豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

一色恭志

気が早いけど、今季の日本マラソンを振り返ると…



『びわ湖毎日マラソン』と『名古屋ウィメンズマラソン』の時期を迎えると、 寒い冬も、陸上ファンにとってワクワクドキドキ連続のロードレース・シーズンも、ともに「ああ、終わっちゃうなあ…」という感じになりますね。自らも走っている人などは、そろそろ重装備のウェアを1枚どうしようか、という陽気になってきました。

リオ五輪の“惨敗”を承けた今シーズンの日本マラソン界は、特に目立った急展開はなかったにしろ、「日進月歩」の僅かな1歩はあったかなと、そういう印象のシーズンだったと思います。
男子では、川内優輝・中本健太郎のかつて別府のコースで死闘を演じた両ベテランが存在感を示したのに続いて、 前週の『東京マラソン』では井上大仁(M.H.P.S)や設楽悠太(Honda)といった若手ランナーが希望をつなぐ結果を残しました。まだフルマラソンを走ってはいませんが、駅伝、10マイル、ハーフ、30kmと着実にレースをこなす神野大地(コニカミノルタ)への期待は、大きく膨れ上がりつつあります。加えて、大迫傑(NIKE.O.P.)のマラソン挑戦表明というニュースは、気が早いながら来シーズンに向けてのプラスアルファ要素としてついつい“皮算用”してしまいます。

◆“無名の新鋭”井上大仁の評価
井上大仁の快走は、一般的には「意外な無名選手が…」とか「ハイペースの先頭集団に付かなかった消極的レース」というように捉えられていたところがあるようですが、私はどちらも違うという気がしています。
井上は、2014年の関東インカレ・1部ハーフマラソンの優勝者です。この時の2部優勝が神野大地、2着は同じ青学の一色恭志でした。1部と2部は5分の時差スタートをしますから同じレースを走ったわけではないのですが、気象コンディションは同じと言ってよい中で、優勝タイムは井上が16秒上回っています。
以来私はこの選手にはずっと注目してきましたし、同シーズン『箱根』での3区3位(区間賞は駒澤の中谷)、初マラソンでの2時間12分台という結果にも「まずまず…」の感想を持っていました。
今シーズンは11月の『九州実業団対抗毎日駅伝』3区(13.0km)で今井正人(トヨタ自動車九州)、村山謙太(旭化成)を40秒以上上回る区間賞。本番の『全日本』では市田孝(旭化成)、今井に次ぐ4区(22.0km)3位。
これらを見ても、今まで注目度の高い『箱根』や『ニューイヤー』では目立った活躍がなかったことで地味な印象を持たれてはいたものの、相当な実力者であることが知れようというものです。さかのぼれば、2013年の『全日本大学駅伝』2区では大迫傑(早大)、山中秀仁(日体大)と区間賞を分け合ってもいます。
彼を「無名の新鋭」として扱ってしまうのは、ひとえにマスコミの認識不足であり、大学駅伝を注視し続けてきたはずの日テレの放送席ですらまともに取り合わなかったのは、少々残念なことではありました。
(ところで、前身の『東京国際マラソン』以来ずっと、西暦奇数年にはフジレテビ系列が中継してきたのに、今回初めて日テレが中継したのは、どういう事情だったのでしょうか?日テレが世界選手権代表選考会を中継するのは、去年の『さいたま国際』での女子に続いて、男子でもこれが初めてのことだったと思います)

今回のレースの序盤で、設楽悠太に先んじて先頭のペースに食い下がろうかという動きを見せた時から、私はレース中ずっと、その位置取りを気にしていました。結局井上は5kmまでに追走を諦め、かといってその後日本人主力選手の集まったグループに吸収されたという情報もなく、30km以上にわたってほとんどテレビに映ることのなかった井上がどんなレースをしているのか、想像を巡らすほかはありませんでした。
自分のペースを貫いた結果とはいえ、先頭の「世界記録ペース」にも後方で佐藤悠基がつくる「巡航ペース」にも迎合せず、ほぼ単独走となった厳しいレース展開を耐え抜いての日本人トップ。彼こそは、この日のマラソンで最も勇気あるレースをしたランナーであり、ここ数年では好タイムと言える2時間8分22秒でのフィニッシュという成績は、評価してよいのではないかと思います。

