2) 21"16
-北川 翔(順天堂大4) 21"05

400m ①アクィノ・サントス(DOM) 45"24
-北川 貴理(順天堂大3) 予選敗退(47"85)

800m ①イェズス・ロペス‐アルバレス(POR) 1'46"06

1500m ①ティモ・ベニツ(GER) 3'43"45

5000m ①フランシス・バレ(FRA) 14'00"86
-塩尻 和也(順天堂大3) 予選DNS

10000m ①サディク・バハティ(UGA) 29'08"68
③塩尻 和也(順天堂大3) 29'20"96
-鈴木 塁人(青山学院大2) DNS

110mH ①バジ・バラズ(HUN) 13"35(-0.5)
④金井 大旺(法政大4) 13"69
⑤野本 周成(早稲田大4) 13"71

400mH ①アクィノ・サントス(DOM) 48"65
-鍛治木 崚(城西大4) 準決勝敗退(50"99)

3000mSC ①クリスチャン・ザレヴスキ(POL) 8'35"88

4×100mR ①日本(田中‐多田‐北川翔‐山下) 38"65

4×400mR ①ドミニカ共和国 3'04"34

ハーフマラソン ①片西 景(駒澤大3) 1:06'09"
②工藤 有生(駒澤大4) 1:06'23"
③鈴木 健吾(神奈川大4) 1:06'56"

⑥栃木 渡(順天堂大4) 1:08'59"
⑫鈴木 塁人(青山学院大2) 1:10'23"

同・団体 ①日 本(片西・工藤・鈴木健)

20kmW ①山西 利和(京都大4) 1:27'30"
③及川 文隆(東洋大4) 1:30'11"

⑦野田 明宏(明治大4) 1:31'00"

同・団体 ①日 本(山西・及川・野田)

走高跳 ①ファルク・ヴェンドリヒ(GER) 2m29

棒高跳 ①ディオゴ・フェレイラ(POR) 5m55
④江島 雅紀(日本大1) 5m40

走幅跳 ①ユスカ・ラデク(CZE) 8m02(+0.2)
-橋岡 優輝(日本大1) 予選DNS

三段跳 ①ナジム・ババイェフ(AZE) 17m01(+1.1)
③山本 凌雅(順天堂大4) 16m80(+1.7)

砲丸投
①フランシスコ・ベロ(POR) 20m86

円盤投 ①レジナルド・ジャガーズ(USA)  61m24

ハンマー投 ①パヴェル・ファイデク(POL) 79m16
⑬墨 訓煕(中京大 修2) 64m00

やり投 ①チェン・チャオツン(TPE) 91m36 UR
⑨小椋 健司(日本大4) 74m82
-小南 拓人(国士舘大4) 予選敗退(70m43)

十種競技 ①カイル・クランストン(AUS) 7687pt.


<女子>
100m ①シャシャリー・フォーブス(JAM) 11"18(-0.3)
-前山 美優(新潟医療福祉大) 2次予選敗退(11"93)
-壱岐いちこ(立命館大2) 2次予選敗退(11"96)

200m ①イレーネ・シラグザ(ITA) 22"96(-1.4)
-中村 美月(大阪成蹊大4) 予選敗退(25"17)
-竹内 爽香(慶應義塾大4) 予選敗退(24"68)

400m ①マルゴルザッタ・ホルブ(POL) 51"76

800m ①ブランコ・アルマンザ(CUB) 2'02"21

1500m ①アメラ・テルジッチ(SRB) 4'19"18

5000m ①ハンナ・クライン(GER) 15'45"28
⑩細田 あい(日本体育大4) 15'05"66
⑭関谷 夏希(大東文化大2) 16'26"36

10000m ①ダリア・マスロヴァ(KGZ) 33'19"27
③細田 あい(日本体育大4) 33'27"89
④棟久 由貴(東京農業大2) 33'40"45
⑫関谷 夏希(大東文化大2) 35'21"19

100mH ①ナディネ・ヴィッサー(NED) 12"98(-1.3)

