豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

クリスチャン・テイラー

開幕から好記録連発!~DLドーハ大会


2018年のIAAFダイヤモンドリーグ(DL)がいよいよ開幕、オリンピックも世界選手権もない中間年に世界の陸上界はどう動くか、注目のシリーズがスタートしました。

まず、女子円盤投の女帝、サンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)がPBにあと3㎝と迫る71m38の大投擲で相変わらずの無敵ぶりを発揮すると、男子やり投では昨年来しのぎを削るトマス・レーラーとヨハネス・フェテル、さらにはアンドレアス・ホフマンを加えたドイツ勢3人で90mスローの競演。
ここ2年間、クリスチャン・テイラー(USA)の独擅場が続いてきた男子三段跳では、ペドロ・ピチャルド(CUB)が 久々に18mラインを脅かす大ジャンプを繰り出し、すぐさまテイラーもこれに迫って3年前の開幕戦を思い出させるハイレベルなマッチレースを展開。

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 400mHのリーダーに躍り出た22歳のサンバ

トラックでは、400mHの新星アブデルラーマン・サンバ(QAT)が47秒57のカタール新記録でカーロン・クレメントやバーショーン・ジャクソン(ともにUSA)らの旧勢力をぶっちぎり、地元の大喝采を浴びました。

女子100mには、リオ2冠のエレイン・トンプソン(JAM)に世界選手権200m連覇のダフネ・スキッパーズ(NDL)、今季室内シーズンから好調のマリー・ジョゼ・タルーにミリエル・アウレ(ともにCIV)、LJとの二刀流ブレッシング・オカグバレ(NGR)と役者が揃いました。レースはタルーが中盤から抜け出し、10秒85(+1.5)はこれまたPBにして今季世界最高。トンプソンは3着ながら10秒93とまずまずながら、スキッパーズはいいところなく、今季この種目は今回不参加のアメリカ勢を絡めて、大混戦となりそうです。


「ポスト・ボルト」が注目された男子200mでは、2年前のU-20世界選手権100mチャンピオンのノア・ライルズ(USA)が19秒83(+1.3)のPBで快勝、調子の上がらないラミル・グリエフ(TUR)やアンドレ・ドグラス(CAN)を置き去りにしました。



好記録にはなりませんでしたがレースとして面白かったのは女子の100mHです。

一昨年の世界新記録と無敵状態から昨年は今一つパッとしなかったケニ・ハリソンをはじめ、アメリカのハードル・スターがズラリと勢ぞろい。中でも注目は、ドーピングに関する規則違反で昨シーズン出場停止を食らっていたリオ女王のブライアナ・マクニール(旧姓:ローリンズ)。復帰するや否や12秒43のWLを叩き出していましたが、終盤ハードリングを乱してハリソンに差されてしまいました。
それにしても、WRホルダーと五輪女王の、ハードリング・フォームも好対照な二人の対決は、さらには世界女王サリー・ピアソン(AUS)も交えて何度も見たいものです。

さて、DLがCS放送で全戦生中継されるようになって数年、毎年チーム(スポーツ・メーカー)のユニフォームがどう変わるのかを見るのが、開幕戦のお楽しみです。
圧倒的な選手数を誇るNIKE軍団は、今季は渋い深緑系。昨年のロンドン世界選手権チャンピオンだけは、ロゴ以外は純白で、ひときわ目立ちます。
そんなチャンピオン・ユニの選手たちの中で、浮かない表情が何度も画面に映し出されたのが女子棒高跳のカテリナ・ステファニディ(GRE)。
昨季無敗で19連勝を続けてきた堅実無比のボウルターが、どうも助走を狂わせている様子で、身体が上がらない跳躍が続きました。3月の室内世界選手権に続いてライバルのサンディ・モリス(USA)と競ることもなく完敗、久々に復活してきた同国の先輩にして2015年のDLチャンピオン、ニコレッタ・キリアポウロウにも上回られ、5位に終ったのは少々深刻です。
ま、私的にはヒイキのモリスが勝って、万々歳なんですけどね…。
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PBとなる5m01に失敗して余裕の苦笑いのモリスと、片隅で黄昏るステファニディ

漸13種目中種目で今季世界最高記録が誕生した今大会のクライマックスを演じたのは、地元のスーパースター、ムタズ・エッサ・バルシム(QAT)。
例によって駆け引きなしに、バーがかけられて順番が回ってくるからにはパスすることなく次々とクリアしていく、その段階から一人異次元の高さを空中遊泳する圧巻のパフォーマンスです。最後は食い下がったエディン・ガザル(SYR)を振り切ると一気に2m40に上げ、これを一発でクリアすると、マットに直立しながらビブを引きちぎるお得意のガッツポーズを決めて見せました。
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昨年まで5年連続で達成してきた2m40超えを第1戦で早くも達成、かつてのライバルたちが次々と凋落していく中で、今季はバルシムの一人劇場となりそうな雰囲気です。

なお、今季DLは昨季同様、第13戦までの順位ポイントの累計で、上位8名(種目により12名)が第14戦・15戦に振り分けられる各種目ファイナルへの出場権を獲得、そこでの勝者がシリーズ・チャンピオンとなる方式で行われます。
以下に、ドーハ大会の3位までのリザルト(DL対象種目のみ)を掲載しておきます。

<男子>
◇200m(+1.3)
 ① 19"83 ノア・ライルズ USA ※MR/PB
 ② 19"99 ジェリーム・リチャーズ TTO
 ③ 20"11 ラミル・グリエフ TUR

