豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

ビダン・カロキ

ロンドン世界選手権観戦記 ① ~“鉄板”揺るぎなし



今年の『ツール・ド・フランス』は、稀にみる接戦の総合優勝争いとなり、結局大本命のクリストファー・フルーム(チームSKY=GBR)が3年連続4回目のマイヨジョーヌを獲得しました。
自転車レースの総合成績というのは、よく事情を解っていないと理解できないカラクリがありまして、そこが大変に複雑で面白いところなんですが、まあ要は「個人の力だけでは絶対に勝てない」ということに尽きるでしょう。
ツール・ド・フランスは9人1組のチームごとの参加となる大会で、それぞれのチームが1人のエース選手を勝たせるために、時によってはライバルチームのエースを「潰す」ために、総力を挙げて臨みます。今回のフルームの場合も、21日間の長丁場の中で何度も訪れたピンチを、イギリスが誇る最強のプロ集団・チームSKYのチーム力で切り抜けた結果であり、今回ほどチーム力の優劣や方針の違いが個人の成績に反映された「ツール」もなかったと思いました。

いきなり関係のない話ですいませんね。
実は男子10000mを見ていて、ついつい先日終わったばかりの『ツール・ド・フランス』を思い出さずにはいられませんでした。
モー・ファラーという1人の大本命を倒すという、他の有力選手の一致したテーマのもとに進められた、珍しいタイプのレース展開。実況でもそのようなコメントがありましたけど、そこには自転車レースではごく日常的にみられる「チーム戦」の様相が垣間見えました。一方の大本命は、長年連れ添った相棒(ゲーレン・ラップ)を今回は欠いて、“一人ぼっち”の孤独な戦いを強いられていたのです。
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ただ決定的に違う点は、自転車レースでは1人の選手を勝たせるために、チームメイトは己を犠牲にしてエースをサポートすることに全力をあげるのですが、陸上競技ではあくまでも「最後は自分が勝つ」ことを前提として連携を図る、というところです。
たとえば今年の「ツール」のチームSKYでは、2014年のロードレース世界チャンピオンであるミハウ・クフィアトコフスキー(POL)という、他のチームにいれば間違いなくフルームの強敵となるほどの選手が、長いレースの大半を集団の先頭でペースを作り、時には飛び出した他チームのライバルを牽制するために一人追走してマークし、また勝負どころで自転車が故障したフルームの大ピンチに自分の自転車のパーツを譲り渡して追走させるなど、文字どおり献身的なサポートでフルーム優勝の最大の功労者となりました。こうした「アシスト」と呼ばれる選手たちは、状況によってはステージ優勝(単日のレースでの1着)を目指す場合もあるとはいえ、自身の個人総合成績は完全に捨てることを求められます。
もし陸上競技で、そのようなあからさまなサポートを他の選手に行なえば、反則行為と見なされます。とはいえそれも程度問題で、「このくらいなら」と見過ごされるケースも多々ありますから、陸上レースでもある程度のチーム戦術は十分に成立し得ます。
「陸上競技はあくまでも個人の戦い」という固定観念があると、こうした考え方には強い違和感を覚えることでしょう。しかし、たとえば今では日本の国内レースでも定番化しているペースメーカーという存在も、自転車レースの盛んなヨーロッパ圏では早くから容認されていた、ということを思えば、将来の長距離・ロードレースでは当たり前に見られることなのかもしれないですよ。


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もしも、今回の10000mレースで後半までファラーを“包囲”した10名ほどのライバルたちが、事前に示し合わせて(たとえばSNSのグループになって事細かに作戦を練り合うとかして)チーム戦を仕掛けていれば、さしものファラーといえども抗しきれなかったかもしれません。
しかしながら実際には、「速いペースでファラーを消耗させよう」という思惑が一致していただけで、それほどのチーム戦術はとられていなかったでしょう。あったとすれば、国は違えど同じチームのジョシュア・チェプテゲイ(UGA)とジョフリー・カムウォロル(KEN)、また同じ日本実業団連合から参戦のポール・タヌイ(九電工=KEN)とビダン・カロキ・ムチリ(DeNA=KEN)、あるいはエチオピア勢3人、といった小規模の合同作戦程度だったことでしょう。
たとえば5000m付近で飛び出したカロキによる強烈な揺さぶりが、自身は途中壊滅覚悟のロングスパートでタヌイをサポートしたものだったとすれば、ファラーに大きなダメージを負わせることができたかもしれません。大逃げを放置するにはカロキ自身が実力者であり過ぎるため、ファラーとしても追わないわけにはいかなくなり、それをじっくりとマークすることでタヌイに大きなチャンスが生まれるからです。
ですがカロキには己を犠牲にするという意図はなく、これはあくまでも自分の勝機を見出すための仕掛けということでしかありませんでした。チェプテゲイとカムウォロルの間で頻繁に繰り返された「先頭交代」も同様で、どちらかがアシスト役ということではなかったようです。
最終的な目標は、ファラーを負けさせることではなくて、自分自身が勝つこと。陸上競技なんですから当たり前ですね。そこの微妙な匙加減やジレンマが、とても面白かったです。
そして、長距離界の絶対王者は些細なチーム戦術には小動もせず、圧倒的な力の差を見せつけて最後の10000mレースを締めくくりました。

