豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

第101回日本選手権見どころ

第101回日本選手権の見どころ ① ~男子スプリント


お陰様で、当ブログも開設1周年を迎えました。いつもご愛読いただいて、ありがとうございます。
しかしながらここんとこ、生活がちょっと多忙につきブログの更新がままならず、ご訪問いただいた方々にはご迷惑をおかけしましてすんません。
今週末もDLローマ大会に始まって、個人インカレ、日本選手権混成競技と陸上競技のイベントは盛りだくさん、好況の男子スプリントを中心に話題のネタは尽きません。本来なら、競技の結果速報を含めて大車輪で戦評をお伝えしたかったところですが、無念なことに混成のライブ配信すら、ほとんど見る時間がありませんでした。

何はともあれ、『第101回日本選手権』を2週間後に控えて、ロンドン世界選手権を目指す有力選手たちのスケジュールが一段落し、あとは代表権争いの本番までの調整期間ということになります。参加標準記録到達者が思いのほか少ないのが気がかりではあるものの、そこは本番で大挙して突破~上位入賞というシーンを期待して、再来週を待つことにしましょう。
そこで、今回からはしばらく、『日本選手権』の展望という形で、今シーズンここまでの状況を確認してみたいと思います。

10206-2
 日本陸連HPより

◆男子100mは激戦模様
10日に行われた『日本学生陸上競技個人選手権』男子100m決勝で、多田修平(関西学院大3)が10秒08(+1.9)を叩き出したことで、安泰と見られていた「3強」(桐生祥秀・山縣亮太・ケンブリッジ飛鳥)による100m代表独占が、俄かに風雲急を告げる展開となってきました。
男子で現在最も「標準」到達者が多い激戦区が、この100mです。

むろん、多田は昨年来関西学生スプリント界の旗手として名のある選手であり、決してぽっと出の“新星”などではありませんが、1年前の段階では桐生の前にまったく歯が立たなかった(桐生10秒10、多田3着10秒36)ことを思えばその躍進ぶりは確かなものがあります。もっとも、桐生にしてみればローマまで遠征してまたもや向い風に祟られ、「個人インカレに出ていれば9秒台が出ていた」と、臍を噛む思いもあるかもしれません。
「標準」に到達済みの選手が4人(100mにエントリーのない飯塚翔太は含まず)。加えて、多田とともに「4番手」の位置を競い合ってきた大瀬戸一馬(安川電機)、長田拓也(富士通)、竹田一平(中央大)、さらに忘れちゃならないサニブラウン・ハキーム(東京陸協)と、9秒台一番乗りを虎視眈々と狙っているスプリンターはまだまだいます。今季いま一つの状態ながら、高瀬慧(富士通)もエントリーしています。
誰が優勝するかの前に、決勝進出することが一苦労という、大変なトーナメントになりそうです。

現状、「9秒台」に最も早くたどり着く実力を有しているのは山縣だと考えている私ですが、3月の海外初戦以来、足首の故障で戦線を離れている間の動向が気になるところです。先日放送されたNHK『“栄光なき天才たち”からの物語』(アニメの吉岡隆徳物語に山縣の近況を重ね合わせたドキュメンタリー番組)によれば、少なくとも5月下旬までは順調に練習を積んでいる様子が伝えられており、『布施スプリント』の欠場も大事をとってのことと思われ、日本選手権にはきっちりと仕上げてくるものと見ています。
そうは言ってもやはり、「ガラスの脚」が最大の懸念材料ということになるでしょうか。

潜在能力随一の桐生にはスタートの課題(完全に修復されたとは思えません)から来るメンタル面の不安、抜群の勝負強さを誇るディフェンディング・チャンピオン、ケンブリッジにはやや連戦の疲労もしくは実戦を重ねる中での競走への迷いが感じられ、飯塚に先着を許した布施スプリントのレースは、どこか中途半端なものでした。
このように「3強」それぞれに不安材料があり、ここに割って入ろうとするのが多田そしてサニブラウン、ということになるでしょう。
100m代表の「3枠」だけではなく、200mと併せたリレーメンバーの「6枠」争いもまた、熾烈なものになります。100mのスペシャリストである多田はこの点、日本選手権で3位以内に入って100mの代表権を得ておかないと「補欠」の芽はなくなるのではないでしょうか。(400mリレーには200mの走力が必要、という私の持論は下記に紹介する以前の投稿をご参照ください)