◇400m
 ① 43"87 スティーヴン・ガーディナー BAH ※WL/MR/NR
 ② 44"50 アブダレル・ハロウン QAT
 ③ 44"92 アイザック・マクワラ BOT

◇800m
 ① 1'45"21 エマニュエル・コリル KEN
 ② 1'45"60 エリジャ・マナンゴイ KEN
 ③ 1'46"51 ニコラス・キプコエチ KEN

◇400mH
 ① 47"57 アブデルラーマン・サンバ QAT ※WL/DLR/MR/NR
 ② 49"08 バーショーン・ジャクソン USA
 ③ 49"46 カイロン・マクマスター IVB

◇走高跳
 ① 2m40 ムタズ・エッサ・バルシム QAT ※WL
 ② 2m33 メイド・エディン・ガザル SYR
 ③ 2m30 ドナルド・トーマス BAH

◇三段跳
 ① 17m95 ペドロ・パブロ・ピチャルド CUB ※WL
 ② 17m81 クリスチャン・テイラー USA
 ③ 17m21 アレクシス・コペリョ AZE

◇やり投
 ① 91m78 トマス・レーラー GER
 ② 91m56 ヨハネス・フェテル GER
 ③ 90m08 アンドレアス・ホフマン GER

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<女子>

◇100m(+1.5)
 ① 10"85 マリー・ジョゼ・タルー CIV ※WL/PB
 ② 10"90 ブレッシング・オカグバレ NGR
 ③ 10"93 エレイン・トンプソン JAM

◇1500m
 ① 3'59"92 キャスター・セメンヤ RSA ※WL/NR
 ② 4'00"99 ネリ・ジェプコスゲイ KEN ※PB
 ③ 4'01"41 ハビタム・アレム ETH

◇3000m(5000mカテゴリ)
 ① 8'29"05 カロリン・キプキルイ KEN ※WL/PB
 ② 8'29"09 アグネス・ティロップ KEN ※PB
 ③ 8'30"51 ハイヴィン・キエン KEN ※PB

◇100mH(+0.5)
 ① 12"53 ケンドラ・ハリソン USA
 ② 12"58 ブライアナ・マクニール USA
 ③ 12"75 シャリカ・ネルビス USA

◇棒高跳
 ① 4m84 サンディ・モリス USA ※MR
 ② 4m64 ホーリー・ブラッドショー GBR
 ③ 4m64 ケイティ・ナジョッテ USA

◇円盤投
 ① 71m38 サンドラ・ペルコヴィッチ CRO ※WL/DLR/MR
 ② 66m82 ヤイメ・ペレス CUB
 ③ 63n80 デニア・カバジェロ CUB

DLファイナルに野澤啓佑参戦!~第14戦・チューリッヒ大会



世界は慌ただしい。休む暇もなく、明後日1日深夜(2日未明)には、ダイヤモンドリーグ第14戦・チューリッヒ大会が行われます。ダイヤモンドレース32種目のうち、半数の16種目で年間チャンピオンが決まる最終戦が行われます。

プログラム(時間は日本時間)と主なエントリー選手は次のとおり。選手の順番はDLポイント順で、太字の選手は年間王者が確定済です。(最終戦は1位20点、2位12点、3位8点、以下6点・4点・2点。年間王者となるには最終戦出場が条件となります)

 1:45 男子棒高跳 R.ラヴィレニ、ケンドリクス、バーバー、ティアゴ・ブラズ・ダ-シルバ
 2:05 女子走幅跳 I.スパノヴィッチ、ウゲン、リース、バートレッタ、モケナラ、クリシナ
 2:35 女子円盤投 S.ペルコヴィッチ、カバジェロ、ミュラー、ロベールミション
 2:45 女子走高跳 R.ベイティア、スペンサー、トロスト、リキンコ、デミレワ、ユンクフライシュ
― ここから生中継開始 ―
 3:05 女子400mH ※ポイント対象外 ペテルセン、ドイル、リトル
 3:05 男子砲丸投 T.ウォルシュ、コヴァックス、クラウザー、マイエフスキー、シュトール
 3:13 男子5000m M.エドリス、ケジェルチャ、ゲブリウェト、ロンゴシワ、タヌイ、ラガト
 3:34 女子200m D.スキッパーズ、フェイシー、アシャー-スミス、トンプソン、フェリックス
 3:41 女子1500m F.キピエゴン、ミュアー、バータ、ハッサン、セヤウム、シンプソン
 3:50 男子三段跳 C.テイラー、コペイヨ、カーター、ベナード、エヴォラ
 3:53 男子400m L.メリット、マクワラ、タプリン、ガーディナー
 4:00 男子やり投 T.レーラー、ヴァドレイヒ、ウォルコット、ヴェーバー、ピトカマキ
 4:02 女子800m C.セメンヤ、ニヨンサバ、サム、シャープ、ビショップ
 4:12 女子100mH K.ハリソン、ハーパー-ネルソン、ストワーズ、オフィリ、ロールダー
 4:20 男子100m B.Y.メイテ、パウエル、ロジャーズ、マルティナ、コリンズ、マクレオド
 4:28 男子400mH K.クレメント、クルソン、ベット、トゥムティ、マギ、野澤啓佑
 4:36 女子3000mSC R.ジェベト、キエン、アセファ、チェプコエチ、コバーン