他のレース競技を見ることは、陸上競技を観戦する上で非常に参考になることがたくさんあります。中でも自転車競技は、常に「風圧」への対策ということが戦術の大前提にあり、チーム戦術、共同戦線といった発想の原点になっています。オリンピックなどのロードレースでは、普段のチームではなく同じ国どうしで新たなチームを組み、そこにまた他国ながら普段のチームどうしの連携も生まれるなど、なかなか面白いことが起こったりします。
見たことがない人は、ぜひ一度ご覧になってみてください。ただし1回のレースが5,6時間の長丁場、「ツール」はそれが21日間続きます。ちなみに私は生中継の放送局には加入していないので、日々のダイジェスト版でしか見てませんけどね。

陸上てんこ盛り・週末のまとめ



まとめです。ふー!

◆第65回兵庫リレーカーニバル(GP種目上位ほか)
長距離種目ではロンドン参加標準記録の突破が期待されましたが、男子はディク(タヌイを破る大金星!)のタイムからすると絶好のペースになりながら、日本選手はついていけなかったようです。
既に15人が標準突破している女子10000mは、到達者の一人・松田瑞生が余裕の優勝。筒井、堀あたりはあと一息でした。
1500m男子、注目の遠藤日向の実業団デビュー戦は残念な結果に。
女子は地元の西脇工はじめ高校生の有力どころが出場しましたが、いずれも自己新には至らなかったようです。

◇男子1500m(出場15人)
① 3'45"08 松枝 博輝(富士通)
② 3'46"43 鎧坂 哲哉(旭化成)
③ 3'46"82 戸田 雅稀(日清食品G.)
④ 3'46"94 井上 弘也(上武大4)
⑤ 3'47"18 西岡 喬介(中電工)
⑥ 3'47"23 河村 一輝(明治大2)
⑦ 3'47"49 秦 将吾 (大塚製薬)
⑧ 3'49"72 仲村 尚毅(関西学院大4)
⑨ 3'51"11 遠藤 日向(住友電工)

◇男子10000m
①27'39"40 ディク・ジョナサン(日立物流)
②27'45"85 ポール・タヌイ(九電工)
③27'48"51 ニコラス・コシンベイ(トヨタ自動車)
④28'07"23 上野裕一郎(DeNA)
⑤28'14"14 市田 孝 (旭化成)
⑥28'15"40 設楽 悠太(Honda)
⑦28'16"61 早川 翼 (トヨタ自動車)
⑧28'19"89 栃木 渡 (順天堂大4)
⑨28'38"36 塩尻 和也(順天堂大3)
⑩28'41"96 浅岡 満憲(日立物流)
⑪28'44"71 鈴木 塁人(青山学院大2)
⑫28'46"64 猪浦 舜 (八千代工業)
⑬29'01"23 中島 公平(城西大4)
⑭29'01"54 茂木圭二郎(旭化成)
⑮29'03"56 寺内 將人(愛知製鋼)
⑯29'07"57 工藤 有生(駒澤大4)
⑰29'10"29 上田 健太(山梨学院大4)
⑱29'11"57 高砂 大地(中央学院大2)
⑲29'23"08 山藤 篤司(神奈川大3)
⑳29'26"03 大六野秀畝(旭化成)
㉑30'02"98 下 史典(駒澤大3)

◇男子3000mSC(出場9人)
① 8'38"87 山口 浩勢(愛三工業)
② 8'42"72 松本 葵 (大塚製薬)
③ 8'49"34 荻野 太成(神奈川大2)

◇アシックスチャレンジ男子10000m(22日・出場47人)
①27'55"10 サイモン・カリウキ(日本薬科大3)
②28'02"85 ドミニク・ニャイロ(山梨学院大3)
③28'04"51 横手 健 (富士通)
⑦28'24"13 村山 謙太(旭化成)
⑨28'44"07 圓井 彰彦(マツダ)

◇男子円盤投(出場13人)
① 56m75 湯上 剛輝(トヨタ自動車)
② 56m44 米沢茂友樹(オリコ)
③ 56m40 堤 雄司 (群馬綜合GS)

◇女子1500m
① 4'13"64 アン・カリンジ(豊田自動織機)
② 4'17"79 陣内 綾子(九電工)
③ 4'18"59 田中 希実(西脇工業高3)
④ 4'19"13 和田 有菜(長野東高3)
⑤ 4'20"31 飯野 摩耶(第一生命G.)
⑥ 4'20"61 上田 未奈(城西大3)
⑦ 4'21"52 森川 千明(ユニクロ)
⑧ 4'22"04 後藤 夢 (西脇工業高3)
⑨ 4'22"87 高松智美ムセンビ(薫英女学院高3)
⑩ 4'26"69 向井 智香(名城大2)
⑪ 4'28"51 卜部 蘭 (東京学芸大4)
⑫ 4'29"92 西脇 舞 (天満屋)
⑬ 4'30"87 樽本 知夏(須磨学園高3)
⑭ 4'32"79 高橋 ひな(NIKE TOKYO TC)
⑮ 4'33"04 須永 千尋(資生堂)
⑯ 4'33"73 工藤 杏華(日体大1)
⑰ 4'42"23 下田平 渚(ダイハツ)


