豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

展望記事

『第42回全日本実業団対抗女子駅伝』大胆展望



※あらかじめお断りしておきますが、当ブログでは『クイーンズ駅伝』とか『プリンセス駅伝』とかいう呼称はいっさい用いません。「クイーンズエイト」だとか、予選会なのに「プリンセス駅伝“優勝”!」なんて言い方もしません。真面目な真面目な陸上ブログですんで、あくまでも『月刊陸上競技』方式の表記でいきます。(『ゲツリク』に「パナソニック初のトップ通過」の見出し、さすがでしたねえ!)
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さて今年の女子陸上長距離界も、クライマックスの季節を迎えました。
振り返れば、ひところ毎日のように書きまくっていた当ブログも、前回記事は半年以上も前の、お馴染み・実業団各チームの所属選手名鑑。まったくこれだけで数少ない読者様のご来訪を繋ぎとめているというトホホぶりには呆れますが、ここは開き直って、突然大胆に展望をかましてみたいと思います。
個人的には、ここ十数年、日本の女子長距離は新谷仁美女王様(昨今は「鬼」と呼ばれてらっしゃいます)を中心に回っていると思っておりまして、昨年は(どこも触れてませんでしたが)この女王様によって、「異なる3チームで全日本実業団駅伝優勝」という不滅の大記録が達成されたところ。今回もセキスイの連覇なるかが最大の焦点となるわけですが、いつにも増して百花繚乱、見どころの尽きない一戦となることは間違いなく、注目すべきはFIFAワールドカップなんかの比ではございません!

なお評論につきましては全24チームについて記すべきところ、時間と労力の限界ということで、上位候補と私が勝手に認定した15チームに限らせていただきました。上位候補とは、シード権獲得に絡んでくると思われる、というほどの意味で、このほかにもダイソーやユニクロなんかも強そうなんですが、ここらへんは論評するまでの知識や情報を持たないもんですから、どうもすみません。我が地元チームの日立についても触れたいところでしたが、こちらはどう叩いてもシード入りの芽はなさそうなので…。
記載は、順不同です。・・・嘘です。さりげなく、順位予想してます。駅伝の順位を予想するくらい当てずっぽうなものはないとは重々承知していますが、軽くお遊びということで。
というわけで、最終エントリー発表直前の投稿となってしまいましたが、まずは渾身のオーダー予想の結果から、お楽しみください。

※●→監督 ◎→キャプテン ①→予想出場メンバー(予想走順) ②→その他登録メンバー ③→登録外メンバー ④4月以降の退団選手

※参考記事 → 2022年度実業団女子長距離チーム一覧

◆
資生堂
 ●岩水 嘉孝
 ①木村 友香/◎樺沢 和佳奈/五島 莉乃
  /ジュディ・ジェプングティチ/
  一山 麻緒/高島 由香

 ②佐藤 成葉/前田 海音/大谷 菜南子
/木之下 沙椰/

 ③干飯 里桜

 ④永井 智里(東京メトロへ)


五島選手に前回の勢いがあれば、3区でも5区でも区間賞の有力候補。それは新加入の一山選手も同様で、この2枚看板は強力です。となると大望成就は1区の出来次第。切れ味鋭い木村選手か安定感抜群の高島選手か、あるいは1区得意の五島選手、一山選手もあるのかな、と悩むところではあります。総合力ではジュディ選手を擁する分だけ、やや積水を上回るのではないかと考え、今回の「本命」に推すことにします。

◆積水化学

 ●野口 英盛

 ①森 智香子/卜部 蘭/佐藤 早也伽/
弟子丸 小春/新谷 仁美/佐々木 梨七

 ②鍋島 莉奈/田浦 英理歌/長澤 日桜里
/道清 愛紗

 ③和田 美々里

 ④飯島 理子


鍋島選手がメンバー入りできる状態か否かが大きな分かれ目になるところですが、現状まだエース級の活躍を期待するのは難しそうです。そうなると初優勝した昨年同様の布陣・オーダーとなることが考えられ、卜部・森・佐藤各選手がやや停滞気味の一方、佐々木(旧姓・木村…改姓の理由が伝えられていないのは、婚姻ではなく家庭の事情によるものと思われます)・弟子丸両選手の成長分、そして新谷選手の好調キープが期待値となりそうです。新谷選手は「4区以外の区間記録を全部作りたい」との発言があるので、3区ではなく5区でのリベンジ戦か?…まあ戦略的には3区でしょうけど。意表をついて、田中希実対策で1区に登場という奇襲作戦はないでしょうね?
ズバリ!連覇の可能性は40%、トップ3には確実に入ってくるか?

