豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

吉田香織

女子マラソン、栄光再びへの道




いやもう、恥さらし連続の昨日の記事でしたな。
『第36回大阪国際女子マラソン』の放送が始まったとたん、番組のイチオシは「伊藤・重友」ではなくて「竹中・加藤」…なんだ、ワシの展望はテレビ屋の考えることと同じだったか。
「ペースメーカーがいない」などと書いたら、ちゃんとイロイス・ウェリングス、チェイエチ・ダニエルというお馴染みのラビットさんがいるし。(言い訳しますが、私、この2人はてっきり「招待選手」のリストにいるものと勘違いしてたのです。一昨年までの傾向で「大阪はPMが付かない」という先入観があって、つい早合点してしまいました)
そして、結果は「旧勢力」の一角・重友梨佐の快勝劇。
まったくお恥ずかしい展望記事を書いたもんです…。
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◆『大阪国際』は重友が優勝
PMがちゃんと付いてました、すんません…というのはまずは措いといて、そのペースがレース展開に微妙な波乱をもたらしました。
ウェリングスは昨年の大阪でも名古屋でも10kmあたりまでの導入ペース設定を任されたランナーで、大阪ではフラットな高速ペースを作り出し、名古屋ではしばしば実況で「乱高下」という言葉が叫ばれるほどの不安定なペースにしてしまった、要は巧いんだか下手なんだか分からないヒトです。
で、今回の大阪は「下手」のほうに出て、設定をかなり下回るスローペースでの入りとなりました。
おかげで序盤は、招待選手のほとんどと準招待・ネクストヒロインの何人かが入り混じる大集団が形成されながらも、5kmあたりからはまずまず落ち着いて、穏やかなレース模様になるかな、と思われました。

で、10kmでダニエル一人になったとたん、このPMがレースを動かしちゃいましたね。
このダニエルさん、昨年も中間点で一人になった(昨年は30kmまで担当)とたんに“スパート”をかけたもんで竹中理沙とセリ・チェピエゴが付いていけなくなり、結果福士加代子の独走を演出してしまったんですが、今回は早くも10kmで同じことが始まってしまいました。
集団は一気に縦長になって、重友が、伊藤が、そして竹中が、振り落とされていきます。ペースは10km以降、16分40秒台/5kmに上昇。
このペースアップに果敢に挑んでいったのが加藤岬と堀江美里、そして吉田香織。
堀江の対応力も少々意外でしたが、『さいたま国際』を走って凡走に終わった吉田が、ビックリするほど元気です。『さいたま』では先頭集団のペースに付いていけず、“美熟女コンビ”の那須川瑞穂(残念なことに、この大会を最後に引退したそうです)とともに後方に控える展開で消極性を批判された、なんてこともありましたが。
結果、吉田は残り3kmでリタイアとなりましたが、中盤戦を盛り上げた立役者となりました。35歳の職人は、まだまだ東京オリンピックを諦めてはいないそうですよ。

レースはご承知のとおり、早々に先頭集団から“脱落”したかに見えた重友が後方で立て直すや、一時盤石の態勢でトップに立った堀江を35㎞過ぎで逆転、2012年オリンピック選考会以来5年ぶり2度目の大阪優勝を飾りました。
女子の3大大会で同一レースを2度制した日本人選手はあまり多くなく、すでに廃止された東京国際の浅利純子(1995年・98年)、名古屋国際の高橋尚子(98年・2000年)、大阪では渋井陽子(2000年・09年)の例があるくらい。大阪の場合は赤羽有希子(2011年・13年)と福士加代子(2014年・16年)もいますが、いずれも1回は1位選手のドーピング失格による繰り上がりで、2度ゴールテープを切ったのは渋井に次いで重友が2人目、ということになります。
ちなみに、3大大会で通算3回優勝したというのは、浅利(上記の他93年大阪国際)、高橋(同・2005年東京国際)、野口みずき(2002年名古屋国際・03年大阪国際・07年東京国際)と、3人の金メダリストのみ。4回以上という例はありません。
こうしてみると、重友は堂々と日本女子マラソン界の歴史に名を刻む存在になった、と言えるかもしれません。あとは海外メジャータイトルか世界大会の金メダルが欲しいところですね。

