豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

アリソン・フェリックス

アリソン2種目制覇、ライルズ幻の18秒90~DL第2戦チューリッヒ大会



WANDAダイヤモンドリーグ第2戦のチューリッヒ大会が、世界7会場を結ぶリモート大会として、ワールド・北米・ヨーロッパの3地域対抗戦形式で開催されました。
以下、ワールドアスレティックス(旧IAAF)のHPから、拙い和訳で結果をご紹介します。誤訳の節は重々お詫び申し上げます。(特にモリーンのくだりが自信ありません)

9日・木曜日、チューリッヒ・ダイヤモンドリーグ主催者が2大陸にまたがる7会場に集結させた30人のアスリートで競うという、痛快にしてコロナウィルス禍への画期的な解答案ともなる大会、『インスピレーション・ゲームズ』が行われ、アリソン・フェリックスが2つの印象的な勝利を挙げて脚光を浴びた。

◇アリソン・フェリックス、輝く
カリフォルニア州ロサンゼルスの近郊・ウォルナットの競技場で参加したフェリックスは、150mレースを快勝して今大会の口火を切り、3×100mリレーのアンカーとして大会を締め括った。
伝説的なキャリアを誇る彼女でも初めての経験に発した第一声は、というと?
「何だかとてもおかしな気分ね」
満面の笑みで、そう言った。
「チームメイトもなしで練習するみたいな、そうでないような」
単独走を走り終えての感想は、
「自分自身にチャレンジするというのは、大変なことね。でも私は陸上が大好きだから、機会を与えられたら飛び付くわ。私には陸上が全てなのよ」

トラック競技の幕開けは、女子150m。地元スイスのスター選手ムジンガ・カンブンジはチューリッヒで、400mのオリンピックチャンピオン、ショーナ・ミラー=ウィボは距離にして8000㎞、時差にして6時間離れたフロリダ州ブレイデントンで、そしてフェリックスはさらに4000㎞も離れた場所での参戦である。
トラックの位置とカメラアングルをほぼズレがないように合わせて映像を同調させてはいても、誰がリードしているかを見て取るのは、3人がフィニッシュラインに近付くまでは難しい。フェリックスが真っ先にゴールに飛び込んだ。タイムは16秒81。ミラーの17秒15、カンブンジの17秒28を余裕で上回った。
奇遇なことに、アメリカの遠く離れた両サイドでレースをしていながら、フェリックスは向い風2.6m、ミラーは向い風2.5mと、ほとんど同じ条件だった。

フェリックスは、キャンディス・ヒル、ティアナ・バートレッタと組んで大会最終種目の3×100mリレーに2つ目の圧倒的勝利を挙げるために、トラックに戻って来た。3人のタイムは32秒25で、チューリッヒのスイス・チーム32秒50、パーペンダールのオランダ軍団32秒94を上回った。
「楽しかったわ」と、フェリックスは言う。
「お客さんのいる中で競技できる日が、待ちきれないわ」

対照的に、男子100ヤードは今大会で唯一、同一会場での直接対戦となり、フランスのジミー・ヴィコー、カナダのアンドレ・ド・グラス、110mHのオリンピック王者オマー・マクレオドがブレイデントンのトラックに集結した。向い風3.4m。前半は3者ほぼ互角に見えたが、中央レーンのド・グラスとインレーンのヴィコーが抜け出した。ド・グラスが0.04秒の僅差でヴィコーに先着し、9秒68。マクレオドは9秒87で離れた3着に終わった。

◇モリーン、復活の勝利
女子300mHでは、ジョーゲイン・モリーンが今までにない遅い時間のコールを受けたことで、それがむしろ、39秒08のタイムで感動的な勝ち星を挙げるのに幸いしたのかもしれない。
「自分に言い聞かせたの。私にはもう後がないし、こんな機会はもうないんだって。当然よね」
と、モリーンは言う。脚の故障で1年半もの間、競技から遠ざかっていたのだ。号砲が鳴るや、彼女がその言葉を自身に言い聞かせ続けているのは明らかだった。
最初のハードルで波に乗り、次からの3台をゆったりと乗り越えると、そこからゴールまでは一気呵成だった。
「練習と同じようにレースに行く、それを心掛けただけ。でも、すごく不安だった」
そう彼女は認めた。2012年ロンドン・オリンピック5位入賞のモリーンは、現世界チャンピオンにして世界記録保持者のダリラ・ムハンマドに代わって、今週初めに出場が決まったばかりだった。
チューリッヒのスタジアムを走ったレア・シュプルンゲルが39秒25で第2位、雨天・低温に見舞われたオランダのパーペンダールで走ったチェコのズザナ・ヘイノヴァは40秒97に終わった。


◇ライルス、スタートラインの間違いに泣く

一方で、ノア・ライルズは200mレースで圧倒的と見える走りを見せ、タイマーが幻の世界記録18秒90で止まったのもむべなるかな、と思わせたのだが、それはやがて大きな落胆に変わった。
後になって判明したところでは、ライルズは誤ったレーンでスタートに就き、走った距離は185メートル・ジャストだったのだ。この不幸なトラブルで彼は1位から3位に降格となり、勝利の栄光と賞金の1万USドルは、チューリッヒで20秒65を記録したクリストフ・ルメートルに渡ることになった。パーペンダールで20秒81だったチュランディ・マルティナが2位となった。