◆日本郵政グループ
 ●髙橋 昌彦

 ①
和田 優菜/三原 梓/廣中 璃梨佳/
  菅田 雅香/大西 ひかり/鈴木 亜由子

 ②
◎太田 琴菜/樽本 知夏/小坂井 智絵
  /
土井 葉月

 ③高橋 明日香/
山中 菜摘

高卒生え抜きの若手の成長、即戦力の和田選手の加入で、トップ争いの中でもジワリと底力を蓄えてきたチームです。鈴木選手の久々のマラソンでの快走も明るい材料で、誰がメンバー入りしても不思議はない整った戦力が揃いました。何と言っても注目は廣中選手。駅伝不敗伝説が今年も継続されるのかどうか、そしてチームの優勝に決定打となるパフォーマンスを見せられるかどうか、目が離せません。

◆第一生命グループ
 ●山下 佐知子
 ①出水田眞紀/古川 結美/小海 遥/
櫻川 響晶/鈴木 優花/田中 華絵

 ②◎原田 紋里/藤岡 加梨/関谷 夏希/
  松本 奈々

 ④
樽本つかさ/佐野 英里佳/山本 晏佳吏


会社の節目(今回は創立120周年)には気合を入れてくる古豪チームは、台風の目かもしれません。予選会は終盤に起用した鈴木・関谷の新旧大東大鉄板エースが不発に終わりましたが、順当ならばおそらくパナソニックの前に行っていたでしょう。関谷選手のスランプは少々深刻ながら、鈴木優花は今度はやるはず。長距離区間も走れる小海選手や古川選手がうまく波に乗れば、イッキに浮上も十分あり得ます。あとはコンディションのいい選手を6人揃えられるかにかかっています。

◆豊田自動織機
 ●松田 三笠
 ①田中 希実/後藤 夢/川口 桃佳/
  ヘレン・エカラレ/藪下 明音/
小笠原 安香音

 ②前田 梨乃/城所 日和/磯部 早良/
  藤田 あい

 ③
原田 まりん


いよいよ、いよいよ田中希実選手の実業団駅伝デビュー戦!…とはいうものの、しばしば比較の対象となる廣中選手とは対照的に、田中選手は駅伝での区間賞に縁がありません。都大路の1区を何度も走りながら、今年もまた五島選手にちぎられる屈辱に甘んじています。さらにこの宮城路には、田中選手にとってうってつけと思われる区間がなく、どこに使うか迷うところでしょう。京都と同じく登り基調の1区はその京都以上にタフなコースですが、それでもここしかないでしょうね。猛者ぞろいの中を食らいついて、ゴールスプリントで一気に差を開き、相棒の後藤選手へリレー…実力者の川口選手、エカラレ選手と引き継いで、おそらくここまでトップを快走する青写真かと思われます。チームは予選会で苦戦しましたが、多分に各選手の区間適性をテストした気配があり、本戦の豊田は終盤まで上位を掻き回すのではないでしょうか。

◆ダイハツ
 ●山中 美和子

 ①西出 優月/武田 千捺/加世田 梨花/
  前田 彩里/大森 菜月/松田 瑞生

 ②◎竹本 香奈子/上田 雪菜/柴田 佑希
/村尾 綾香

 ④竹山 楓菜/信岡 桃英


ルーキー加世田選手のマラソン快記録の朗報はあった一方、大黒柱・松田選手の動向が結婚のニュース以外、いま一つ伝わってきません。優勝争いの場合を除いて比較的負担の少ないアンカー区間を任されるような気がしています。久々に駅伝を走る前田選手がどこに配置されるかが注目。6月の日本選手権3000mSCでブレイクした西出選手の勢いある走りにも期待しています。

◆パナソニック
 ●安養寺 俊隆
 ①内藤 早紀子/堀 優花/信櫻 空/
中村 優希/森田 香織/渡邊 菜々美

 ②◎森田 詩織/伊藤 南美/川口 幸奈


予選会トップはシード権「下剋上」の一番手ですが、堀選手が本格復帰なれば、優勝争いにも絡める力を持っています。反面、選手層の薄さなど“線が細い”イメージも拭いきれず、ひとつ歯車が狂えば大敗の危険も孕んでいるチームと映ります。完全復活を印象付けた渡邊選手、好調のベテラン内藤選手、成長著しい信櫻選手をどこに配置するか、監督の采配とその結果が見どころです。

◆エディオン
 ●沢栁 厚志
 ①萩谷 楓/江口 美咲/細田 あい/
  中島 紗弥/矢田 みくに(デンソーより)
  /◎西田 美咲

 ②
山本 明日香/工藤 杏華/小倉 稜央/
  安 なつ美

 ④
緒方 美咲


予選会ではやや期待外れの順位に終わりましたが、オリンピアン萩谷選手の不調、ロンドンマラソン直後で細田選手不在と、大きく埋め合わせが可能な敗因がありました。移籍したばかりの矢田選手も試運転段階。それらが本領を発揮してくると…確実にシード権入りする戦力と思えてきます。なにしろこの3人とも10000mのPBは31分35秒。トラックシーズン後半からやや精彩を欠いていた萩谷選手の出来如何、というところでしょうか。