竹中理沙と加藤岬は、どうしちゃったんでしょうね?
不安定なペースが敗因、とするには、あまりにもひ弱さが目に付く結果でした。
トレーニングやコンディショニングに関する情報が、私たち素人ファンのもとにまで伝わってこないのがもどかしいところですけど、両者とも昨年のタイムとほとんど変わらない結果には、1年間の成長を楽しみにしていただけに残念と言うほかはありません。特に竹中の場合は、大学時代の同級生だった田中華絵に先を越されてしまったことを奮起材料として、また出直しを図ってもらいたいものです。

そこへいくと、堀江の自己ベスト更新・自らレースを作っての2位はお見事でした。
トラックでも駅伝でも大きな実績のない地味な存在が、マラソンという種目に関してはトップランカーに名を連ねつつあるという、女子ではこれまでにないタイプの選手ですね。(ちょっと大南姉妹を彷彿とさせますが)
「25分は切れないだろう」という私の唯一的中した予想が残念ではありましたけど、これで世界選手権代表のチャンスは残りました。強豪が多数控える名古屋ウィメンズの結果によって枠からこぼれる可能性も大ですが、その場合はぜひとも、昨年のゴールドコースト制覇を上回る、海外レースでのさらなるPB更新を目指してもらいたいです。

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◆ネガティブ・スプリットって、簡単に言うけど…
ところで、今回の大会ではしきりに「ネガティブ・スプリットへの期待と評価」が随所でコメントされていました。
近年の女子マラソンの傾向として、後半にペースが跳ね上がるネガティブ・スプリットを刻まないと世界レベルには太刀打ちできない、という考え方なのですが、ちょっと引っ掛かるところがあります。

重友はペースが跳ね上がった10km過ぎでいったん自重したことによって、ネガティブまでは行かずとも絵に描いたようなイーブン・ペース(前半72分10秒・後半72分12秒)を実現したわけですが、これがもし、2年前の代表選考基準にかかっていたとしたら、どうだったでしょう?
2014年の横浜国際女子マラソンで、優勝しながら「前半のペースアップに付いていかなかった消極性」を指摘されて代表選考から漏れた、田中智美選手の事例が思い起こされます。陸連の選考方針が変化したんだと言えばそれまでですが、どうもこの種の、レース展開に関する個々の考え方にまで期待や評価をお上が下すというのは、納得がいかないのです。
先行して逃げ粘ろうが、集団走から一撃のスパートで決めようが、後方集団から追い上げようが、42kmを走った結果がすべてではないでしょうか?結果が悪ければ、「あそこでああしなきゃダメじゃないか!」と批判されるのは仕方ないにしても、ハナから「こういうレースをしないとダメだ」と決めつけるのは、いかがなものかという気がします。

ネガティブ・スプリットというのは、前半のハイレベルな探り合いがあって、勝負所で圧倒的なスピード変化を実現してこそのものだと思います。私たちが目の当たりにできた典型的な事例は、2000年名古屋国際での高橋尚子による、中間点過ぎからの破壊的なペースアップです。あれこそは、日本女子マラソン黄金時代の象徴とも言えた、「女王のレース」でした。それを実現する走力があって、初めてネガティブ・スプリットは戦術として意味が出てくるものだと思うのです。
人為的に前半抑え目のペースを造って、「さあ、後半は上げなさい」というやり方で、果たして今のレベルの日本の女子選手たちが本当に世界のレースを体感することができるのかどうか、甚だ疑問です。
その意味では、ある意味無茶なペースをメイクした今回のPMの仕事ぶりは、かえってレースに波風を立たせた結果となって、良かったのかもしれません。穏やかなスローペースで中間点まで進んで、大集団から誰が仕掛けるか、という展開も見てみたかった気はしますけど、レースは生き物ですからどうなっても対応する力がないと、世界には出ていけない、ということですね。