◇ピチャルド、三段跳対決を制す
三段跳では、リスボンのピットに立ったペドロ・パブロ・ピチャルドが2回目に跳んだ17m40(+2.3)で制した。世界選手権とオリンピックのチャンピオン、クリスチャン・テイラーはブレイデントンで序盤伸び悩み、6回目にようやく17m27(+4.2)を跳び逆転の2位、3位になったのはウォルナットで2回目17m04を跳んだオマー・クラドックだった。

男子棒高跳は、サム・ケンドリクスが5m81を1回でクリアして快勝した。2度の世界王座に君臨したケンドリクスの戦地はブレイデントン。この日は好調で、5m36、46、56、66といずれも一発クリア。次の5m76では、風の状態が変わったのが災いして、3回目での成功だった。
スウェーデンのカールスタッドに登場したピョートル・リゼクが5m66で2位。ヴァレンティン・ラヴィレニはNM。

女子棒高跳は、やはりブレイデントンで試技を行ったサンディ・モリスが、4m66で制した。スウェーデンのアンジェリカ・ベングトソンがカールスタッドで4m46を跳び2位。ウォルナットに登場したカテリナ・ステファニディは、男子のV.ラヴィレニと同様記録なしに終わった。

(ボブ・ラムザック:記)

ファラー国内有終?に大歓声~DL第12戦バーミンガム大会

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2017DLの予選シリーズ最終戦となる、第12戦『ミュラー・バーミンガムGP』が行なわれました。
獲得ポイントの累計で年間ツアー・チャンピオンを争った昨季までとは異なり、今季はこの第12戦までの合計ポイント上位者(種目により8名または12名)が第13・14戦に振り分けられた各種目の「ファイナル」へと進出し、ファイナルの勝者が年間王者となります。
世界選手権直後の大会とあって、ニュー・ワールド・チャンピオンを軸としたリマッチとしての期待が集まりましたが、たった1~2週間経過しただけで(良くも悪くも)別人のようになってしまった選手もいたりして、予定調和のない陸上競技の面白さを再認識させてもらいました。

◇女子100m決勝(-1.2)
 ① 10"93 E.トンプソン(JAM)
 ② 10"97 M.J.タルー(CIV)
 ③ 11"08 J.レヴィ(JAM)
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見た目がすっかり変わったS.ミラー‐ウィボの祝福を受けるトンプソン

ロンドンからは良い方に変わったのが、エレイン・トンプソン。「鉄板」と推した世界選手権では故障を発したわけでもないのに5着に敗れ、本人も「何が起こったのかわからない」と茫然としていたのがちょうど2週間前。そのロンドンでダブル銀メダルを獲得し絶好調のタルーを相手に、堂々の横綱相撲でした。決して圧勝とは言えませんが、今季のトンプソンはずっと、こうした「どこまで追いかけて行っても追い抜けない」という勝ち方をしてきたのです。本当に、ロンドンでは何が起こったのでしょう?…リレーに出てこなかったところを見ると、やはりどこかに体調の異変があったのではないか、と推察されますが。
予選2組で行われた今回の100mには、ダフネ・スキッパーズ(NED)、ディナ・アッシャー‐スミス(GBR)、ブレッシン・オカグバレ(NGR)らに加えて400mのショーナ・ミラー‐ウィボ(BAH)、100mHのサリー・ピアソン(AUS)といった賑やかなメンバーが登場、新チャンピオンのトリ・ボウイ(USA)は不在ながら、華やかな顔ぶれが揃いました。

◇女子400m

 ① 50"59 S.E.ナセル(BRN)
 ② 50"63 A.フェリックス(USA)
 ③ 50"66 C.オコロ(USA)
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19歳ナセルがアリソンに競り勝つ

この種目はロンドンの上位3人によるリマッチ。ただしゴール20m前まで金を確信させる走りをしていたミラー・ウィボが100mに回ってしまったので、画竜点睛を欠く感はありました。
ミラー、アリソンの失速でタナボタめいた銀メダルに食い込んだ19歳のサルワ・エイド・ナセルが、今度は文句なしにデッドヒートの末にアリソンをねじ伏せて優勝。いよいよ、この種目の後継者としての地位を確かなものにしました。
とはいえ、選手紹介の後に判定機器の不具合でかなりの待ち時間が生じたため、選手たちのコンディションにも影響があったと思われます。そのせいかどうか、ロンドン優勝のフィリス・フランシス(USA)はロンドンと同じようにアリソンの1つ外側のレーンを引き当てながら、今回はいいところなく4着に敗退しました。

◇男子走高跳
 ① 2m40 M.E.バルシム(QAT)
 ② 2m31 M.E,ガザル(SYR)
 ③ 2m24 T.ゲイル(GBR)
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久々の大台クリアに歓喜のバルシム、記念にバーをお持ち帰り?