◆天満屋
 ●武富 豊
 ①小原 怜/翁田 あかり/前田 穂南/
◎大東 優奈/渡邉 桃子/松下 菜摘

 ②谷本 観月/𠮷薗 栞/立迫 志穂/
  高橋 実夢

 ③干飯 奈桜

 ④西川さくら/小汲 紋加


顔ぶれの重厚感はトップクラスなんですが、なにせマラソン強豪の多いチームだけに、2区・4区のスピード区間が常に課題。全員が好調ならばもともと中距離ランナーだった小原選手に2区あたりを託すのも一手かと思うのですが、この中では本人の意向もあり1区は外せませんね。1区といえば、4年ぶりに復帰した翁田選手。プロ野球1年目で大活躍した弟に負けじ、の奮闘が期待されますが、短い区間は却って荷が重いでしょうか?

◆九電工
 ●藤野 圭太
 ①唐沢 ゆり/花房 百伽/◎逸木 和香菜/
キプケモイ・ジョアン・チェプケモイ/
林田 美咲/宮田 梨奈

 ②小園 彩華/森田 真帆/河内 愛奈

 ③ジェロティ
ッチ・ウィニー

 ④中須 瑠菜


予選会2位は、当方の予想以上の躍進でした。逸木選手が頼もしい大黒柱になったこと、林田選手が長距離区間で十分通用する目途が立ったことが大きな収穫。これで、藤野監督が課題に挙げた前半の出遅れの修正が見込まれます。あと1枚、2枚コマが揃えばというところですが、今年は粘り強くシードを伺いに行くレースになるでしょう。

◆ワコール
 ●市川 武志(監督代理)

 ①◎谷口 真菜/井手 彩乃/安藤 友香/
宇都 ひなた/柳谷 日菜/柴田 来夢

 ②
坪倉 琴美/枚田 茉優

 ④清水 萌(三井住友海上へ)


大エースの退団は何とも手痛いものの、若手の底上げは順調でチーム力としては、ぎりシードに滑り込んだ前回とさほど遜色ないようです。ただし周囲も強くなっている分、今のままでは4年続いたシード権を手放すことになりかねません。安藤選手に続くエース格にまで評価を上げている井手選手ですが、長い距離に実績がないだけに使いどころに悩むでしょうね。本来なら1区に起用できればいいのですが。その分、ルーキー柳谷選手に長距離区間を任せられるのは、頼もしいです。

◆デンソー
 ●荻原 知紀

 ①小笠原 朱里/小泉 直子/岩出 玲亜
  /ブカ・デスタ・ブルカ/
  池内 綾乃/川北 陽菜

 ②
平田 歩弓/松本 夢佳/久保 心優/
小山 香子(加入時不明)

 ③
鳥居 華/ロバ・ゼイトナ・フーサン

 ④
松田 杏奈(三井住友海上へ)/
  矢田みくに(エディオンへ)/酒井 美玖


ここ1年で激しく選手の入れ替わりがありました。矢野・森林・矢田・松田・酒井といった主力級が抜けて、一旦スタッフ入りした池内綾乃の選手復帰、プロランナー岩出選手の加入はあるものの、やや弱体化の感を免れません。中で、登録メンバーの10人目に突然名前が現れた小山香子というHPにも載っていない謎の選手?かつて順天堂大で活躍しその後アメリカ留学へ進んだという経歴しか分かりません。本戦の秘密兵器となるのでしょうか?…にしても、現状ではシード権死守が当面の課題となるでしょうか。

◆ヤマダホールディングス
 ●髙木 雅一

 ①清水 真帆
/土田 佳奈/岡本 春美/
  星野 輝麗/◎筒井 咲帆/荻野 実夕

 ②加藤 詩帆加/小指 有未(9月加入)

 ④野見山 紋圭


ここは辛いですね。主力がゴッソリとシスメックスへ移籍(しかもそのシスメックスは予選敗退)したことで弱体化は明らか。どうも、一般種目部門を併設して以来、チームの運営がスッキリいっていない気がしてなりません。ただ清水選手がタフな1区をこなせる状態に戻っていると思われるので、5区にもエース級を残せることに希望を繋ぎます。3連続シードなるか、微妙!