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◆さらに混戦?男子200m
飯塚が布施スプリントで「絶好調」を証明したことで、日本選手権では予選から「標準」突破を余裕で果たして代表に名乗りを挙げることが予想されます。
現在唯一の標準到達者であるサニブラウンは、その後レース出場がないようですが、100、200ともに3位以内を狙ってくるでしょう。海外での修行の成果が非常に楽しみです。
もう一人、好調なのが原翔太(スズキ浜松AC)。飯塚が10秒08(+1.9)を出した布施スプリントでは2着のケンブリッジに0.01秒差の10秒13でPBを更新しています。昨年僅かのところでオリンピック代表を逃した無念を、今度こそ晴らすことが出来るでしょうか。
こちらの「3強」のうち、藤光謙司(ゼンリン)は同じ布施のレースでPBを0.01秒更新する10秒23で走っており復調気配ですが、今季200mの実績がないのが気がかり。また高瀬の低迷ぶりは日本選手権に間に合うかどうか、かなり疑問です。
予選で規定内の風で「標準」を突破し、精神的に余裕を持った選手が決勝では優位に立つような気がしています。


◆マイル代表争いも熾烈
400mでは、本来ならば大本命となるウォルシュ・ジュリアン(東洋大3)が『ワールドリレーズ』でパンクしたきりインカレ戦線にも戻って来れませんでした。非常に心配なところですが、7月の『アジア選手権』代表に名を連ねたことで、復帰の態勢は整ったものと見てよさそうです。
同じリオ代表の加藤修也(早稲田大4)もインカレ欠場。この2人の状態如何で、マイルリレー代表争いはどう転がるかまったく分かりません。
『ワールドリレーズ』で初代表となった藤原武(ユメオミライ)、関東インカレを制した北川貴理(順天堂大3)、また小林直己(HULFT)、田村朋也(住友電工)、佐藤拳太郎(富士通)、堀井浩介(住友電工)ら、初優勝を狙う面々の誰が上位4人に入るか、何人が45秒台の声を聞かせられるか…。現状、ウォルシュ以外に標準突破の期待がかけにくいのが残念なところではありますが。
言うまでもなく、昨年連覇を途絶えさせられた金丸祐三(大塚製薬)の巻き返しにも期待です。ただ、近況は芳しいものではないようで、予選の走りに注目したいところです。

※参考記事
<連載>100m競走を語ろう

http://www.hohdaisense-athletics.com/archives/cat_172993.html
日本リレーチームはなぜ37秒60で走れたのか
http://www.hohdaisense-athletics.com/archives/6261252.html

第101回日本選手権の見どころ ② ~女子スプリント


オリンピック翌年の静けさ、といっても今までとは少々雰囲気が異なる気がするのが、世界の陸上界です。
どの競技にも言えることながら、己の選手寿命を見限るタイミングというものが先延ばしになる傾向が強くなった結果、オリンピックという節目で姿を消す選手が少なくなり、そのため以前は顕著だった新旧交代という図式が描きにくくなっています。
その一方で、オリンピック翌年のひと息、というムードが充満しているのもまた明らかで、ダイヤモンドリーグなんか見ていますと何となく記録的に盛り上がりが少なく、平板なまま推移している感じもします。DL出場選手の過半数を占めるNIKE契約の選手の場合、リオ五輪金メダリストだけが他と異なるユニフォームを着用しているので非常に分かりやすいのですが、多くの金メダリストが参戦しているにも関わらず、なのです。
今季のDLはツアー・チャンピオンシップ方式が大きく変更されたことや、たとえ総合優勝しても翌年の世界選手権のワイルドカードを得るというメリットがないことも、いま一つ盛り上がりを欠く理由の一つなのかもしれません。

そんな状況ですから、男子スプリントの活況を中心に、日本の陸上界が世界に少しでも追い付くチャンスではあるのです。トラック&フィールド・シーズンの最初の天王山、『第101回日本陸上競技選手権』まで、いよいよあと5日と迫ってきました!