ロンドンで自国に初のメダルをもたらしたガザルがブレイク。2m31を一発クリアして一時はトップに立つなど、今季やや低調なこの種目で異彩を放ち始めています。一方、ロンドンで格の違いを見せつけたバルシムは、今回どことなく眠そうな表情でテンション低め。31を2回落として窮地に陥るも、3回目にようやく“お目覚め”すると、33、35を一発クリアして勝負に片を付けました。
バーは大会新記録の2m39へ。これを2回落としたところで、何を思ったかバルシムはバーを2m40に上げ、これを鮮やかにクリアしてのけました。
2014年には2m40オーバーが5人も現れて、世界記録更新の機運が高まったこの種目も、ここ3年間の40オーバーはバルシムただ一人、それも年に1回ずつです。特にこの日はグラバーツ、タンベリ、トーマスといった猛者たちが軒並み2m20の低空飛行に終り、コンディションが良くなかったことを伺わせる中、一人バルシムの2m31以降の跳躍は圧巻の一言に尽きました。そのバルシムも、先日のロンドンが悲願の世界初タイトル。あとは、2m46の高みに掛かったバーをクリアすることだけが大目標となり、その可能性を十分に感じさせる大ジャンプでした。


◇男子3000m
 ① 7'38"64 M.ファラー(GBR)
 ② 7'40"34 A.メチャール(ESP)
 ③ 7'40"63 D.キプラガト(KEN)

DLポイント対象外ながら、英雄モー・ファラーのイギリスでの(おそらく)最後のトラック・レースということで、メイン・イベントとして行われました。
ふだんのDLレースならば、ナイキの広告塔でもあるファラーはオリンピック・チャンピオン・ユニ(紺とピンクのグラデーション)を着ているはずなのに、今回はイギリスのナショナル・ユニフォーム。もっとも、今回の地元イギリス選手のうち世界選手権代表組のほとんどがナショナル・ユニを着ていましたから、単に合わせただけかもしれませんが、ゴール後にゆっくりとそれを脱ぎ去った姿には、何となく象徴的な意味もあったのかな、という気がしました。
レースの方は、これといった強敵も参加していない状況では、ラスト100mをちょっと頑張っただけの余裕のモボット・フィニッシュ。このレースに関しては、予定調和な結果でした。なおファラーは、DL5000mファイナルにも出場してくる模様です。
通算オリンピックで4つ、世界選手権で6つの金メダル。短距離のウサイン・ボルトにまったく遜色のない偉大なスーパースターのロードでの今後が楽しみであると同時に、ハイレ・ゲブレセラシエ、ケネニサ・ベケレ、ファラーと続いた長距離絶対王者の時代を、次に引き継ぐ者が現れるのかどうか、興味は尽きません。

その他の種目の結果をまとめて。(DLポイント対象種目のみ)

◇男子200m(-0.1)
 ①20"19 R.グリエフ(TUR)
 ②20"26 A.ウェブ(GBR)
 ③20"30 A.ブラウン(CAN)

◇男子800m
 ①1'44"50 N.アモス(BOT)
 ②1'45"28 A.クチョット(POL)
 ③1'45"33 M.レヴァンドフスキ(POL)

◇男子110mH(-0.6)
 ①13"29 A.メリット(USA)
 ②13"31 S.シュベンコフ(ANA)
 ③13"40 D.アレン(USA)

◇男子走幅跳
 ①8m19(+0.3)J.ローソン(USA)
 ②8m03(+0.9)A.サマーイ(RSA)
 ③8m02(+0.4)M.ハートフィールド(USA)

◇男子砲丸投
 ①21m83 T.ウォルシュ(NZL)
 ②21m55 R.クラウザー(USA)
 ③21m16 T.スタネク(CZE)
 ⑦20m52 J.コヴァックス(USA)

◇女子1500m
 ①4'01"36 D.セヤウム(ETH)
 ②4'02"24 W,チェベト(KEN)
 ③4'02"95 R.アラフィ(MAR)
 ⑦4'03"71 J.シンプソン(USA)

◇女子3000m(5000mカテゴリ)
 ①8'28"90 S.ハッサン(NED)
 ②8"29"89 K.クロシュテルハルフェン(GER)
 ③8'30"11 M.キプケンボイ(KEN)
 ⑨ S.ロウベリー(USA) ⑩ M.ハドル(USA) ⑪ E.コバーン(USA)

◇女子400mH
 ①54"18 Z.ヘイノヴァ(CZE)
 ②54"20 D.ムハマド(USA)
 ③54"67 J.ラッセル(JAM)

◇女子棒高跳
 ①4m75 E.ステファニディ(GRE)
 ②4m61 H.ブラッドショー(GBR)
 ③4m61 M.メリエル(SWE)
 ④4m61 S.モリス(USA)

◇女子三段跳
 ①14m51(0.0) C.イバルグエン(COL)
 ②14m44(+0.1) K.ウィリアムズ(JAM)
 ③14m29(+0.4) O.リパコワ(KAZ)
 ⑦13m94(+0.2) Y.ロハス(VEN)

◇女子円盤投
 ①67m51 S.ペルコヴィッチ(CRO)
 ②65m24 D.カバリェロ(CUB)
 ③65m11 Y.ペレス(CUB)

全般的に、気温が低く記録は停滞気味、そしてアメリカ勢の調子が著しく下降気味ですね。それとも、最終戦に備えての調整試合と割り切っているのか…?
ファイナル第1日のチューリヒ大会は、24日(日本時間25日未明)に行われます。


