豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

エレイン・トンプソン

開幕から好記録連発!~DLドーハ大会


2018年のIAAFダイヤモンドリーグ(DL)がいよいよ開幕、オリンピックも世界選手権もない中間年に世界の陸上界はどう動くか、注目のシリーズがスタートしました。

まず、女子円盤投の女帝、サンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)がPBにあと3㎝と迫る71m38の大投擲で相変わらずの無敵ぶりを発揮すると、男子やり投では昨年来しのぎを削るトマス・レーラーとヨハネス・フェテル、さらにはアンドレアス・ホフマンを加えたドイツ勢3人で90mスローの競演。
ここ2年間、クリスチャン・テイラー(USA)の独擅場が続いてきた男子三段跳では、ペドロ・ピチャルド(CUB)が 久々に18mラインを脅かす大ジャンプを繰り出し、すぐさまテイラーもこれに迫って3年前の開幕戦を思い出させるハイレベルなマッチレースを展開。

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 400mHのリーダーに躍り出た22歳のサンバ

トラックでは、400mHの新星アブデルラーマン・サンバ(QAT)が47秒57のカタール新記録でカーロン・クレメントやバーショーン・ジャクソン(ともにUSA)らの旧勢力をぶっちぎり、地元の大喝采を浴びました。

女子100mには、リオ2冠のエレイン・トンプソン(JAM)に世界選手権200m連覇のダフネ・スキッパーズ(NDL)、今季室内シーズンから好調のマリー・ジョゼ・タルーにミリエル・アウレ(ともにCIV)、LJとの二刀流ブレッシング・オカグバレ(NGR)と役者が揃いました。レースはタルーが中盤から抜け出し、10秒85(+1.5)はこれまたPBにして今季世界最高。トンプソンは3着ながら10秒93とまずまずながら、スキッパーズはいいところなく、今季この種目は今回不参加のアメリカ勢を絡めて、大混戦となりそうです。


「ポスト・ボルト」が注目された男子200mでは、2年前のU-20世界選手権100mチャンピオンのノア・ライルズ(USA)が19秒83(+1.3)のPBで快勝、調子の上がらないラミル・グリエフ(TUR)やアンドレ・ドグラス(CAN)を置き去りにしました。



好記録にはなりませんでしたがレースとして面白かったのは女子の100mHです。

一昨年の世界新記録と無敵状態から昨年は今一つパッとしなかったケニ・ハリソンをはじめ、アメリカのハードル・スターがズラリと勢ぞろい。中でも注目は、ドーピングに関する規則違反で昨シーズン出場停止を食らっていたリオ女王のブライアナ・マクニール(旧姓:ローリンズ)。復帰するや否や12秒43のWLを叩き出していましたが、終盤ハードリングを乱してハリソンに差されてしまいました。
それにしても、WRホルダーと五輪女王の、ハードリング・フォームも好対照な二人の対決は、さらには世界女王サリー・ピアソン(AUS)も交えて何度も見たいものです。

さて、DLがCS放送で全戦生中継されるようになって数年、毎年チーム(スポーツ・メーカー)のユニフォームがどう変わるのかを見るのが、開幕戦のお楽しみです。
圧倒的な選手数を誇るNIKE軍団は、今季は渋い深緑系。昨年のロンドン世界選手権チャンピオンだけは、ロゴ以外は純白で、ひときわ目立ちます。
そんなチャンピオン・ユニの選手たちの中で、浮かない表情が何度も画面に映し出されたのが女子棒高跳のカテリナ・ステファニディ(GRE)。
昨季無敗で19連勝を続けてきた堅実無比のボウルターが、どうも助走を狂わせている様子で、身体が上がらない跳躍が続きました。3月の室内世界選手権に続いてライバルのサンディ・モリス(USA)と競ることもなく完敗、久々に復活してきた同国の先輩にして2015年のDLチャンピオン、ニコレッタ・キリアポウロウにも上回られ、5位に終ったのは少々深刻です。
ま、私的にはヒイキのモリスが勝って、万々歳なんですけどね…。
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PBとなる5m01に失敗して余裕の苦笑いのモリスと、片隅で黄昏るステファニディ

漸13種目中種目で今季世界最高記録が誕生した今大会のクライマックスを演じたのは、地元のスーパースター、ムタズ・エッサ・バルシム(QAT)。
例によって駆け引きなしに、バーがかけられて順番が回ってくるからにはパスすることなく次々とクリアしていく、その段階から一人異次元の高さを空中遊泳する圧巻のパフォーマンスです。最後は食い下がったエディン・ガザル(SYR)を振り切ると一気に2m40に上げ、これを一発でクリアすると、マットに直立しながらビブを引きちぎるお得意のガッツポーズを決めて見せました。
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昨年まで5年連続で達成してきた2m40超えを第1戦で早くも達成、かつてのライバルたちが次々と凋落していく中で、今季はバルシムの一人劇場となりそうな雰囲気です。

なお、今季DLは昨季同様、第13戦までの順位ポイントの累計で、上位8名(種目により12名)が第14戦・15戦に振り分けられる各種目ファイナルへの出場権を獲得、そこでの勝者がシリーズ・チャンピオンとなる方式で行われます。
以下に、ドーハ大会の3位までのリザルト(DL対象種目のみ)を掲載しておきます。