◆女王・福島、大ピンチ
女子スプリント界の、いや日本陸上界のヒロインである福島千里(札幌陸協)の100m8連覇、200m7連覇に黄信号が灯っています。
長年所属した北海道ハイテクACを退団しプロとして独立するという決断をもってスタートした今季は、織田記念でのDNF以降まったく精彩を欠き、選手権前の調整試合に選んだ布施スプリントでも決勝でほぼDNFに近い状態で最下位と敗れました。
オリンピック代表選考戦線が続いた昨季も同じように脚の状態に不安を抱えていたとはいえ、無事に走り切ったレースではそこそこのタイムを出していたのに比べ、今季はまったくいいところがありません。プロとしての選手生活が影響しているのでしょうか、それともそのこととは無関係な不調および体調の悪さと見るべきでしょうか。

これまでの数年間であれば、少々の不調ではあっても福島選手の実力があまりにも図抜けていたために、連覇記録は途絶えることがありませんでした。
ただ今季は、某スポーツ紙が盛んに「美女スプリンター」と囃し立てる(私にはどうしてもそう見えないんですけどね)市川華菜(ミズノ)が、春先から絶好調です。
布施の予選では、実際にガチンコのレースで福島に完勝しており、6年ぶりにPBタイの11秒43(+1.1)を記録。決勝は+2.1mの参考記録となりましたが11秒38と、2着の世古和(クレイン)に3メートル差の圧勝劇を演じました。
過去に福島の前に立ち塞がった髙橋萌木子、土居杏南といったライバルの場合は、福島がそれ以上の実力を見せつけることでねじ伏せてきたのですが、その地力が発揮できるかどうかが疑わしい今回、スプリント界の女王にとっては最大のピンチが訪れた、と言ってもよいでしょう。
 

もう一人、昨年高校2年生で100・200ともに2位となった齋藤愛美(倉敷中央高3)が、今季はスロースタートです。インターハイ岡山県および中国地区大会では相変わらず無敵ぶりを見せてはいますが、+2.8mの中国大会100m決勝では11秒83と、かなり物足りない内容。もし、福島が王座を明け渡すのならば次代を担う齋藤に、と願っているのですが、どうなるでしょう?

注目の女子100mは、全種目のオープニングレースとして、23日(金)の15時過ぎから予選が始まります。

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◆女子400も混戦
日本記録保持者の千葉麻美が引退、99回大会優勝の青木沙弥佳(東邦銀行)、さらには石塚晴子(東大阪大2)や吉良愛美(アットホーム)らが400mHに専念する中で、不動の第一人者の地位を築きつつあった青山聖佳(大阪成蹊大3)が日本個人インカレで5位と惨敗して、こちらも混戦模様です。
昨年高校3年で2位と奮闘した青木りん(東邦銀行)の近況が先日TVで紹介されましたが、虎視眈々と狙っている感じがします。あとは関東インカレ(54秒36)、個人インカレ(54秒05)を制した岩田優奈(中大2)が好調。毎回高校生の活躍が目立つ種目ですので、IH近畿大会で53秒台に突入してきた川田朱夏(東大阪大敬愛高3)にも注目しておきたいところです。