放送開始前から始まるフィールド各種目では、すでに年間優勝が確定している種目が並びますが、いずれもトップランカー勢ぞろいという感じで目移りがします。特に注目は、男子棒高跳に、オリンピック・チャンピオンのティアゴ・ブラズ・ダ-シルバが最終戦にして初参戦すること。王者ラヴィレニにとっては千載一遇のリヴェンジのチャンスが、向こうからやって来てくれました。
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トラック種目では、女子200m、100mHを除いて年間優勝争いは大混戦。
最初の男子5000mは、モー・ファラーが1試合にしか出場しなかったことでエチオピアの若手勢にチャンスが生まれました。エドリスとゲブリウェトが22歳、ケジェルチャが19歳…顔を見ただけじゃ分かんないもんです。

女子200mは、すでに年間優勝を決めているスキッパーズとトンプソンの女王対決が実現しそうです。ローザンヌとパリでの走りを見た限りでは、トンプソンが引き続き波に乗っている感じがします。さらにはアリソン・フェリックスやヴェロニカ・キャンベル-ブラウンなどの参戦も、白熱のレースに華を添えてくれます。

女子1500mはフェイス・キピエゴンの独走気配でしたが、パリで鮮やかな逃走劇を決めたローラ・ミュアーが「待った!」をかけました。今度はキピエゴンも楽には逃がさないでしょうし、展開ひとつでどう転ぶか分かりません。

男子三段跳は、意外にもまだクリスチャン・テイラーの優勝が確定していませんが、4位以内なら自力確定ということで問題ないでしょう。今年のテイラーは同僚のウィル・クレイにはたびたび冷や汗をかかされたものの、18mを跳ばないと勝てないというほどのライヴァルには恵まれませんでした。

男子400mはウェイド・ヴァンニーケルクとキラニ・ジェームズが回避したためラショーン・メリットの独擅場になりそうです。


男子やり投は、イハブ・アブデルラーマン(ドーピング)とジュリアス・イェゴ(オリンピックで負傷)が脱落してしまいましたが、今季最も好況を呈した種目の一つでした。タレントが多彩で、一発の面白さもあり、またそこに日本の新井涼平が加わるといっそう興味深い試合が繰り広げられたものです。今回、その新井の参戦がないのは残念ですが、テロ・ピトカマキが久々に登場します。


女子800mは、キャスター・セメンヤの独り舞台でしょうね。今季は出場したすべてのレースで、まったく負ける姿を想像させない強さを見せ続けました。2番手にニヨンサバ、というのも定着してきたパターンです。

女子のMVP候補筆頭のケンドラ・ハリソンが、最終戦をどんな記録で締めくくるか?圧倒的な選手層を見せつけたアメリカ・チームから、オリンピックのメダル・トリオの参加がないのは少しガッカリです。その分ハリソンのぶっちぎりぶりを楽しみたいと思います。

男子100mはボルトはじめ、年間チャンピオンが有望だったガトリン、あるいはデグラスといったメダリストの名前がなく、ファイナリストもシンビネとメイテの2人のみ。元世界記録保持者のパウエルには失礼ながら、DL最終戦にしてはB級メンバーといった中で、面白いのは110mHのチャンピオン、マクレオドの参戦。9秒台の実力がどんなものか、楽しみはここですね。

そして男子400mH、野澤啓佑の勇気あるチャレンジに大喝采!…これです、これが日本の選手にどんどんやって欲しいことなんですよ。オリンピック前までは世界ランキング上位だった野澤も、気が付けばこのメンバーではシーズン7位、PBでは最下位。ですが、こうした経験を積み上げることで、世界と戦える実力を培ってほしいと思います。(ほとんどの選手が契約メーカーのユニフォームを着て出てくるDLには、所属のミズノとしても「もっとアピールせにゃならん!」と思ってるんでしょうね。何せ半分以上がブラック・ストライプのウェアに黄色/ピンクのシューズ履いて出てきますから)

最終戦・前半の締めくくりは、女子3000mSC。よもや中5日で世界記録更新を狙ってくるとは思えませんが、ルース・ジェベト、ハイヴィン・キエン、エマ・コバーンらの走りを堪能しましょう。

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リオ五輪陸上競技TV観戦記・Day5(展望も)

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陸上競技開始の1週間前から書き始めた「直前展望」が、Day5で止まったまんまになってしまって、スイマセン。
前にも書きましたように、私はオリンピック全部が大好物なもんですから、序盤はとうぜん競泳・柔道・体操などに熱中し、今もバドミントンに卓球に、自転車にレスリングにと大忙しです。テレビでやらない馬術とかボートとかも見てました。もうじきトライアスロンもあります。(グエン・ジョーゲンセンのランに、ぜひ注目してください!)
意外に時間のかかるこの記事、もういっぱいいっぱいで書いてますんでね、何とぞご理解を。
そういうわけで、Day6以降の「展望」については、日々の「観戦記」の中で要所要所に触れていきたいと思います。