◆三井住友海上
 ●鈴木 尚人
 ①野添 佑莉/清水 萌/松田 杏奈/
カマウ・タビタ・ジェリ/
西山 未奈美/福居 紗希

 ②◎片貝 洋美/根塚 みのり/黒川 円佳
  吉原 あかり

かつての駅伝女王国も毎年のように主力選手を失い、ジリ貧状態が続いていましたが、ここへ来てようやく補強も整ってきたというところです。移籍組に頼らざるを得ないのが実情ながら、それらの奮闘で若い選手が波に乗れるシチュエーションが作れれば、次につながる駅伝ができるはずです。

◆ユニバーサルエンターテインメント
 ●深山 文夫
 ①猿見田 裕香/山﨑 夢乃/和久 夢来/
  ナオミ・ムッソーニ/白石 由佳子/
  鷲見 梓沙

 ②
大西 響/髙木 結加/奥村 沙帆/
  中尾 有梨沙(8月加入)

 ③◎青山 瑠衣/由水 沙季/篠塚 麻衣/
  田川 友貴


もともとあまりトラックレースに出てこない社風(?)のせいか、イマイチ状態が掴めないのですが、予想外の健闘でシード入りした前回よりは、計算できるチーム力となっているようです。ただ主力選手の5000mタイムがおしなべて15分50秒台と、大砲不在の状況は変わりありません。どうやら鷲見選手が久々に使えそうだという点に一縷の望みあり、といったところでしょうか。正直、再度のトップ8入りは厳しいでしょう。


   
 

次は2週間後!新谷・廣中・田中希実…



『第40回全日本実業団女子駅伝』は、大方の予想通りJP日本郵政グループの圧勝2連覇、巨砲新谷仁美を擁した積水化学が歴代最高順位の2位となり、2連単はガチガチの1番人気で決着となりました。
筆者が推した天満屋、資生堂はシードにすら入れないズッコケぶりとなり、見事な赤っ恥予想となりましたことは、ご覧のとおりであります。ま、駅伝の予想なんてのはこんなもんです。

積水の森智香子、さぞかし悄気てることでしょうね。相手が鈴木亜由子とはいえ、逆転のされ方が無抵抗過ぎて、かつて大東文化大を強豪校に引っ張り上げた闘将の面影はありませんでした。最近では爽やかな笑顔が彼女のトレードマークになっていますが、それもいい走りをしてこそ輝くというもの。もともと力のあるランナーだけに、今日の悔しさを糧にしてもらいたいと願います。それと、学生時代から“本業”にしている3000mSCには、見切りをつけた方がいいと思っています。着地で止まってしまうような障害飛越の仕方では、好成績は無理だと思うのです。
特別にファンというのではないけれども、ずっと気になっているランナー・森智香子。27歳は、まだまだもう一花もふた花も咲かせられる年齢です。新谷の存在が、いい刺激になってくれればと思います。

天満屋は、9月に故障したという三宅紗蘭のブレーキが計算外でしたね。マラソンランナーの谷本美月を2区に使ったのも、不安があったからなのでしょう。1・2区での立ち遅れは致命的でした。
資生堂は、予選会同様前半のルーキーが奮闘しながら、後半の実力者3人が全くの不発ではどうにもなりませんでした。メリッサ選手は昨年春、来日初戦の鮮やかな勝ちっぷりから大いに期待していたのですが、アンカーの木村友香ともども、重度のスランプというところです。

1区の廣中璃梨佳、3区の新谷仁美は、いずれも期待に違わぬ見事なパフォーマンスで、それぞれ5000m、10000mでは世界に最も近い位置にいることを改めてアピールしてくれました。
廣中の記録は区間距離が変わったための参考記録とはいえ、昨年までの中継所通過タイムは自身の区間記録よりも速く、不断の成長ぶりを示しています。これで、駅伝では何回連続の区間賞ということになるんですかね?中3から1度も負けていないというのが本当なら、歴史に残る記録になっている筈です。
そしてもう一つの赤っ恥。「新谷が鍋島より1分も速く走るとは考えられない」なんて書いちゃいましたが、走ってしまいましたねえ。だって、鍋島は去年の日本選手権10000mで、がっぷり四つの勝負で敗れている相手ですから、そう思うのが普通でしょ?その10000mで相手に合わせるようなレースをしてしまったことへの反省から、今度は自分の独走力を信じて立ち合いの一瞬に突き放す、そんな新谷の心意気を見た3区でした。
余談ながら、横田真人コーチによるTwitterの「#レース前の新谷」というシリーズ(?)が超トピカル。今回も、食事中にゴネたり、「キツくなったらコーンを蹴飛ばして外に出ちゃおうか」とかホザく新谷選手の表情が楽しめます。


さて、新谷、廣中、そして多くの有力ランナー(もちろん男子も)が勝負に出る冬のトラック決戦、『第104回日本選手権』の長距離種目が、12月4日(金)、大阪のヤンマースタジアム長居で開催されます。
オリンピック参加標準記録の有効期間に入ること、例年この時期に行われる『実業団女子長距離記録会』で、駅伝の直後にも関わらず好記録が出ていることなどを踏まえて、この日程が組まれました。通常日本選手権は6月開催で、長距離種目にとっては必ずしも好条件には恵まれませんが、今年は“異例”がいい結果を生み出すことに期待します。
各種目のエントリーは、次のとおり。
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1535-4.pdf

注目は、言うまでもなく既に13分10秒、31分25秒の標準を突破している5000mの廣中と田中希実、10000mの新谷。
この3名は優勝した時点で代表内定。他の選手が代表内定するためには、標準記録の突破を伴う優勝が条件となります。

