トラック&フィールド・シーズンが始まっています。
すでに男子400mリレーの銀メダル・メンバーのうち、桐生祥秀と山縣亮太は3月上旬にオーストラリアの大会で100mレースに出場して、それぞれ10秒04(+1.4)、10秒06(+1.3)という上々のシーズンインを飾りました。遅れじと、飯塚翔太は本日行われる『マウントサック・リレーズ』で、ケンブリッジ飛鳥も15日にアメリカの別の競技会で、と、いずれも海外で初戦を迎えます。
『マウントサック』は日本時間の今未明から3日間の日程で始まっていて、飯塚選手だけでなく結構な数の日本選手がエントリーしています。
400mHには野澤啓佑、棒高跳には山本聖途、荻田大樹など4選手、走幅跳に城山正太郎などなど。
女子では100mにプロ転向した福島千里、100mHに木村文子・柴村仁美の美女コンビ。女子5000mには、豊田自動織機の横江里沙・福田有以・林田みさきの3選手が登場。
いっぽう国内では、日本GPシリーズとして22(土)・23(日)の両日に『兵庫リレーカーニバル』(神戸総合)と『TOKYO COMBINED EVENTS MEET』(駒沢)が、29日(土)には『織田幹雄記念』(エディオン)、3日(水)には『静岡国際』(草薙)が開催されます。『TOKYO COMBINED…』は、開催が打ち切られた『混成和歌山』の代替大会で、男子十種競技と女子七種競技のみが行われる模様です。
22・23日には『出雲陸上』もあり、短距離勢は出雲、長距離勢は兵庫、という分かれ方になりそうです。
とりあえず、『兵庫RC』のエントリー・リストが出ていますので、ここに貼っておきましょう。
さらにさらに、同じ2日間、海外では『第3回ワールドリレーズ』(ナッソー)。今年はオリンピック出場権云々とは無関係のためか、日本は男子のみ、若手主体のチームを派遣します。
●4×100m 山下 潤・齊藤勇真(以上筑波大)・増田拓巳(東海大)・
大嶋健太(日大) 水久保漱至(城西大)
●4×400m ウォルシュ・ジュリアン(東洋大)・堀井浩介・田村朋也(以上住友電工)・
小林直己(セゾン情報システムズ)・藤原 武(ユメオミライ)
5月5日(金)には毎年全米のトップクラスや好条件を狙って日本からも多くの長距離選手が遠征する『ペイトン・ジョーダン招待陸上(旧・カーディナル招待)』があります。日本時間では同じ日になりますが、6日(土)は『ゴールデンゲームズ・インのべおか』(西階)。
例年GWの終盤に行われてきた『セイコー・ゴールデングランプリ』(等々力)は、今年は5月21日(日)の開催です。20(土)・21の両日は『東日本実業団選手権』(秋田県立中央公園)も開催されますので、ちょっともったいない日程編成となりました。
翌週の25日(木)~28日(日)は『第96回関東インカレ陸上』(日産)…
だいたいこのあたりまでに、世界選手権(ロンドン)代表を目指す選手たちは参加標準記録の突破を果たして、6月の『日本選手権』(長居)に備えたいところ。特に気候条件に左右されやすく試合数も限られる長距離勢は、海外レースや各地区での記録会などを含めたスケジュールから、狙いのレースをそれぞれに決めていることでしょう。
個人的に、私が今年期待しているのが女子やり投という種目です。
海老原有希(スズキ浜松AC)という絶対女王が君臨しつつ、たまに宮下梨沙(大体大AC)が足元を掬うという構図が長年続いてきたこの種目、昨年は日本歴代2位のU-20記録61m38をぶん投げた北口榛花(日大2)を筆頭に、イキのいい若手スロワーがぐんぐんと台頭してきました。
ランク4位以下にも58m21の斉藤真理菜(国士舘大4)、56m79の瀧川寛子(東大阪大→大学院)、56m57(PB59m22)の佐藤友佳(東大阪市陸協)、56m48の長 麻尋(和歌山北高3)、56m17の當間沙織(九州共立大4)、55m94(PB58m98)の久世生宝(筑波大→コンドーテック)、55m74(PB58m76)の山内 愛(大阪成蹊大→長谷川体育施設)と、ベスト10の人材は豊富でいずれも若い!高校時代に58m59を投げた山下実花子(九州共立大2)もいます。
日本人には不利と言われ、その“風評”がまた逸材の参入を阻んできた感のある投擲種目の中で、新井涼平選手や村上幸史選手、そして海老原選手などが世界に互して戦う姿に、僅かながらも競技人口、あるいはその質の底上げが見られるのがこの種目、と言えるのではないかと思っています。
4人目・5人目…の60mスロワーが誕生し、「標準」をめぐるレベルでデッドヒートが繰り広げられる日本選手権を期待します。
※これを書いた時点では知らなかったのですが、3月24日(金)の国士舘大競技会(国士舘大多摩競技場)で、斉藤真理菜が60mスロワーの仲間入りを果たしていました。記録は日本歴代5位・現役4位・学生歴代2位となる60m01です。昨年の関東インカレでは6投目に2㎝差大逆転で久世の4連覇を阻止した勝負強さが、ここでも発揮されましたね。
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トラック&フィールドではありませんが、明後日・16日(日)には『日本選手権50km競歩』(輪島)と『長野マラソン』、翌週23日(日)には『高橋尚子記念ぎふ清流ハーフマラソン』と、ロードでも春のお楽しみは盛りだくさん。『50km競歩』には、世界選手権代表の残り2枠をめぐる激しい争いが期待されています。
17日(月)には、大迫 傑(NIKE O.P.)や宇都宮亜未(キヤノンAC九州)がマラソン初挑戦するボストンマラソン、こちらも楽しみです。
国内ハーフ大会では唯一のIAAFゴールドレーベル・レース『ぎふ清流』では、当初エントリーされていた神野大地がアキレス腱の故障で欠場となったのは残念ですが、女子でロンドン代表に決定している安藤友香・清田真央(ともにスズキ浜松AC)が揃って参加、さらに、つい先日の4月1日にプラハ・ハーフマラソンで1時間04分52秒という途轍もない世界新記録(公認保留中)を叩き出したジョイシリネ・ジェプコスゲイ(KEN)が参戦するということで、俄然注目度が高まりました。
ほとんどの大会にテレビ中継がないため、よほど時間とお金と行動力に恵まれた人でないと、主要大会だけでも観戦フォローするのは厳しいですね。私のようなしがない陸上ファンにできるのは、せいぜいネットに上がってくるリザルトや動画サイトに目を配りつつ、ヤキモキするくらいが関の山です。でもそれが、陸上ファンの密やかな楽しみだったりもするんです。
できるだけ早く詳しく、情報を共有していきたいと思いますので、今シーズンも当ブログをご贔屓に、よろしくお願いいたします。