◇女子10000m
①32'15"85 松田 瑞生(ダイハツ)
②32'16"44 筒井 咲帆(ヤマダ電機)
③32'22"18 堀  優花(パナソニック)
④32'25"41 オバレ・ドリカ(日立)
⑤32'39"16 細田 あい(日体大4)
⑥32'40"92 棟久 由貴(東農大2)
⑦32'43"45 堀江 美里(ノーリツ)
⑧32'48"00 井上  藍(ノーリツ)
⑨32'52"41 関谷 夏希(大東文化大2)
⑩33'05"88 出水田眞紀(立教大4)
⑪33'08"13 小﨑 まり(ノーリツ)
⑫33'08"16 竹地 志帆(ヤマダ電機)
⑬33'08"26 清水萌衣乃(東農大3)
⑭33'08"93 池田絵里香(肥後銀行)
⑮33'11"56 フェリスタ・ワンジュグ(ユニバーサル)
⑯33'14"82 谷本 観月(天満屋)
⑰33'19"68 津崎紀久代(ノーリツ)
⑱33'24"93 池満 綾乃(鹿児島銀行)
⑲33'25"94 赤坂よもぎ(名城大4)
⑳33'28"70 橋本 奈海(デンソー)
㉑33'32"16 田中 華絵(第一生命G.)
㉒33'35"78 藤原あかね(松山大3)
㉓33'39"17 石澤ゆかり(エディオン)
㉔33'39"44 和田優香里(立命館大4)
㉕33'39"93 川上さくら(TOTO)
㉖33'48"11 横石 悠貴(九電工)
㉗33'55"58 宇都宮亜依(宮崎銀行)
㉘33'59"72 新井沙紀枝(肥後銀行)
㉙34'04"12 清水 真帆(大阪学院大4)
㉚34'33"37 川上わかば(TOTO)
㉛35'00"00 唐沢 ゆり(日体大4)
㉜35'12"77 今村 咲織(順天堂大4)

◇女子3000mSC
①9'50"72GR三郷実沙希(スズキ浜松AC)
②10'09"52 佐藤 奈々(スターツ)
③10'12"52 藪田 裕衣(京都産業大)
④10'17"54 森 智香子(積水化学)
⑤10'28"45 小池 彩加(エディオン)
⑥10'39"11 瀬川 帆夏(シスメックス)
 DNS 高見澤安珠(松山大4)

◇女子走高跳(出場12人)
 1m76 仲野 春花(早稲田大3)
② 1m73 徳本 鈴奈(福岡大3)
③ 1m73 平山  遥(高稜高校AC)
 1m70 京谷 萌子(北海道ハイテクAC)


◇女子走幅跳(出場11人)
① 6m36 枡見咲智子(九電工)
② 6m36 清水 珠夏(城北信用金庫)
③ 6m29 辻本愛莉香(大阪成蹊大4)

◇女子円盤投(出場16人)
①49m23 郡 菜々佳(九州共立大2)

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感想(2件)


◆TOKYO Combined Events Meet 2017(GP種目上位)
時々ライブ・ストリーミング映像を注視していましたが、お寒い雰囲気に選手も縮こまってしまったのでしょうか、男女ともにパッとしない結果でした。
せっかくライブ映像を配信するのであれば、もう少しスイッチングや音声演出、画面情報など、さほど経費をかけずとも改善できる余地がたくさんあります。音声は放送室からのラインアウトのみなので、会場の雰囲気が伝わりません。(号砲の音さえ聞こえない)しかも、耳障りなBGMがずっと流れてるし(選曲の良し悪しではなくて、音質の悪い会場BGMをそのままラインアウトしているのでうるさくてしょうがない)。
私に、相談してみませんかね?
2017東京混成

◇男子十種競技(出場22人・完了17人)
①7787pt. 右代 啓祐(スズキ浜松AC)
②7780pt. 中村 明彦(スズキ浜松AC)
③7490pt. 川崎 和也(Team Accel)

◇女子七種競技(出場17人・完了16人)
①5659pt. ヘンプヒル恵(中央大3)
②5524pt. 宇都宮絵莉(長谷川体育施設)
③5405pt. 山﨑 有紀(九州共立大4)

◆吉岡隆徳記念第71回出雲陸上
桐生祥秀が2レースともに標準記録(10秒12)を突破する好タイム。9秒台はいつ出てもおかしくない気配です。
特殊種目の300mでは、女子の青山聖佳が久保倉里美の日本記録37秒80を破りました。


◇招待男子100mウォームアップレース
1組(+1.1) ①10"11 桐生 祥秀(東洋大4)
②10"32 藤光 謙司(ゼンリン)
2組(+1.5) ①10"37 高瀬  慧(富士通)
②10"45 猶木 雅文(大阪ガス)

◇YOSHIOKA SPRINT男子100m(-0.5)
①10"08  桐生 祥秀(東洋大4)
②10"41  高瀬  慧(富士通)
③10"42  野川 大地(住友電工)

◇YOSHIOKA SPRINT男子300m
①32"47  藤光 謙司(ゼンリン)
②32"86  東  魁輝(NTN)
③33"04  木村 和史(四電工)