<男子>
◇200m(+1.3)
 ① 19"83 ノア・ライルズ USA ※MR/PB
 ② 19"99 ジェリーム・リチャーズ TTO
 ③ 20"11 ラミル・グリエフ TUR

◇400m
 ① 43"87 スティーヴン・ガーディナー BAH ※WL/MR/NR
 ② 44"50 アブダレル・ハロウン QAT
 ③ 44"92 アイザック・マクワラ BOT

◇800m
 ① 1'45"21 エマニュエル・コリル KEN
 ② 1'45"60 エリジャ・マナンゴイ KEN
 ③ 1'46"51 ニコラス・キプコエチ KEN

◇400mH
 ① 47"57 アブデルラーマン・サンバ QAT ※WL/DLR/MR/NR
 ② 49"08 バーショーン・ジャクソン USA
 ③ 49"46 カイロン・マクマスター IVB

◇走高跳
 ① 2m40 ムタズ・エッサ・バルシム QAT ※WL
 ② 2m33 メイド・エディン・ガザル SYR
 ③ 2m30 ドナルド・トーマス BAH

◇三段跳
 ① 17m95 ペドロ・パブロ・ピチャルド CUB ※WL
 ② 17m81 クリスチャン・テイラー USA
 ③ 17m21 アレクシス・コペリョ AZE

◇やり投
 ① 91m78 トマス・レーラー GER
 ② 91m56 ヨハネス・フェテル GER
 ③ 90m08 アンドレアス・ホフマン GER

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<女子>

◇100m(+1.5)
 ① 10"85 マリー・ジョゼ・タルー CIV ※WL/PB
 ② 10"90 ブレッシング・オカグバレ NGR
 ③ 10"93 エレイン・トンプソン JAM

◇1500m
 ① 3'59"92 キャスター・セメンヤ RSA ※WL/NR
 ② 4'00"99 ネリ・ジェプコスゲイ KEN ※PB
 ③ 4'01"41 ハビタム・アレム ETH

◇3000m(5000mカテゴリ)
 ① 8'29"05 カロリン・キプキルイ KEN ※WL/PB
 ② 8'29"09 アグネス・ティロップ KEN ※PB
 ③ 8'30"51 ハイヴィン・キエン KEN ※PB

◇100mH(+0.5)
 ① 12"53 ケンドラ・ハリソン USA
 ② 12"58 ブライアナ・マクニール USA
 ③ 12"75 シャリカ・ネルビス USA

◇棒高跳
 ① 4m84 サンディ・モリス USA ※MR
 ② 4m64 ホーリー・ブラッドショー GBR
 ③ 4m64 ケイティ・ナジョッテ USA

◇円盤投
 ① 71m38 サンドラ・ペルコヴィッチ CRO ※WL/DLR/MR
 ② 66m82 ヤイメ・ペレス CUB
 ③ 63n80 デニア・カバジェロ CUB

ファラー国内有終?に大歓声~DL第12戦バーミンガム大会

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2017DLの予選シリーズ最終戦となる、第12戦『ミュラー・バーミンガムGP』が行なわれました。
獲得ポイントの累計で年間ツアー・チャンピオンを争った昨季までとは異なり、今季はこの第12戦までの合計ポイント上位者(種目により8名または12名)が第13・14戦に振り分けられた各種目の「ファイナル」へと進出し、ファイナルの勝者が年間王者となります。
世界選手権直後の大会とあって、ニュー・ワールド・チャンピオンを軸としたリマッチとしての期待が集まりましたが、たった1~2週間経過しただけで(良くも悪くも)別人のようになってしまった選手もいたりして、予定調和のない陸上競技の面白さを再認識させてもらいました。

◇女子100m決勝(-1.2)
 ① 10"93 E.トンプソン(JAM)
 ② 10"97 M.J.タルー(CIV)
 ③ 11"08 J.レヴィ(JAM)
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見た目がすっかり変わったS.ミラー‐ウィボの祝福を受けるトンプソン

ロンドンからは良い方に変わったのが、エレイン・トンプソン。「鉄板」と推した世界選手権では故障を発したわけでもないのに5着に敗れ、本人も「何が起こったのかわからない」と茫然としていたのがちょうど2週間前。そのロンドンでダブル銀メダルを獲得し絶好調のタルーを相手に、堂々の横綱相撲でした。決して圧勝とは言えませんが、今季のトンプソンはずっと、こうした「どこまで追いかけて行っても追い抜けない」という勝ち方をしてきたのです。本当に、ロンドンでは何が起こったのでしょう?…リレーに出てこなかったところを見ると、やはりどこかに体調の異変があったのではないか、と推察されますが。
予選2組で行われた今回の100mには、ダフネ・スキッパーズ(NED)、ディナ・アッシャー‐スミス(GBR)、ブレッシン・オカグバレ(NGR)らに加えて400mのショーナ・ミラー‐ウィボ(BAH)、100mHのサリー・ピアソン(AUS)といった賑やかなメンバーが登場、新チャンピオンのトリ・ボウイ(USA)は不在ながら、華やかな顔ぶれが揃いました。

◇女子400m

 ① 50"59 S.E.ナセル(BRN)
 ② 50"63 A.フェリックス(USA)
 ③ 50"66 C.オコロ(USA)
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19歳ナセルがアリソンに競り勝つ