その点、重友の優勝は、まだまだ世界に抗するには力不足。前半を自重したのであれば、せめて35-40kmを16分台でまとめて実際に後半を1分以上は速くしないと、世界基準のレースには敵いません。
ただ、一つ勝つパターンを経験したことによって、ようやく5年前の輝きを取り戻すきっかけにはなった、と言えるでしょう。 本当なら、速いペースや乱高下するペースにも付いて行って、その上で後半自らペースアップする、35㎞までの堀江の走りと中間点過ぎの重友の走りが一人の選手によって実現できたとき、日本の女子マラソンは再び世界の中心軸となり得るのだろうと思います。

 

1日に3つも女子ロードレース…なんだかなあ



またまた遅ればせながらの観戦記事で恐縮ですが、13日の日曜日、女子の主要ロードレースがいっぺんに3つも行われました。
このあたり、雨後のタケノコのごとくレースが乱立したおかげもあって、きちんとしたロードマップなしにスケジュールが立っているような印象を免れません。当然のことながら、それぞれのレースの存立意義というものが希薄になってしまいますんで、陸連やら何やらでもう少し上手に舵を切ってもらいたいものだと思います。

◆「さいたま国際」は代表選考会の看板を降ろすべし!
まずは、『さいたま国際マラソン』を槍玉に挙げちゃいます。
前身ともいえる『横浜国際女子マラソン』が終結宣言を出した2年前、私は別のところでこんな記事を書いています。
せっかく、広告代理店の利権に囚われて4大会も指定しなければならなかった代表選考会が1つ減るのだから、そこを代替する必要などないだろう。分散していた有力選手が多少なりとも集中することでもあるし。
女子限定のエリート・レースは、大阪と名古屋の2つだけで十分だ。
そうなんです。「4大会」というのは、オリンピック代表の選考会の場合は前年の世界選手権を、今年の場合で言えば北海道のような「準選考レース」を含めてのことなんですけど、とにかく日本のマラソンが常に物議を醸すのは、代表選考レースが多すぎることによる混乱ゆえです。「横浜」の撤退で、女子はそれが1つ減る絶好のチャンスだったのに、なぜみすみす代替大会の創設を許してしまったのか、理解に苦しみます。
まあそれほど、商売上の「利権」というものがその筋の人々にとってはいかに重要か、ということなんでしょう。「代表選考会」という肩書があるのとないのとでは、大違いですからね。

「横浜→さいたま」の場合、主催者関係に名を連ねていた朝日新聞・テレビ朝日系列はそのまま手を引いたのですが、もともと「横浜」は、さらに前身である『東京国際女子マラソン』と毎年2月に行われていた『横浜国際女子駅伝』が(商売上)統合する形で成立したために、朝日系列と讀賣新聞・日本テレビ系列が共催するというややこしい名義関係でスタートしました。讀賣系は2012年に主催関係から降りたものの、後援名義は残していたために、「さいたま」創設のチャンスにしがみついた、というところでしょうか。

そうこうして始まった昨年の「第1回さいたま国際マラソン」は、案の定、「代表選考会」とは名ばかりのお寒いレースとなりました。
ロンドン女王のチキ・ゲラナ(ETH)を招待したのはいいけれど明らかに顔見世程度の状態で、代わって優勝した同僚のアツェデ・バイサのタイムは2時間25分台。日本人1位はどう見ても代表戦線にはかかってこなさそうな28分台で吉田香織。
「東京」の頃から開催時期の11月中旬は予期せぬ小春日和になってしまう可能性を孕んでおり、記録を狙う大会としては少々難がありましたし、コースも未知数ということで、オリンピック代表選考のかかる昨年は多くの有力選手が敬遠するだろうという予測があって、その通りの大会となってしまったのでした。