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◆「レース展開への評価」は無用!
ここのところ、日本人選手が苦戦を続けるマラソンという種目への姿勢について、陸連上層部の見解に妙な“揺らぎ”が目立つことに、とても違和感を覚えています。このことについては『大阪国際女子マラソン』のくだりでも述べたのですが、「世界のペースに付いていかなければダメ」とか、「前後半をフラットに、いやむしろネガティヴ・スプリットで」とか、およそ相反する指針を公然と口にする指導者が、信用ならんという感じなのです。つい、私がむかし所属していた会社で「レギュラーワークの売上を伸ばしつつ、新規事業を立ち上げろ」と常々言っていた上司を思い出してしまいます。「んな無茶な!」ということですよ。
「世界のペースに付いていく」ことが大事なら、ネガティヴ・スプリットを想定した遅めのペースメーカーを設定するのはおかしいし、また人為的に前半を遅くしたペースでネガティヴを実現したとしても、そこに何の意味があるのか、という気がします。
『大阪』で好成績を残した重友梨佐や堀江美里、『東京』で上位を占めた井上や山本浩之(コニカミノルタ)、設楽、それぞれが「自分のレース」に徹底した結果だったというのは明らかです。
設楽の場合は、前半ハーフのペースは3週間前の『香川丸亀国際』で試運転済みの想定レースで、そこから先は未知の領域へのチャレンジ。上手くいったとまではいきませんでしたが、今回はこれでOKです。今後は後半の落ち込みを食い止めるためのトレーニングを積み重ねればいい、という目標は「体感」としてしっかりと掴んだはずです。

42.195kmを走り通しての結果がナンボ、それがマラソンという種目の全てであるといってもいいのです。ペース配分は人それぞれ、結果の受け止め方も人それぞれ、日本のマラソン界が「強い選手」を代表に選ぶことができない現状では、こうした中から将来性や堅実性(あるいは逆に一発の魅力)を勘案して、目先の大会に選手を送り込んでいくしか、ないのではないでしょうか?…異なる大会でのタイム比較や、理想とするレース展開に適ったかどうか、そんなことは二の次で構わないと思うのですが、どうでしょう?

◆『びわ湖』への期待
今日の『びわ湖』には、大学駅伝路線では常に「日なたの道」を歩んできた一色恭志が2度目のマラソンに挑みます。本人から「練習不足」のコメントが出ていますので、あまり期待はせずに見守ってみたいとは思います。一般参加選手のリストには、宮脇千博(トヨタ自動車)や村澤明伸(日清食品G.)、市田宏(旭化成)などの名前もあります。
いっぽう迎え撃つ、昨シーズン日本ランク1位の佐々木悟(旭化成)や松村康平(M.H.P.S.)がどんなレースをするか、三十路を迎えたこの世代の力量を推し量る意味でも、そこが私の注目するところです。
小さいけれど確実な一歩、それを感じられるレースを見たいものです。

 

主要駅伝今季最終戦



…ということになります。早いものですね。
いつものことながら、『全国都道府県対抗男子駅伝』が終了すると、TVで楽しめる駅伝シーズンはひと区切り。この後は、ロードレース・シーズンの後半戦という形で、マラソンやハーフマラソンのビッグレース、クロスカントリー日本選手権などが続くことになります。
地上波ではありませんが、同じく昨日行われた『第28回選抜女子駅伝北九州大会』というのが、後日CSチャンネルのGAORAで放送される予定です。視聴できる方は、そちらもお楽しみに。ちなみに、優勝は一般の部がユニバーサル・エンターテインメント(木村友香-青山瑠衣-篠塚麻衣-伊澤菜々花-鷲見梓沙)、高校の部が大阪薫英女学院(中島紗弥-嵯峨山佳菜未-村尾綾香-竹内ひかり-木下文音-高田晴香)でした。

さて、『全国男子駅伝』は、今回が第22回。女子の35回に比べてだいぶ後発ということになり、こういうケースはスポーツ界では珍しいですね。
女子のように高校生と一般(社会人・大学生)が同じ区間を走るということはなく、中学生・高校生・一般が完全に区分けされています。特に高校生区間は、年末の『全国高校駅伝』の個人レベルでのリベンジ・マッチといった趣が強く、駅伝としての妙味よりはむしろ、そうした高校生や中学生のニューヒーロー争い、それをフォローするオトナたちの余裕の走り、といったあたりがワタクシ的にはちょっと微妙です。
区間も7区間と女子より少ないため、選ばれる各チームの選手も限られてきます。とうぜん、「どのチームが勝つか?」ということには、あまり興味が湧いてきません。