この種目はロンドンの上位3人によるリマッチ。ただしゴール20m前まで金を確信させる走りをしていたミラー・ウィボが100mに回ってしまったので、画竜点睛を欠く感はありました。
ミラー、アリソンの失速でタナボタめいた銀メダルに食い込んだ19歳のサルワ・エイド・ナセルが、今度は文句なしにデッドヒートの末にアリソンをねじ伏せて優勝。いよいよ、この種目の後継者としての地位を確かなものにしました。
とはいえ、選手紹介の後に判定機器の不具合でかなりの待ち時間が生じたため、選手たちのコンディションにも影響があったと思われます。そのせいかどうか、ロンドン優勝のフィリス・フランシス(USA)はロンドンと同じようにアリソンの1つ外側のレーンを引き当てながら、今回はいいところなく4着に敗退しました。

◇男子走高跳
 ① 2m40 M.E.バルシム(QAT)
 ② 2m31 M.E,ガザル(SYR)
 ③ 2m24 T.ゲイル(GBR)
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久々の大台クリアに歓喜のバルシム、記念にバーをお持ち帰り?

ロンドンで自国に初のメダルをもたらしたガザルがブレイク。2m31を一発クリアして一時はトップに立つなど、今季やや低調なこの種目で異彩を放ち始めています。一方、ロンドンで格の違いを見せつけたバルシムは、今回どことなく眠そうな表情でテンション低め。31を2回落として窮地に陥るも、3回目にようやく“お目覚め”すると、33、35を一発クリアして勝負に片を付けました。
バーは大会新記録の2m39へ。これを2回落としたところで、何を思ったかバルシムはバーを2m40に上げ、これを鮮やかにクリアしてのけました。
2014年には2m40オーバーが5人も現れて、世界記録更新の機運が高まったこの種目も、ここ3年間の40オーバーはバルシムただ一人、それも年に1回ずつです。特にこの日はグラバーツ、タンベリ、トーマスといった猛者たちが軒並み2m20の低空飛行に終り、コンディションが良くなかったことを伺わせる中、一人バルシムの2m31以降の跳躍は圧巻の一言に尽きました。そのバルシムも、先日のロンドンが悲願の世界初タイトル。あとは、2m46の高みに掛かったバーをクリアすることだけが大目標となり、その可能性を十分に感じさせる大ジャンプでした。


◇男子3000m
 ① 7'38"64 M.ファラー(GBR)
 ② 7'40"34 A.メチャール(ESP)
 ③ 7'40"63 D.キプラガト(KEN)

DLポイント対象外ながら、英雄モー・ファラーのイギリスでの(おそらく)最後のトラック・レースということで、メイン・イベントとして行われました。
ふだんのDLレースならば、ナイキの広告塔でもあるファラーはオリンピック・チャンピオン・ユニ(紺とピンクのグラデーション)を着ているはずなのに、今回はイギリスのナショナル・ユニフォーム。もっとも、今回の地元イギリス選手のうち世界選手権代表組のほとんどがナショナル・ユニを着ていましたから、単に合わせただけかもしれませんが、ゴール後にゆっくりとそれを脱ぎ去った姿には、何となく象徴的な意味もあったのかな、という気がしました。
レースの方は、これといった強敵も参加していない状況では、ラスト100mをちょっと頑張っただけの余裕のモボット・フィニッシュ。このレースに関しては、予定調和な結果でした。なおファラーは、DL5000mファイナルにも出場してくる模様です。
通算オリンピックで4つ、世界選手権で6つの金メダル。短距離のウサイン・ボルトにまったく遜色のない偉大なスーパースターのロードでの今後が楽しみであると同時に、ハイレ・ゲブレセラシエ、ケネニサ・ベケレ、ファラーと続いた長距離絶対王者の時代を、次に引き継ぐ者が現れるのかどうか、興味は尽きません。

その他の種目の結果をまとめて。(DLポイント対象種目のみ)

◇男子200m(-0.1)
 ①20"19 R.グリエフ(TUR)
 ②20"26 A.ウェブ(GBR)
 ③20"30 A.ブラウン(CAN)

◇男子800m
 ①1'44"50 N.アモス(BOT)
 ②1'45"28 A.クチョット(POL)
 ③1'45"33 M.レヴァンドフスキ(POL)

◇男子110mH(-0.6)
 ①13"29 A.メリット(USA)
 ②13"31 S.シュベンコフ(ANA)
 ③13"40 D.アレン(USA)

◇男子走幅跳
 ①8m19(+0.3)J.ローソン(USA)
 ②8m03(+0.9)A.サマーイ(RSA)
 ③8m02(+0.4)M.ハートフィールド(USA)

◇男子砲丸投
 ①21m83 T.ウォルシュ(NZL)
 ②21m55 R.クラウザー(USA)
 ③21m16 T.スタネク(CZE)
 ⑦20m52 J.コヴァックス(USA)

◇女子1500m
 ①4'01"36 D.セヤウム(ETH)
 ②4'02"24 W,チェベト(KEN)
 ③4'02"95 R.アラフィ(MAR)
 ⑦4'03"71 J.シンプソン(USA)

◇女子3000m(5000mカテゴリ)
 ①8'28"90 S.ハッサン(NED)
 ②8"29"89 K.クロシュテルハルフェン(GER)
 ③8'30"11 M.キプケンボイ(KEN)
 ⑨ S.ロウベリー(USA) ⑩ M.ハドル(USA) ⑪ E.コバーン(USA)