◇女子5000m予選(2組5着+5)
RIO023

いやあ、上原美幸、見事な世界デビューでしたね!
スタート(一度仕切り直しがありましたが、上原がフライングしたわけではなくて、明らかにラインを踏んでいたエチオピアの選手を見咎めてのものと思われます)してすぐ飛び出し、200m34秒のダッシュを決めた上原が、大逃げを打つ展開。一時は集団との差が70mにも開き、「よし行け、プリティキャスト!(…分かる人にしか分からない)」と当方大興奮。
集団の中で翻弄されるよりは行けるところまで先頭を走る、同じ負けるなら目立って負けろ、というのが新谷仁美が日本女子長距離界に授けた遺産なのでしょうか、最近はこうした積極レースが目立ちます。にしても、ここまでの大逃げは初めて見ます。ただ、ラップタイムは75-76秒と遅く、いい記録を目指すとすれば5000なら72-73秒、10000なら73-74秒(まあ新谷でも74秒がやっとでしたが)が望まれるところです。
1000mを過ぎたあたりでいったんイギリス、アメリカの選手が追走を開始しようとしたら、すかさずジャン(TUR)やケニアの2人が「まだ早いわよ!」とばかりに叩いて出て、集団のペースを落としたのは面白い展開。おかげで、上原の逃げは3500mまで持ちこたえ、かなりの長時間楽しませてもらえました。

しかしながら、彼女の真骨頂はここから!こういう展開では、集団に吸収されるとそのままズルズル…というお決まりのパターンを思い描いていたら、意外にも粘るわ粘るわ、力の残っている限りは前を追い越さずにいられないといった感じで再び先頭を奪い返すなど、必死の抵抗を試みます。
いかんせん最後はトップ集団のスピードに置いて行かれたとはいえ、大きく離れることもなく、競り合っていたエチオピアのエシャネを最後はねじ伏せるように先着するという根性を見せてくれました。
素晴らしい!結果的に今日一番のレースを見せてもらえましたね。

2組の尾西美咲、鈴木亜由子はともに昨年の世界選手権で予選を突破していただけに期待が寄せられましたが、いつもの展開に策なし、といったレースになって、敗退です。
鈴木は大会直前に10000mをキャンセルする脚部不安があって、その影響を否定するコメントをしていましたけれども、痛みなどはないとしても調整に狂いが出たことは間違いなく、本来の力を出せずにオリンピックを終えたのは残念でした。
日本の長距離は、多くの競争相手を倒して代表になるのが一番苦労するところなので、せっかくのチャンスは大切にしなければなりません。マラソンとともに、日本選手が今一つ万全のコンディションでリオに臨めていないことが、少々気になります。


◇男子三段跳決勝
ご存知クリスチャン・テイラー(USA)が1回目の17m86であっさりと優勝を決めました。2位ウィル・クレイ(USA)との差は僅か10センチで、意外な僅差に少々浮かない顔。1回目から手拍子を要求し、大きな声を上げて跳躍に臨んでいたのは「6回目のテイラー」にしてはやや珍しい光景で、ピチャルド(CUB)のいない今回、それだけぶっちぎりの楽な展開での金メダルを狙っていたのでしょう。
お得意の6回目、面目躍如とばかりに18メートルラインを超えた着地に見えましたが、赤旗だったのは残念。


◇女子円盤投決勝
「鉄板」と思っていたサンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)が、予選で2回ファウルの後Qライン突破、決勝でも2回右のネットにぶち当てて絶体絶命のピンチに追い込まれました。3投目、「この一投」の集中力はさすがで、ややバランスを崩しながらも69m21の大投擲を繰り出し、結果的には2位以下に大差をつけはしたものの、その後の3回もすべてファウル。「絶対女王」の風格は影を潜めて終始おびえたような表情が目についたのは、オリンピックの魔物との戦いだったのでしょうか。
ゲーム前はノーマークだった一番投擲者メリナ・ロベール-ミションが66m73のナショナルレコードで銀メダル。この記録を超えられない3番手以下の記録が、かなり低調でした。



◇男子1500m予選(3組6着+6)
 15WC ①3'34"40A.キプロプ(KEN) ②3'34"63E.マナンゴイ(KEN) ③3'34"67A.イギデル(MAR)
 15DL ①17p/4 キプロプ ②10p/3 S.キプラガト(KEN) ③4p/1 マナンゴイ
 16DL ①31p/4 キプロプ ②28p/4 マナンゴイ ③10p/1 R.
ケモイ(KEN)
 16SB ①3'29"33 キプロプ ②3'30"49 ケモイ ③3'31"19マナンゴイ
この種目では、アズベル・キプロプという絶対王者がいて、スローペースの優勝争いだろうとペースメーカーつけての記録狙いだろうと、とにかく強い。強さの安定感でいけば、かつてのヒシャム・エルゲルージ(MAR)級ではないかという感じだったのですが、1か月前のモナコDLで惨敗してミソをつけたことから、予選の走りが注目されました。
1周目は後方で様子を伺い、700mでスルスルと前に出て、ラスト1周をぶっ飛ばす、いつものレースパターンでまずは楽勝。この相手では、調子を伺うところまでは行きませんでした。
同僚のマナンゴイ、ケモイ(小森コーポレーション)ではなかなかキプロプの牙城を崩すことはできなさそうですが、ロンドン王者のタオフィク・マクルフィー(ALG)に余裕を感じます。前回も優勝間違いなしと思われたキプロプが謎の失速をしたレースをものにしていますし、DL出場が少ないため直接対決もあまりなく、キプロプにとっては最も警戒する相手だと思われます。
今回男女とも中長距離各種目で健闘が目立つアメリカ勢からも、マシュー・セントロヴィッツのメダル獲りが注目されます。