5000mは、廣中が高速ペースを作り、田中・萩谷楓(エディオン)・出てくれば一山麻緒(たぶん10000mの方に出るのでは?)までが追走する展開になるでしょう。過去に優勝経験のある西原加純以下のメンバーでは現状力の差があり過ぎて、追走は難しそう。オープン参加の外国人も、カマウ・タビタジェリとナオミ・ムッソーニでは少々役者不足か。
中盤から終盤にかけては廣中と田中の一騎討ちが予想されます。ラスト勝負にまで持ち込めば田中のスピードに一日の長があるとはいえ、都大路の1区では常に廣中の圧勝に終わっている過去の対戦からすると、廣中が4000mまでに突き放す可能性の方が高いような気がします。昨日の激走が疲労を残すか逆に適度な刺激となるか、そこが明暗の分かれ道になりそうです。

10000mは、「同じ過ちは二度としない」と前回のレースで肝に銘じた新谷のぶっちぎりの独走劇、咋日の3区の再現が期待されます。10㎞を30分30秒で通過した昨日の走りをすれば、誰もついては行けません。
ただ、鍋島以下の選手たちは標準記録突破も大きな目標となるため、ある程度は速いペースに持っていきたいのは同じ。標準記録に届かない限り、優勝しようが2位になろうが代表を目指す選手にとっては何の意味もない結果となる以上、捨て身の追走を試みる選手が出てくる可能性はあります。鍋島はじめ佐藤早也伽、松田瑞生あたりはその候補者。マラソン強化の一環で出てくる一山も、ハイペースは望むところでしょう。
とはいえ、標準記録を狙うペースと日本記録を狙うペースでは、1周あたり2秒近くも違います。新谷が1周73秒の容赦ないペースで、他を寄せ付けないものと信じています。

男子では大迫傑が2種目にエントリーしており、昨年ホクレンで敢行したように1日に2種目出るつもりなのかどうか、ちょっと気になります。(インターバルは1時間半ほど)

なお、現時点でこの大会のTV中継予定はBS・CSを含めて発表されておらず、陸連による(例によって拙い)ライブ配信だけが頼りになりそうな気配です。TV局にとってもこんな美味しいコンテンツなのに、何ともったいない!

なるか、新谷仁美のV3 !?…全日本実業団女子駅伝


さあ、さあ、今年もやって参りました。
やって来ないかもしれないと薄々怯えつつも、ぎりぎりセーフ!…もし以前のような12月第2週開催であれば、ここ数日の状況からすると急遽中止のやむなきもあり得たかな、と思わされます。
陸上競技年間行事の中でも本ブログ最大の注目イベント、それが『全日本実業団対抗女子駅伝』であることは、ご贔屓くださっている皆様にはご承知のとおりです。
ブログオーナー(すなわち私)の好みがスポーツ>陸上競技>女子長距離>…の順に特化されているところからすると、『全日本大学女子駅伝』『全日本実業団女子駅伝』『都道府県対抗全国女子駅伝』(残念ながら今季は中止)こそは、天下の三大駅伝!
さらに>…の先を言うならば、そこには「新谷仁美」の文字が燦然と輝きます。

「帰ってきた新谷仁美」が、引退前に比べて凄まじいばかりのカリスマ性に彩られて、マラソン代表トリオをも上回る眩いオーラに包まれているかに見えるこの1~2年。その姿は、スポーツ・マスコミはもとより、Twitterを通じて、本人、さらには横田真人氏という、コーチとしても情報発信者としても類まれな人物の手によって日々伝えられ、私たちファンの心をときめかせてくれています。
1か月前の予選会、大事なレースを前に「走りたくないよぉ~…」とゴネる彼女の動画に胸を鷲掴みにされたファンが、いったい何人いたことでしょうか。(笑)

そんな新谷が、今年新たに加入した積水化学で、空前の大記録に挑みます。
“華の3区”でのぶっちぎり区間新記録?…まあ、それもありますけど、もっとレアな記録への期待、
それは、「異なる3チームでの全日本実業団女子駅伝優勝」という快挙です。
過去に、「2チームでの優勝」を果たしているランナーはたったの2人。
坂下奈穂美(ワコール/三井海上~三井住友海上)と新谷(豊田自動織機/ユニバーサルエンターテインメント)の2人だけです。
そもそも1つのチームで競走人生を全うすることが「普通」とされる長距離業界にあって、2つのチームで優勝に貢献するという経験は、本人の実力・努力だけで成しえるものではありません。過去には鈴木博美や野口みずき、千葉真子、那須川瑞穂といった実力者が2つ以上のチームを渡り歩きながら、この中ではリクルート時代の鈴木が2度優勝しているだけ。実際には別々のユニフォームを着て本大会を走った経験すらしていない選手がほとんどで、今年の大会で言えば、新谷の他にもう一人、他チームで優勝経験のある高島由香(デンソー/資生堂)が補欠に回ってしまったので、新たな「V2達成者」が出る可能性はなくなっています。
3チーム目となれば、これは文字通りの「優勝請負人」。プロ野球界でも、落合博満さんと工藤公康さんくらいしか思い浮かびませんよ。(ただし落合さんロッテ時代は「前期優勝」のみ)
駅伝の場合、男子でも聞いたことがない。実業団女子駅伝でとなると或いは永遠不滅の記録となるかもしれません。(高校、大学、都道府県対抗などを含めるとどんな記録があるのか、いつか暇があったらちょっと調べてみましょう)