◇YOSHIOKA SPRINT女子100m(+1.4)
①11"89  青木 益未(七十七銀行)
②12"00  足立紗矢香(青山学院大3)
③12"03  藤森 安奈(As-meESTELLE)

◇YOSHIOKA SPRINT女子300m
①37"76NR 青山 聖佳(大阪成蹊大3)
②38"09  藤沢沙也加(セレスポ)
③38"47  青木 りん(東邦銀行)

◆第256回日本体育大学長距離競技会
◇女子1500m第7組(出場17人)
① 4'25"79 中川 文華(積水化学)
② 4'26"88 倉岡 奈々(デンソー)
③ 4'27"10 由水 沙季(ユニバーサル)
⑦ 4'30"88 リンズィー ヘレナ芽衣(金沢高3)

◇女子3000m第5組(出場32人)
① 8'53"70 ヘレン・エカラレ(仙台育英高3)
② 9'07"55 小笠原朱里(山梨学院高2)
③ 9'09"85 エスタ・ムソニ(仙台育英高1)
④ 9'09"95 小井戸 涼(日立)
⑤ 9'15"50 岡本 春美(三井住友海上)
⑥ 9'20"52 高見沢里歩(松山大2)
⑦ 9'21"21 菊池 理沙(日立)
⑧ 9'21"49 緒方 美咲(松山大3)

◆第7回高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン
 (IAAFゴールドレーベル・レース)
安藤友香は名古屋のハーフ通過タイムよりも1分以上遅く、後半順位を上げましたがやや期待外れ。まあ、調整が順調に進んでいることをよしとしましょう。


◇男子(出場355人・完走351人)
①1:00'57" アレクサンダー・ムティソ(MDソフト)
②1:00'57" マチャリア・ディラング(愛知製鋼)
③1:01'19" ポール・クイラ(コニカミノルタ)
④1:01'27" バーナード・キピエゴ(KEN)
⑤1:01'48" ケネス・ケテル(KEN)
⑥1:02'26" テクレマリアム・メディン(ERI)
⑦1:02'27" ゴイトム・キフレ(ERI)
⑧1:02:32" ジョエル・ムアウラ(黒崎播磨)
⑭1:03'50" 菊池 貴文(SGホールディングス)
⑮1:04'06" 川内 優輝(埼玉県庁)

◇女子(出場105人・全員完走)
①1:07'44"GR ジョイシリネ・ジェプコスゲイ(KEN)
②1:08'19" ベレイネシュ・オルジラ(ETH)
③1:12'12" 安藤 友香(スズキ浜松AC)
④1:12'22" ミミ・ベレテ(BRN)
⑤1:12'41" 清田 真央(スズキ浜松AC)
⑥1:12'51" 野村 沙世(ユニクロ)
⑦1:14'40" サラ・ホール(USA)
⑧1:15'03" 今田麻里絵(岩谷産業)

◆IAAFワールド・リレーズ2017(バハマ/ナッソー)
4×400mリレーでは、すでに持ちタイム(リオでの37秒68と37秒60)で世界選手権出場を確実にしているとあって、U-20チームのような陣容で臨んだ日本はバトンパスもオーバーハンド。1走・増田のスタートが悪く、流れに乗れないままに3位以下のタイム6番手でB決勝へ。予選ゴール後に脚を故障した大嶋に代わって4×400リザーブの藤原がアンカーに入り、日本帰化後の初代表レースを経験しました。
全般にどの国も走り・バトンワークともにまったく仕上がっておらず、予選でブレイク率いるジャマイカ、決勝ではデグラスを擁するカナダのほかイギリス・オランダが失格という大荒れのレースとなりました。アメリカもアンカー・ガトリンのところでお手玉しながら何とかオーバーゾーンギリギリでつないで38秒43で優勝。ゴール直後に「やっちまったかな?」という表情を浮かべるガトリンの姿が笑えました。2位は39秒台で最後に中国を差したバルバドス。アメリカがやっちまってれば、史上最大のアプセットになるところでした。日本がトップチームを送っていれば、文句なしに金メダルだったでしょう。


4×400mではベストに近いメンバーで予選に臨んだ日本は、1走のエース、ウォルシュが第2コーナーで痛烈な故障を発生してリタイア。僅か100mで日本マイル・チームは終戦となりました。こちらも通過ラインが3分05秒05と低レベルだったので、残念。と同時に、ウォルシュの状態が心配されます。


◇男子4×100m
予選 3組 ③39"52 増田 拓巳(東海大3)-齊藤 勇真(筑波大1)-
山下 潤(筑波大2)-大嶋 健太(日本大2)
B決勝 ③39"52 増田 拓巳-齊藤 勇真-山下 潤-
藤原 武(ユメオミライ)

◇男子4×400m
予選 2組 DNF ウォルシュ・ジュリアン(東洋大3)-田村朋也
(住友電工)-小林直己(セゾン情報システムズ) -堀井浩介(住友電工)

◆ロンドンマラソン
女子でメアリー・ケイタニー(KEN)が、世界歴代2位、女子限定レースでは世界最高となる2時間17分01秒の大記録で優勝しました。
※ポーラ・ラドクリフの世界記録2時間15分25秒は、男性ランナーのペースメイクによるもの