400mH ①アヨミデ・フォロルンゾ(ITA)  55"63

3000mSC ①チュグバ・グーヴェンツ(TUR)  9'51"27

4×100mR ①スイス 43"81
③日本(竹内‐中村‐壱岐‐前山) 44"56 日本学生新

4×400mR ①ポーランド 3'26"75

ハーフマラソン ①棟久 由貴(東京農業大2) 1:13'48"
③福居 紗希(城西大4) 1:14'37"

④古谷 奏(松山大3) 1:15'10"
⑤出水田 眞紀(立教大4) 1:16'24"
⑪山口 可純(大東文化大2) 1:21'55"

同・団体 ①日 本(棟久・福居・古谷)

20kmW ①インナ・カシャイナ(UKR) 1:39'44"

走高跳 ①オクサナ・オクニエワ(UKR) 1m97

棒高跳 ①イリナ・チュック(BLR) 4m40

走幅跳 ①アリナ・ロタルー(ROU) 6m65(+0.3)

三段跳 ①ニーレ・エッカート(GER) 13m91(0.0)

砲丸投 ①ブリタニー・クルー(CAN) 18m34

円盤投 ①クリスティン・プーデンツ(GER) 59m09

ハンマー投 ①マルヴィナ・コプロン(POL) 76m85 UR

やり投 ①マルセリナ・ヴィテク(POL) 63m31
②斉藤 真理菜(国士舘大4) 62m37 日本学生新
⑩北口 榛花(日本大2) 56m30

七種競技 ①フェレナ・プライナー(AUT) 6224pt.
-ヘンプヒル恵(中央大3) DNS

うーむ、金メダル7つの内訳が個人ロードで3つ・団体種目で4つとは、さすが日本。
今回はアメリカなどがまるきし本気のチームを送ってきていませんので、メダルラッシュを素直に評価することはできませんが、その中で女子やり投の斉藤真理菜にはMVPを差し上げたいくらいですね。

2投目の61m06でトップに立ち、5投目に逆転を許しましたが6投目の最終投擲者としてベスト・パフォーマンスで追いすがった見事な戦いぶり。世界選手権に続く60mオーバーでしかも北口榛花から学生記録を奪取する大幅なPB。いよいよ、海老原女帝に代わるエースに成長してきました。
今シーズンの開幕当初、女子やり投への大きな期待について書きました。期待どおり、と言うには斉藤以外の選手の活躍がイマイチですが、世界選手権のフルエントリーも実現しましたし、一人でもこうして若い選手が国際レベルの地力を付けてきているのは、嬉しい限りです。

それにしても、大遅報のレポートで申し訳ありません。(仕事忙しかったもんで…)
せめて月刊専門誌が発売される前に、と思ってまとめてみました。

第101回日本選手権の見どころ ⑥ ~男女フィールド


いよいよ『第101回日本陸上競技選手権』が、明日からの開催と迫ってまいりました。
2週間前から書き始めた「見どころ」ですが、会期前にひととおり書き終えるかどうか、どうも怪しくなってきました。
ブログデビュー直後だった昨年は、会期前から会期中と、書く時間がたっぷりあったんですが、今回は仕事の合間を縫ってということで、なかなか思うに任せないんですよ。初日の金曜日もリアルタイムでのインターネット観戦~速報記事という去年のパターンはできません。ということで「見どころ」も少々端折りますけど、よろしくご容赦願います。

◆<跳躍>活況の男子、不況の女子
1990年代であれば、跳躍種目の注目度ナンバーワンといえば女子走高跳、2000年代なら女子走幅跳、というのが日本陸上界の傾向でしたが、現在のところは男子が各種目に代表を送り出す勢いがあるのに対して、女子はまったくいけません。
男子では、走高跳=衛藤昴(AGF)、棒高跳=山本聖途(トヨタ自動車)・荻田大樹(ミズノ)、三段跳=山本凌雅(順天堂大4)と「標準」到達者が4名。走幅跳でも、サラブレッド橋岡優輝(日大1)を筆頭に8m15の「標準」を視野に入れている選手は大勢います。
対して女子はというと、各種目の「標準」が、HJ=1m94、PV=4m55、LJ=6m75、TJ=14m10ということで、現有戦力ではとても「無理無理!」。唯一リオ五輪代表になったLJの甲斐好美(VOLVER)はノー・エントリー。どうにもなりません。
何か、理由というか、この傾向をもたらしている要因があるのでしょうね。私には今のところ思い当たることがありません。なぜ、日本の女子アスリートはバネをなくしてしまったのでしょう?