そんな中で、私が特に注目していたのは1区に登場したヒーロー候補・遠藤日向(福島/学法石川)と、3区でいったん先頭に躍り出た戸田雅稀(群馬/日清食品G)。
昨年中距離戦線でブレイクし、2度の実業団駅伝でも素晴らしいラストスパートを見せてくれた戸田。その戸田が優勝した日本選手権の1500mで4位に食い込み、インターハイでは1500m優勝、5000m日本人1位、昨シーズン以来トラックでも駅伝でも、日本人高校生にはほとんど先着を許していない遠藤。いずれも、「東京2020」へ向けての最大のスター候補の一角です。
しかしながら、今回は両者ともに大コケに終わりました。
遠藤は、高校駅伝をインフルエンザで欠場した影響で、練習不足だったのでしょう。さほど強力とも見えないペースアップに付いていくことができず、区間13位の惨敗。
戸田の方も、3位でもらったタスキをトップにまで押し上げたところまでは良かったのですが、駅伝ならではのペース配分ミスがあったのか、後半は京都に抜き返されたばかりか追走集団にも追い抜かれる失速ぶりで区間21位。
ちょっとガッカリでした。

中学生区間2つでともに区間新記録が樹立されたのはお見事でした。2区で林田洋翔(長崎/桜が原中)、6区で松山和希(栃木/大田原中)。ただ、どちらも先頭争いからは遠く離れた下位での出来事で、その走りも表情も、ほとんど見ることができなかったのは残念。

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唯一の見どころと言えば、アンカー区間で繰り広げられた神野大地(愛知/コニカミノルタ)・一色恭志(京都)・下田裕太(静岡)の青学各世代エース軍団+オリンピアン塩尻和也(群馬/順天堂大)による、豪華な3位争いでした。
この4人、3位で中継した一色から6秒遅れで塩尻、さらに5秒遅れて神野と下田が続き、ほどなくして4人の集団で7区13kmのうちの約10kmを集団走。一色が「まるでふだんのポイント練習のようだった」というようなシーンを楽しませてくれました。
OB1年目の神野から大学2年の塩尻まで、ちょうど1つずつ学年が違う(このあたり、「1つ違い」をものすごく意識する年頃なんですよね)という絶妙の取り合わせの3位争いは、最上級生の権利とばかりに後ろでじっくりと構えた神野が最後に抜け出して学年のとおりの順位で決着したのは、予定調和劇のようで何やら妙な爽快感がありました。
一色いわく「(勝負にこだわって前に出ない)神野さんは大人げない。塩尻君には(ずっと先頭を引っ張らせて)申し訳ないことをした」…仏頂面ながらなかなかの正論を言う、ナイスガイですね。

この7区には、優勝した長野のアンカー・上野裕一郎(DeNA=区間2位)をはじめ、今井正人(福島/トヨタ自動車九州=14位)、井上大仁(長崎/MHPS=11位)、鎧坂哲哉(広島/旭化成=22位)、鈴木健吾(愛媛/神奈川大=7位)、有村優樹(鹿児島/旭化成=5位)、横手健(栃木/富士通=8位)、潰瀧大記(千葉/富士通=19位)、西山雄介(三重/駒澤大=27位)、森田歩希(茨城/青山学院大=23位)、大塚祥平(大分/駒澤大=15位)等々、箱根のスターたちが目白押しでした。そうした中で、サラッと区間賞を奪っていったのが設楽悠太(埼玉/Honda)。返す返すも、実業団駅伝での大失速は痛恨でしたね。
こうした選手たちも、できれば、もっと先頭に近い位置での争いを見たかったところです。
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2017『箱根』を振り返る




毎年、箱根駅伝・復路のレースが横浜駅前あたりに差し掛かってくると、
「ああ、正月ももう終わっちゃうなあ…」
という何とも言えない脱力感に襲われます。日本人にとって年末年始はそれほどに非日常的な特別な数日間であり、そこにこれだけ駅伝なるものが浸み込んでいるというのは、根っからの陸上ファンとしては
感慨深いものがあります。
私にとって至福の駅伝漬けの日々は、今年もあっという間に終わってしまいました。まだまだロード&マラソン・シーズンは続きますから「何とかロス症候群」てなことにはなりませんが、こうして一つ一つ記憶の積み重ねと引き換えに齢をとっていくのだな、という寂しさみたいなものはありますね。