第101回日本選手権の見どころ ④ ~男子中長距離


◆男子低迷に風穴は開くか?
例年6月下旬開催の日本選手権では、私の大好きな長距離種目を苛立たしく眺めるのがここのところのお決まりとなっています。
「標準記録(願わくば派遣設定記録)を破っての優勝争い」が日本選手権の重要テーマであるにも関わらず、とりあえず順位狙いだけに終始してペースが上がらない、というレースがとりわけ男子では常態化してしまっているからです。
この時期は気温が20度を下ることはまず考えにくく、長距離種目には不向きなことは重々分かりますが、「日本」の先の「世界」やオリンピックは真夏のレースが待ち構えているのであり、「日本選手権で3位以内に入っておいて涼しいホクレンで標準狙い」という姑息な戦略では、いつまで経っても世界に追いつくことは難しいと言わざるを得ません。むろん、それが現在の身の丈に合った唯一選択できる戦略というランナーも多いとは思いますが、十分に「標準」を狙える選手でもそれに合わせてしまう傾向というのは、見ていて何とも歯がゆいものです。
女子では、昨年は「恵みの雨」に助けられたところはあったとはいえ、ハイレベルな上位争いが迫力たっぷりに繰り広げられましたし、数年前の新谷仁美さんのように積極果敢に夏のレースでPBを連発していた選手もいます。外国人ランナーのオープン参加が認められているのも、好記録を出させたいという陸連の思惑あってこそだと思いますので、何とかそれに応えるレースを、と期待します。
2017GGN3


◆中距離は戸田に期待
800mは横田真人の引退で孤高の存在となった川元奬(スズキ浜松AC)の独擅場となりそうで、この種目でペースメーカーもなく記録を狙うのは大変なこととは思うのですが、何とか45秒台の期待をしたいと思います。(「標準」は1分45秒90)

1500mでは、駅伝1区でも鋭いスパートを見せていた戸田雅稀(日清食品G.)が、今回は長距離種目との二股を回避してこの種目にフォーカス。昨年同様の調子ならば、一歩抜けたスピードがあると思われますが、今季ここまで名前が出てきていないのが気に掛かります。本調子になければ一転して混戦模様となり、好調の館澤亨次(東海大2)が抜け出すかもしれません。昨年高校生で健闘した遠藤日向(住友電工)にも注目です。

3000mSCは、こちらもオリンピック以降フラットレースを走っていた塩尻和也(順大3)が久々に本職復帰。昨年同様、潰瀧大記(富士通)との一騎討ちになることが予想される中で、両者ともに標準記録(8分32秒00)有効期間の前にそれ以上のタイムで走っていることから、ダブルで代表の座を掴むチャンスです。



◆長距離は大迫軸に戦国の様相

大迫傑(NIKE.O.P.)、村山紘太(旭化成)、設楽悠太(HONDA)のリオ代表3人がいちおう「3強」を形成するイメージがある一方、今季は鎧坂哲哉(旭化成)や上野裕一郎(DeNA)が復調気配。さらに上昇株では5000mで松枝博輝(富士通)、10000mで神野大地(コニカミノルタ)の名前が見逃せません。
加えて、10000mではかつて4連覇の実績を誇る佐藤悠基(日清食品G.)がエントリーしてきました。すでに矛先をマラソンにシフトしているので「標準」にこだわるレースをするとは思えません。とはいえ、現在の絶対エースである大迫に3タテを食らわせた勝負強さは健在でしょうから、ラスト1周にまでもつれ込めば、最も怖い存在となりそうです。
冒頭に述べたように、実力者が積極的な記録狙いのレースを展開すれば結果も読みやすいのですが、標準記録にこだわらないペースになると、どんな伏兵が足元を掬うか分かったものではありません。いちおう5000、10000ともに各選手が大迫の動向を気にしながらのレースとなるのは間違いなく、「標準」未到達の大迫や鎧坂が速い展開に持ち込んでくれるのではないかと思ってはいますが、「前半は上野さん、お願いします」みたいな雰囲気になると、膠着してしまいますね。
なお「標準」は5000mが13分22秒60、10000mが27分45秒00、現在の到達者は10000mの村山紘太ただ一人です。


