豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

ムタズ・エッサ・バルシム

開幕から好記録連発!~DLドーハ大会


2018年のIAAFダイヤモンドリーグ(DL)がいよいよ開幕、オリンピックも世界選手権もない中間年に世界の陸上界はどう動くか、注目のシリーズがスタートしました。

まず、女子円盤投の女帝、サンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)がPBにあと3㎝と迫る71m38の大投擲で相変わらずの無敵ぶりを発揮すると、男子やり投では昨年来しのぎを削るトマス・レーラーとヨハネス・フェテル、さらにはアンドレアス・ホフマンを加えたドイツ勢3人で90mスローの競演。
ここ2年間、クリスチャン・テイラー(USA)の独擅場が続いてきた男子三段跳では、ペドロ・ピチャルド(CUB)が 久々に18mラインを脅かす大ジャンプを繰り出し、すぐさまテイラーもこれに迫って3年前の開幕戦を思い出させるハイレベルなマッチレースを展開。

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 400mHのリーダーに躍り出た22歳のサンバ

トラックでは、400mHの新星アブデルラーマン・サンバ(QAT)が47秒57のカタール新記録でカーロン・クレメントやバーショーン・ジャクソン(ともにUSA)らの旧勢力をぶっちぎり、地元の大喝采を浴びました。

女子100mには、リオ2冠のエレイン・トンプソン(JAM)に世界選手権200m連覇のダフネ・スキッパーズ(NDL)、今季室内シーズンから好調のマリー・ジョゼ・タルーにミリエル・アウレ(ともにCIV)、LJとの二刀流ブレッシング・オカグバレ(NGR)と役者が揃いました。レースはタルーが中盤から抜け出し、10秒85(+1.5)はこれまたPBにして今季世界最高。トンプソンは3着ながら10秒93とまずまずながら、スキッパーズはいいところなく、今季この種目は今回不参加のアメリカ勢を絡めて、大混戦となりそうです。


「ポスト・ボルト」が注目された男子200mでは、2年前のU-20世界選手権100mチャンピオンのノア・ライルズ(USA)が19秒83(+1.3)のPBで快勝、調子の上がらないラミル・グリエフ(TUR)やアンドレ・ドグラス(CAN)を置き去りにしました。



好記録にはなりませんでしたがレースとして面白かったのは女子の100mHです。

一昨年の世界新記録と無敵状態から昨年は今一つパッとしなかったケニ・ハリソンをはじめ、アメリカのハードル・スターがズラリと勢ぞろい。中でも注目は、ドーピングに関する規則違反で昨シーズン出場停止を食らっていたリオ女王のブライアナ・マクニール(旧姓:ローリンズ)。復帰するや否や12秒43のWLを叩き出していましたが、終盤ハードリングを乱してハリソンに差されてしまいました。
それにしても、WRホルダーと五輪女王の、ハードリング・フォームも好対照な二人の対決は、さらには世界女王サリー・ピアソン(AUS)も交えて何度も見たいものです。

さて、DLがCS放送で全戦生中継されるようになって数年、毎年チーム(スポーツ・メーカー)のユニフォームがどう変わるのかを見るのが、開幕戦のお楽しみです。
圧倒的な選手数を誇るNIKE軍団は、今季は渋い深緑系。昨年のロンドン世界選手権チャンピオンだけは、ロゴ以外は純白で、ひときわ目立ちます。
そんなチャンピオン・ユニの選手たちの中で、浮かない表情が何度も画面に映し出されたのが女子棒高跳のカテリナ・ステファニディ(GRE)。
昨季無敗で19連勝を続けてきた堅実無比のボウルターが、どうも助走を狂わせている様子で、身体が上がらない跳躍が続きました。3月の室内世界選手権に続いてライバルのサンディ・モリス(USA)と競ることもなく完敗、久々に復活してきた同国の先輩にして2015年のDLチャンピオン、ニコレッタ・キリアポウロウにも上回られ、5位に終ったのは少々深刻です。
ま、私的にはヒイキのモリスが勝って、万々歳なんですけどね…。
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PBとなる5m01に失敗して余裕の苦笑いのモリスと、片隅で黄昏るステファニディ