ロンドン世界選手権観戦記 ⑥ ~魔物にキスされたS.ミラー・ウィボ


書き終わらないうちにDay7の決勝種目の時間が迫ってきてしまったので、アップが遅くなってしまい申し訳ありません。
サニブラウン・ハキームの奮戦について語りたいところですが、まずはDay6の感想をば。

大会の中盤は、どうやら地元でも「異常気象」と言われるくらいの低温に見舞われ、6日目の昨日は追い打ちをかけるように雨の降りしきる日和となりました。いやー、棒高跳がこの日でなくてよかった!
しかしこの寒さに大雨。当然、ドラマは起こります。

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日本ではサニブラウン・ハキームの200m決勝進出に浮かれる1日となる一方で、2種目だけ行われたトラックの決勝は、いずれも最後まで目の離せない激闘となりました。

男子400mHのほうは、今季急速に頭角を顕したカルステン・ワルホルム(NOR)が快勝。クレメント推しの実況サイドは「意外な結果」という受け止め方だったようですね。
「ヨンパーはアメリカのお家芸」という意識が強いとついつい目に入りにくいかもしれませんが、21歳のこの選手、今季DLで2勝を挙げて、日テレの実況席では「世界選手権の最有力候補」というコメントさえ発しています。ですから別に驚きの結果ではなく、オリンピック・イヤーの昨年停滞し続けたこの種目に、ようやく次代を引っ張る若いリーダー候補が現れたということのようです。
前日の男子800mでは、決勝の顔ぶれがリオ五輪とはガラリと入れ替わって、ただ一人リオの決勝を経験したピエール・アンブローズ・ボス(FRA)が優勝するという結果でした。ヨンパーとともにこのあたりの種目は、まだまだ戦国模様が続いて、その中から少しずつ支配者の形が見えてくることになるでしょう。

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さてさて、今大会最も激しいライバル決戦として私が大注目していた女子400mこそ、超意外な結末が待ち受けていました。それも、ゴールの20m手前まで誰も思い描けなかったような結末です。

予選ラウンドを順調に勝ち上がってきたショーナ・ミラー‐ウィボ(BAH)とアリソン・フェリックス(USA)。ミラー・ウィボのほうは前日の200m予選も悠々と1着通過して、コンディションは誰の目にも上々と映ります。日の出の勢いのミラー・ウィボに世界選手権のレジェンド、アリソン。もしもリオの時点で両者の力がまったくの五分五分であったと仮定すれば、1年経った今回はミラー・ウィボのものだろう、というのがオーソドックスな見方です。もちろん勝負とはそれほど単純なものではないですから、果たしてどうなるか???というところに面白みがあるわけです。

ただ今回は、5レーンにアリソン、7レーンにミラー・ウィボ。リオの時(4と7)よりもレーン間隔が1つ詰まったことで、アリソンにはスタートから前でぶっ飛ばすミラー・ウィボの姿がはっきりと意識できてしまう位置関係になりました。追走に躍起にならざるを得ず、直線までに脚を使い切ってしまったアリソンが、全米2位のフィリス・フランシスと19歳のサルワ・ナゼル(BRN)という“格下”に交わされていく…これが衝撃のドラマその1。
そのシーンに目が行っている僅か0.何秒か後、もつれ合う「2位争い」の3人の傍らを、金メダルを誰もが確信していたミラー・ウィボがずるずると失速していく…これがその2!
一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。

世界女王の栄光を目前にしていたミラー・ウィボに、まさに魔物が獲り憑いたとしか思えません。
実況席では「相手を意識し過ぎてバランスを崩した」みたいなことを言ってましたが、スローで見れば明らかに痙攣です。寒さと冷たい雨が、世紀の対決に思いもよらない演出を施したのです。
「気候云々はどの選手も同じ条件」と言うかもしれません。そうではないのです。直線まで目視することのできないアリソンという強敵を相手に、先行逃げ切りのレースプランを立て死力を振り絞ったミラー・ウィボと、内側のアリソンに並びかけられてギアを入れ替え踏ん張ったフランシスとでは、全然違うレースをしているのですから。その意味では、終始ミラー・ウィボを視界に捉えることで自分のレースを見失ってしまったアリソンも、同様です。

あまりにも崇高な「対決」を意識した2人のトップランナーが、どちらも「相手には勝ったけれどもレースには敗れた」というような、極めて劇的で皮肉な結末。
またまた競馬のたとえ(それも超古~い)で申し訳ありませんね。1977年秋の天皇賞、トウショウボーイとグリーングラスの壮絶な共倒れを思い出してしまいました。
3着アリソン50秒08。4着ミラー・ウィボ50秒49。
名勝負とは呼びにくいですが、強く印象に残る、味わいの深いレースだったと思います。

ロンドン世界選手権展望 ④ ~頂上決戦を制するのは?