◇女子100mH予選(6組3着+6)
 15WC ①12"57D.ウィリアムズ(JAM) ②12"59C.ロルダー(GER) ③12"66A.タライ(BLR)
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DL ①18p/4D.ハーパー-ネルソン(USA) ②14p/4S.ネルヴィス(USA) ③12p/4J.ストワーズ(USA)
 16DL ①40p/4K.ハリソン(USA) ②28p/4B.ローリンズ(USA) ③13p/4N.アリ(USA)
 16SB ①12"34 ローリンズ ②12"50 K.キャスト
リン(USA) ③12"55 アリ
何度も死んだ子の齢を数えるようですが、現役世界記録保持者でありDL4戦全勝のケニ・ハリソン(USA)のいないチャンピオンシップというのが、残念。ただ速いだけでなく抜群に安定したハードリングを見せていただけに、全米での敗退というのがいまだに信じられません。
代わって王国アメリカ代表になった3人が、出場選手ランキングの上位を独占。しかし、アメリカは昨年の世界選手権でも同じような状況で、しかもワイルドカードで4人出場という優位性を持っていたにも関わらず、一人も表彰台に立てないという結果に終わっています。(上記データの上から3段目までを見ると、すべて異なる名前がベスト3に入っていて、この種目の混沌ぶりを伺わせます。それを“統一”していたのが、今季のハリソンだったのです)

アメリカ3人は順調な立ち上がりを見せましたが、まぎれの多いこの種目で昨年と同じ轍を踏まないとは限りません。しかしWC女王のダニエレ・ウィリアムズは今回エントリーがなく、ジャマイカ勢は全般に低調。WC2位のシンディ・ロルダーやイギリスのポーター/オフィリ姉妹など、ヨーロッパ勢が虎視眈々と狙っている様子が伺える予選でした。

RIO025

◇男子200m予選(10組2着+4)
期待が大きかっただけに、あまりの体たらくに言葉がありません。あの日本選手権での盛り上がりぶりは、何だったのでしょうか?(長距離種目もそうですが…せめて100mくらいの結果を残してくれれば、こんな言い方はしないと思います)
原因は、絶対的な国際レースの経験不足。これに尽きるかと思います。日本選手は、「ボルトのように速く走る」ことを追及する前に、「ボルトのように試合で実力を発揮する」にはどうしたらいいか、それを真剣に研究するべきだと考えます。ダイヤモンドリーグのレースなどで揉まれ続けない限り、同じ光景が繰り返されるだけでしょう。

Evening Session(日本時間今朝)については、また追ってアップします。


リオ五輪直前展望・Day4(8/15)



あちゃー!
悲報が飛び込んできました。
「女子100m福島千里、10000m鈴木亜由子が欠場」
どうにも致し方ありませんが、残念で残念でなりません。
どうか養生に努めて、次のチャンスに捲土重来を。
その福島、回復が早ければ今回展望するDay4には200の出番が巡ってきます。

◆Day4のプログラム

―Morning Session—
 (  9:30) 男子三段跳予選/女子200m予選/男子3000mSC予選
 (10:40) 女子ハンマー投決勝
 (11:15) 女子3000mSC決勝
 (11:30) 男子400mH予選

―Evening Session—
 (  8:30) 女子円盤投予選/男子棒高跳決勝/男子110mH予選/女子400mH予選
 (10:25) 男子800m決勝/女子400m決勝


◇男子三段跳
 15WC ①18m21C.テイラー(USA) ②17m73P.P.ピチャルド(CUB) ③17m52N.エヴォラ(POR)
 15DL ①22p/5 テイラー ②20p/6 ピチャルド ③3p/3 O.クラドック(USA)
 16DL ①40p/4 テイラー ②20p/5 A.コペイヨ(CUB) ③12p/3 ドン・ビン(CHN)
 16WL ①17m78テイラー ②17m65W.クレイ ③17m30R.マヘスウォリ(IND)
25)16m88長谷川大悟
 ※WC=世界選手権
  DL=ダイヤモンドリーグ…「総ポイント数/試合数」(2015年と16年とではポイント設定が異なる)
  WL=シーズン・ランキング…1国4人目以降および欠場が明らかな選手を除外

Christian Taylor & Pedro Pablo Pichardo
 https://www.iaaf.org/news/feature/triple-jump-taylor-pichardo-2015

夢の60フィートジャンプ=世界記録を射程に入れた昨年北京での大ジャンプから1年、クリスチャン・テイラーの王座に揺るぎはありません。
今年は18m超えの好敵手ペドロ・ピチャルドの姿がなく、テイラー自身も記録的には停滞気味。17m50以上を跳んでいるのはテイラーのほか同僚のウィル・クレイだけで、そのクレイに全米で不覚をとるなど現状では唯一のライヴァルと言うべき存在ですが、大一番となればなるほど強いメンタルを発揮するテイラーに死角はないでしょう。
メダル候補には、エヴォラ、コペイヨなどのベテラン勢も狙ってくるでしょうが、跳躍全般に躍進著しい中国勢も要注意です。
日本代表の2人は、とにかく久々の17m超えを目指してもらいたいものです。全般的に記録が低調なので、17mならば入賞が見えてくると思われます。