漸13種目中種目で今季世界最高記録が誕生した今大会のクライマックスを演じたのは、地元のスーパースター、ムタズ・エッサ・バルシム(QAT)。
例によって駆け引きなしに、バーがかけられて順番が回ってくるからにはパスすることなく次々とクリアしていく、その段階から一人異次元の高さを空中遊泳する圧巻のパフォーマンスです。最後は食い下がったエディン・ガザル(SYR)を振り切ると一気に2m40に上げ、これを一発でクリアすると、マットに直立しながらビブを引きちぎるお得意のガッツポーズを決めて見せました。
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昨年まで5年連続で達成してきた2m40超えを第1戦で早くも達成、かつてのライバルたちが次々と凋落していく中で、今季はバルシムの一人劇場となりそうな雰囲気です。

なお、今季DLは昨季同様、第13戦までの順位ポイントの累計で、上位8名(種目により12名)が第14戦・15戦に振り分けられる各種目ファイナルへの出場権を獲得、そこでの勝者がシリーズ・チャンピオンとなる方式で行われます。
以下に、ドーハ大会の3位までのリザルト(DL対象種目のみ)を掲載しておきます。

<男子>
◇200m(+1.3)
 ① 19"83 ノア・ライルズ USA ※MR/PB
 ② 19"99 ジェリーム・リチャーズ TTO
 ③ 20"11 ラミル・グリエフ TUR

◇400m
 ① 43"87 スティーヴン・ガーディナー BAH ※WL/MR/NR
 ② 44"50 アブダレル・ハロウン QAT
 ③ 44"92 アイザック・マクワラ BOT

◇800m
 ① 1'45"21 エマニュエル・コリル KEN
 ② 1'45"60 エリジャ・マナンゴイ KEN
 ③ 1'46"51 ニコラス・キプコエチ KEN

◇400mH
 ① 47"57 アブデルラーマン・サンバ QAT ※WL/DLR/MR/NR
 ② 49"08 バーショーン・ジャクソン USA
 ③ 49"46 カイロン・マクマスター IVB

◇走高跳
 ① 2m40 ムタズ・エッサ・バルシム QAT ※WL
 ② 2m33 メイド・エディン・ガザル SYR
 ③ 2m30 ドナルド・トーマス BAH

◇三段跳
 ① 17m95 ペドロ・パブロ・ピチャルド CUB ※WL
 ② 17m81 クリスチャン・テイラー USA
 ③ 17m21 アレクシス・コペリョ AZE

◇やり投
 ① 91m78 トマス・レーラー GER
 ② 91m56 ヨハネス・フェテル GER
 ③ 90m08 アンドレアス・ホフマン GER

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<女子>

◇100m(+1.5)
 ① 10"85 マリー・ジョゼ・タルー CIV ※WL/PB
 ② 10"90 ブレッシング・オカグバレ NGR
 ③ 10"93 エレイン・トンプソン JAM

◇1500m
 ① 3'59"92 キャスター・セメンヤ RSA ※WL/NR
 ② 4'00"99 ネリ・ジェプコスゲイ KEN ※PB
 ③ 4'01"41 ハビタム・アレム ETH

◇3000m(5000mカテゴリ)
 ① 8'29"05 カロリン・キプキルイ KEN ※WL/PB
 ② 8'29"09 アグネス・ティロップ KEN ※PB
 ③ 8'30"51 ハイヴィン・キエン KEN ※PB

◇100mH(+0.5)
 ① 12"53 ケンドラ・ハリソン USA
 ② 12"58 ブライアナ・マクニール USA
 ③ 12"75 シャリカ・ネルビス USA

◇棒高跳
 ① 4m84 サンディ・モリス USA ※MR
 ② 4m64 ホーリー・ブラッドショー GBR
 ③ 4m64 ケイティ・ナジョッテ USA

◇円盤投
 ① 71m38 サンドラ・ペルコヴィッチ CRO ※WL/DLR/MR
 ② 66m82 ヤイメ・ペレス CUB
 ③ 63n80 デニア・カバジェロ CUB