さあ、その新谷仁美が加入した積水化学、果たして優勝のメはあるのか?…
何が起こるか分からない駅伝の予想ほどバカげたものはない、とは毎回思う処ですが、これも性分ということで展望してみたいと思います。
下馬評では「日本郵政と積水の一騎討ち」てな声が強いみたいですが、冷静に考えてみると、「JP絶対優位」は動かしがたいように思えてきます。
何といってもマラソン代表の鈴木亜由子を軸に、女子駅伝史上最強ランナーかもしれない廣中璃梨佳に日本選手権トラック3連覇中の鍋島莉奈がいて、あとの3人も去年の優勝メンバー。関根花観を欠いてこの陣容ですから、机上の観測ではちょっと強過ぎです。

対する積水はというと、「前半の3本柱で逃げ切り戦法」とよく言われるように、後半のオーダーがいかにも心許ない。3本柱にしたところで、佐藤早也伽がトップランナーに成長したといっても、相手が廣中ではいかに傷口を少なくするかという戦いを余儀なくされるし、卜部蘭にとって2区の距離短縮は好材料とはいえ、本職が1500mの彼女にぶっちぎりを期待するのは酷。またいくら新谷が規格外のスーパーヒロインでも、10㎞少々で鍋島より1分以上も速く突っ走るとはなかなか考えにくいですよね。
となると、後半を託される3人の奮起と粘りがカギ。積水は後半3区間を予選会とはガラリと組み替えて安定性よりも若い力の一発にイチかバチか賭けているようにも見えます。もう1枚か2枚、松﨑璃子が残っていれば、森智香子にかつての力が戻ってくれば…と思わずにはいられません。
ズバリ、新谷V3の可能性は20%、といったところでしょう。


他の有力チームに目を転じてみると、昨年2位のダイハツは今回もベストメンバーには程遠く、大エース松田瑞生を1区に持ってくる奇襲作戦。廣中の存在を考えればもったいないなという気もしますが、これで機先を制すことができたら2区以降も面白い存在になります。ただ松田個人に関して言えば、視線は完全に2週間後を向いているように思われ、そこを見据えての山中采配ではないでしょうか。

2017-18と連覇したパナソニックは、主力がいずれも故障に苦しむシーズンとなって、今回の目標はシード権が精一杯とのこと。若いチームだけに次回以降に期待しましょう。

オリンピック金メダルを期待される前田穂南を擁する天満屋は、実質的には日本郵政への対抗馬筆頭でしょう。前田・小原・谷本の3本柱は他の強豪チームに決して引けを取らないし、前回5区区間賞の三宅紗蘭も今季5000mで13分30秒を切りました(その後軽い故障をしたようですが)。実績のない大東優奈を5区に持ってきたオーダーも不気味です。

もう一人のマラソン代表・一山麻緒のいるワコールは、「3本柱」は盤石ながら優勝を目指すにはまだコマ不足。

コマ数で言えば、まずまず揃えてきたのは資生堂と大塚製薬です。
資生堂は大黒柱の高島が外れましたが、1区・佐藤成葉、2区・日隈彩美、3区・五島莉乃と並べたルーキーが予選会での奮闘を再現すれば、メリッサ・ダンカン、田中華絵、木村友香という実力者にも火が着きそう。天満屋とのピンク旋風が巻き起こるかもしれません。

大塚は福良郁美、藪田裕衣、棚池穂乃香らが力を付け、大ベテラン伊藤舞が復活。本来ならエースとなる横江里沙を短距離区間に使わざるを得ないのが残念ですが、総合力は着実にシード・クラスに来ています。

さらに、シードの三井住友海上、デンソー、豊田自動織機、予選会上位のヤマダ、九電工、エディオンあたりまでが今年のベスト8を争う候補でしょうか。この中では、やはりコマ数豊富な豊田織機。ここ数年、注目し続けてきているだけに、なんとかここいらでという気分です。

ということで、私の結論。
◎ JP日本郵政グループ
〇 天満屋
▲ 積水化学
△ 資生堂
△ 豊田自動織機

区間賞予想。
1区 ◎廣中璃梨佳 〇萩谷楓
2区 ◎福田有以 〇卜部蘭
3区 ◎新谷仁美
4区 ◎ヘレン・エカラレ 〇パウリン・カムル
5区 ◎鈴木亜由子 〇石井寿美
6区 ◎小原怜 〇大西ひかり