このシリーズを書くにあたり、定期購読している陸上雑誌なども参考にしているのですが、専門誌は毎月14日発売のため情報がせいぜい7月初旬止まりで、少し現状からずれている展望があるようです。その分、IAAFのHPなどからできるだけ最新の情報を取り込んでお送りしようと思っています。
さて今回は、2強あるいは3強と呼ばれるライバルによるハイレベルな優勝争いが期待される、勝負・記録ともに楽しみな種目についてご紹介しましょう。

◆ショーナvsアリソン/リオの再戦は執念の戦い
RIO022

「ダイビング・フォア・ゴールド」による決着が記憶に新しい、リオ五輪の女子400m。1着ショーナ・ミラー(現姓ミラー‐ウィボ=BAH)49秒44、2着アリソン・フェリックス(USA)49秒51。
この種目の第一人者としての地位を着々と築きつつあった新鋭ミラーが唯一人、前年の北京世界選手権決勝、リオの準決勝と先着を許していたのが、フェリックスでした。戦前の予想では日の出の勢いのミラーに分があるという見方が優勢だったにも関わらず、当人とすれば女子スプリント界に長く君臨するレジェンドの存在は、底知れぬ脅威となっていたに違いありません。現実に途中までは圧勝かと思われたレースの最後に忍び寄ってきたレジェンドの影に、追い詰められた末の乾坤一擲が、あのダイビング・フィニッシュでした。

私は、年齢(1985年11月生まれ)的なことや繰り返される故障との闘いなどから、アリソンはリオのあの400m、そして波乱と歓喜に彩られたリレー2種目を花道にするのではないか、と勝手に想像していました。けれども、そうはなっていません。
全米選手権では100m決勝最下位、200m決勝DNSといいところがありませんでしたが、北京大会の優勝によって出場権を持つ、今や「本業」となった400mでは、今季2レース目となったDLロンドンで49秒67と、あっさり今季ランク1位に躍り出ました。

一方のミラー‐ウィボは、5月から7月にかけて3戦して49秒77、86、80とまったく波のない順調なプロセス。またDLユージーンでは200mに出場して21秒91(+1.5)。このレースはトリ・ボウイ(USA)が21秒77のWLで優勝し、女王エレイン・トンプソン(JAM)が3着(21秒98)と敗れたもので、今季ベスト3を独占する好レースの一角を占めたわけです。
この一戦で200mでも優勝候補の一人に挙がってきたミラー‐ウィボはしかし、日程の問題(男子同様400mシリーズの途中に200m予選が組まれている)から400一本に賭けてくる公算大です。

アリソンよりも8歳半年下(1994年4月生まれ)のミラー‐ウィボには勢いと十分な伸びしろがあり、アリソンにはレジェンドと形容するにふさわしい、測り知れない底力がある。
いつかはミラー‐ウィボが凌駕することになるとはいえ、リオでの0.07秒差、というかダイビングで稼ぎ出したトルソー半分の差は、まだまだ決定的な二人の実力差とは考えられません。
今度こそ、目の上のタンコブたるアリソンを明確に破りたいショーナ・ミラー‐ウィボ。対して史上最多9個の金メダルに飽き足らず「まだまだやるわよ」の闘志漲るアリソン・フェリックス。今回、勝利への執念はどちらが優るのか?…
割って入るとすれば、全米を49秒72で制したクォネラ・ヘイズでしょうが、ショーナとアリソンにはサーニャ・リチャーズ・ロス(USA)が2009年に記録して以来絶えて久しい48秒台でのスーパー・バトルを期待しています。

◆ステファニディvsモリス/精密機械と一発屋の争い
女子棒高跳は、昨シーズンから勢力図が一変してしまいました。
長く続いたエレーナ・イシンバエワ(RUS)の支配が事実上終焉し、その好敵手を務め続けたジェニファー・サー(USA)にもかつての力強さはありません。
昨シーズン、前年年間女王となった同国のニコレッタ・キリアポウロウに代わってDL戦線を独走したのが、エカテリニ・ステファニディ(GRE)でした。シーズン序盤から試合ごとに僅かずつの自己新記録を積み重ね、リオ五輪前にそれは4m86にまで到達。驚くべきは、ほぼすべての試合で4m70以上、シーズン中盤からは4m80は外さないという、無類の安定感でした。

五輪直前、すでに室内記録4m95を持っていたサンディ・モリス(USA)が屋外でも4m93を跳んで、俄かにサーに代わるアメリカのエースとしてリオに乗り込むと、ステファニディと激しくマッチアップ。4m85の同記録ながらやはり「安定感」のステファニディに一日の長があって、無効試技数の差で1位ステファニディ、2位モリスという結果になりました。
ところがDL最終戦のブリュッセル大会、すでに年間女王を決め有終の美を飾ろうとしていたステファニディの目の前で、モリスは女子・屋外ではイシンバエワしか到達していなかった5mヴォールターの高みを征服、さらにバーを“禁断”の5m07(成功なら世界新記録)にまで上げ、それが決して不可能なトライではないところを見せたのです。