種目別に見ると、男子走高跳は「標準」を2度クリアしている好調の衛藤に対してエースの意地を見せたい戸邉直人(つくばTP)、ベテランの高張広海(日立ICT)が絡む展開。平松祐司(筑波大3)が不参加のため、「標準」に近い争いになるとこの3人以外ではちょっと荷が重くなります。
棒高跳は「標準」の2人に今季はセミリタイア状態か?とも思われた澤野大地(富士通)が巻き返しを図る構図は去年と同じですが、ここに進境著しい江島雅紀(日大1)が加わります。標準記録云々はともかく、自身が塗り替えたばかりのU-20日本記録5m61の更新を狙っていただきたいものです。
走幅跳は今季唯一8mを超えているのが関東インカレの橋岡。昨年大台に乗せた城山正太郎(ゼンリン)、山川夏輝(日大4)、他は峯村鴻汰(モンテローザ→富士通)、下野伸一郎(九電工)、小田大樹(日大4)などが7m90台にひしめくという感じですが、条件次第で8mラッシュという状況も起きるかもしれません。8m18を持つ菅井洋平(ミズノ)の復活にも期待したいところです。
三段跳はリオ組の長谷川大悟(横浜市陸協)と山下航平(福島陸協)がともに「一発屋」で終わっており、唯一の「標準」到達者・山本の安定感が群を抜きます。昨年大会新記録を跳びながら山下に敗れた関東インカレの悔しさが、いいモチベーションになったのではないでしょうかね。

女子は、優勝者予想くらいしかできないのが寂しいですけど。
走高跳はここのところ安定して1m80をクリアしているのが仲野春花(早稲田大3)くらいという状況。本人はユニバ標準記録の1m84を大目標に掲げていますので、視線が高い分、有利だと思います。大雨の中で行われた昨年を制した京谷萌子(北海道ハイテクAC)やベテランの福本幸(甲南学園AC)らがどこまで食い込めるか。
棒高跳は第一人者の我孫子智美(滋賀レイクスターズ)の出来次第というところ。4m20程度のバーであれば、まだ優勝経験のない仲田愛(水戸信金)、昨年の覇者・青島綾子(新潟アルビレックスRC)、最近ネットで注目度の高い今野美穂(トーエル)らが台頭してきそうです。
走幅跳はまさにドングリの背比べ状態で予測不能。持ち記録最上位の枡見咲智子(九電工)も全盛期の勢いはなく、ヘンプヒル恵(中央大3)に初優勝・混成と二冠のチャンスがあります。
美人の多い三段跳は、宮坂楓(ニッパツ)の独擅場でしょう。

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◆<投擲>ごめんなさい!注目は男女ともやり投だけ
ということで、男子は今季スランプの新井涼平(スズキ浜松AC)に「標準・楽勝」の斬れ味が戻っているかどうか。うかうかしていると、重鎮・村上幸史(スズキ浜松AC)はおろか、長谷川鉱平(福井陸協)や伸び盛りの佐藤隼矢(東海大3)あたりにも足元を掬われかねません。

そして女子は、私的には今季のフィールド・イチオシ注目種目。
大エースの海老原有希(スズキ浜松AC)、時々穴をあける宮下梨沙(大体大TC)、若手最有望株の北口榛花(日大2)、そして今年新たに60mスロワーに仲間入りした斉藤真理菜(国士舘大4)。さらには瀧川寛子(中京大大学院)、當間汐織(九州共立大4)、山下実花子(九州共立大2)、長麻尋(和歌山北高3)といったイキのいい若手が55~60mの間にズラリと順番を待っています。嫁に行って(だと思いますが)名前が変わった森友佳(東大阪市陸協)も元気です。
やり投って、冬のスキージャンプ競技に似た面白さがありますよね。いい向かい風を貰って、白熱の空中戦を、ぜひとも!