◇女子400mH
 ①54"18 Z.ヘイノヴァ(CZE)
 ②54"20 D.ムハマド(USA)
 ③54"67 J.ラッセル(JAM)

◇女子棒高跳
 ①4m75 E.ステファニディ(GRE)
 ②4m61 H.ブラッドショー(GBR)
 ③4m61 M.メリエル(SWE)
 ④4m61 S.モリス(USA)

◇女子三段跳
 ①14m51(0.0) C.イバルグエン(COL)
 ②14m44(+0.1) K.ウィリアムズ(JAM)
 ③14m29(+0.4) O.リパコワ(KAZ)
 ⑦13m94(+0.2) Y.ロハス(VEN)

◇女子円盤投
 ①67m51 S.ペルコヴィッチ(CRO)
 ②65m24 D.カバリェロ(CUB)
 ③65m11 Y.ペレス(CUB)

全般的に、気温が低く記録は停滞気味、そしてアメリカ勢の調子が著しく下降気味ですね。それとも、最終戦に備えての調整試合と割り切っているのか…?
ファイナル第1日のチューリヒ大会は、24日(日本時間25日未明)に行われます。


ロンドン世界選手権展望 ② ~絶対王者の動向に注目


DLモナコ大会でのウサイン・ボルトを、皆さんどう見られたでしょうか?
私の見立ては、前回の記事を書いた時の状況と変わりなし、というものです。
つまり、今回世界選手権のラスト・レースに臨むボルトは男子100mの中心にはいるものの、絶対的な本命とするほどの高みにいるわけではなく、近年では比較的レベルが低い100mレースの中にあって優勝候補の一人に過ぎない、という状況です。
勝ったとはいっても、日本選手と互角の実力と目されるスー・ビンチャンあたりに「あれ、ひょっとして俺、ボルトに勝っちゃうかも?」と思わせるようなレースであったことは否めません。
もちろん、残りの約2週間できっちりと仕上げてくる可能性は高いでしょうし、それが偉大なるボルトの最大の武器でもあるのですが、それはガトリンやブレイクなど他の選手にも言えることです。結局、その時点で最もいいフィジカル・コンディションを作り上げた選手が勝つ、ということになるでしょう。

ボルトのことはひとまず措いて、今大会で間違いなく「主役」の重責を担い、そしてまず間違いなくその大任を果たすだろう、と思われる選手たちについて、今回はまとめてみたいと思います。

◆こちらも“ラスト・ラン”、地元の英雄モー・ファラー
モハメド・ファラーが世界選手権に初登場したのは、2007年の大阪大会。5000m6位というのがデビュー戦の成績でした。
翌年の北京五輪は予選落ち、続く09年ベルリン大会は7位と振るいませんでしたが、11年テグ大会で5000m優勝、それに先立ち10000mではゴール寸前まで単独トップを快走しながらイブラヒム・ジェイラン(ETH=この年、Hondaに所属)の猛烈な追い込みに屈して2位。翌12年以降は、2度のオリンピック、2度の世界選手権で全て5000・10000の2冠を制し続けています。
そのファラーは昨年のリオ五輪で史上2人目となる「長距離2種目2連覇」を易々と達成した後、34歳となる今年をトラック・レースのラスト・シーズンとすること、以後はマラソンをはじめとするロード戦線に専念すると宣言しています。

その強さ、その鉄板ぶりを支えているのは、どんなペースや展開になっても今のところは100%の確率で繰り出されている、ラスト1周53~54秒(時に52秒台)という強烈なラストスパートです。長距離種目をお家芸とするケニア、エチオピア等が複数のランナーで包囲し、自転車レースさながらのチーム戦術でファラーの勝ちパターンを封じ込めようとしても、一向に動ずることなく最後の1周で勝負を決めてしまいます。
昨年のリオでは、10000mの序盤で転倒しながらも何事もなかったかのように優勝。今年も、DLユージーン大会5000mで、ヨミフ・ケジェルチャ(ETH)、ジョフリー・カムウォロル(KEN)以下に、差は僅かですが測り知れないほどの実力差を見せつけて快勝。調整にも、年齢的な瞬発力の変化にも問題はなさそうです。

このファラーが、2012年以降のレースで途中のペース変化に消耗して失速したり、終盤のデッドヒートに競り負けたりといった光景を、私は見たことがありません。せいぜい、1500mのレースに出てさすがにトップのスピードに追走するのが精一杯だった、ということがあったくらいです。(とはいえ、1500でも3分28秒台!のPBを持っているのです)
まず、負ける場面を想像しがたいというのが正直なところなのですが、勝負に絶対はあり得ません。打倒の候補としては、5000mでは今季WLの12分55秒23を見事なラストの斬れとともに叩き出したムクタル・エドリス(ETH)か、猛暑の全米選手権を13分08秒台で圧勝したポール・チェリモか、といったあたりでしょう。
初日に行われる10000mのほうは、いよいよ盤石です。せいぜい、日本人選手がいないぶん、ポール・タヌイ(九電工)やビダン・カロキ(DeNA)の善戦を期待しましょう。

Mo Farah
オリンピック・チャンピオン・ユニを着てDLレースを走るファラー
(https://www.iaaf.org/news/news/farah-birmingham-iaaf-diamond-league)