◆青学の天下は続くのか?
誰がどう予想しても、青学の優勝。その通りの結果になりました。
ゲームチェンジャー的存在が2枚や3枚抜けても、少々体調不安なランナーがいても、圧倒的な戦力はどうしようもなく、大物高校生をこぞって入部させているわけでもないのにどうして青学だけがこんなに強いのか、原晋監督の手腕についての議論や研究が、今後も至る所で巻き起こりそうです。
たとえば、TVで解説を務めた住友電工・渡辺康幸監督は原監督について、
「経営者目線での気配り」
という鋭い(たぶん)指摘をしました。
どういうことか、を深く考えるのはまた後々のことにしたいと思いますが、独自のトレーニング理論や技術論に留まらない、原監督の奥深いところを衝いている言葉のような気がして、そこに気が付くんだったら渡辺さんももうちょっと頑張ってよ、という気もしつつ、フムフムと感じ入っておりました。

来季以降も、青学の快進撃は続くんでしょうか?
『箱根』に関して言えば、「三冠&3連覇」という千載一遇の機会をしっかりとモノにしたことで、次回以降はぐっとプレッシャーから解き放たれる、ということが考えられます。つまり、連覇はいつか途切れるんだから、それが来年であっても構わない、という意識にチームがなれると思うのです。そうすると、今回のように復路にカードを余らせるような守りの(言ってみれば臆病な)戦略をとる必要はなくなり、先行逃げ切り型の“攻め”のオーダー、あるいは将来を見据えて実力未知数な下級生を躊躇なく投入するアグレッシブな作戦、というように、戦略の幅が大きく広がることになる…それが原監督流の考え方だと思います。
実戦面では、今回のメンバーからは4年生4人が抜けるものの、それは各校とも事情は同じ。インカレなどの個人戦でも活躍が期待される田村和希・下田裕太をはじめ、多くの有力選手が残ります。
各校の補強がどのように整うのかはまだ情報が十分に集まってきていませんが、総体的に青学の“一強”体制を崩す要素はなかなか出てこないように思われます。

◆先手必勝を成功させた唯一のチーム
ところで、今回の『箱根』では、青学の進撃を少しでも食い止めようと、「先手必勝」「往路重視」のオーダーを組むチームが目立ちました。序盤で出鼻をくじくことができれば、あとは区間ごとの細かい戦術次第で互角に持ち込めるかもしれない、という考え方です。
これは打倒青学を目指す上位候補だけでなく、シード権争いを優位に戦うために少しでも先行したい、という予選会上がりのチームなどにも等しく見られた傾向でした。
そうした中で、序盤にエース2枚を投入することで見事に波に乗り、「先手必勝」を成功させたのが神奈川大学でした。

神大の1区・山藤篤司(2年)は、10000mのタイムが28分29秒43とチーム1位。愛知高3年だった2年前、『都道府県対抗駅伝』の1区中継所手前でフラフラになって倒れ込み、最後はリレーゾーンにタスキを放り投げたために愛知県チームが失格になってしまったという、あの選手です。大きな失敗にくさることなく、大学で実力をさらに伸ばしてきたのは大したものです。
2区の鈴木健吾(3年)は今年の予選会で、全体3位・日本人1位。58分43秒のタイムは予選会日本人歴代3位という立派なもので、一躍2区の区間賞候補としてクローズアップされました。そうは言っても彼が一色恭志や服部弾馬ほどに注目されていなかったのは、「弱小」と見られたチームゆえの情報の偏りに起因しているのかもしれません。

予選会では山藤も10位(日本人5位)と健闘し、神大ではこの2人の傑出した成績がモノを言って総合5位となり、本戦に進出してきました。その他の選手はすべて50位以下で、予選会回避組では大塚倭(3年)がハーフマラソンで鈴木健と同等のタイム(63分12秒)を持っているのが目に付く程度。いかに2枚看板が頑張ったとしても、順当ならばシード権ギリギリのあたりを上下する展開がせいぜい予想されるところでした。

ところが、2区鈴木健が一色恭志を振り切る殊勲の区間賞で戸塚中継所のトップを奪うや、3区以降の選手が必死に貯金の目減りを食い止め、5位で往路を終えると復路は9区まで区間ひとケタ順位と波に乗って、上位を安泰のものにしてしまいました。
駅伝の展開の妙と言うべきか、それとも予選会以降2人のエースランナーに追従しようと他の選手も気合を入れ直した成果なのか、総合5位は目標以上の嬉しい誤算というべき結果だったことでしょう。
1区序盤の極端なスローペースに「先手必勝」の目論見を大きく崩されたチームが多かった中で、我慢のレースで上位(5秒差5位)を確保した山藤、それに応えて一色、塩尻、ワンブイ、デレセといった並み居るエースたちに勝った鈴木健と、ただ1チーム、見事にロケットスタートを成功させた頼もしいダブルエースは、来年もチームをより高い目標へと引っ張っていきます。

