いんやぁ…(と、つい石塚さんふうの溜息)
見事にスカされましたね、上海DL。
何度もビデオをコマ送りで見直してみましたが、フライングとは見えません。
桐生の手が地面を離れるのが他の選手よりも2コマ弱くらい(約0.05秒)早いから、やっぱりその分、早かったんでしょうかねえ。
コマ送りではむしろ分かりにくいんですけど、微妙にロッキングスタート(完全に制止せず身体を揺らすような構え)気味な動きが桐生にあったように見受けられます。これがフライングの正体だとすれば、修正は容易なんですが、自覚もなくなぜフライングをとられたかが分からないままだと、後々悪い影響を残しますよ。
先に明らかなフライングで失格となったイサイア・ヤング(USA)が、「観客の拍手に反応したんだ」と抗議していましたが、そうしたことが桐生にもあったのかもしれません。
前日練習では、土江コーチの叩く手の音に合わせて入念にスタートをチェックする様子が紹介されていました。そこが課題、とは十分に認識があった上での修正途上にあった、仕方がないと考えたいですね。(今後は、OMEGAとSEIKOの音だけに反応する訓練をしないと)
なお、「フライング(フォールス・スタート)」については以前、「連載・100m競走を語ろう」⑥⑦⑧および番外編で詳しく解説していますんで、事情がよく分からないという方は参考にしてくださいね。
http://www.hohdaisense-athletics.com/archives/cat_172993.html?p=2
サニブラウンが「完全に集中が切れた」てなことをコメントしているようですが、むしろケンブリッジの走りがそんな感じでしたね。もともとスタートがいい方ではないとはいえ、中盤までの走りは何となく上の空な感じでした。完全に一人きりで走るような状況になってしまったことも、アンラッキーでした。
で、言ったとおり、スー・ビンチャンだったでしょう?
ロジャースだ、メイテだと言っても、シーズンインの試運転がまだ終わってないような連中よりも、ここに絞って仕上げているはずの地元のエースが、いちばん難敵だと思ったわけです。
それにしても、「どうやらフライングしたのは桐生らしい」という映像が映った途端に、大拍手をする中国人観客って…。
こうなったら、来週の『GG川崎』で、ぜがひでも山縣亮太に敵討ちをしてもらうしか、ないですね。
女子100mでのE.トンプソン(JAM)の快走や男子走幅跳L.マニョンガ(RSA)の8m61、女子5000mH.オビリ(KEN)の14分22秒67といった好記録、また昨年の今ごろを思い出させるD.ルディシャ(KEN)の惨敗ぶりなど、見どころもたくさんあった大会でしたが、今回は私も、意気消沈です。