◆スプリント新女王トンプソン
前回北京大会まで、女子スプリント、とりわけ100mの絶対女王に君臨していたのは、シェリー‐アン・フレイザー‐プライス(JAM)でした。自身で経営する美容院仕込みのド派手なヘアスタイルが毎回楽しみでしたが、前回は特に、緑色のドレッド・ヘアにヒマワリの花が5つ並んだ髪飾りという艶姿で、あっと驚かせてくれました。
そのシェリーアンの“子分”よろしく、同じヒマワリの髪飾り(ただし花は4つ)をつけて登場し、200mで日の出の勢いのダフネ・スキッパーズ(NED)に肉薄したのが、エレイン・トンプソンの世界デビューでした。
翌年のリオで、あれよあれよという間に100、200を制覇。100m3連覇を狙っていたシェリーアンの正統的後継者と、スキッパーズが手にしかけていたスプリント・スターの座を、いっぺんに手に入れてしまいました。リオで200のレースが終わった時には、トンプソンを祝福した後に鬼のような形相に一変しスパイクを地面に叩きつけて悔しがったスキッパーズでしたが、それ以降も、そのリベンジをトンプソンはことごとく返り討ちにしています。

今季はDLユージーン大会の200mで、21秒77(+1.5)の激走を見せたトリ・ボウイ(USA)の前に一敗地にまみれたとはいえ、DL100mでは4戦全勝。決して大差で勝っているというわけでもありませんが、隙の無さを感じさせる勝ちっぷりで、自身とシェリーアンが共有している10秒70のジャマイカ記録の更新も、十分に期待できそうです。
ロンドンでは、ボルトと同様に200を回避して100mと400mリレーに専念。100mのジャマイカ勢は、シェリーアンが産休に入ったのをはじめ完全に新旧交代の時を迎えており、マリー‐ジョゼ・タルー、ミリエル・アウレ(ともにCIV)、ブレッシング・オカグバレ(NGR)、ミシェリー・アイー(TTO)といった常連組もやや役者不足。女王奪還を目論むアメリカ勢の調子如何にもよるでしょうが、トンプソンが100mの大本命であることは間違いありません。
Elaine Thompson
(https://www.iaaf.org/news/report/thompson-miller-uibo-rabat-diamond-league)



◆強過ぎる!女子800mは「連単」なら1点買い?
キャスター・セメンヤ(RSA)の強さは、もうどうしようもありません。モナコでは1分55秒27のWL(南アフリカ記録)を余裕で叩き出して、30年以上破られていない世界記録すら、視野に入ってきています。
積み上げた連勝記録は現在18。これは女子のこの種目では、驚異的と言っていいでしょう。そのほとんどで2着を占めているのがフランシーヌ・ニヨンサバ(BDI)で、連勝単式ならば1点買いしか考えられないという趨勢です。モナコではセメンヤに0.20秒差と善戦したとはいえ、余裕度が違いました。さらに、3着マーガレット・ワンブイ(KEN)で「三連単」も鉄板、と言いたいところでしたが、こちらはモナコで最下位に沈んでちょっとミソつけちゃいましたね。
ドーピング禍で沈黙しているロシア勢あたりが復活してこないと、セメンヤの快進撃はそうそうストップできないのではないか、という気がしています。

◆「ネクスト・ボルト」はヴァンニーケルク?
ネクスト・ボルト、と言えばいっときヨハン・ブレイク(JAM)の代名詞になっていましたが、現状でこの名にいちばん近いところにいるのが、400mの世界記録保持者ウェイド・ヴァンニーケルク(RSA)でしょう。
リオで記録した43秒03というタイムの物凄さは、ゴールしてまるで表情を変えない静かな佇まいによって、いっそう凄味を増した感があります。その点、テレビ映りを常に意識しつつファンサービスに余念のないボルトとは好対照ですが、その記録が42秒台に突入、ということにでもなれば、いよいよ陸上界の主役は彼のものとなるでしょう。
今季はその足固めをするかのように、100mで9秒94(+0.9)、200mで19秒84(+1.2)と次々にPBを更新。(100で9秒台、200で19秒台、400で43秒台の記録を持っているのは史上ただ一人です)特殊種目の300mでも世界最高記録の30秒81を出しています。本業の400mでは、DLに2回登場していずれも軽~く43秒台で優勝。
今回は400だけでなく200mでも、ボルト4連覇の後を承けてマイケル・ジョンソン以来の二冠を狙ってくる計画のようです。

ただ、記録的に見ると200mではアイザック・マクワラ(BOT)が19秒77(0.0)と一歩リードしており、DLモナコの400mでも先行したヴァンニーケルクをマクワラが直線入り口でいったん追い越すという意外な接戦を展開しています。それを冷静に差し返したヴァンニーケルクの強さが印象的ではありましたが、警戒心は相当に抱いたことでしょう。
それでも、400mに関する限り、42秒台を見据えたヴァンニーケルクの勝利は不動ではないでしょうか。400の準決勝と決勝の間の日に予選が行われる200mのほうは、「勝てれば儲けもの」の心境でいけば、2冠は意外に簡単に転がり込んでくるような気もします。ただし、こちらにはマクワラのほか、100との掛け持ちになるブレイク、アンドレ・ドグラス(CAN)、クリスチャン・コールマン(USA)といった強敵も、手ぐすねを引いているはずです。

いずれ、ヴァンニーケルクが100mにもエントリー、なんてことになったら凄いですね。ちなみに、100m、200m、400mのスプリント3種目すべてで金メダルというのは、1956年のメルボルン五輪(100・200)と64年東京五輪(400)の2大会にまたがって女子のベティ・カスバート(AUS)が達成しているのみです。