◇女子200m

 15WC ①21"63D.スキッパーズ(NED) ②21"66E.トンプソン(JAM) ③21"97V.キャンベル-ブラウン(JAM)
 15DL ①14p/4A.フェリックス(USA) ②12p/3スキッパーズ ③9p/3J.ターモー(USA)
 16DL ①26p/3スキッパーズ ②10pトンプソン・M.アウレ(CIV)・D.アッシャースミス(GBR)・T.ボウイ(USA)
 16WL ①21"93スキッパーズ ②21"99ボウイ ③22"05S.ミラー(BAH) 34)22"88福島千里

 
Dafne Schippers
 https://www.iaaf.org/athletes/netherlands/dafne-schippers-250353

シーズン開幕当初に100と200でボウイに連敗したスキッパーズでしたが、ジワジワと調子を上げて「女王」の風格を漂わせる強さを発揮してきています。アリソン・フェリックス(USA)は全米予選で敗退しましたが、代表になったとしてももはやスキッパーズには敵わないでしょう。

そのスキッパーズを一撃で倒しそうな勢いがあるのが、世界選手権で僅差の2位に敗れたエレイン・トンプソンです。ジャマイカ選手権100mを10秒70で制した一方で、今年は200のレースが少ない(選手権も決勝DNS)のがむしろ不気味で、21秒中盤をサラッと出してくる可能性を感じます。
福島選手には、なんとか故障を回復させて元気な姿を見せてもらいたいものです。



◇男子3000mSC

 15WC ①8'11"28E.ケンボイ(KEN) ②8'12"38C.キプルト(KEN) ③8'12"54B.キプルト(KEN)
 15DL ①20p/6J.K.ビレチ(KEN) ②12p/4P.K.コエチ(KEN) ③C.キプルト
 16DL ①50p/5C.キプルト ②20p/4ビレチ・コエチ
 16WL ①8'00"12C.キプルト ②8'03"90ビレチ ③8'08"32コエチ 46)8'31"89塩尻和也


ご存知ケニアのお家芸。1968年メキシコシティで水壕を跳び越す驚異の走りでワンツーを占めて以来、不参加の76年・80年を除くすべての大会で優勝、しかも銀または銅メダルを逃したのは1回だけという圧倒的な“国力”は、今回もビクともしなさそうです。
あれだけ強い選手がウジャウジャいると、誰が誰やら区別がつかず、誰が出てきても勝てそうな気がしてきますが、そこはきちんと序列があって、今回の代表3人は現段階で不動のトリオ…アテネ・ロンドンの覇者で世界選手権4連覇中のエゼキエル・ケンボイ、今季DL5戦全勝のコンセスラス・キプルト、北京五輪と大阪世界選手権の覇者ブリミン・キプルトです。(昨年世界選手権と同じ)
昨年来DLで好成績を残しているジャイラス・キプチョゲ・ビレチあたりでもいざとなると歯が立たないようで、ケニアの国内選考会では3人が他を大きく引き離し、最後はスピードを緩めて手をつながんばかりにしてゴールしたというのですから、推して知るべし。他の国で最近これに迫る走りを見せたのは、唯一昨年のパリDLで8分00秒45の米国記録をマークした(7分台目前だったが最終障害で転倒)エヴァン・ジェイガー(USA)くらいです。
残る興味は、それぞれ3度目、2度目の五輪制覇を目論むケンボイ、B.キプルトを、21歳のC.キプルトがいかにしてねじ伏せるか、というところでしょうか。

なおこの種目では、標準記録到達者が少なかった(というかケニアとエチオピアとアメリカばっかしだった)ため、大会直前に未到達者の上位選手として塩尻和也(順大)がIAAFよりインヴィテーションを受け、急遽代表に追加となりました。日本選手権と同じく、若さに任せた積極的な走りを期待したいものです。 

◇女子ハンマー投

 15WC ①80m85A.ヴォダルチク(POL) ②76m33チャン・ウェンシウ(CHN) ③74m02A.タヴェルニエ(FRA)
 16WL ①80m26ヴォダルチク ②75m77B.ハイドラー(GER) ③75m58チャン
 ※DL非実施種目


ロンドンを制したタチアナ・リセンコ(RUS)が去って(いても今回は出られませんが)、その時の2~4位がそのまま「3強」を形成しているのが昨今の現状。特にヴォダルチクの充実ぶりは完全にリセンコから歴代世界一の称号を奪い、女性唯一の80mスロワーとして他を圧倒します。
2位争いは、波の大きいハイドラーよりも安定して75m前後を投げてくるチャン(PBは77m33)、これに劣らぬ力量を持つワン・ジェン(同77m68)の中国勢に分があると見ています。

◇男子400mH

 15WC ①47"79N.ベット(KEN) ②48"05D.クドリャフツェフ(RUS) ③48"17J.ギブソン(BAH)
 15DL ①18p/5B.ジャクソン(USA) ②9p/3J.ダッチ(USA)・9p/2ギブソン
 16DL ①25p/4K.クレメント(USA) ②24p/3M.ティンズレー(USA) ③22p/3J.クルソン(PUR)
 16WL ①48"40クレメント ②48"42Y.コペイリョ(TUR) ③48"63クルソン ⑤48"67野澤啓佑