ファラー国内有終?に大歓声~DL第12戦バーミンガム大会

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2017DLの予選シリーズ最終戦となる、第12戦『ミュラー・バーミンガムGP』が行なわれました。
獲得ポイントの累計で年間ツアー・チャンピオンを争った昨季までとは異なり、今季はこの第12戦までの合計ポイント上位者(種目により8名または12名)が第13・14戦に振り分けられた各種目の「ファイナル」へと進出し、ファイナルの勝者が年間王者となります。
世界選手権直後の大会とあって、ニュー・ワールド・チャンピオンを軸としたリマッチとしての期待が集まりましたが、たった1~2週間経過しただけで(良くも悪くも)別人のようになってしまった選手もいたりして、予定調和のない陸上競技の面白さを再認識させてもらいました。

◇女子100m決勝(-1.2)
 ① 10"93 E.トンプソン(JAM)
 ② 10"97 M.J.タルー(CIV)
 ③ 11"08 J.レヴィ(JAM)
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見た目がすっかり変わったS.ミラー‐ウィボの祝福を受けるトンプソン

ロンドンからは良い方に変わったのが、エレイン・トンプソン。「鉄板」と推した世界選手権では故障を発したわけでもないのに5着に敗れ、本人も「何が起こったのかわからない」と茫然としていたのがちょうど2週間前。そのロンドンでダブル銀メダルを獲得し絶好調のタルーを相手に、堂々の横綱相撲でした。決して圧勝とは言えませんが、今季のトンプソンはずっと、こうした「どこまで追いかけて行っても追い抜けない」という勝ち方をしてきたのです。本当に、ロンドンでは何が起こったのでしょう?…リレーに出てこなかったところを見ると、やはりどこかに体調の異変があったのではないか、と推察されますが。
予選2組で行われた今回の100mには、ダフネ・スキッパーズ(NED)、ディナ・アッシャー‐スミス(GBR)、ブレッシン・オカグバレ(NGR)らに加えて400mのショーナ・ミラー‐ウィボ(BAH)、100mHのサリー・ピアソン(AUS)といった賑やかなメンバーが登場、新チャンピオンのトリ・ボウイ(USA)は不在ながら、華やかな顔ぶれが揃いました。

◇女子400m

 ① 50"59 S.E.ナセル(BRN)
 ② 50"63 A.フェリックス(USA)
 ③ 50"66 C.オコロ(USA)
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19歳ナセルがアリソンに競り勝つ

この種目はロンドンの上位3人によるリマッチ。ただしゴール20m前まで金を確信させる走りをしていたミラー・ウィボが100mに回ってしまったので、画竜点睛を欠く感はありました。
ミラー、アリソンの失速でタナボタめいた銀メダルに食い込んだ19歳のサルワ・エイド・ナセルが、今度は文句なしにデッドヒートの末にアリソンをねじ伏せて優勝。いよいよ、この種目の後継者としての地位を確かなものにしました。
とはいえ、選手紹介の後に判定機器の不具合でかなりの待ち時間が生じたため、選手たちのコンディションにも影響があったと思われます。そのせいかどうか、ロンドン優勝のフィリス・フランシス(USA)はロンドンと同じようにアリソンの1つ外側のレーンを引き当てながら、今回はいいところなく4着に敗退しました。

◇男子走高跳
 ① 2m40 M.E.バルシム(QAT)
 ② 2m31 M.E,ガザル(SYR)
 ③ 2m24 T.ゲイル(GBR)
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久々の大台クリアに歓喜のバルシム、記念にバーをお持ち帰り?

ロンドンで自国に初のメダルをもたらしたガザルがブレイク。2m31を一発クリアして一時はトップに立つなど、今季やや低調なこの種目で異彩を放ち始めています。一方、ロンドンで格の違いを見せつけたバルシムは、今回どことなく眠そうな表情でテンション低め。31を2回落として窮地に陥るも、3回目にようやく“お目覚め”すると、33、35を一発クリアして勝負に片を付けました。
バーは大会新記録の2m39へ。これを2回落としたところで、何を思ったかバルシムはバーを2m40に上げ、これを鮮やかにクリアしてのけました。
2014年には2m40オーバーが5人も現れて、世界記録更新の機運が高まったこの種目も、ここ3年間の40オーバーはバルシムただ一人、それも年に1回ずつです。特にこの日はグラバーツ、タンベリ、トーマスといった猛者たちが軒並み2m20の低空飛行に終り、コンディションが良くなかったことを伺わせる中、一人バルシムの2m31以降の跳躍は圧巻の一言に尽きました。そのバルシムも、先日のロンドンが悲願の世界初タイトル。あとは、2m46の高みに掛かったバーをクリアすることだけが大目標となり、その可能性を十分に感じさせる大ジャンプでした。