第101回日本選手権の見どころ ⑤ ~女子中長距離


このカテゴリーは、私にとってのメインイベントです。
特に女子10000mは、創成期の松野明美と朝比奈美代子の大逆転レース、鈴木博美・千葉真子・川上優子らをラスト1周62秒の猛スパートで一網打尽にした弘山晴美、無敵の6連覇で時代を創った福士加代子、北京代表を争った福士・赤羽有紀子・渋井陽子の鍔迫り合い、2位以下を全員周回遅れにした新谷仁美の圧巻の独走など、いくつもの名勝負・名場面が思い浮かびます。昨年の雨中の激闘も素晴らしいレースでしたが、放送の演出にこだわって大部分を見せなかったNHKのボーンヘッドにはやきもきしました。
今年も、タレントは豊富です。秘かに自分が注目する選手がどんな走りをしてどのポジションに入ってくるか、期待に胸躍るここ数日です。
2016日本選手権10000

◆「女王」待望の800m
400mと並んで、ここのところ上位の顔ぶれが猫の目のように変わる女子800m。2011年の岸川朱里(長谷川体育施設)以降、連覇した選手がいません。昨年高校生で制覇した福田翔子(松江北高→島根大学)も今季はまったく音沙汰なしで、競技を辞めてしまったのでしょうか、エントリーリストにも名前がありません。記録的にも、停滞が続きます。
その中ではインカレの関東・個人を連覇した北村夢(日本体育大4)が2分4秒台で安定した力を発揮、一歩リードの感があります。これに福田の好敵手・池崎愛里(順天堂大1)や卜部蘭(東京学芸大4)といった学生勢、大森郁香(ロッテ)や山田はな(わらべや)といった優勝経験者がどう絡むか。400とのダブルエントリーとなる川田朱夏(東大阪大敬愛高3)、塩見綾乃(京都文教高3)、後藤夢(西脇工業高3)らの高校勢はどうか…・
これだけ大勢の名前を挙げなければならないということは、主役不在ということです。個人的には、2011年の400m優勝者、新宮美歩(東邦銀行)にももう一花咲かせてもらいたいものですが。

◆1500mはニューカマーに期待
昨年何度目かのブレイクを果たした木村友香(ユニバーサル)が、今回は代表権にリーチをかけている5000mをメインで狙ってくると思われますので、この種目も混戦模様です。
優勝経験のある陣内綾子(九電工)や須永千尋(資生堂)、森川千明(ユニクロ)、飯野摩耶(第一生命G.)といったベテランもまだまだやる気の一方で、エントリーリストには高校中長距離界の一線級や高卒ルーキー・2年目の名前がズラリと並びます。
髙橋ひな(NIKE TOKYO)・田中希実・後藤の「西脇工3人娘」やインターハイ戦線での主役が期待される高松智美ムセンビ(薫英女学院高3)、リンズィーヘレナ芽衣(市立金沢高3)、林英麻(健大高崎高3)らにも食指が動きますが、イチオシは昨季の駅伝での快走ぶりが印象深い和田有菜(長野東高3)でしょうか。
かつて小林祐梨子、小林美香(ともに須磨学園高)といった高校生が優勝をさらってあっと言わせたこの種目、今年もその再現が見られるかもしれません。

◆オリンピアン高見澤の安定政権?
3000mSCは、予想外のリオ五輪出場を勝ちとった高見澤安珠(松山大4)の長期安定政権が続きそうな気配です。対抗格の森智香子(積水化学)も故障のない順調ぶりで追随しますが、とにかくあのお粗末なハードリングを改善しないことには、ラスト勝負に持ち込んでも勝ち目はありません。3番手も三郷実沙希(スズキ浜松AC)で安定状態。新勢力、たとえば向井智香(名城大2)あたりに一波乱を期待したいところでしたが、エントリーは1500だけでした。
もちろん(?)、早狩実紀(京都陸協)も出場します。レジェンドです。

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◆百花繚乱の5000、10000
長距離2種目は、セットで語る必要があります。男子も同様ですが、先に行われる10000mの結果を承けて、5000mの動向が変わってくるところがあるからです。
現在、女子の「標準」到達者は全種目を通じて5000mの3名、10000mの16名、これだけです。世界選手権代表が長距離オンリーになってしまう危惧を孕んでいる状況ですが、中で10000の到達者数が突出しているのも珍現象です。(10000mは標準記録の有効期間が昨年1月1日からと長いことと、世界的にレース数が少ない、あるいは強豪国が偏っているためレベルが引き下げられていることが原因)