過去ロンドンに4回出場して2度優勝、またニューヨークシティマラソンには昨年まで3連覇中のケイタニーは、これでロンドンは5年ぶり3回目の優勝。昨年キャリアで唯一の大敗(9位)を喫したことでリオ代表から漏れてしまったわけですが、それ以外は8戦6勝、2位・4位(ロンドン五輪)各1回となり、35歳にして名実ともに世界最強の女性ランナーとして君臨することになりました。ハーフ通過はフルマラソン史上最速の1時間6分54秒で、女子マラソンがラドクリフ時代以来、再び超高速化のときを迎えていることを示しています。
2位は2時間17分56秒のエチオピア新記録(世界歴代3位)でティルネッシュ・ディババ、3位はアセレフェチュ・メルギアで2時間23分08秒、4位はヴィヴィアン・チェルイヨトの2時間23分50秒。

男子は24歳のダニエル・ワンジル(KEN)がケネニサ・ベケレ(ETH)の猛追を振り切って2時間5分48秒で優勝。途中いったんペースについていけなくなりながら、“皇帝2世”の意地を見せたベケレが9秒差の2位。3位には、初マラソンとなったビダン・カロキ(KEN=DeNA)が2時間7分41秒で食い込みました。


 

「祝・駅伝誕生100年」…全日本実業団対抗駅伝!




あけましておめでとうございます。(本当は喪中につき…なんですが、まあここは公の場ということで)
Facebookでは朝一番で「予想はしないけど、旭化成」と控えめな投稿をして、「予想にしとけばよかった…」と後の祭りのコメントを加えた私こと豊大先生の零細ブログを、本年もよろしくお願いいたします。

今年は、駅伝発祥からちょうど100周年にあたるのだそうです。このこと、もうちょっと各方面で盛り上がりを演出してもよかったんじゃないでしょうかね?
私がかねてから念願しているように、「駅伝日本選手権」を創設するとか、ね。

競技としての最初の駅伝は、東京奠都50周年記念として讀賣新聞社会部長・土岐善麿の発案で同社が主催し1917年4月27日に行われた「東海道駅伝徒歩競走」とされる京都三条大橋を午後2時に出発し、東京上野不忍池(しのばずのいけ)までの23区間、約508kmを昼夜問わず走り抜けるもので、ゴールに到着したのは翌々日の午前11時34分であった。三条大橋と不忍池のほとりにはそれぞれ「駅伝発祥の地」の碑が現存する。
(Wikipedia記事より)


◆『第61回全日本実業団対抗駅伝』は古豪・旭化成
早起きしてスタートリストを眺めていたら、やっぱり旭化成かなあ、と。
だってあなた、7人中27分台が5人にオリンピック・マラソン代表ですよ。残る一人が区間新記録で走っちゃったら、これは普通優勝でしょう。
テレビが始まると、トヨタの3連覇だ、いや今年はHondaの年だとか、服部と神野のルーキー対決だとかの話題ばかりで、旭化成の名前はあまり出てきません。
トヨタは確かに強い上に隙が無い層の厚さがあるんですけど、今回は大黒柱の窪田忍がいないし、外国人区間にいるヒラム・ガディアってのが「誰、これ?」な存在。
コニカミノルタも、去年犬に蹴つまづいた(飼い主は罪に問われました)ポール・クイラの代わりに知らないケニア人が出てるし、宇賀地強や菊地賢人の調子がイマイチらしい。
日清は佐藤悠基が使えず、DeNAは室塚健太、富士通は中村匠吾と、エースがこぞって欠場。
旭化成はその点、完璧な最強メンバー。
1区・村山紘太(城西大卒・2年目)
2区・鎧坂哲哉(明治大卒・5年目)
3区・大六野秀畝(明治大卒・2年目)
4区・市田孝(大東文化大卒・2年目)
5区・村山謙太(駒澤大卒・2年目)
6区・市田宏(大東文化大卒・2年目)
7区・佐々木悟(大東文化大卒・9年目)

丸山も出口も茂木も、大西も深津も、足立も堀瑞もいない!他チームからしたら、何という羨ましい人材の宝庫でしょう?
前回も似たような豪華メンバーでしたが、その前回ほどにも前評判が高くなかったのは、この豪華絢爛な顔ぶれが駅伝チームとしてのまとまり感に欠ける雰囲気、実際に九州大会でMHPS(三菱日立パワーシステムズ=旧・三菱重工長崎)に一敗地にまみれていること、村山紘と鎧坂が10000mの日本記録を破り、佐々木がリオ代表に名乗りを挙げたような直前のトピックに乏しかったこと、などが理由として考えられます。
何よりも最後の優勝から10数年間、決して他に見劣りすることのないメンバーを揃えながら勝てない、どこかのプロ野球チームみたいな状況が続いてきたことに、周囲も駅伝ファンもすっかり慣れっこになってきていた感がありますね。
これでもか!と敢行した2年前の超大型補強で加入した箱根のスター軍団が、彼らのルーキーイヤーの苦汁を糧として、ようやくここに結実した、というところでしょう。
それでも、昨今の駅伝の趨勢からすると、群馬県庁が見えるまで何がどうなるか分からない。勝ち方を忘れていた古豪チームにとって、絞り出すようにして掴んだ18年ぶりの栄冠、というわけです。