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◆今年の『箱根』は低レベル?
今季の大学駅伝シリーズは、出雲、全日本と、いずれも全体のレベルが低かったという苦言が、『月刊陸上競技』の別冊観戦ガイドで語られています。そして『箱根』を終えてみると、それは今シーズンの学生長距離界を通しての傾向であったことが見えてきます。
2012年から昨年までの最近5年間、『箱根』の10区間総合優勝タイムは、日体大が優勝した2013年以外はすべて、10時間50分前後で決着しています。一つ前の2011年でも、11時間を切っています。2013年は特に往路が強烈な向い風に苛まれながらのレースで致し方ないコンディションとも言えましたが、率直に言って日体大の優勝はまったくの予想外であり、それを許した有力校(東洋・駒澤・早稲田)の不甲斐なさが大きく関係していました。
今年の優勝タイムはその2013年以来11時間を超えました。天気が良すぎて気温が上昇するという要因はありましたが、それにしても遅過ぎるし、7分以上離された2位以下はかなり低いレベルで団子状態に固まっていた、と言わざるを得ません。中で復路の落ち込みが心配された東洋が2位に上がってきたのも、周囲の低レベルに救われた、とさえ見ることができます。

「駅伝はタイムじゃないよ」って?…確かにそれも然りですが、その内容に目を移せば、昨日指摘したように5区山登りの走りを見ても、ここ数年に比べてのレベルダウンは見た目で感じられます。
近年箱根路を賑わした設楽兄弟、村山兄弟、大迫傑、中村匠吾、山中秀仁、神野大地、久保田和真、服部勇馬、ダニエル・ムイバ・キトニーといったスター選手たちに比較して、今年の目玉だった一色恭志、服部弾馬あたりのレベルはなかなか「超」の字をつけにくいものではないでしょうか?厳しい言い方をすれば、一色は強い青学のエース、服部は強い勇馬の弟と、それぞれの肩書にイメージを押し上げられたところが多分にあるように思います。(あくまでも箱根での実績をもとに言えば、です。彼らが長距離界期待の星であることに異論はありません)
前述の鈴木健吾、6区区間新記録の秋山清仁(日体大)、8区区間賞の下田裕太が結果的に今回の「ベスト3パフォーマー」だったと思いますが、それ以外はこれと言って瞠目するほどのパフォーマンスがなかった、すなわち全体にレベルが低かった、ということが言えそうです。

今年の青山学院を打倒するには、217.1kmを11時間以下で走破するチームを組み立てればよかったのです。カンタンに言って申し訳ありませんが、要はそういうことです。それができなかったのは、どのチームもそういうレベルに達することができなかったから、ということなのです。
現実には、2位以下は7分以上青学に及びませんでした。その差を考えること以前に、チームの総合力を、もっとタイムを目標意識して底上げしていくことが、打倒青学に、ひいては学生長距離界全体のレベル向上に向けての指標となっていくのではないでしょうか?


青学三冠&3連覇にリーチ!



『第93回箱根駅伝』往路は、大方の予想どおり青山学院大が優勝。しかしながらその内容は圧勝ではなく、
2位早稲田との差は僅か33秒、16位の山梨学院大までが復路時差スタートに収まるという稀にみるダンゴ状態での折り返しとなりました。

◆王者の総帥の胸の内は?
今年の青学はすでに出雲と全日本を制し、相変わらず分厚い選手層を誇る割には、原晋監督のコメントがいつになく強気一辺倒ではないところが、少し気に掛かっていました。それは、少々苦戦を強いられた局面でも戦況を何とか立て直してくれるゲームチェンジャー(さっそく流行語を使ってみます)が少ないことへの不安、と見て取れました。

大エースの一色恭志は2区起用が既定の事実で、これは他校のエースと渡り合う役割ですからゲームチェンジャーとはなりにくい。前回の場合は山の専門家である神野大地がいて、加えて久保田和真、小椋裕介という複数のエースを自在に配置することができました。いずれも、他校に対して1区間で数十秒から2~3分のアドバンテージを計算できる存在です。
今回の場合は、山下りの専門家として実績を積んだ小野田勇次と、ゲームチェンジャーとして期待するのは下田裕太と田村和希。いずれも前回十分な働きをしている選手ですから、神野ら3人が抜けた穴を補充する、という意味にはならないわけです。
むろん、他の選手たちの成長分や、一昨年、昨年と関東インカレ2部ハーフを制した池田生成などの存在もありますが、 「切り札の不足」が原監督の悩みのタネになっていたのでは、と推察する次第です。
ま、他校からすれば、贅沢過ぎるほどの悩みではありますけどね。