◆ラシツケネとヴォダルチク…鉄板中の鉄板はこの二人
と、最後は雑になってしまいますが、強過ぎるぶん、但し書きが少なくなってしまうもので。
女子走高跳のマリア・ラシツケネ(ANA=旧姓・クチナ)と同ハンマー投のアニタ・ヴォダルチク(POL)です。
※ANAは「Authorized Neutral Athlete」…ナショナルチームに所属せず出場権を認められた選手。ドーピング問題で資格停止中のロシア陸連とは無関係に、IAAFの大会に出場を認められているロシア国籍のラシツケネ、セルゲイ・シュベンコフ(男子110mH)、ダリア・クリシナ(女子走幅跳)などの選手たちについての“国名表示”で、国旗は白無地で表現されます。

前回北京大会で先輩のアンナ・チチェロワを下して世界一の座を獲得しながら、ロシアのドーピング問題でオリンピック・イヤーを棒に振らされたラシツケネは、今季解き放たれたかのように5月27日(DLユージーン大会)以降毎週のように試合に出場、14戦全勝、2m06を筆頭に11試合で2m以上をクリアしています。ラシツケネ以外で、今季2mをクリアした選手はまだいません。
オリンピック・チャンピオンのルース・ベイティア(ESP)が38歳となった今季まったく振るわず、銀メダルのミレラ・デミレヴァ(BUL)も低空飛行、となるともはやライバル不在の独擅場となるでしょう。ローザンヌでチャレンジした2m10の世界新記録の高さに、ロンドンで再びバーを上げられるかが興味の焦点です。滅多に見せない美しい笑顔を、ぜひ見たいものです。
あとの興味は2位争い。全米で1m99を跳んだヴァシュティ・カニンガム(USA)、モナコで97まで伸ばしてきたユリア・レフチェンコ(UKR)の19歳コンビ、もしダブルエントリーしてくるならですが、七種競技の優勝候補筆頭ナフィサトゥ・ティアム(BEL)といった新興勢力に期待です。

女子ハンマー投も、非DL種目のためTV等では伝わってきませんが同じような状況で、ヴォダルチクが8戦全勝。79m73をSBとして、すべての試合で75m以上を投げ、ただ今38連勝継続中。
ランキング2位のグウェン・ベイリー(USA)とは3m弱の大差がついており、あとは中国のワン・チェンが73~76m台を安定して投げているくらい。チャン・ウェンシウは72m台と低迷中で、おなじみのベティ・ハイドラー(GER)は音沙汰なし。
どうやら、ヴォダルチク一人が毎年着々と記録を伸ばしているのに対して、対抗格の選手たちが脱落して、ますます格差社会になりつつあるのがこの種目のようです。興味は、ヴォダルチクの4年連続世界新記録なるかどうか、その1点のみでしょう。

今回ご紹介した「鉄板大本命」の選手たちに共通しているのは、その地力もさることながら、大試合できっちりと最高のパフォーマンスを出してくる調整能力の高さです。単にハイレベルな記録を狙うだけでなく、この点を日本人選手たちには真剣に研究してもらいたいものだと思います。

ガトリンまた惨敗~DLユージーンは波乱続出


IAAFダイヤモンドリーグ第3戦のユージーン大会『プレフォンテイン・クラシック』が27日(日本時間28日早朝)に行われました。

大会名となっているプレフォンテインとは、1970年代に地元オレゴン大学のヒーローとして一世を風靡したスティーヴ・プレフォンテインから採られています。彼は1972年のミュンヘン・オリンピック5000mで4位と健闘したもののメダリストではなく、10000との2種目で優勝したラッセ・ヴィレン(FIN)やマラソン金メダルのフランク・ショーター(USA)に比べれば世界的にはさほど名のある選手ではありませんでしたが、常にフロントランナーとしてぐいぐいレースを引っ張るスタイルで、国内では大変な人気を博しました。ミュンヘンの3年後に交通事故のため24歳で夭折し、その名はこの大会の冠となって、世界最高峰のワールドツアーの一つに残されているのです。

この大会の名物種目となっている「バウアーマン・マイル・レース」(ロナルド・ケモイが優勝)に名を残しているビル・バウアーマンは、プレフォンテインを育てた陸上競技のヘッドコーチであり、ナイキの創業者の一人として知られる人物です。
さらに、バウアーマンの恩師であるビル・ヘイワードは、この大会の会場であるオレゴン大学グラウンドに「ヘイワード・フィールド」という名を残しています。
いわば、3代にわたる師弟関係の物語が、この大会を由緒あるものに仕立て上げているわけですね。
2021年には、この場所で世界選手権が開催される予定です。現在最大で20000人程度を収容できるに過ぎない、日本の大学のグラウンドと同じような空の開けたスタジアムが、どのように変貌していくのかが興味深いところです。