ほんと、思いっきし端折っちゃって、スイマセン。

桐生10秒04、TJ山本とPV荻田が標準到達~織田記念


『第51回織田幹雄記念』…TV中継をご覧になった方も多いでしょうが、桐生祥秀(東洋大3)の9秒台突入はまたもお預けとなりました。
ちょうど男子100m決勝が整列した頃合いには、ホーム両サイドの吹き流しが揃って真っすぐゴール方向を向いていたのに、僅か数分が経過したレース中は予選と同じ-0.3m。桐生の走りは予選と打って変わってゴールまで滑らかでしたから、風さえ味方なら、という感じでしたね。
「そんなちょっとの風くらいで…」と言うなかれ。0.3mでもプラスとマイナスとじゃ大違いだと思いますよ。競技が違えば、たとえばスキージャンプの場合なんか、大騒ぎレベルの違いです。
それにしても、国内レースで当たり前のように10秒0台を出してくる桐生や山縣は、本当に力をつけたものです。4年前より、また昨年より、確実に成長しています。
桐生はこの後『静岡国際』で200mに出場した後、『GG川崎』は回避して『関東インカレ』に臨むものと思われます。
追記…次戦
は5月13日のDL上海大会だそうです。とうぜんスー・ビンチャン(CHN)も出てくるでしょう。

その他の種目では、TVにまーったく映らなかった男子三段跳で、山本凌雅(順大4…この人だけ桐生とすれ違いざまに何事か会話してるところがチラッと映りました)が16m91の好記録で優勝。4回目に跳んだこの記録は+4.1mの追風参考でしたが、1回目に公認(+1.8m)で16m87のPBを跳んで、ロンドン標準記録(16m80)を突破しました。オリンピック組の山下航平(県北陸協)は15m台で6位、長谷川大悟(横浜陸協)は14m台の最下位と、低調に終わりました。

同じく男子棒高跳でも好コンディションのもとで、リオ代表の荻田大樹(ミズノ)が5m70の標準記録にピタリ到達して優勝。すでにアメリカで5m71、5m70を跳んでいる山本聖途(トヨタ自動車)は70を2度ミスして75に上げましたが失敗。5m60で2位でした。注目の大学ルーキー・江島雅紀(日大1)は5m20を3ペケで記録なし、澤野大地(富士通)はDNSでした。

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グランプリおよびユニバーシアード選考対象レースの男女5000mについては、全着順を掲載しておきます。日本人選手の標準突破はありませんでしたけど、今季の仕上がり具合が伺える結果だったようです。
高校2年生の小笠原朱里、PBには2秒ばかり及ばなかったとはいえ、ホンモノですねえ。学生陣では関谷夏希、実業団若手では小井戸涼が頭角を顕してきました。
男子では、鎧坂が久々の好走。神戸でGP1500mを制した実業団2年目の松枝も、なかなかの成長ぶりで今後が期待されます。