今季もステファニディの安定感は抜群で、DLはランキングトップでこそありませんが3戦3勝。対するモリスは2位、6位、4位と低迷。ステファニディには室内を含め4連敗です。
正確無比な安定性を誇るステファニディは、「本番」でも確実に4m80から85、あるいは自己記録を僅かに更新して4m90あたりを跳んでくるかもしれません。ただし、ローマで5m07にトライした跳躍を見る限り、まだ5m以上を跳ぶ準備はまったく整っていないと思われます。
もちろん、翳りが見えるとはいっても、サーやDLトップのヤニスレイ・シルバ(CUB)らの旧世代も侮りがたい実力は残していますし、最近不調ながらリオ銅メダルの実績を持つエリザ・マッカートニー(NZL)などの新興勢力も控えていますが、ステファニディの牙城を崩すには4m90以上を跳ぶ必要があります。
その可能性を濃厚に持っているのが、モリスです。5mを跳ぶ力は証明済みながら、4m60、70あたりのバーを落とす可能性も大いにあり、金もあれば表彰台を逃す可能性も少なくない、そこが彼女の魅力とも言えます。ブリュッセルの時のように勢いに乗ってしまえば、誰にも止められないでしょう。
正確無比か、一発の魅力か、どちらを応援しますか?私はもちろんモリスです。なぜなら…美人だから!
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◆リース・バートレッタ・スパノヴィッチ/女子LJは三つ巴
女子走幅跳でも、リオ五輪で繰り広げられた激闘の再現が見られそうです。
3度の世界王座とロンドン五輪を制したブリトニー・リース(USA)、前回北京でその座を奪いリオでも守り切ったティアナ・バートレッタ(USA)、そして世界大会の金メダルは持っていないものの常にハイレベルで安定した成績を残し続けるイヴァナ・スパノヴィッチ(SRB)。

昨季は世界記録に迫る7m31(+1.7)、今季も7m13(+2.0)と、強烈な爆発力を誇るのがリース。ただ大試合ではしばしば取りこぼしもあって、前回大会はなんと予選敗退の憂き目に遭っています。
これに対してここ2年、本番での勝負強さを発揮してきたのが、バートレッタ。100mとのダブル出場は叶いませんでしたが、今回も400mリレーのメンバーには入ってくるであろう、そのスピードが最大の武器です。
スパノヴィッチは棒高跳のステファニディ同様、正確無比な助走で測ったように6m80~90台の安定した記録を出してくる精密機械タイプ。とはいえリオでは前2者のせめぎ合い(7m17と7m15)には及ばなかったものの、自身初の7m超えとなる7m08(+0.6)を記録。五輪後にはさらに7m10(+0.3)と伸ばし、今年は室内で7m24と、ビッグジャンプの潜在能力も十分にあることを証明して見せました。

それぞれに個性の異なる3選手による、7mオーバーの空中戦が見られるのが楽しみ。ちょっと心配なのは、スパノヴィッチの屋外シーズンインが7月に入ってからと遅れ、2戦目のDLロンドン(6m88で2位)で少し脚を気にする仕草を見せていたことです。棒高跳とは違って、私はこの種目では“精密機械”を応援しています。

◆イバルゲンvsロハス/絶対女王の牙城崩壊か?
ここ数年、女子三段跳はカテリン・イバルゲン(COL)の独り舞台が続いてきました。30以上積み重ねた連勝記録はいったんベテランのオルガ・リパコワ(KAZ)にストップされたものの、リオでは前評判どおりの圧勝。1年前は間違いなく「鉄板」のジャンルに位置付けられる存在でした。
そのリオ直前に突然15mオーバーを果たし、本番でも銀メダルに食い込んできたのが20歳(当時)の新鋭ユリマール・ロハス(VEN)。今季も6月初旬に14m96(-0.3)でWLに躍り出ると、DLローマでは常勝イバルゲンに土をつけ、続くモナコでも2センチ差に食い下がる戦いを繰り広げました。

なんといってもロハスの強みは、192㎝という長身を躍らせる雄大なジャンプ。粗削りながら、イバルゲンにとっての見果てぬ夢である世界記録すら視野に入る、途轍もなく豊かな素質です。
片やイバルゲンは、モナコでの大逆転を見ても、歴戦の勝利で積み重ねてきた勝負強さに衰えはありません。ただ、今季はそのモナコの14m86(-0.5)がSBで、それまでは14m中盤の記録がほとんど。パフォーマンス・レベルが幾分下降気味なのは否めないところです。
典型的な「新旧対決」はまた、コロンビアとヴェネズエラという陸上界ではあまりお馴染みでない南米の小国を代表する戦いでもあります。興味深く見守りたいと思います。

◆レーラーvsフェテル/90超えのドイツ勢決戦
ここまで女子、特に跳躍種目に偏りがちだった「注目の対決」ですが、男子で一つ挙げるとするならば、やり投ということになります。
リオ五輪覇者のトーマス・レーラーが93m90の大投擲でいきなり度肝を抜いたのが、DL緒戦のドーハ大会。以後どの試合でも90mラインを見据えた高止まりの成績を続け、この紛れの多い種目も今年はレーラーで決まりかな、と思われてきた矢先、7月に入って同じドイツのヨハネス・フェテルが94m44を投げ、レーラーから歴代2位の座を奪取しました。
今季両者の対戦成績はレーラーの5勝3敗。ともに85mを下回ったゲームはありません。
フェテルの90mスローは7月11日ルツェルンの1回だけですが、この日フェテルはなんと4回も90mラインの向こう側にやりを届かせており、レーラーの89m45を圧倒しました。
とはいうものの、他の対戦と同様に、「一発」の威力はフェテルでも、安定したハイ・パフォーマンスはレーラーという図式。順当ならばレーラー、ひっくり返るとすればフェテルの出来次第、ということになるでしょうが、そこはこの種目ならではのどんでん返しがいつ起こるか、分かりません。