コースそのものも、全体に平坦とはいえ立体交差や跨線橋による細かい起伏が随所にあるいかにも大都市近郊型の道路状況は、ランナーにとって心地よいものとは思えませんでした。それは即ち、「好記録には結びつかない」ということになると思います。ワールド・メジャー大会でありながら記録が出にくいとされる、ニューヨークシティ・マラソンと同じような特徴のコースとも言えます。
かつての「東京国際」のコースは終盤に名物の登り坂が控える難コースとされる一方で、それが大きな勝負のポイント、アクセントとなってレースを見ごたえあるものにしていたのとは、ずいぶん趣が異なります。大都市の「名所」を次々と巡る「東京」「横浜」の景観も、ランナーのメンタル面にはプラスに作用していたことでしょうが、そういうものがなく、また田園風景の美しさがあるというわけでもない「さいたま」のコースは、走る者にとっても見る者にとっても甚だ魅力に乏しいと言わざるを得ません。
要するに、「代表」を目指すトップランナーにとって、「さいたまは敬遠」の風潮は今後も続くに違いない、と思わされるのです。
こういう大会を「代表選考会」として存続させることには、大きな疑問を覚えます。

そういうわけで、今回も日本勢トップランナーのエントリーはなく、那須川瑞穂と吉田香織、2人のベテランに期待するしかないという状況では、昨年同様のお寒い結果は目に見えていました。
中継する日テレとしては、実は世界選手権の代表選考レースの中継は2011年に変則で2月に開催した「横浜」以来2回目ということもあって、気合の入りようは十分でした。男子の「東京マラソン」は前身の「東京国際マラソン」以来ずっと、産経新聞・フジテレビ系列と讀賣系の隔年開催で、オリンピック代表選考の年は必ず讀賣系が「当番」となっている一方で、世界選手権代表選考レースを主催・中継したことは一度もなかったのです。
マラソン界の2大美熟女と言ってもよい那須川と吉田の存在は、テレビのビジュアル的にも期待するところ大きかったのでしょうが、序盤から先頭集団の速い(というかごく普通の)ペースに付いていくことができずに興味は半減。日本人トップを確保した那須川のタイムは2時間33分台と、惨憺たる結果に終わりました。
両美熟女は、十分に現状の実力を発揮してレースを終えたと思います。「世界」に挑もうというレベルの選手たちが、一人も「さいたま」を走る気にならなかったと、それだけのことです。
この結果を、陸連は憂うるのではなくて、真摯に自らの課題として受け止めてもらいたいものだと切に思います。

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◆開催意義と日程が問われる2つの女子駅伝
「さいたま」は朝9時10分のスタートでしたが、福島と福井では、同じお昼時に2つの女子駅伝がスタートしました。
『第32回東日本女子駅伝』は、1月に開催される『全国都道府県対抗女子駅伝』の東日本限定版として行われている大会ですが、これも今一つ存在意義の分からないレースです。まあ、文字どおり「全国」のプレ大会として捉えるべきものなんでしょう。各チームの中高生にとっては、それなりに意義深いものがあるかもしれません。
同じく第32回となった『FUKUIスーパーレディス駅伝』は、実業団・大学・市民ランナー・府県選抜のチームが一堂に会するという大会で、それなりに開催意義が明確です。そうは言っても、なにも「東日本」と同じ日にやらなくてもいいのに、と思わないわけにはいきません。

「東日本」は「全国」のプレ大会とはいえ、主力となる実業団・大学のメンバーは玉が揃わず、主に中高生の強化練習試合、といった雰囲気です。ここから「全国」の有力チームを占う、ということまでは難しい。
そんな中で、1区で上原美幸(第一生命)、安藤友香(スズキ浜松AC)、岡本春美(三井住友海上)などの有力ランナーを制して区間賞をさらった和田有菜(長野東高2年)で勢いに乗った長野県が、中高生・大学生だけのメンバーで優勝してしまいました。
驚いたことに長野は「FUKUI」にも選抜チームを送り込んでおり、「全国」へ向けて並々ならぬ強化の意欲を見せているようです。
2016東日本駅伝
1区で岡本(群馬)、安藤(静岡)らを置き去りにした和田有菜(長野・左)と加世田梨花(千葉・成田高3年)