また、この大会で特徴的なものが、選手が装着しているビブスです。
通常ビブス(ナンバーカード)は、固めの化繊布や防水コーティングした紙製のもので、安全ピンもしくはボタンクリップでランニングウェアに装着します。ところがこの大会に限っては、少し小さめのカード(番号はなくPREの3文字とナイキのシンボルロゴ、個人名のみ)が、まるであらかじめ選手のユニフォームにプリントされているかのように、ピタッと貼り付いているのです。
トラックの出場者でも、走高跳の選手のように前面だけの装着。したがって、この大会では選手のIDナンバーはありません。(腰ナンバーのみ)
考えてみれば、ナイキのお膝元ですから、そうした「大会ロゴと個人名をあらかじめプリントしたウエア」を契約選手全員に配布するくらいのことは簡単にできるでしょうが、少数派とはいえ他社契約選手やナショナル・ユニフォームでの参加選手には、そういうわけにもいきません。
テレビの画面越しによくよく見れば、どうやらウエアと同調する程度に柔軟な素材の布製で、ぴったりと貼り付けられているらしいことが伺えます。というか、そう解釈するほかありません。
それにしても、今どきの材質のウエアにあれほど密着して貼り付くとはどんな接着剤を使っているのか、またどの選手も綺麗に身体の真ん中に曲がることなく装着しているのはいかなるわけか、とても不思議です。

まあ。そうした大会にまつわる付加的なあれこれに思いを巡らせながらTV中継を視ているうちに、ふと気付くと随分な割合で大番狂わせが起こっていました。


オープニング・レースの女子400mHでは、昨年全米予選からリオ・オリンピックまで見事なシンデレラ・ストーリーを築いたダリラ・ムハマドが中盤からガタッとペースダウンし、5着に敗退。優勝は五輪3位のアシュリー・スペンサー(USA)。2着には前半飛ばしたシャミーア・リトルが粘りました。リトルはトレードマークのオヤジ眼鏡とおバカ・リボンをマイナーチェンジして、少し雰囲気が落ち着きましたね。ムハマドもロングヘアを束ねて、大人の雰囲気にイメチェンです。


ケニ・ハリソン、ブライアナ・ローリンズの2大女王が不在の女子100mHは、昨年鳴かず飛ばずだったジャスミン・ストワーズ(USA)が12秒59(+0.8)で快勝。キャスリン、アリの両メダリストは6着・7着に沈みました。

主役を200mの方に持って行かれながらもキャンベル‐ブラウン、アウレ、アイー、フェイシー、バートレッタといいメンバーの揃った女子100m(ポイント対象外)は、モロレイク・オカイノサン(USA)が大穴の優勝。記録は+2.1で10秒94。

そして男子100mでは、アメリカの23歳ロニー・ベイカーが9秒86(+2.4)で優勝。川崎で日本勢の後塵を拝したスー・ビンチャン(CHN)が9秒92で続き、公認の風速ならばPBを更新していたでしょう。
アンドレ・デグラス(CAN)は4着、第1戦ドーハで惨敗していたジャスティン・ガトリンはまたもや5着といいところなし。例年、DLでは絶対的な強さを見せつけながら本番の世界選手権やオリンピックでボルトの壁に敗れ続けてきたガトリンが、今季はスロー調整で8月のロンドンに合わせている過程なのか、それとも年齢的な衰えか、一過性の不調か、まだ判断はつきません。

さらに、この日のメインイベントと言ってもよい豪華メンバーによる女子200m。昨年のユージーンでもトンプソン、スキッパーズの2強をまとめてぶっ倒したトリ・ボウイが、今度は21秒77(+1.5)のPBで文句なしの快勝。400mチャンピオンの“ダイビング・フィニッシュ”ショーナ・ミラー‐ウイボが大外から2着に突っ込んで、「2強」は3着・4着と形無しでした。

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 女子200mの1・2着はAdidas勢。

フィールドでも、女子走高跳はオリンピック・チャンピオンのルース・ベイティア(ESP)が4位に敗れ、2m03というハイレベルなレコードで勝ったのはマリア・ラジツケネ(旧姓クチナ。現在IAAFに承認されていないロシアのため国名はANAと表記。何の略号なのかは分かりません)。北京世界選手権の優勝者ですから番狂わせでもないんですが、今年のロンドンには出場可能なんでしょうか?

とどめは最終種目のバウアーマン・マイル(DL1500mカテゴリ)でアスベル・キプロプ(KEN)がなんと完走選手中最下位に撃沈。リオでの惨敗から、立ち直りの兆候は見えません。

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中継はありませんでしたがユージーン大会は前日26日も一部種目が行われており、女子3000mSC(対象外)では世界記録保持者のルース・ジェベト(BRN)が3着と沈み、セリフィン・チェプティーク・チェスポル(KEN)が歴代2位の8分58秒78で優勝。ジェベトは昨年19歳でオリンピックと世界記録の頂点に立ちましたが、こちらはなんとまだ18歳。ジェベトも9分03秒で走っていますから決して不調だったわけでもなく、この種目が新たな局面に突入しっつあることを伺わせます。

また同じく26日に行われた女子5000mでは、ゲンゼベ・ディババが14分25秒22で圧勝。どうやら、今季は彼女の元気な走り、世界記録へのチャレンジが見られそうな予感です。

アプセット続きのトラックで無敵王者ぶりを発揮したのは、男子5000mのモー・ファラーと女子800mのキャスター・セメンヤ。ともに寸分の隙なし。
男子三段跳ではクリスチャン・テイラーが自己記録に迫る18m11(+0.8)のビッグジャンプで圧倒したかに見えながら、同門のウィル・クレイも18m05(+2.4)で追いすがり、リオに続く冷や汗ものの勝利となりました。