やり投のイメージといえば、フィンランドなど北欧諸国を中心に、侮れない力の東欧諸国、そして近年ではケニア、トリニダードトバコ、エジプト、インドといった「えっ?」という国からの猛者の出現、そこに日本勢も何とか食い込みたいというような勢力図でしたが、ここへ来てドイツ勢が完全に支配権を握った感じです。ドイツの3番手には誰が出るのか分かりませんが、ラルス・ハーマン、ユリアン・ヴェーバー、ベルナルド・ザイフェルトなど、まだまだ実力者が続きます。
食い込むとすれば、DL覇者のヤクブ・ヴァドレイヒ(CZE)、ランク3位と復調気配のテロ・ピトカマキ(FIN)、5年前のロンドンであっと言わせたケショーン・ウォルコット(TTO)まででしょうか。
日本勢不在が残念ですが、楽しみな空中戦です。


あっ!本記事をアップした直後に入った情報です。
新井涼平選手(スズキ浜松AC)の追加出場が決まりました。私が予想したとおり、女子の斉藤真理菜選手(国士舘大)ともども繰り上がりによるインヴィテーションです。
女子100mHの木村文子(エディオン)、柴村仁美(東邦銀行)両美人選手も!こちらは予想外。
しっかり頑張ってもらいましょう。


ラヴィレニ7連覇!…DL16種目でチャンピオン決まる



IAAFダイヤモンドリーグ、今年のファイナル前半となる第14戦・チューリッヒ大会が終わったところです。
全般に記録的には低調でしたが、面白いレースあり、シーズン優勝争いでの大逆転ありで、見どころは満載、大いに楽しめました。
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<ダイヤモンドレース・チャンピオン>
 (ファイナル優勝者が別の選手だった場合※に表記)
 ◇男子100m アサファ・パウエル(JAM)
 ◇男子400m ラショーン・メリット(USA)
 ◇男子5000m ハゴス・ゲブリウェト(ETH)
 ◇男子400mH カーロン・クレメント(USA)
 ◇男子PV ルノー・ラヴィレニ(FRA) ※サム・ケンドリクス(USA)と1位分け合う
 ◇男子TJ クリスチャン・テイラー(USA)
 ◇男子SP トム・ウォルシュ(NZL)
 ◇男子JT ヤクブ・ヴァドレイヒ(CZE)
 ◇女子200m ダフネ・スキッパーズ(NED) ※エレイン・トンプソン(JAM)
 ◇女子800m キャスター・セメンヤ(RSA)
 ◇女子1500m ローラ・ミュアー(GBR) ※シャノン・ロウベリー(USA)
 ◇女子100mH ケンドラ・ハリソン(USA)
 ◇女子3000mSC ルース・ジェベト(BRN)
 ◇女子HJ ルース・ベイティア(ESP)
 ◇女子LJ イワナ・スパノヴィッチ(SRB) ※ブリトニー・リース(USA)
 ◇女子DT サンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)
05

DLは4カ月余りの間に15大会のうちに各種目7戦を消化するというハード・スケジュールのため、特に今年のようにオリンピック・イヤーともなると全戦参戦という選手は多くなく、男子100mのように種目によってはトップ選手がなかなか揃わないというケースも出てきます。
そこで、種目の中で必ずしもナンバーワンと目されていなくとも、コツコツと貯めたポイントで年間優勝にまで行きつく場合もあったり、シーズン途中から急速にパワーアップしてマクリを決めたりすることがあるのが、面白いところ。最終戦はダブル・ポイントで1位が20点、2位が12点、3位が8点…と大きな差がつくので、逆転可能な位置に付けている選手にとっては、十分にそのチャンスがあるのです。

たとえば、男子砲丸投は、普通に考えますとオリンピックの金・銀を占めたアメリカの2人、ライアン・クラウザーとジョー・コヴァックスがこれまでの「2強」のイメージですが、ファイナルを前にしたポイントでは5戦に出場して2勝・2位3回のトム・ウォルシュが38点でトップ。全米までは水面下の存在だったクラウザーはともかく、4戦3勝のコヴァックスが34点で2位という状況。ウォルシュはコヴァックスよりも1戦多く出ていることと、直前のパリ大会でクラウザーを1センチ差で破って優勝したことで、この状況にこぎつけてきたところです。
そのウォルシュが、ファイナルでは堂々の22m20(AR)をぶん投げて、力勝負で「2強」を圧倒、「もう2強とは呼ばせないぜ!」とばかりに年間チャンピオンの座に就いてみせました。