この種目は、「異常事態」と言ってよいかもしれません。
昨年の世界選手権、DLで活躍した選手のうち、クドリャフツェフはロシアゆえエントリー不可、バーション・ジャクソンと今季WLのジョニー・ダッチは米国代表漏れ、ニコラス・ベットはDLでまるでいいところなし。
47秒台はおろか、48秒台前半で走ったのはダッチを含め3人だけ。48秒台を3回以上出したのはコペイリョ、ティンズレーと野澤の3人だけ。
オープニング・レースに選ばれることの多いDLでは、どの試合でも49秒前後の低調なレースが続いています。
オリンピック本番ともなれば、ガラリと様相が変わるだろうという声もありますが、ベットやギブソン、クルソンあたりがよほど上げてこない限りは47秒台まで行かないレヴェルなのではないか、と私は思います。
そこで、野澤にオリンピックでは初となる「決勝進出」を期待してしまうのです。
ただ、こうした状況にあることは皆が承知の上ですから、49秒前後のレヴェルにいる選手たちが目の色を変えて狙ってくることは間違いないでしょう。混戦の中で準決勝の「2着+2」を拾うことは容易ではないはずで、それは実績ある上位選手たちにも等しく言えることです。

◇女子400m

 15WC ①49"26A.フェリックス(USA) ②49"67S.ミラー(BAH) ③49"99S.ジャクソン(JAM)
 15DL ①20p/5F.マッコロリー(USA) ②14p/3ミラー ③12p/6S.A.マクファーソン(JAM)
 16DL ①30p/3ミラー ②25p/4マクファーソン ③18p/4N.ヘイスティングス(USA)
 16WL ①49"55ミラー ②49"68フェリックス ③49"94P.フランシス(USA)


Shaunae Miller
https://spikes.iaaf.org/post/shaunae-millers-words-of-wisdom?utm_source=iaaf.org&utm_medium=gridclick

予測の難しい種目の一つですが、現状では昨年の世界選手権チャンピオン、アリソン・フェリックスと今季DL3戦全勝のショーナ・ミラーの一騎討ちが濃厚でしょう。

ロングスプリント界のアイドル的存在だったフェリックスも30歳になり、全米予選で200m4着に敗れたことは明らかにスプリント力の衰えを感じさせる、という見方と、深刻な故障から癒えたばかりのコンディションではあの結果もやむなし、とする声とが交錯します。日程的に一部重複する200mに出なくて済む、と前向きに考えればよいかと思いますが、ゴール前の接戦となった時にかつての爆発的なゴール前の瞬発力があるかというと、少し不安が残るのは確かでしょう。
一方のミラーは上り調子の22歳で、おそらく49秒切りを狙って仕上げてくると思われます。私は、こちらにやや分がある、と感じています。
2人以外で49秒台はフランシスのみで、3着争いもまた混戦模様です。

 
 

41歳ラガトがリオ走る~全米/七種で好記録続出~欧州



週末を迎えて、全米選考会、ヨーロッパ選手権ともに佳境です。


◆女子100mH詳報
まず、前日大変な盛り上がりを見せた女子100mHについて、IAAFの記事を拾ってみます。

・・・
ブライアナ・ローリンズが、ゲイル・ディヴァーズの持つ大会記録に僅か0.01秒及ばない12秒34で、オレゴン州ユージーンのトラックを真っ先に駆け抜けた。クリスティ・キャスリンが12秒50で2着、ニア・アリが12秒55で3着となって、この種目の代表チームが確定、3名ともにオリンピック初出場となる。

5月28日に同じユージーンで、今季世界最高となる12秒24の全米記録を打ち立てたケニ・ハリソンは、12秒62で6着と敗れた。

「何が起きたのか分からない。後でビデオを見なくちゃいけないわね」と、ハリソンは言った。「口ではうまく説明できないけど、でもこれがハードルっていう種目なのよね。リオのアメリカ代表は素晴らしい子たちのチームよ。私は地元に帰って、ダイヤモンドリーグのロンドン大会に備えることにするわ」

トップ7が12秒75以内のタイムを記録した国内選手権など、今まで世界中のどこにもない。2位から6位までの記録は、いずれも選考会史上最速のものだった。

クィーン・ハリソンが12秒57で4位、シャリカ・ネルビスが12秒60で5位。2008年のオリンピックで金メダル、2012年には銀を獲っているドーン・ハーパー=ネルソンは、百分の1秒差で決勝進出を逃していた。

「私たち3人がこの国で最強、つまりは世界で最強よ」2013年の世界選手権金メダリストのローリンズは言う。「私はとても恵まれてるし、一生懸命やってるわ。あとは自分にあるもの、身につけたものを信じ続けていくだけ。これからは前だけを見て、この強いレディーたちと競い合っていくわ。最後に3人全員が表彰台に立てたらいいわね」

キャスリンはローリンズのトレーニング・パートナーであり、2012年に記録した自己ベストを更新するとともに、28歳になった翌日に自身初となるワールドクラスの代表の座を射止めた。また、過去2回室内世界選手権の金メダルに輝いているニア・アリは、昨シーズンは出産のため試合をしていなかった。

ケニ・ハリソンは、ワールドリーダーとしてこの大会にやって来ながら代表の座を逃した4人目の選手となった。あとの3人は、男子走幅跳のマークィス・グッドウィン、女子400mのコートニー・オコロ、それに女子400mHのシャミーア・リトルである。あと一人、失意の金曜日を味わったのが、今年2月に室内で4m90を跳びながら3月に掌の腱を傷めた女子棒高跳のデミ・ペイン。彼女は決勝に進むことができなかった。

2015年の世界選手権銀メダルのリトルは、アディダスとのプロ契約にサインした数日後に行われた準決勝で、5着と敗れた。決勝に進出した一人が16歳のシドニー・マクローリンで、準決勝1組で55秒23の1着だった。