◇女子5000m(GP・ユニバ)
①15'11"48GR ローズメリー・ワンジル(スターツ)
②15'12"13 シュル・ブロ(TOTO)
③15'27"68 木村 友香(ユニバーサル)
④15'30"92 グレース・キマンズィ(スターツ)
⑤15'31"46 小笠原 朱里(山梨学院高2)
⑥15'33"16 マリアム・ワイディラ(九電工)
⑦15'33"61 小井戸 涼(日立)
⑧15'40"26 鷲見 梓沙(ユニバーサル)
⑨15'40"42 関谷 夏希(大東文化大2)
⑩15'43"18 中村 萌乃(ユニバーサル)
⑪15'46"12 高見沢 里歩(松山大2)
⑫15'50"63 加世田 梨花(名城大1)
⑬15'52"70 田中 希実(西脇工高3)
⑭15'52"72 宮田 佳菜代(ユタカ技研)
⑮15'54"25 井上 藍(ノーリツ)
⑯15'55"39 スーサン・ワイリム(デンソー)
⑰15'57"42 佐藤 成葉(立命館大2)
⑱16'04"28 棟久 由貴(東京農業大2)
⑲16'06"98 野添 佑莉(三井住友海上)
⑳16'07"79 堀 優花(パナソニック)
㉑16'15"03 筒井 咲帆(ヤマダ電機)
㉒16'16"73 森林 未来(諫早高3)
㉓16'19"17 新井 沙紀枝(肥後銀行)
㉔16'19"45 青木 和(名城大3)
㉕16'22"41 上田 未奈(城西大3)
㉖16'29"23 菊池 理沙(日立)
㉗16'36"33 岡本 春美(三井住友海上)
㉘16'43"13 石澤 ゆかり(エディオン)
㉙16'43"37 藤原 あかね(松山大3)
㉚16'51"28 青山 瑠衣(ユニバーサル)
㉛17'12"29 花田 咲絵 (順天堂大1)
㉜17'53"39 緒方 美咲 (松山大3)

◇男子5000m(GP・ユニバ)
①13'30"79 ポール・タヌイ(九電工)
②13'32"16 鎧坂 哲哉(旭化成)
③13'33"62 松枝 博輝(富士通)
④13'34"80 チャールズ・ディランゴ(JFE)
⑤13'36"20 ジョン・マイナ(富士通)
⑥13'36"52 上野 裕一郎(DeNA)
⑦13'52"44 鬼塚 翔太(東海大2)
⑧13'53"81 市川 孝徳 (日立物流)
⑨13'54"36 小野田 勇次(青山学院大3)
⑩14'00"35 市田 孝(旭化成)
⑪14'06"19 館澤 亨次(東海大2)
⑫14'06"43 戸田 雅稀(日清食品G.)
⑬14'08"83 關 颯人(東海大2)
⑭14'09"47 坂口 裕之(明治大3)
⑮14'11"23 森田 佳祐(筑波大4)
⑯14'18"72 舟津 彰馬(中央大2)
⑰14'28"31 平 和真(カネボウ)
⑱14'36"09 中村 匠吾(富士通)
⑲14'40"97 阪口 竜平(東海大2)
⑳14'44"62 秦 将吾(大塚製薬)
 DNF 服部 弾馬(トーエネック)

 

110H矢澤、代表内定!



JAC36

最終日、名古屋は一転して晴れ、暑そうです。
今日は決勝プログラムばかりということで、ナイターには及ばず、まもなくTV放送も始まります。
長距離には少し厳しいコンディションですね。
ただ三段跳が今大会初めてホームストレート順風方向に行われており、トラックは追風の模様。吹き流しは少々強めに揺れています。

注目の跳躍種目、男子走高跳と三段跳が始まっています。
TJでは関東インカレで激闘を繰り広げた山本凌雅(順大)がラス前、山下航平(筑波大)がラストという絶妙なオーダー。もちろんランキングトップの長谷川大悟(日立ICT)も黙っちゃいないでしょう。

トラックでは、男子3000mSCと女子800m、男子110mHが終了。
3000SCは、昨日の女子に続けとばかりに塩尻和也(順大)が飛ばしましたが、終盤に失速、潰滝大記(富士通)がゴール寸前に差し切りました。ただ潰滝自身もあまり調子はよくないような中盤の動きで、タイムは標準(8分30秒00)に届きませんでした。

女子800は、福田翔子(松江北高)が学生・社会人をぶっちぎり、高校生チャンピオン誕生です。タイムは昨日の予選には及びませんでした。

男子110mHは、矢澤航(デサント)が会心のレースで13秒48(W+2.4)で「内定」を決めました。4年前のフライング失格の無念を、長い時間をかけて晴らした姿に拍手です。

さあさ、テレビテレビ!