ただ、今日の結果を見れば、原監督の危惧は半分現実になった、と言えなくもありません。
5区・貞永隆佑の山登り適性が未知数だったことを考えれば、4区までに2位以下にどれだけ差を付けられるか…5区の結果がどうなろうとも(仮に逆転を許したとしても)、青学にとってはそこが重要だったはずです。 第4中継所での早稲田との1分29秒差というのは、原監督にとって満足できる数字ではなかったのではないでしょうか?それとも、箱根路初見や故障明けで不安定要素のある戦力を敢えて往路に並べた結果がこれであれば、十分OKと考えているでしょうか?
全5区間とも、区間タイムが早稲田と1分以内の差で推移した結果が僅か33秒のリード。王者青学にとっては、何となくスカッとしない結果だったように思えます。

そうは言うても、青学は往路に際して下田、田村、あるいは安藤悠哉主将、茂木亮太、鈴木塁人といった控えカードを1枚も使っていません。入れ替えは最大4名ですから、余っちゃってる状態なのです。いくら駅伝の予想は難しいとは言っても、これで青学の首位陥落があるとすれば、何らかのアクシデントが必要になるでしょう。
私は今大会のナンバーワン選手は田村和希だと思っているのですが、唯一の不安は暑さに弱いことなので、まず7区での起用が確実。6区・小野田、8区・鈴木、9区・下田、10区・安藤or茂木、というところでしょうかね?あるいは8区・下田で9区はそのまま池田?あとは個々の選手の調子次第でしょう。

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◆逆転諦めないWとマルサ
早稲田とすれば、三冠を達成した2010年、東洋との31秒差を6区で逆転したスリリングな優勝劇の再現がチラつくでしょうが、青学の6区・小野田は区間新記録も狙える下り屋ぶりをすでに証明している選手ですから、ここでの逆転は難しそう。ただ、下りに関してはその優勝時の高野寛基や一昨年区間賞の三浦雅裕など、実績とノウハウがないわけではないので、いかに耐え忍んで食い下がるか、で戦況は変わってきます。
復路に多く駒を残した青学に対し、早稲田は主力の4年生トリオを往路に使い、残るカードは昨年9区区間賞の井戸浩貴と世羅高校からのルーキー新迫志希、3年エースの光延誠といったあたりがどこまで調子を上げているか?…彼らの中から「ゲームチェンジャー」が出てこないことには、青学との差は拡がるばかりとなります。

伝統の「マルサ」こと順天堂大が、久々に総合優勝に色気が出るほどの好位置で往路を終えました。
実は私は中学生時代から、順大のファン。陸上界の"ドン”澤木啓祐氏が世界と渡り合うトップランナーだった頃から、小山隆治、宮下(木内)敏夫、上田誠仁、仲村明、本川一美、三代直樹、今井正人…と、歴代多くのスター・ランナーたちの雄姿を目に焼き付けてきたものです。7年前に半世紀以上続いた本戦連続出場が途絶える無念を味わって以来、なかなか上位を伺うほどの駒が揃わない状況にやきもきしていましたが、オリンピアン塩尻和也と栃木渡の2枚看板に5区・山田攻の好走がうまく嚙み合っての3位です。
かつては「逆転の順大」の名を馳せた後半勝負型の伝統で、長門監督は「復路にも駒はある」と上位への自信を覗かせています。楽しみ楽しみ。
総合優勝を狙えるとすれば、ここまでの3校、ということで間違いないでしょう。

◆シード争いは激烈
圧倒的な戦力を誇る青学への唯一の対抗策として、往路に主力を投入し尽くした感の強い上位候補校が多く、特に往路4位の東洋、5位駒澤などは、厳しい戦いを強いられそう。予想以上の健闘を見せた神奈川大、創価大、上武大、近年シードの常連となりつつある中央学院大あたりも、3位くらいまでの可能性は十分に残していそうです。