◇男子3000m
 ① 7'38"64 M.ファラー(GBR)
 ② 7'40"34 A.メチャール(ESP)
 ③ 7'40"63 D.キプラガト(KEN)

DLポイント対象外ながら、英雄モー・ファラーのイギリスでの(おそらく)最後のトラック・レースということで、メイン・イベントとして行われました。
ふだんのDLレースならば、ナイキの広告塔でもあるファラーはオリンピック・チャンピオン・ユニ(紺とピンクのグラデーション)を着ているはずなのに、今回はイギリスのナショナル・ユニフォーム。もっとも、今回の地元イギリス選手のうち世界選手権代表組のほとんどがナショナル・ユニを着ていましたから、単に合わせただけかもしれませんが、ゴール後にゆっくりとそれを脱ぎ去った姿には、何となく象徴的な意味もあったのかな、という気がしました。
レースの方は、これといった強敵も参加していない状況では、ラスト100mをちょっと頑張っただけの余裕のモボット・フィニッシュ。このレースに関しては、予定調和な結果でした。なおファラーは、DL5000mファイナルにも出場してくる模様です。
通算オリンピックで4つ、世界選手権で6つの金メダル。短距離のウサイン・ボルトにまったく遜色のない偉大なスーパースターのロードでの今後が楽しみであると同時に、ハイレ・ゲブレセラシエ、ケネニサ・ベケレ、ファラーと続いた長距離絶対王者の時代を、次に引き継ぐ者が現れるのかどうか、興味は尽きません。

その他の種目の結果をまとめて。(DLポイント対象種目のみ)

◇男子200m(-0.1)
 ①20"19 R.グリエフ(TUR)
 ②20"26 A.ウェブ(GBR)
 ③20"30 A.ブラウン(CAN)

◇男子800m
 ①1'44"50 N.アモス(BOT)
 ②1'45"28 A.クチョット(POL)
 ③1'45"33 M.レヴァンドフスキ(POL)

◇男子110mH(-0.6)
 ①13"29 A.メリット(USA)
 ②13"31 S.シュベンコフ(ANA)
 ③13"40 D.アレン(USA)

◇男子走幅跳
 ①8m19(+0.3)J.ローソン(USA)
 ②8m03(+0.9)A.サマーイ(RSA)
 ③8m02(+0.4)M.ハートフィールド(USA)

◇男子砲丸投
 ①21m83 T.ウォルシュ(NZL)
 ②21m55 R.クラウザー(USA)
 ③21m16 T.スタネク(CZE)
 ⑦20m52 J.コヴァックス(USA)

◇女子1500m
 ①4'01"36 D.セヤウム(ETH)
 ②4'02"24 W,チェベト(KEN)
 ③4'02"95 R.アラフィ(MAR)
 ⑦4'03"71 J.シンプソン(USA)

◇女子3000m(5000mカテゴリ)
 ①8'28"90 S.ハッサン(NED)
 ②8"29"89 K.クロシュテルハルフェン(GER)
 ③8'30"11 M.キプケンボイ(KEN)
 ⑨ S.ロウベリー(USA) ⑩ M.ハドル(USA) ⑪ E.コバーン(USA)

◇女子400mH
 ①54"18 Z.ヘイノヴァ(CZE)
 ②54"20 D.ムハマド(USA)
 ③54"67 J.ラッセル(JAM)

◇女子棒高跳
 ①4m75 E.ステファニディ(GRE)
 ②4m61 H.ブラッドショー(GBR)
 ③4m61 M.メリエル(SWE)
 ④4m61 S.モリス(USA)

◇女子三段跳
 ①14m51(0.0) C.イバルグエン(COL)
 ②14m44(+0.1) K.ウィリアムズ(JAM)
 ③14m29(+0.4) O.リパコワ(KAZ)
 ⑦13m94(+0.2) Y.ロハス(VEN)

◇女子円盤投
 ①67m51 S.ペルコヴィッチ(CRO)
 ②65m24 D.カバリェロ(CUB)
 ③65m11 Y.ペレス(CUB)

全般的に、気温が低く記録は停滞気味、そしてアメリカ勢の調子が著しく下降気味ですね。それとも、最終戦に備えての調整試合と割り切っているのか…?
ファイナル第1日のチューリヒ大会は、24日(日本時間25日未明)に行われます。