 

跳躍ニッポン復活なるか?~第100回日本陸上競技選手権のミカタ ⑧




これまでに男女の短距離・長距離およびすでに「派遣設定記録」到達者のいる有望種目について、私なりの展望を掲載してまいりました。

今回は、その他の”準有望”種目、注目種目についてまとめてみたいと思います。

◆男子400m~マイルの栄光は遠く彼方に
かつては高野進、ここ10年ほどは金丸祐三(大塚製薬)という切り札を軸に、単独種目と4×400mリレーで世界大会に挑み続けているロングスプリント、ひと時はリレーでメダルにあと一歩、といった状況にまで迫ったこともありましたが、最近はどうもいけません。

ただ今回の日本選手権では、この種目では前人未到の11連覇を継続中の金丸(45秒22)を、ウォルシュ・ジュリアン(東洋大=45秒64)以下の若手が止めるかどうか、という楽しみがあり、レースは白熱しそうです。
打倒・金丸に名乗りを上げそうな若手としては、ほかに北川貴理(順大=45秒52)、佐藤拳太郎(城西大=45秒58)、堀井浩介(城西大=45秒85)、小林直己(東海大=45秒91)、油井快晴(順大=46秒36)、加藤修也(早大=46秒41)と、 関東インカレ決勝のメンバーがズラリと挙がります。昨年3位の田村朋也(住友電工=46秒07)もいます。
ちょっと驚きましたが、今季ランキング1位(45秒44)に藤原武(ユメオミライ)という見慣れない名前があります。
エルサルバドル出身、アテネ・オリンピックや大阪世界選手権に出場経験がある30歳の選手で、2013年に日本国籍を取得したのだとか。 所属先は東京都下にある主に子供を対象にしたスポーツクラブの運営会社で、北京五輪などでマイルリレー・メンバーだった堀籠佳宏さんが社長を務めています。資格記録は今年のコスタリカ選手権で出した、参加標準記録に0.04秒と迫るものですが、高地での記録。果たしてその実力のほどは?

こうした群雄割拠の様相を呈してくると、すぐに44秒台とはいかずとも45秒台前半あたりの選手が揃ってくることが期待されます。現在のマイルリレーでは、もはや「3分切り」が決勝進出の条件になりつつありますので、そのくらいのレベルに達しないと、たとえ出場資格を得たとしても 結果の知れたチーム編成、ということになってしまうでしょう。個人種目でフルエントリーできるくらいの盛況を期待します。

◆男子三段跳~好記録はレジェンドとともに
昨年は男子走高跳で、久々に世界選手権にフルエントリーする(標準到達は4名)という活況がありましたが、今回はその走高跳の参加標準が1センチ高くなったことで到達者は戸邉直人(安藤財団=2m29)一人になってしまい、その戸邉も故障で今季は音なし。一転して苦しい状況となっています。
とって代わるように盛り上がりを見せているのが、この三段跳です。

この種目の大先達を記念した織田記念で、26歳の長谷川大悟(日立ICT)が16m88(+0.2)という実に久々の標準突破を果たすと、歴代3位の16m98を持つ大ベテラン石川和義(長野吉田AC)も同じ大会で16m77(+1.4)と、標準にあと一歩のところまで迫りました。 
すると5月には、関東インカレの激戦の果てに、日本記録保持者・山下訓史さんの長男・ 航平(筑波大)が試合前のPBを79センチも破りピタリ標準に到達する16m85(-1.1)を跳んで優勝。6回目に大逆転を許した2位の山本凌雅(順大)も、16m68(+1.1)の好記録で続きました。

奇しくも、織田幹雄さんの名を冠したしかも50回目の記念大会で生まれたビッグジャンプと、ちょうど30年前の日本選手権で出されたまま破られることのない日本記録保持者の息子による快記録。 かつて「お家芸」と呼ばれた種目のレジェンドとともに、その因縁の決着が楽しみです。



◆男子ハンマー投~室伏の五輪出場はあるか?