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感想(1件)


◆迫力たっぷりだったレース展開
さて、最近駅伝業界で流行りの用語に「ゲームチェンジャー」というのがあります。
使い始めたのは、たぶん住友電工の渡辺康幸監督。「戦況を一変させるほどの走力を持った強力ランナー」といった意味です。これまでは、そうした存在のことを「超弩級(ちょうドきゅう)」(若い人には伝わらないでしょうね。語源を調べてみてください)とか「大砲」というような比喩的表現で語ってきたものですが、より単純に分かりやすい言葉として、広まってきました。
今回のニューイヤーでは、そうした「ゲームチェンジャー」の活躍が前半の各区間で見られ、ダイナミックな戦況の推移を存分に楽しむことができました。

まずは、2区で“世界の走り”をまざまざと見せつけ、18人抜きを達成したビダン・カロキ(DeNA)。
続く3区では、さらに上回る20人抜きを演じたトヨタの闘将・大石港与。
そして4区、11位からいったん3位にまで上がって(最終引き継ぎでは5位)旭化成を優勝圏内に押し上げた市田孝。
とりわけ市田孝は、終盤バテてからの今井正人(トヨタ自動車九州)や井上大仁(MHPS)とのせめぎ合いを耐え抜く走りが素晴らしかった。今大会唯一の区間新記録で首位を盤石にした市田宏とともにMVP級の活躍であり、堂々たるゲームチェンジャーとしての働きだったと言えるでしょう。
トヨタ自動車は危惧された外国人区間の不振が大きく響いて、大石の激走で救われたものの4区服部の負担が大きくなり、過去2回「ゲームチェンジ」を果たしてきた6区・田中秀幸も不発に終わりました。

◆今後が気になるランナーたち
レース全体を見渡しますと、今回特に強い印象を残したのは、第一に東日本大会に続いて必殺のラストスパートで1区区間賞をさらった戸田雅稀(日清食品G)。
日本選手権1500m優勝、デカネーションでの大金星、そして駅伝での活躍と、女子の木村友香とよく似た足跡で飛躍の1年をまとめ上げ、今後日本長距離界エースとしての活躍が期待されます。

個人的に嬉しかったのは、ベテラン今井正人の健在ぶりです。不運な病気で世界への道を閉ざされた苦境から、もう一度立ち上がってマラソンでの頂点を目指してもらいたいものです。
ベテランという意味では上野裕一郎の走りも見事なものでしたが、一方で彼をはじめとする「黄金世代」と呼ばれた30歳前後のランナーたちが、少しずつ輝きを失っていくのに寂しさを覚えます。今シーズンは駅伝でも個人レースでも佐藤悠基(日清食品G)の姿を見ることがほとんどなかったですし、竹澤健介の住友電工は関西大会次点の4位で出場できず。松岡佑起(大塚製薬)や大西智也(旭化成)など、まだ現役に名を留めていながら出場が叶わなかった選手も気になります。

少し下の世代では、村澤明伸(日清食品G)の低迷ぶりが気がかり。一方で着実に地力を高めているのが井上大仁(MHPS)。「花の4区」では服部勇馬(トヨタ自動車)や神野大地(コニカミノルタ)、横手健(富士通)らのルーキーにスポットを当てすぎるTV局の演出が鼻につく中で、こうした選手の近況情報をもっと伝えてもらいたかったところです。
あとはそう、秋以降ズッコケ気味の設楽兄弟。どうも兄貴の不調がチームの異なる弟にも影響を及ぼしているのではないか、と思わされます。それにしても、レース前には「ルーキーたちに実業団の厳しさを教えてやる」と豪語し、大スター気取りで観客に何かを投げ入れながらスタートする悠太(Honda)の勘違いぶりは、どうしたもんでしょうかね。

駅伝は日本人の大好きなチームスポーツ。でもその原点は、陸上競技という個人の戦いです。
「どこが勝つか」は二の次とまでは言わないまでも、あくまでも興味は「どこが」ではなく「誰が」、というのが私の興味の対象なんです。
そういう意味では、昨今の男子長距離界の状況そのままに、今一つ「スーパースター不在」の印象を免れない、今年の『ニューイヤー駅伝』でした。


 

八王子ロングディスタンスの結果概要



『全日本実業団女子駅伝』に浮かれてたここ数日、同じ週末の26日(土)には、長距離ファンにはおなじみの『八王子ロングディスタンス』が、法政大学グラウンドで行われました。
私の場合、女子に比べてやや興味減なところがあるのは隠しようもありませんが、昨年は村山紘太と鎧坂哲哉(ともに旭化成)が日本記録を破る快走をした大会として、特に実業団選手の動向をチェックする上では非常に重要なレースです。と同時に、トラックの半分まで観客が入っての熱気ムンムンの応援風景や、チームの垣根を超えて記録作りをサポートする競技運営が、とても良い雰囲気を作り出している大会でもあります。
私は一度、ラジオ番組の取材でこのグラウンドを訪れたことがあるんですけど、いや遠いです、東京なのに。それでも結構な数の観客が詰めかけていまして(ちなみに有料です)、関心の高さを伺わせます。