「全国」ではここ数年いつも優勝候補に名の上がる群馬県は、主力のヤマダ電機が「FUKUI」へ行ってしまっていることもあって、12位に終わりました。一人気を吐いたのが、5km超の5区で区間賞を奪った林英麻(高崎健康福祉大高崎高2年)。中学時代から都道府県対抗では大いに注目されていた選手で、常盤高がいるために「全国高校駅伝」で見ることはできませんが、1月の「全国」での活躍が期待されます。
まあこのあたりの活きのいい高校生の走りを見られたことが、収穫と言えるでしょうかね。

いっぽう「FUKUI」は、今年から『全日本実業団女子駅伝』の開催が早まったことが影響してか、例年より実業団チームの出場が少なかったようです。「予選会」と「本戦」の狭間にあって、去年は「予選会」免除のシードチームのいくつかを見られるチャンスだったのですが、今回シードチームはヤマダ電機と九電工の2社のみ。ちなみに昨年は、上位8位までを実業団チームが占めています。
ほぼフルメンバーを揃えたヤマダ電機が、1区の竹地志帆が取りこぼした以外の全区間で区間賞をさらう圧倒的な戦力で、悠々連覇を飾りました。九電工はエースの加藤岬を欠いたとはいえ、「全日本」を制するには今少し力不足の感を否めません。
他の実業団チームはいずれも「全日本」出場を逃したシスメックス、エディオン、鹿児島銀行で、二軍メンバーで3位に入った立命館大以下の大学チームに歯が立たなかった状況では、それも止む無しといったところでしょう。

今大会では実力的に格上だったので優勝は当然の結果ながら、ヤマダ電機の戦力充実ぶりには目を瞠るものがあります。
今年の「全日本」は、3連覇中のデンソーが高島由香の抜けた戦力ダウンでピンチを迎えているところで、豊田自動織機とヤマダ電機の一騎討ち、というのが予想される展開になってきました。ヤマダにとって大きいのは、この時期いつも不調のどん底にいる西原加純がまずまずの走りを見せたこと、石井寿美、筒井咲帆らがエース級の実力を身に着けてきたことでしょう。今回欠場の森唯我キャプテン、デンソーから移籍の石橋麻衣あたりが戻ってくれば、万全の布陣となります。

ヤマダが強過ぎてレースとしては興ざめの部分もありましたが、本来この「FUKUIスーパーレディス駅伝」は、前述のようにカテゴリーに囚われない女子チームが参加してくる大会として、もっと面白いものになっていい大会です。
以前このブログで「マラソンに日本選手権を!」と主張した私ですが、実は駅伝にも、実業団や大学、高校、スズキ浜松ACのようなクラブチームが一堂に会する「日本選手権」って、ないんですよね。日本独自の競技種目である駅伝というスポーツの日本一を決める大会は、ぜひあるべきだと思いますし、それが将来的にオリンピックや世界選手権の種目になるための機運を盛り上げていく、第一歩となるはずです。
そのためには、乱立するマラソンや駅伝ほか各種ロードレースのスケジュールをいったん白紙に戻して、長距離界の強化につながるきちんとしたロードマップを整備する、日本陸連の強いリーダーシップが必要だと思います。その大きな阻害要因となるのが前述した「商売上の利権」であることは間違いないのですが、その必要性を広く公明に世に訴えることで、道は拓けるのではないでしょうか。
今のままでは、「さいたま国際マラソン」も「東日本女子駅伝」も「FUKUIスーパーレディス駅伝」も、その存立意義が疑われます。面白いレースを見せていくにはどうしたらいいか…マラソンと駅伝の日本選手権をどのように実現していくべきか…新生・陸連長距離部会の手腕を見せるのは、今がポイントだという気がします。

 
ギャラリー
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