10000m到達者16人のうち、すでにマラソン代表を決めている安藤友香・清田真央(ともにスズキ浜松AC)と5000mに専念する松﨑璃子(積水化学)を除いた13人が、全員エントリーしています。
リオ代表の鈴木亜由子、関根花観(ともに日本郵政G.)、高島由香(資生堂)はいずれも5月のペイトン・ジョーダン招待を走って順調の模様。この3人が今のところ実力上位である状況は、昨年とそう変わりありません。食い下がる存在としては、5000代表の上原美幸(第一生命G.)、実業団覇者の松田瑞生(ダイハツ)、進境著しい一山麻緒(ワコール)あたりでしょうか。石井寿美(ヤマダ電機)はマラソンにチャレンジした影響が懸念されますし、私が大好きな中村萌乃(ユニバーサル)では今一つ実力不足か?…。

5000の到達者は木村友香、松﨑璃子、森田香織(パナソニック)の3人。ランキングトップの木村が真剣に代表を狙ってきますが、まだ5000mの経験が十分ではなく、一抹の不安を感じさせます。その意味では安定した実力を発揮している松﨑が、5連覇・3大会連続代表を目指す尾西美咲との連携を含めて優位な立場にいると見られます。
先に10000で代表権を確保した選手がどういうレースに持ち込もうとするかで、展開は大きく変わってくるところがあります。その中で、福田有以、横江里沙という有力選手2人を擁する豊田自動織機勢が、助っ人アン・カリンジを使って主導権を取りにくる展開が予想されます。特に春先から好調の福田はあと一歩のところで「標準」を逃すレースが続いており、盤石の仕上げで臨んでくるものと思われます。
男子と違ってまず間違いなく「標準」を見据えた速い展開になるだろうと思いますが、その中で「代表」云々をあまり意識せずに追随する、矢田みくに(ルーテル学院高3)、小笠原朱里(山梨学院高2)、森林未来(諫早高3)といった高校生ランナーの一発にも注目です。となると、佐藤成葉(立命館大2)、関谷夏希(大東文化大2)、岡本春美(三井住友海上)などの若手勢にも奮起を期待したいところ。言うまでもなく、“復活”が待ち望まれる鷲見梓沙(ユニバーサル)からも、目が離せません。

2017日本選手権5000
2017日本選手権10000

第101回日本選手権の見どころ ⑥ ~男女フィールド


いよいよ『第101回日本陸上競技選手権』が、明日からの開催と迫ってまいりました。
2週間前から書き始めた「見どころ」ですが、会期前にひととおり書き終えるかどうか、どうも怪しくなってきました。
ブログデビュー直後だった昨年は、会期前から会期中と、書く時間がたっぷりあったんですが、今回は仕事の合間を縫ってということで、なかなか思うに任せないんですよ。初日の金曜日もリアルタイムでのインターネット観戦~速報記事という去年のパターンはできません。ということで「見どころ」も少々端折りますけど、よろしくご容赦願います。

◆<跳躍>活況の男子、不況の女子
1990年代であれば、跳躍種目の注目度ナンバーワンといえば女子走高跳、2000年代なら女子走幅跳、というのが日本陸上界の傾向でしたが、現在のところは男子が各種目に代表を送り出す勢いがあるのに対して、女子はまったくいけません。
男子では、走高跳=衛藤昴(AGF)、棒高跳=山本聖途(トヨタ自動車)・荻田大樹(ミズノ)、三段跳=山本凌雅(順天堂大4)と「標準」到達者が4名。走幅跳でも、サラブレッド橋岡優輝(日大1)を筆頭に8m15の「標準」を視野に入れている選手は大勢います。
対して女子はというと、各種目の「標準」が、HJ=1m94、PV=4m55、LJ=6m75、TJ=14m10ということで、現有戦力ではとても「無理無理!」。唯一リオ五輪代表になったLJの甲斐好美(VOLVER)はノー・エントリー。どうにもなりません。
何か、理由というか、この傾向をもたらしている要因があるのでしょうね。私には今のところ思い当たることがありません。なぜ、日本の女子アスリートはバネをなくしてしまったのでしょう?