最終第7組は、ロンドン世界選手権の標準記録27分45秒を突破するための設定ペース。ケニアのオリンピック代表であるビダン・カロキ(DeNA)がペースメーカーを務めるという、まことにもって贅沢なお膳立てです。
『ニューイヤー』の2区を走るであろう各チームの外国人ランナーがズラリと並び、誰が誰やらほとんど分かりません(苦笑)。その中に村山紘、市田孝、大六野秀畝といった旭化成勢。大石港与(トヨタ自動車)、中村匠吾(富士通)、設楽兄弟(悠太=Honda 啓太=コニカミノルタ)などの顔も見えます。
今年の幹事社はコニカミノルタ。ということは、1周ごとにマイクを通じてゲキを飛ばしているのは磯松監督あたりなんでしょうか?(去年は富士通の福島監督でした)
2日前の雪が残るグラウンドは、気温7度、湿度80%強、ほぼ無風の絶好のコンディションです。
こんな設定と環境で記録に挑めるなんて、ここに出られた選手たちは本当に恵まれてますよね。

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順調に66秒から67秒の設定ペースで引っ張っていたカロキが、3000mを過ぎたあたりで謎の(?)失速。しばらくして先頭に戻りましたが、どうしたんでしょうかね?
後半は、失速というよりも、設定ペース以上にスピードが上がった外国人ランナーをやり過ごして、日本人選手をサポートするように後方に下がって声を掛けるあたりは至れり尽くせりのサービスぶりを見せていますから、この前半でのもたつきはちょっと解せません。まあ、いかにケニア代表と言っても、このレベルのペースメイクをするのは容易なことではないとは察しますが。
この日は設楽兄弟の調子が上がらず、終盤までカロキに食らいついたのは大石。前回日本新の村山紘はこの一群の集団から千切れ気味で表情も険しく、一時は大石から20メートルほども遅れる展開。それでもラスト1周を57秒にまでビルドアップして大石を抜き去り、ただ一人標準記録を突破してみせたのは、さすがです。

第7組の結果は次のとおり。
 ①27'33"94 ロナルド・ケモイ (小森コーポレーション)
 ②27'38"24 ジェームス・ムワンギ (NTN)
 ③27'38"69 クリス・デリック (USAバウマントラック)
 ④27'39"25 アレクサンダー・ムティソ (MDソフト)
 ⑤27'41"28 パトリック・ムエンド・ムワカ (愛三工業)
 ⑥27'42"75 テレッサ・ニャコラ (マツダ)
 ⑦27'43"55 カッサ・マカショウ (八千代工業)
 ⑧27'44"39 村山紘太 (旭化成)
 ⑨27'45"27 サムエル・ムワンギ (コニカミノルタ)
 ⑩27'48"56 大石港与 (トヨタ自動車)
 ⑪27'51"67 ベナード・キマニ (ヤクルト)
 ⑫27'52"69 マミヨ・ヌグセ (安川電機)
 ⑬27'53"49 ロジャース・シュモ・ケモイ (愛三工業)
 ⑭27'53"50 サイモン・カリウキ (日本薬科大)
 ⑮27'54"75 大六野秀畝 (旭化成)
 ⑯27'58"32 ダニエル・キプケモイ (西鉄)
 ⑰28'09"35 アンドリュー・バンバロウ (USAバウマントラック)
 ⑱28'14"10 ゲノ・アルフレッド (日清食品グループ)
 ⑲28'14"40 市田 孝 (旭化成)
 ⑳28'16"95 浅岡満憲 (日立物流)
 ㉑28'17"30 サイラス・キンゴリ (SGホールディングス)
 ㉒28'26"61 設楽悠太 (Honda)
 ㉓29'11"59 設楽啓太 (コニカミノルタ)
 DNF 中村匠吾 (富士通)
 DNF(PM) ビダン・カロキ (DeNA)
 DNS 村山謙太 (旭化成)
 DNS パトリック・ワンブイ (日大)

ついでに、1つ前・第6組の結果。このほか前半の組には大学の有力ランナーなども数多く出場しています。元データのページ(東京陸協)があまりにもヒドイ作りで見にくいので、できれば全組リライトして掲載したいところですが、まあこのへんで勘弁してください。
 ①27'49"57 デヴィッド・ジュグナ (ヤクルト)
 ②27'49"89 ダニエル・ムイバ・キトニー (カネボウ)
 ③28'10"54 ベケレ・シフェラウ (マツダ)
 ④28'10"62 猪浦 舜 (八千代工業)
 ⑤28'16"49 潰滝大記 (富士通)
 ⑥28'22"17 戸田雅稀 (日清食品グループ)
 ⑦28'25"48 早川 翼 (トヨタ自動車)
 ⑧28'27"54 矢野圭吾 (日清食品グループ)
 ⑨28'58"54 堂本尚寛 (JR東日本)
 ⑩29'09"68 中川智春 (トーエネック)
 ⑪29'12"83 松本 稜(トヨタ自動車)
 ⑫29'18"53 工藤有生(駒澤大)
 ⑬29'32"28 服部弾馬(東洋大)
 DNF(PM) ウィリアム・マレル(Honda)
 DNS 竹澤健介 (住友電工)
 DNS 山中秀仁 (Honda)
 DNS 菊地賢人 (コニカミノルタ)
 DNS ジョセフ・ジェンガ (富士通)
 DNS 相葉直紀 (中電工)