次回DLは6月9日のローマ大会。
桐生祥秀の次戦を「日本学生個人選手権か?」なんて書いてましたが、このDL第4戦にエントリーしているようです。楽しみですね。


JTレーラーがビッグスロー!~DL第1戦ドーハ


IAAFダイヤモンドリーグ開幕戦・ドーハ大会が行われ、リオ五輪の金メダリスト9人を含むトップ・アスリートが4カ月間にわたるツアー・シリーズのオープニングを彩りました。
今季はツアー方式が大きく変更になりました。従来各ゲームの順位ポイントの累計でチャンピオンが決まっていたのが、第12戦までの累計ポイント上位者(トラック8名、フィールド12名)が最終戦(第13戦と14戦に分けて実施)に進出し、そこでの勝者がツアー・チャンピオンになる、というものです。
(昨日、「全15戦」と書きましたが、今季は例年2日間開催で2戦扱いだったロンドンが1日のみとなったため、「全14戦」となります。開催地は昨季と変わらず)
また付与されるポイントも、1位の8点から8位の1点まで1点刻みとなり、昨季はトップ4で行っていたフィールド種目の6回試技が、通常の大会同様トップ8になりました。
主に参加選手の契約メーカーで色分けされるユニフォームもガラリと変わり、また記録などの画面表示方式も工夫されて、新鮮な気分で中継を眺めることができました。

好況を呈したのは男子やり投。
ドイツ三羽ガラスの一人、ヨハネス・フェテルが3投目に89m68の大投擲。PBを11㎝更新して、普通なら「今日は決まり!」の局面です。
ところが昨季のツアー・チャンピオン、ヤクブ・ヴァドレイヒ(CZE)が4投目に87m91で「このまま終わると思うなよ」とニラミを効かせた直後、今度は金メダリスト、トマス・レーラーが渾身の一発。投げた瞬間に解説の石塚浩さんが「あっ、行った!」とつぶやいたほどの会心のやりは、計測員の頭上も90mラインも遥かに超えて、正面映像を撮影するカメラの直前で地面に突き刺さりました。(カメラマン、微動だにせず)
世界歴代2位の93m90!…真夜中なのに思わず「ウォッ!」と声をあげてしまいました。
昨年に続いてDL参戦の新井涼平(スズキ浜松AC)は、3回とも75mを越せない残念な投擲で、トップ8にも残れず10人中9位。ノーポイントに終わりました。めげずにまたチャレンジしてください!
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女子800mにサプライズ・エントリーしたゲンゼベ・ディババ(ETH)でしたが、さすがに見せ場を作ることもできず5着。勝ったセメンヤ(RSA)、2着のマーガレット・ワンブイ(KEN)がともに“巨漢”女性なだけに比べるのは気の毒ですが、この種目の中に入ると線の細さが目立ってしまいます。それでも集団の軋轢を避けて前に出て行った序盤のスピード、そして2分を切ったタイムは、5000mを走る上では自信になるのではないでしょうか?

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女子200mの「オンナの熱きバトル」を制したのは、エレイン・トンプソン(JAM)。-2.3mで22秒19は、シーズン初めとしては好仕上がりと言っていいでしょう。対するダフネ・スキッパーズ(NED)はせっかくスタートが良かったのに肝心のコーナー出口でもたつき、本領の差し脚も不発。石塚さんも言ってましたが、少しぽちゃっとした感じだったので、仕上げはまだまだこれから、ということならいいんですが。

それにしても、いくらお下げに結っているとはいえスタートの構えで地面に着いちゃうほどに髪を長く伸ばしたトンプソンといい、100mHでスタートに失敗しつつ平凡な記録ながら他を寄せ付けなかったケンドラ・ハリソンのキノコ頭といい、どう見ても走るのに邪魔だろうという気がするんですけど、いかがなもんなんでしょうね?
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男子100mは、アカニ・シンビネ(RSA)が9秒99(-1.2)で優勝。南半球の国だけにすでに自国のトップシーズンを経てきているとはいえ、相当強いです。
ここ数年、抜群の安定感を誇っていたジャスティン・ガトリンは珍しく4位と大敗。好調時に見せる「檻開き」のアクションがなかったので、不調を自覚していたのでしょう。アンドレ・ドグラス(CAN)もいいところなく5着。この両者は『ワールド・リレーズ』にも出ていたので、特に調整が不順ということはないと思いますが。

男子400mH(ポイント対象外)を圧勝した地元カタールの21歳、アブデルラーマン・サンバも強力な新興勢力です。48秒31のWLが伊達ではないことを証明する48秒44。2位クレメントが49秒40ですから他の選手が軒並み不甲斐なさすぎたとも言えますが、バックストレートでの加速力は圧巻でした。昨季全般的にやや精彩を欠いたこの種目では、女子のダリラ・ムハマドのようにいきなり頭一つ抜け出す存在となるかもしれません。

女子棒高跳はエカテリニ・ステファニディ(GRE)が相変わらず定位置の4m80を綺麗にクリアして優勝。私の“I LOVE”サンディ・モリス(USA)は、金髪にピンクのメッシュを入れてますますビューティフル…成功時にはかなり高い所を跳んでいますがまだ助走にムラがあって、4m80、85で3回失敗。この高さの勝負になるとやっぱりステファニディですね。今季は着実に、自己記録を数センチ伸ばしてくるような気がします。
がっ!5mの勝負になれば、モリスのもんだぜ!
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