リオ五輪直前展望・Day3(8/14)



大会5日目が終了して、日本選手も素晴らしい活躍を続けています。
もちろん期待通りにはいかない競技や選手もありますが、体操団体での金メダル奪回や卓球の男女シングルス快進撃、15人制に続いて優勝候補を撃破した男子ラグビー7s、開幕2連勝の女子バスケットボール、カヌー史上初のメダル獲得、体操女子の躍進など、明るい話題は途切れません。ロンドンで銅メダル3連発を飾った3日目が不発に終わった競泳も、4日目は坂井聖人、渡辺一平、小堀勇氣という“2番手”の若手が大活躍してようやく波に乗ってきました。

陸上競技も明後日から開幕します。
なお、今月号の『月刊陸上競技』はリオ特別編集のため、通常14日発売のところ昨日すでに書店に並んでいます。お買い逃しのないように^^

◆Day3のプログラム

―Morning Session—
 (  9:30)女子マラソン

―Evening Session—
 (  8:30)男子走高跳予選/女子400m準決勝/女子三段跳決勝/
 (  9:00)男子100m準決勝/女子1500m準決勝/
 (10:00)男子400m決勝 (10:25)男子100m決勝

◇女子マラソン
 12OG ①2:23'07"T.ゲラナ(ETH) ②2:23'12"P.ジェプトゥー(KEN) ③2:23'29"T.アルヒポワ(RUS)
 13WC ①2:25'44"E.キプラガト(KEN) ②2:25'58"V.ストラネオ(ITA) ③2:27'45"福士加代子
 15WC ①2:27'35"M.ディババ(ETH) ②2:27'36"H.キプロプ(KEN) ③2:27'39"E.J.キルワ(BRN)
 15-16WL ①2:19'41"T.ツェガエ(ETH) ②2:19'52"M.ディババ ③2:21'27"キプロプ(KEN)
④2:22'17"福士 ⑤2:22'40"E.J.キルワ ⑥2:22'58"J.スムゴング(KEN)
 ※OG=オリンピック WC=世界選手権 WL=シーズン・ランキング(出場選手のみ対象)


他種目と異なり各選手の年間出場レース数が少なく、ダイヤモンドリーグにも関係ないため、ロンドン・オリンピックから2度の世界選手権(モスクワ・北京)、エントリー選手の昨年・今年を通してのランキング上位6傑を参考データとして掲載しました。ちなみに、ランキングに載っていないエチオピア・ケニア勢のそれぞれもう一人は、T.トゥファとV.ジェプケショーです。

こうして見ると、福士選手が堂々の上位候補の一角であることは事実で、6月の故障の影響がないことを祈るばかりです。

ランキング上位にはここに載っていないエチオピア・ケニア勢がうじゃうじゃとひしめいているわけですが、エチオピアなどはやはりその中でも実績・安定感ともに文句なしの選手が選ばれてきています。ケニアの選考事情は、正直言って毎度よく分かりません。(笑)
私は以前から、高速のシティレースを主戦場にする選手はオリンピックにはなかなか勝てないと考えており、なぜなら気候も異なりレース展開もまったく別の種目と言ってもよいくらいに違ってくるからです。これは男子も女子も共通の特徴だったのですが、近年はほとんどの有力選手がそうしたレースにばかり出場するようになり、「賞金レース向き」と「ビッグゲーム向き」の判別がつきにくくなってきています。
そうした中で、抜群の安定感を誇るところからマレ・ディババとユニス・ジェプキルイ・キルワの2人が優勝候補かな、と思っています。特にキルワのオールマイティぶりはご存知のとおりで、ただ優勝ということになるとエチオピアの誰かにやられるかな、といった観測を持っています。
世界との差を少し縮めてきた感のある田中智美、伊藤舞の両選手にも、粘りの力走を期待しましょう。

◇男子走高跳

 15WC ①2m34D.ドルーイン(CAN) ②2m33B.ボンダレンコ(UKR)、チャン・グウェイ(CHN)
 15DL ①20p/6M.E.バルシム(QAT) ②9p/4チャン ③6p/2ボンダレンコ
 16DL ①26p/3ボンダレンコ ②22p/3E.キナード(USA) ③17p/5R.グラバーツ(GBR)
 16WL ①2m40バルシム ②2m39G.タンベリ(ITA) ③2m38ドルーイン ⑰2m29衛藤昴
 ※DL=ダイヤモンドリーグ。「総計ポイント/試合数」で表記。2015年と16年とではポイント設定が異なる。