種目別に見ると、男子走高跳は「標準」を2度クリアしている好調の衛藤に対してエースの意地を見せたい戸邉直人(つくばTP)、ベテランの高張広海(日立ICT)が絡む展開。平松祐司(筑波大3)が不参加のため、「標準」に近い争いになるとこの3人以外ではちょっと荷が重くなります。
棒高跳は「標準」の2人に今季はセミリタイア状態か?とも思われた澤野大地(富士通)が巻き返しを図る構図は去年と同じですが、ここに進境著しい江島雅紀(日大1)が加わります。標準記録云々はともかく、自身が塗り替えたばかりのU-20日本記録5m61の更新を狙っていただきたいものです。
走幅跳は今季唯一8mを超えているのが関東インカレの橋岡。昨年大台に乗せた城山正太郎(ゼンリン)、山川夏輝(日大4)、他は峯村鴻汰(モンテローザ→富士通)、下野伸一郎(九電工)、小田大樹(日大4)などが7m90台にひしめくという感じですが、条件次第で8mラッシュという状況も起きるかもしれません。8m18を持つ菅井洋平(ミズノ)の復活にも期待したいところです。
三段跳はリオ組の長谷川大悟(横浜市陸協)と山下航平(福島陸協)がともに「一発屋」で終わっており、唯一の「標準」到達者・山本の安定感が群を抜きます。昨年大会新記録を跳びながら山下に敗れた関東インカレの悔しさが、いいモチベーションになったのではないでしょうかね。

女子は、優勝者予想くらいしかできないのが寂しいですけど。
走高跳はここのところ安定して1m80をクリアしているのが仲野春花(早稲田大3)くらいという状況。本人はユニバ標準記録の1m84を大目標に掲げていますので、視線が高い分、有利だと思います。大雨の中で行われた昨年を制した京谷萌子(北海道ハイテクAC)やベテランの福本幸(甲南学園AC)らがどこまで食い込めるか。
棒高跳は第一人者の我孫子智美(滋賀レイクスターズ)の出来次第というところ。4m20程度のバーであれば、まだ優勝経験のない仲田愛(水戸信金)、昨年の覇者・青島綾子(新潟アルビレックスRC)、最近ネットで注目度の高い今野美穂(トーエル)らが台頭してきそうです。
走幅跳はまさにドングリの背比べ状態で予測不能。持ち記録最上位の枡見咲智子(九電工)も全盛期の勢いはなく、ヘンプヒル恵(中央大3)に初優勝・混成と二冠のチャンスがあります。
美人の多い三段跳は、宮坂楓(ニッパツ)の独擅場でしょう。

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◆<投擲>ごめんなさい!注目は男女ともやり投だけ
ということで、男子は今季スランプの新井涼平(スズキ浜松AC)に「標準・楽勝」の斬れ味が戻っているかどうか。うかうかしていると、重鎮・村上幸史(スズキ浜松AC)はおろか、長谷川鉱平(福井陸協)や伸び盛りの佐藤隼矢(東海大3)あたりにも足元を掬われかねません。

そして女子は、私的には今季のフィールド・イチオシ注目種目。
大エースの海老原有希(スズキ浜松AC)、時々穴をあける宮下梨沙(大体大TC)、若手最有望株の北口榛花(日大2)、そして今年新たに60mスロワーに仲間入りした斉藤真理菜(国士舘大4)。さらには瀧川寛子(中京大大学院)、當間汐織(九州共立大4)、山下実花子(九州共立大2)、長麻尋(和歌山北高3)といったイキのいい若手が55~60mの間にズラリと順番を待っています。嫁に行って(だと思いますが)名前が変わった森友佳(東大阪市陸協)も元気です。
やり投って、冬のスキージャンプ競技に似た面白さがありますよね。いい向かい風を貰って、白熱の空中戦を、ぜひとも!

ほんと、思いっきし端折っちゃって、スイマセン。

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