日本選手権の連覇を昨年「20」で自ら途切れさせた室伏広治(ミズノ)が、資格記録がないながら陸連の特別推薦を受けて2年ぶりに登場、父・重信氏を超える41歳でのオリンピック出場を賭けた一発勝負に臨みます。
昨年、21年ぶりに室伏広治以外の名を日本チャンピオンのリストに加えた野口裕史は競輪に転向し、来年デビュー予定の第111回生として修行中です。(ちなみに、かつて女子走幅跳や400mリレーメンバーとして活躍した佐藤友香選手も、ガールズケイリン5期生として間もなくデビュー予定) 
したがって室伏以外でのランキング1位は保坂雄志郎(群馬綜合ガードシステム)の70m46となり、土井宏昭(流経大クラブ=67m64)にも以前のパワーはなく、どうやら相変わらず室伏の敵はいなさそうな形勢です。

ただ、まるまる2年間試合をしていないので何とも言えませんが、参加標準記録の77m00は、今の室伏にとってはあまりにも高い壁、というのが正直な見方です。70mを越せずに保坂に敗れる、という結末すらなくはありません。
オリンピック云々とは別に、もし優勝すれば、重信氏の同種目12回、由佳さんのハンマー投5回・円盤投12回を合わせ、「室伏一家」として50回目の日本タイトルという、とんでもない金字塔となります。

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◆その他の種目は?
以上展望してきた以外で、すでに標準記録が突破されているのは男子110mHの矢澤航(デサント=13秒47)と女子400mHの久保倉里美(新潟アルビレックスRC=56秒14)。ともに近況から絶対優位とは言えませんが、優勝しての代表内定を勝ち取りたいところでしょう。(逆に優勝しないと、代表入りは非常に厳しくなります)

その他、日本選手権本番で初めて標準到達の可能性がある程度以上ある種目としては、男子800m(標準記録=1分46秒00)、3000mSC(8分30秒00)、走幅跳(8m15)、女子100mH(13秒00)、棒高跳(4m50)、といったところです。こちらの場合は、本番で到達・優勝ならば即内定ということになります。

この中では、条件次第のところがありますが男子走幅跳でのビッグジャンプに期待します。
標準記録有効期間の僅か12日前に8m18(+1.3)を跳んだ菅井洋平(ミズノ)は故障明けで苦戦が予想されていますが、下野伸一郎(九電工=8m11/+1.6)、高政知也(順大=8m03/+1,9)、関東インカレで追風ながら7m96(+2.5)を跳んだ毛呂泰紘(順大=7m77/+0.7)など、一発引っ掛かれば、という存在はゴロゴロいます。
女子もそうですが、この種目は何となくいつの大会でも標準記録のレベルが他に比べて高いように思われ、もしオリンピックで8m10前後を跳べれば十分に決勝進出・入賞の可能性があります。ぜひとも狙って一発引っ掛けてほしいところです。
美人選手揃いの女子100mHも頑張ってほしい種目ですね。長らく金沢イボンヌの壁が立ちはだかっていますが、世界的にはたいへん活況を呈している種目の一つなので、日本選手にも参戦を期待します。

また、福島選手以外の個人派遣は難しいと思われますが、出場資格のボーダーライン上にいる女子の各リレー種目については、誰がメンバーに名乗りを挙げてくるかに注目です。
100mでは福島選手以外に4選手、400mでは上位4選手(5人目は久保倉選手として)の候補者選出ということになるかと思いますが、なかなか熾烈な順位争いが見られそうな期待があります。


以上で、「第100回日本陸上競技選手権のミカタ」はひと段落といたします。
いずれにしてもオリンピック本番では苦戦が予想される日本陸上チームですが、それはさておいて、誰が代表の座を射止めるか、サプライズになるようなパフォーマンスは飛び出すのか、実に緊迫した楽しみなオリンピック・イヤーの日本タイトル争いが繰り広げられるでしょう。

また直前情報などが加わりましたら、随時コメントしていきたいと思っていますが、ここまで長々とお付き合いありがとうございました。
 

 
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