同じような経緯で、直前のパリ大会からの「マクリ」を放ったのが、女子1500mのローラ・ミュアー。
この種目はゲンゼベ・ディババ不在の間にフェイス・キピエゴン(KEN)が3戦3勝と圧倒的な力を見せ、ディババが出てきたオリンピックでもこれを返り討ちに仕留めたことでDL女王も不動かと思われていたのですが、パリ大会で意表を衝く大逃げで出し抜いたミュアーが8点差の2位と迫り、このファイナルで優勝すれば、キピエゴンが2着でも同点優勝に持ち込める位置に付けました。
レースはキピエゴンがパリの二の舞はご免とばかりにミュアーのロングスパートを許さず、逆に自分が先頭に出て一気に決着を図ったのですが、意外や直線でパッタリと脚が止まって集団に飲み込まれ、万事休す。優勝なら文句なしのシーズン逆転Vだったミュアーもゴール寸前にロウベリーに差されて2着。キピエゴンのほうも5着以内に粘れば優勝できたのに、最後は精根尽き果てて7着・ノーポイントで、結局ミュアーに初優勝が転がり込みました。
オリンピックでは無敵かと思われたゲンゼベを破って金メダルに輝いたキピエゴンと、自慢のロングスパートがゲンゼベに完封される形で7位に敗れたミュアー、その立場が見事なまでに逆転した、ファイナルの結果となりました。たった2週間ばかりで、こうも変わってしまうものなのですね!
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もう一つ「大逆転」が起きたのが、男子やり投です。

この種目は今シーズンを通じて、常にトーマス・レーラー(GER)が主導権を握っているという印象が強かったので、試合前の時点で2位のヴァドレイヒに4点差というのは、意外なほどの僅差でした。前2者と同じように、パリ大会で優勝したことがヴァドレイヒ逆転優勝の大きな布石となったのです。
(これまでレーラー:5戦2勝・2位2回・3位1回、ヴァドレイヒ:5戦2勝・2位、4位、6位各1回)
ゲームはレーラーが早々に85mラインを超えて余裕の笑みを浮かべていましたが、ヴァドレイヒの5投目が87mを超えて、絵に描いたような逆転劇となり、レーラーのオリンピック・DL2冠を阻止する結果となりました。

「逆転」とは言っても、本人自身「何だかなあ…」といった表情を浮かべていたのが男子100mのアサファ・パウエルです。
何しろポイント・リーダーのジャスティン・ガトリンがファイナルをパスしたために、代わってリーダーとなったのがやはりパリで10点を稼いだベン・ユセフ・メイテ(CIV)。そのメイテにしたところで2戦しか出ていないので持ち点は16に過ぎず、つまりはこの日出場した全選手に年間チャンピオンの可能性があったという変な状況でした。まあ、仮にガトリンが出ていたとしても2戦2勝の20点ですから、大して変わりありません。
で、このレースで優勝しファイナルポイント20を加えて26点としたパウエルが年間王者。9秒94のタイムは立派ですし、パウエルにしてみれば来年の世界選手権でのワイルドカードを得たわけですから、悪くない結果だったと思います。
リオ五輪の400mリレーについて書いた時、「ボルトとパウエルがいなくなれば…」みたいなことを書いてしまいましたが、パウエルじいさん、まだまだやる気は十分のように見えました。
メイテのほうは、2着なら28点で年間王者でしたが、数センチの差で3着となり大魚を逸しました。
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やる気は十分、というと、女子200mに出てきて3着になったアリソン・フェリックスにも言えます。
彼女が今季一度も出ていないこのレースに今さら出場する意義はありませんし、もしかして?と思って見ていたのですけど、レース後に「引退?」を伺わせるような動きも特になく、現在の「2強」にはなかなか勝てなくてもそうそう簡単には引き下がらないわよ、という気配が見えました。
レースはコーナーを快調に先行したスキッパーズがゴール手前でトンプソンに差されてやはりリベンジならず。思っていたよりスキッパーズの出来は良かったと思いますが、この放送では再三指摘されてきた「競り合った時に堅くなる」いつもの悪癖が出てしまいました。

…といった逆転シーンや波乱の展開もあったとはいえ、文句なしに種目ナンバーワンの地位を主張した王者・女王も数多く、7戦全勝のペルコヴィッチ、6戦全勝のハリソン、5戦全勝のテイラーなどはオリンピック・チャンピオンあるいは世界記録保持者の称号とともに、突出した実力を見せつけての最終戦となりました。
特筆すべきは、DL創設以来、7季連続チャンピオンを続けているラヴィレニ…しかし、ここ2戦でのケンドリクスとのイチャイチャぶりは、どうしたもんでしょうかねえ?
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ケンドリクスにビブを直してもらっているラヴィレニ。TVの実況では
「ケンドリクスって、本当にラヴィレニが大好きなんですねえ…」って、なんか変な感じ。


日本の野澤啓佑(ミズノ)が出場した男子400mHは、優勝タイムが48秒72とあまり高いものではありませんでしたが、野澤はオリンピックの準決勝と同じようなガチガチのレース運びで完走選手中最下位(49秒42)に終わりました。
これでいいんだと思います。これを重ねることによって、DLのレースも国内のゴールデングランプリと大差ないなと感じられるようになれば、必ず「世界」の決勝進出は見えてきますから。
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いよいよ最終戦は、9日(金)、日本時間10日(土)未明、ブリュッセルでの開催となります。
世界規模でのトラック&フィールド・シーズンの2016ラスト・シーンをお見逃しなく!
 
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