2m40の大台乗せを5人が果たした2014年には「もう世界新記録は時間の問題」とまで言われましたが、その後はやや停滞気味のこの種目。停滞の最大の原因はバルシム、ボンダレンコ両巨頭の乱調ぶりと言ってよいでしょう。
今年は勝負の上ではボンダレンコがいちおう安定、記録ではバルシムが久々の40クリアを果たしていますが、決していい状態とは言えません。その間隙をついて、着々と頂上を狙っているのが「半面ヒゲ男」ジャンマルコ・タンベリ、「ダサダサ・パフォーマー」チャン・グウェイ、「一人バックドロップ」エリック・キナードの色物芸人勢に、SB2m31なのにDLポイントをコツコツ貯め続けるロバート・グラバーツ。(ゲツリク情報によれば、タンベリはDLモナコ大会での負傷のため欠場とのこと)
個性あふれる面々による優勝争いは非常に面白くなりそうですが、去年の世界選手権のような低空飛行でのジャンプ・オフなどはあんまり見たくないですね。
日本の衛藤には、PBの更新と予選通過を狙ってほしいところですが、どこまで期待できますか。




◇女子三段跳
 15WC ①14m90C.イバルグェン(COL) ②14m78H.クニャジェワ-ミネンコ(ISR)③14m77O.リパコワ(KAZ)
 15DL ①28p/6イバルグェン ②7p/3リパコワ ③6p/3E.コネワ(RUS)
 16DL ①46p/5イバルグェン ②21p/4リパコワ ③15p/3Y.ロハス(VEN)
 16WL ①15m04イバルグェン ②15m02ロハス ③14m73P.パパフリストウ(GRE)


女帝イバルグェンの独走状態が続き、数少ない絶対的な金メダル候補の一人と言われてきたこの種目。
ただ、今年に入って34まで伸ばしてきた連勝記録をリパコワにストップされ、シーズンベストでもロハスに迫られるなどいくらか隙を見せているのが気になりますが、まあ固いでしょう。
ロンドン金のリパコワは、前述のように4年ぶりにイバルグェンに土をつけた一方で、15mを跳ぶほどの迫力は感じられません。ロハスやパパフリストウの突き上げも厳しく、メダル争いは混戦模様です。


今回は陸上の実施期間が10日間と長く、複数種目に出る選手にとってはありがたい日程になる反面、1日あたりのプログラムが少し寂しい感じがします。つくづく、女子10000mなどいくつかの決勝を午前中に実施する意図が分かりません。
あと、前回(Day2)の展望の中で、予選実施の男子棒高跳の記事が抜けていましたので、追加しておきます。決勝はDay4の夜になります。

◇男子棒高跳

 15WC ①5m90S.バーバー(CAN) ②5m90R.ホルツデッペ(GER) ③5m80R.ラヴィレニ他2人
 15DL ①21p/5ラヴィレニ ②12p/4K.フィリピディス(GRE) ③4p/1バーバー
 16DL ①36p/4ラヴィレニ ②22p/4バーバー ③14p/2S.ケンドリクス(USA)
 16WL ①5m96ラヴィレニ ②5m92ケンドリクス ③5m91バーバー ⑦5m75澤野大地

Renaud Lavillenie

2連覇を狙うラヴィレニが、総合的には文句なしにナンバーワンの実力と実績を示しています。「対抗」格の世界選手権保持者バーバーもまずまず堅調です。それでも、何が起こるかわからないのが棒高跳。優勝予測は困難を極めます。5m70あたりで優勝候補がポロポロとバーを落とす光景もあるでしょう。
ノってしまえば、ラヴィレニが6mの大台に乗せて…となれば、他の選手はまず太刀打ちできません。そうさせない心理戦などもあるのでしょうが、そこまではTVの画面では窺い知れませんね。
日本選手も実力発揮しさえすれば、入賞どころかメダルのチャンスだってあります。まずはきっちりと予選ラインを突破すること…これがなかなか達成できないんですがね。

 
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