青学の対抗格にも挙げられていた山梨学院大、東海大は、頼みとするランナーがことごとく不発に終わってシード権すら危うい大ピンチ。
いっぽうで予選会をギリギリの10位で通過した日大が、1区・2区のダブルエースが大コケしたにも関わらずシード圏内で往路を終えたのは少々意外でした。もしも石川颯真、パトリック・ワンブイが実力を発揮してさえいれば?…かえって後続の選手の意識が堅くなって、結果同じような順位になっていたような気もします(ここ数年、いつもの日大のように)。このあたり、駅伝というレースの不思議なところですが。
シード争いは、東洋・駒澤すらも巻き込んでの大混戦となりそうな、僅差での復路スタートとなります。山梨
東海のほかに日体大、帝京大、拓殖大といった実力校も、タイム的には十分狙えるところにいます。

それにしても、今年の5区を見ていると、「神」と呼ばれたほどのクライマーたちの走りがいかに凄かったか、よく分かりますね。
2005年以前とは第4中継点の場所が微妙に変わり、函嶺洞門のバイパスによる40mほどの距離延長はあるものの、区間賞の大塚祥平(駒沢大)ですらその2005年に今井が記録した69分12秒という記録から約3分半。見るからに走りが違います。
それでも、この5区だけで大きな順位・タイム差変動がたくさんあったのは例年と変わらず、今後も「山登り」は各チームの大きな課題となって、箱根駅伝の象徴となり続けていくことでしょう。
 
 

青学、三冠に盤石“王手”!~全日本大学駅伝



第48回全日本大学駅伝

6日(日)に行われた『第48回全日本大学駅伝対校選手権』は、「1強」の呼び声が高かった青山学院大学が、最終8区まで早稲田に先行を許す苦しい展開ながら、結果的には総合力の差を見せつける56秒の大差で快勝、6年ぶり4校目の三冠達成に“王手”をかけました。

今年もメンバーの持ちタイム比較や関東インカレ等での実績から、また4週間前の「出雲」の結果を承けて、青学の優位は揺るぎなしと見られていました。
中継番組上では前年覇者の東洋をおろそかにはできない、ということでスタート前には青学・原監督と東洋・酒井監督を並び立たせる演出はしたものの、ホンネとしては青学の敵はドミニク・ニャイロを擁する「出雲」2位の山梨学院…とはいえニャイロのような大砲が果たす1区間でのゲームチェンジの比率は、出雲に比べれば大きくならないのですから、まずまず青学にとっては安泰、という余裕の表情を浮かべていた原監督でした。

東洋としても、もちろん目標は「連覇」にあったのでしょうが、服部弾馬を除くと全体的に戦力ダウンの陣容は明らかで、今季の狙いは長い距離への対応力を求められる選手層に賭ける「箱根一本」にあるのではないか、と思わされます。

もう1チーム、下馬評に上がっていたのがゴールデン・ルーキーを揃える「出雲」3位の東海大学。話題性だけでなく、持ちタイム比較では青学を上回る部分もあるということで「対抗」に推す声もあったのですが、最注目のルーキー關颯人が欠場、また關が健在だったとしても「優位」のタイム比較はあくまでも5000mでのもので、今季10000mやハーフで好結果を残していない東海の「全日本」「箱根」における戦力は、レース前の時点で未知数と言わざるを得ません。

レースは1区で大方の予想どおり、東洋・服部が格の違いを見せるレース運びで中盤・終盤と2度のスパートを決めて先頭に立ちました。「ウォー!」と雄叫びを連発するラストスパートの姿にはスタジオで観戦の兄・勇馬も苦笑してたようですが、まあいいでしょう。
これに食い下がったのが、早稲田・武田凛太郎と駒澤・工藤有生という伝統の両校。武田は日本インカレ10000m3位、工藤は10000m28分25秒と、ともに実力者ですから当然と言えば言えますが、青学・山学・東海といった優勝候補を置き去りにしてのこの序盤戦は、レースを一気に面白いものにしてくれました。

2区では青学第2のエース、田村和希が豪快に巻き返して主導権を奪い、早稲田の4年生トリオの一角・平和真が食い下がりました。
3年前にはゴールデン・ルーキーの一人として期待を集めていた平は今一つ伸び悩みの下級生時代を過ごしていたものの、今年はキャプテンの風格を漂わせる充実ぶりが光ります。片や田村は、青学V2の「箱根」でともに最短区間の4区を担ったことでひ弱さのイメージもある一方で、実のところこれまで4度の大学駅伝でその箱根を含め3度の区間賞、2位が1回と「駅伝男」の異名をとる猛者。私は個人的に、神野大地の後を継いで山を走らせたいと思っているほどです。
この両者の見ごたえある攻防で、レースの趨勢は早くも形成されてしまいました。
そして唯一の10km未満区間である3区で早稲田・鈴木洋平が抜け出し、まったく下馬評に上っていなかった早稲田が以後数時間にわたり、「全日本」の主役を務める展開となっていきます。

