9月11日(日)、イギリスのニューキャッスルで行われたIAAFゴールドレーベル・ロードレースの『Great North Run』(ハーフマラソン)で、男子はモハメド・ファラー、女子はヴィヴィアン・チェルイヨトというリオの金メダリストがそれぞれ優勝を飾りました。
IAAFでは世界各地で開催されるロードレースのうち、2016年度は46大会を「ゴールドレーベル」に指定しており、日本の大会では「東京マラソン」「びわ湖毎日マラソン」「名古屋ウィメンズマラソン」「福岡国際マラソン」の4大会がこの中に含まれています。(「シルバーレーベル」は17大会/日本4大会、「ブロンズレーベル」は27大会/日本1大会)
レーベルレースの多くは男女混走のフルマラソン大会ですが、ハーフマラソンや10kmのロードレースなどもあって、この『グレート・ノース・ラン』はハーフの大会。地元のスーパーヒーロー・ファラーは2014年から3連覇で、本格的にロード参戦を開始した2013年は2位。この時の優勝はケネニサ・ベケレ(ETH)でした。
それではIAAFの記事をそのまま、久々に拙い和訳文でお伝えしましょう。(私の英語力は高校生時代から進歩しておりませんので、誤訳がありましたらご容赦ください)
https://www.iaaf.org/competitions/iaaf-label-road-races/news/farah-cheruiyot-win-2016-great-north-run
日曜日(11日)に行われたIAAFゴールドレーベル・ロードレースの第36回グレート・ノース・ランで、モー・ファラーとヴィヴィアン・チェルイヨトが順当に勝利を飾った。
ファラーは海岸沿いのフィニッシュまで1マイル少々のところでデイザン・リッツェンハインを引き離すとそのまま突っ走り、1時間00分04秒で、ニューキャッスルからサウス・シールズのコースでの3連覇を達成した。
女子の部では、リオの5000m金メダル・10000m銀メダルのチェルイヨトが、同じケニアのプリスカ・ジェプトゥーを最後の200mで突き放し、初出場のハーフマラソンを1時間7分54秒で制して33歳のバースデイに花を添えた。
ファラーの優勝は、リオデジャネイロで5000m・10000mの王座をともに守り、オリンピック2種目2連覇という歴史的大偉業を達成してから僅か22日後でのことだった。
「正直に言うよ。もうヘトヘトなんだ」と、ファラーはBBCスポーツのインタヴューで語った。
「目いっぱい走らないといけないってことは分かってたよ。デイザンは元は僕のトレーニング・パートナーで、強いランナーだから。僕がどれだけ速いかを知ってるから、頑張って前に出ようとしてたね」
これは、ファラーがオリンピックの5000mに優勝した8月20日以来、最初のレースだった。
「いい気分で今シーズンを終えることができて良かった。素晴らしい1年だったよ」
レースは始まっていくらもしないうちに、ファラー、アメリカのリッツェンハイン、そして4マイル過ぎに上がって来たケニアのエマニュエル・ベットによる三つ巴の様相となった。ベットとファラーが10km地点を並ぶようにして28分32秒で通過し、いっぽう序盤は先頭を引っ張ったリッツェンハインは、5マイルから6マイルにかけての下り坂を過ぎたあたりから懸命に食らいついている様子に見えた。しかし彼はまたすぐに、2人に追いつき先頭に出た。
11月のニューヨーク・シティ・マラソンに向けてトレーニング中のリッツェンハインは、そのまま先頭で快調なペースを続け、15㎞を少し過ぎたあたりでベットが脱落した。
ファラーが勝負に出たのは、残り2kmを切った急激な下り坂に差し掛かった時だった。ファラーのギアチェンジは鮮やかかつ決定的なもので、あっという間にかつてのトレーニング・パートナーに挽回不可能な8秒の差をつけてゴールへと突き進んだ。
リッツェンハインにとって、1時間00分12秒のタイムはセカンド・ベストだった。ベストは、2009年にマークした1時間00分00秒である。
大きく遅れはしたものの、ベットが1時間01分22秒で3位の座を確保し、ベルギーのバシル・アブディが1時間02分03秒で4位、ケニアのダンカン・マイヨが1時間02分06秒で5位に続いた。
https://www.iaaf.org/competitions/iaaf-label-road-races/news/farah-cheruiyot-win-2016-great-north-run
女子のレースは序盤のゆったりとした展開の後、先頭集団は5マイルを過ぎて一気に5人にまで絞られた。チェルイヨト、ジェプトゥー、ジョイス・チェプキルイ、ティルネッシュ・ディババ、オーストラリアのエロイーズ・ウェリングスである。5マイルから6マイルにかけての4分57秒というペースはウェリングスにはあまりにも重荷に過ぎて、あとの4人の集団からみるみる取り残されることになった。
レースが始まって54分が経過したところで、先頭にはチェルイヨトとジェプトゥーだけが肩を並べるようにして残り、その約10m後方を、2012年の優勝者ティルネッシュ・ディババが懸命に追っていた。エチオピアの女王は死力を振り絞ったものの力尽き、あと約800mという地点で完全に遅れた。
ジェプトゥーがここぞというところでピッチを上げたが、その仕掛けは少々早すぎて、ラスト200mでチェルイヨトの逆襲を許す結果となった。
ジェプトゥーは1秒遅れの1時間07分55秒でゴールに入った。自身4度目のオリンピックとなったリオの10000mで銅メダルを獲得してから初のレースだったディババは、1時間08分04秒で3着となった。
IAAFのセバスチャン・コー会長が、オリンピック800m連覇のデーヴィッド・ルディシャと一緒にレースのスターターを務めた。ルディシャは、前日にグレート・ノース市民レースとして行われた500mで優勝していた。コー氏はまた、メダルのプレゼンターも務めた。
(ボブ・ラムザック)