マクローリンは、1976年に17歳でハードル代表となったロンダ・ブレイディ以来、オリンピックの陸上競技に出場する最も若い選手となるかもしれない。マクローリンは8月7日に17歳になるのだ。
・・・


私は、ケンドラ・ハリソンの代表入りはほぼ確実、続く候補としてローリンズ、ストワーズ、クィーン・ハリソン、ハーパー=ネルソンの中から2人、と予想していましたが、分からないものです。上記のキャスリンとアリの短い紹介文を見ても、「この2人は大穴」という感想がにじみ出ているように思えます。
とにかく、ケニ・ハリソンもサリー・ピアソン(AUS)もいないリオで、昨年も世界選手権に「最強」の4人を送り込みながら1人も表彰台に上がれなかったアメリカの巻き返しがなるかどうか、引き続き注目です。
メガネに特大リボンの突飛ないでたちで昨年突然現れたリトルが、今年もWLを出して中心になるかと思われた400mHは、リトル以上に新しい世代の台頭があるようです。男子ともども、最終日の要注目種目。


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その翌日・さきほど終わった大会第10日の上位成績者は、次のとおり。
TJテイラーの2位は珍しいですが、今回は3位以内ならよしということで。
41歳ラガトが遂にオリンピックに帰ってきますねえ。敗れたラップは、10000とマラソンの掛け持ち、いくのでしょうか?(昔は珍しくもなんともなかったですが)
200はガトリンと400の王者・メリットの2冠争いが熾烈だったようです。ボルトの状態が見えない現段階では、本命・対抗と言っておきましょう。
ハードルは…得意とするこの種目に「2強」を欠く布陣で、アメリカは本番を戦えるのでしょうか?世界的にレベルが停滞している種目なので、予測がつきません。


<男子>
◇三段跳 ①17m65(+2.0) ウィル・クレイ
②17m39(-0.8) クリスチャン・テイラー
③17m21(-0.9) クリス・ベナード

◇5000m ①13'35"50  バーナード・ラガト
②13'35"70  ハッサン・ミード
③13'35"92  ポール・チェリモ
⑨13'41"09  ゲーレン・ラップ

◇200m(+1.6) ①19"75  ジャスティン・ガトリン
②19"79  ラショーン・メリット
③20"00  アミール・ウェッブ
⑥20"38  タイソン・ゲイ

◇110mH(+1.0) ①13"03  ディーヴォン・アレン
②13"21  ロニー・アッシュ
③13"21  ジェフ・ポーター
④13"22  アリエス・メリット
 DNS  デイヴィッド・オリヴァー

<女子>
◇やり投 ①60m84  マギー・マローン
②58m19  ハナ・カーソン
③57m90  カラ・ウィンガー



◆“ユーロ”はようやく好記録ラッシュ

男子円盤投は、おなじみのメダリストたちの名前が上位に並びました。ロベルト・ハルティングが不在なのだけが寂しいですが、さすがにこの種目は本番でもヨーロッパ勢でしょうね。一方の女子やり投は、モリトールとシュポタコワがメダル圏外という波乱。まあやり投はそういう種目なんでしょうが。
女子棒高跳は今年大躍進のステファニディが依然として好調のようで、昨年DLチャンピオンのキリアポウロウから完全にギリシアのエースの座を奪っています。
特筆ものは七種競技の盛況ぶり。イギリス勢などの主力が出ていませんが、オリンピックではどうなりますやら。

<男子>
◇三段跳 ①17m20(+0.5) マックス・ヘップ(GER)
②17m16(+0.1) カロル・ホフマン(POL)
③16m76(+0.5) ジュリアン・リード(GBR)

◇円盤投 ①67m06  ピョートル・マラホフスキー(POL)
②65m71  フィリップ・ミラノフ(BEL)
③65m27  ゲルト・カンテル(EST)
④65m13  クリストフ・ハルティング(GER)

◇110mH(0.0) ①13"25  ディミトリ・バスク(FRA)
②13"28  バラツ・バジ(ITA)
③13"33  ウィレム・ベロシアン(FRA)

◇1500m ①3'46"65  フィリップ・インヘブリクセン(NOR)
②3'46"90  ダヴィド・ブストス(ESP)
③3'47"18  ヘンリク・インヘブリクセン(NOR)

<女子>
◇やり投 ①66m34  タチアナ・ハラドヴィッチ(BLR)
②65m25  リンダ・シュタール(GER)
③63m50  サラ・コラック(CRO)
④63m20  カタリナ・モリトール(GER)
⑤62m66  バルボラ・シュポタコワ(POL)

◇棒高跳 ①4m81  エカテリニ・ステファニディ(GRE)
②4m70  リザ・リツィ(GER)
③4m65  アンゲリカ・ベニトソン(SWE)
④4m55  ニコレッタ・キリアポウロウ(GRE)

◇七種競技 ①6626P  アヌーク・フェテル(NED)
②6458P  アントワネット・ナナジム(FRA)
③6408P  イヴォナ・ダディツ(AUT)

◇5000m ①15'18"15  ヤセミン・ジャン(TUR)
②15'20"58  メラフ・バータ(SWE)
③15'20"70  ステフ・トゥエル(GBR)

◇800m ①1'59"70  ナタリヤ・プリシュチェパ(UKR)
②2'00"19  レネ・ラモーテ(FRA)
③2'00"37  ロヴィザ・リンド(SWE)

 
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