幹事社のコニカミノルタ勢がやや精彩ないのが気になりますが、スーパールーキーと言われる神野大地は、日曜日に行われた『甲佐10マイル』で「元祖」の今井正人を破って優勝しています。
元旦の『全日本実業団対抗駅伝』に出場する選手の多くは、この八王子または甲佐が本番前のひと叩き。鬼が笑う来年の話にも、そろそろ目を向けていくことにしましょう。

 

ボルト故障!?・・・アヤナ2冠にロックオン!・・・世界の動向



ジャマイカから、気になるニュースが入ってきました。
ウサイン・ボルトが国内選考会になるジャマイカ選手権の100m決勝を故障のためDNS、200mにも出場しない、というのです。
記事によれば、過去の実績による救済が濃厚な雰囲気ではありますが、本番まで6週間というこの時期での脚の状態が心配されます。ロンドンの時も国内選手権でブレイクに完敗してからの巻き返しでしたが、予断を許さない状況ですね。


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【ニオイが】アクアデオ【解消!】



さて、いっぽうの中長距離は、と言いますと、「王国」ケニアとエチオピアで、それぞれ選考会が開催されています。
まずは、ケニア選考会の中長距離の結果を。
今シーズン絶不調のルディシャが何とか代表に踏みとどまり、その他の各種目もまずまず順当に実力者が代表に選ばれることになりそうです。記録は全般に平凡ながら、コンディション等の要因もあるようで、何とも言えません。お家芸の男子3000mSCなどは、上位3人が速いペースで圧倒的な差をつけてしまったので、最後は手をつながんばかりにゆっくりとゴールした結果のようです。
日本の実業団で活躍するポール・タヌイが今年も代表の座を掴みましたが、ビダン・カロキは残念な結果でした。

<男子>
800m ① 1'43"73  アルフレッド・キプケテル
② 1'44"05  ファーグソン・ロティッチ
③ 1'44"23  ディヴィッド・ルディシャ

1500m ① 3'38"21  アスベル・キプロプ
② 3'38"48  エリヤ・マナンゴイ
③ 3'38"80  ロナルド・ケモイ

5000m ※手動計時
① 13'37"2  カレ・ディク
② 13'37"6  イサイア・コエチ
③ 13'39"1  サイラス・ルト

10000m ① 27'46"15  ポール・タヌイ(九電工)
② 27'57"07  チャールズ・ムネリア
③ 28'12"22  ウィルフレッド・キミテ
※ DNF  ジョフリー・カムウォロル、ビダン・カロキ(DeNA)

3000mSC ① 8'27"68  ブライミン・キプルト
② 8'27"86  コンセスラス・キプルト
③ 8'27"95  エゼキエル・ケンボイ
※ DNF ジャイラス・ビレチ

<女子>
800m ① 1'58"27  マーガレット・ワンブイ
② 1'59"63  ユニス・サム
③ 2'00"16  ウィニー・チェベト

1500m ① 4'06"71  フェイズ・キピエゴン
② 4'10"00  ナンシー・チェプケモイ
③ 4'11"93  ヴィオラ・ラガト

5000m ① 15'01"60  ヴィヴィアン・チェルイヨット
② 15'13"45  ヘレン・オビリ
③ 15'25"51  マーシー・チェロノ

10000m ① 31'36"60  ヴィヴィアン・チェルイヨット(2015金)
② 32'04"83  ベッツィ・サイナ
※ DNS アリス・アプロット・ナウォブナ…前週のアフリカ選手権優勝により代表入り

3000mSC ① 9'28"33  ハイヴィン・キエン・ジェプケモイ
② 9'41"87  ベアトリス・チェプコエチ
③ 9'48"47  リディア・ロティッチ


一方のエチオピアは、まだ男女10000mの結果しか伝わってきていませんが、女子10000mは衝撃のリザルトです。
5000mで無敵の状態にあるアルマズ・アヤナが初めて10000mに挑み、「初10000m世界最高」「世界歴代8位」のタイムで、圧勝。それだけでなく、なんと9位までが30分台という世紀のレースになったようです。ケニアの成績を見て「お、鈴木亜由子でも案外勝負になりそうだな」と一瞬思ってしまいましたが、いやはや女子の長距離はやっぱりエチオピアですねえ…。
かつての女王ティルネッシュ・ディババは、辛うじて代表の一角に食い込んだものの、これが10000mでは生涯初の黒星。その妹・ゲンゼベの動向が今年はまったく不明で、果たしてこの大会の1500m、5000mに出てくるのかどうか、続報を待ちたいと思います。

<男子>
10000m ① 26'51"11  イグレム・デメラシュ
② 26'57"45  タミラ・トーラ
③ 26'57"88  アバディ・エンバイエ

<女子>
10000m ① 30'07"00  アルマズ・アヤナ
② 30'28"47  ゲレテ・ブルカ
③ 30'28"53  ティルネッシュ・ディババ



 
ギャラリー
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