終ってから読んだ方、どうぞお笑いください。

今夜、DL第2戦チューリッヒ大会



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2020年の『WANDAダイヤモンドリーグ』第2戦チューリッヒ大会「インスピレーション・ゲームズ」が、日本時間の10日午前3時から行われます。
大会HPがドイツ語版だったりするのでなかなか正確に読解できないのですが、どうも今大会は世界の7会場を結んでのリモート・コンペティションとして行われるもののようです。男女4種目ずつがすべて「チーム・ワールド」「チーム北米」「チーム欧州」の3チームによる対抗戦形式で競われます。まずは、エントリー・リストをご覧ください。

2020DLZurich00

※女子300mHのD.ムハンマドは最新のリストでG.モリーンに変更

右端の欄が、その選手が競技する会場です。各チームの“代表”はいずれも錚々たる世界のスーパースターで、そうした選手たちの元気な近況が垣間見れるだけでも意義深い大会となりそうです。
特殊種目が多い中、男女の棒高跳と男子200m・三段跳は、トップ選手たちによるガチ対決?…長いブランク明けではあっても、トッププロたちの競技力がナマっていないことは前回のオスロ大会でも実証済みですから、記録的にも楽しみなものがあります。アリソン・フェリックスとショーナ・ミラー=ウィボの久々の対決や、エカテリナ・ステファニディとサンディ・モリス、クリスチャン・テイラーとペドロ・パブロ・ピチャルドの勝負など、ワクワクしますね。

リモート・コンペティションがどんな雰囲気のものになるのか、できればLIVE配信をチェックしたいところなんですが、時間が時間なだけに、視聴できますかどうか…。昨年までのG+の中継があれば、留守録でチェックできるんですけどね。

ドーハ世界選手権のミカタ ①(序盤の見どころ)


いよいよ2年に1度のお祭り、『第17回IAAF世界陸上競技選手権』が開幕します。
前回ロンドン大会の展望記事を読み返してみますと、「全体的に混戦模様」としながらも6人の“絶対王者”、ほか数名の有力候補の名前を挙げていたことが思い出されました。
今年はどうでしょう?
混戦ぶりは、2年前の比ではありません。どの種目も、優勝者を予測することが極めて困難で、誰に本命印を打ってよいものやらサッパリ…。
私がある程度自信をもって◎印を付けられるのは、男子では200mのノア・ライルズ(USA)くらいのものでしょう。
女子では、走高跳のマリア・ラシツケネ(ANA)だけでしょうか。それも、前回ほどの圧倒的存在、単勝100円元返し、というほどではありません。
女子ではもう1人、200mのショーナ・ミラー-ウィボ(BAH)が大本命と思っていましたが、意外なことにミラーは本来の専門種目である400mに専念、200にはエントリーしませんでした。“本業”の方ではサルワ・イード・ナセル(BRN)の成長が目覚ましく、アミナトウ・セイニ(NIG)という新星も現れて、ミラーと言えども安泰ではないのですが…。
その他の種目に関しては、「2強」「3強」といった図式も一部あるものの、多くが混沌としています。それも、決して記録的に低調というわけではない混戦種目も多く、つまり今回の世界選手権は、まことにスリリングな好勝負が満載、という楽しみな大会となりそうなのです。
今回の記事では、大会序盤の注目種目を中心に、見どころをご紹介していきたいと思います。

◇男女100mは復活のベテランが「台風の目」
ボルトがいなくなってから初めての世界大会となる今回、男子100mでお騒がせの中心となったクリスチャン・コールマン(USA)が無事出場できることになり、本調子であれば頭一つ抜けた存在となることは間違いありません。
最大の強敵と目されたノア・ライルズ(USA)が200m1本に絞り、“分業体制”が確立したところで、ヨハン・ブレイク(JAM)、アンドレ・ドグラス(CAN)、ディヴァイン・オドゥドゥル(NGR)といったポスト・ボルト候補生たちも意外に上がって来ない。むしろ、スー・ビンチャン、シェ・チェンイエの中国勢や我がサニブラウン・ハキーム以下の日本勢に追い立てられる趨勢では、コールマン大本命は揺るぎそうもありません。
ただ不気味なのが、もはや“老境”に差し掛かったかと見えていたジャスティン・ガトリン(USA)のローザンヌおよびモナコでの復活劇。その後故障を発症したとの情報もありますが、軽度であれば前回大会同様、あっと言わせる逆転劇があるかもしれません。
コールマン自身が騒動の影響で調整を狂わせているという事態も十分考えられるだけに、果たしてネクスト・ボルトの座は誰が射止めるのか、予断を許さない状況ですね。
なお、アメリカはライルズが200mに専念するとともに、そのライルズに昨年来
200mで唯一土を付けたマイケル・ノーマンは400mに集中。着実に短距離完全制覇を目論んでいます。