思えば、ここ数年、箱根駅伝が迫るたびに私は、「今年はひょっとして、早稲田が?」と淡い期待をもって見ていたものです。かつての「スター軍団」の面影こそないとはいえ、そう期待させるだけの陣容が、早稲田には常にあったからです。
しかし、平や武田のように期待された逸材が伸び悩んだり、高田康暉や柳利幸のようなエース格がずっこけたり、今年は6区区間賞候補の三浦雅裕がドタキャンしたりと、持てる力をまるで発揮できないままに敗退を重ねていたのが、最近の早稲田だったのです。
その早稲田が、久々にほとんどのメンバーが順調に迎えたのが今回の「全日本」。惜しむらくは青学・一色恭志や東洋・服部弾馬のような、あるいは山梨・ニャイロや日大・ワンブイのような大砲は持っていませんが、青学を脅かすだけの総合力は本来十分に持っているチームだということを、知らしめてくれました。
今回はメンバーから漏れましたが、強力な4年生の一角には関東インカレ・ハーフマラソン2位の井戸浩貴、3年生には光延誠などの実力者も残しています。次の「箱根」では堂々、「青学1強」の対抗馬に名乗りを挙げたといってもいいかもしれません。

同じようなことは、以前からすればだいぶ小粒になったとはいえ、工藤、西山雄介、大塚祥平、そして今回欠場の中谷圭祐と、核になるメンバーを揃える駒澤にも言えます。出雲や全日本とはまるきし異なる性格のレースである「箱根」で、その走り方を熟知する古豪チームが「大砲」の力を頼みとすることなく巻き返してくることは、大いに期待してよいでしょう。



レースは、4区・永山博基の快走で青学に1分余りの差を築いた早稲田が中盤から後半の主導権を握りましたが、各区間でミスのない走りを続けた健闘も、青学の圧倒的な総合力の前には一歩及ばず、ということになりました。
見た目では49秒差をいともあっさりとひっくり返した一色の強さが際立ったものの、勝因は5区から7区で早稲田に決定的なアドバンテージを与えなかった小野田勇次・森田歩希・中村祐紀の隙のない追走であり、それができるメンバーを並べられる青学の底力ということに尽きます。まさに、「エビフライ作戦」の面目躍如といったところでしょう。
これでなお、関東インカレ・2部ハーフマラソン連覇の池田生成や前回「箱根」3区区間賞の秋山雄飛らがメンバー落ちしているのですから、その強さは底知れません。

駅伝のレース結果を予想することは無理、というのが私の持論ですけれども、今年度に関して言えば、青山学院の「箱根」3連覇と三冠達成は、きわめて可能性が高いと言うほかはありません。
対する他校では、明らかに戦力低下の東洋、ニャイロ頼みの部分がさらに希釈される山梨では、まず太刀打ちできないのではないでしょうか。残る早稲田・駒澤がどこまで抵抗するか、が見どころになると思われます。
そうは言っても、2年前に青学の「箱根」初優勝を予言した人などほとんど皆無に等しかったことを思い返すと、駅伝は何があっても不思議ではありません。その筆頭は、「やっぱりルーキー中心の陣容ではハーフの距離は厳しいだろう」と思われている東海。「出雲」4位、「全日本」5位と不気味な好成績を続けた中央学院や、メンバーの底上げが著しい拓殖、古豪の一つ順天堂などのダークホースにも要注目です。意外な「山の神4代目」が出現する可能性だってあります。
穴のない、盤石のリレーをしたチームが勝つのが駅伝。その力を最も持っているのが、現状では青学だということです。それにとって代わるレースをする大学が現れたとしても、私は少しも驚きません。今回の早稲田のように、少しドキドキ面白くさせてくれるチームが出てきてくれるといいと思います。

あとは…もう少し、将来に期待を持たせてくれる「大物」感あふれる個人の活躍を、強く望みます。
強かったとはいえ終盤に失速の著しかった一色や、ゴールデン・ルーキーと言いながらかつての佐藤悠基や村澤明伸の大物感には遠く及ばない館澤亨次あたりの今回の走りでは、まだまだ物足りないです。 

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