女子の方はというと、リオ以降「2強」を形成するかと思われたエレイン・トンプソン(JAM)とダフネ・スキッパーズ(NED)が揃ってスランプに陥り、ここしばらくは女王不在の様相が続いたところへ、ようやく一歩抜け出したかに見えていたのがディーナ・アッシャー-スミス(GBR)の台頭。
ところがそのアッシャー-スミスも、今季産休からの復活を遂げたシェリー-アン・フレイザー-プライス
(JAM)の前には手もなくヒネられ、改めてこの偉大な女王の実力を思い知らされました。
現状、本命を打つとするならこのフレイザー。対抗は今季WLの10秒73を記録するなどようやく復調途上に乗って来たトンプソン。新旧ジャマイカ女王対決です。昨年この種目をリードしたマリージョゼ・タルー(CIV)や、前回覇者のトリ・ボウイ(USA)らが今季の勢いでは少々足りないか、というところでしょう。
2019-07-22 01.34.35



◇名勝負を期待、男子400mH

昨シーズン、圧倒的な強さでDLポイント・レースを全勝し、しかもアジア大会出場のためにファイナルを放棄したアブデルラーマン・サンバ(QAT)が、今季はどういうわけか控え目です。
代わって、そのサンバに世界王者のプライドをズタズタにされたカルステン・ワルホルム(NOR)が絶好調。その走りは「打倒サンバ」の一念に燃える激しいトレーニングの成果を感じさせる素晴らしいもので、DLファイナルではとうとう、記録の上ではサンバを追い越してみせました。
その時のワルホルムに食らいつき、同時に2人が46秒台を記録する史上初めてのレースを繰り広げたライ・ベンジャミン(USA)も、レース数は少ないながらも実力はホンモノ。
2人が追い求める存在のサンバは、今季はせっせと400のフラットレースに精を出し、決してどこか体調が悪いとかではないようなのですが、この種目に関しては様子見を続けています。何と言っても地元開催のこの大会では別格の英雄でしょうから、万全を期してのプランであることは確かでしょう。
サンバかワルホルムか、ベンジャミンか…今大会、最高のビッグ・レースに、日本勢が出場する予選からテンション全開で注目しましょう。

◇出るか夢の9メートル?
突然、「跳躍ニッポン」の話題が花盛りとなった今シーズン。世界ランキング1位に君臨する戸邉直人やDLファイナルを戦った山本聖途などに負けじと名乗りを上げた「走幅跳・花の日本新トリオ」城山正太郎、橋岡優輝、津波響樹。(津波は2センチ足りませんが、オマケで…本番で破ってください)
俄かにメダルも射程内に入ってきたと賑やかな話題の男子走幅跳ですが、本当の注目はこの人、ファン・ミゲル・エチェヴァリア(CUB)でしょう。
2年前から絶対王者の座を築くかに見えたルボ・マニョンガ(RSA)からあっさりと主役の座を奪い取った、異次元のスカイハイ・ロングジャンパー。技術も助走も粗削りで、絶対的な本命に推すことは躊躇われます。それだけにドンピシャに嵌った時の空中遊泳は、他の追随を許さないものがあります。
かつてメキシコシティでボブ・ビーモン(USA)が見せた衝撃を、またルイスとパウエルが9mラインで繰り広げた東京の死闘を、長い時を経てまた見てみたいものです。

◇日本男子3人目の金メダリスト誕生なるか?
過去16回の世界選手権で、金メダルに輝いた日本人選手はマラソンの谷口浩美(91年東京)とハンマー投の室伏広治(11年テグ)の2人だけ。「3人目」の期待が集まるのが、男子50㎞と20㎞の強力な競歩チームです。
大会2日目の深夜(日本時間5時30分)に男女同時スタートする50㎞は、今や日本にメダルをもたらすドル箱種目。今回最大のホープは、20㎞の世界記録保持者にして長い故障から復帰を遂げた鈴木雄介です。これまでのメダリストたちを抑えてともに代表の座を勝ちとった勝木隼人、野田明宏にも期待がかかります。
なにしろ50㎞。調子に乗れば圧倒的に速いヨハン・ディニ(FRA)や勝負に強いマティ・トス(SBK)、誰が誰やらよう分からん中国勢(向こうも日本勢をそう思ってるでしょうが)など、ひしめき合う強敵の中で、誰がトップ・コンディションでレースに臨むのか、誰が勝つレースに一番ハマるのかで、勝負の帰趨はまったく変わってくるでしょう。その中で、「どの選手が暑さに強いかは分からないから、あくまでも自分のペースで行くのみ」と不動の姿勢を吐露する鈴木の事前コメントが何とも頼もしく感じます。
今回はMGCの影響もあり、女子マラソンは何となく盛り上がりませんが、早朝の興奮は、ぜひとも競歩で味わいたいものだと思っています。

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