『全日本実業団女子駅伝』に浮かれてたここ数日、同じ週末の26日(土)には、長距離ファンにはおなじみの『八王子ロングディスタンス』が、法政大学グラウンドで行われました。
私の場合、女子に比べてやや興味減なところがあるのは隠しようもありませんが、昨年は村山紘太と鎧坂哲哉(ともに旭化成)が日本記録を破る快走をした大会として、特に実業団選手の動向をチェックする上では非常に重要なレースです。と同時に、トラックの半分まで観客が入っての熱気ムンムンの応援風景や、チームの垣根を超えて記録作りをサポートする競技運営が、とても良い雰囲気を作り出している大会でもあります。
私は一度、ラジオ番組の取材でこのグラウンドを訪れたことがあるんですけど、いや遠いです、東京なのに。それでも結構な数の観客が詰めかけていまして(ちなみに有料です)、関心の高さを伺わせます。

最終第7組は、ロンドン世界選手権の標準記録27分45秒を突破するための設定ペース。ケニアのオリンピック代表であるビダン・カロキ(DeNA)がペースメーカーを務めるという、まことにもって贅沢なお膳立てです。
『ニューイヤー』の2区を走るであろう各チームの外国人ランナーがズラリと並び、誰が誰やらほとんど分かりません(苦笑)。その中に村山紘、市田孝、大六野秀畝といった旭化成勢。大石港与(トヨタ自動車)、中村匠吾(富士通)、設楽兄弟(悠太=Honda 啓太=コニカミノルタ)などの顔も見えます。
今年の幹事社はコニカミノルタ。ということは、1周ごとにマイクを通じてゲキを飛ばしているのは磯松監督あたりなんでしょうか?(去年は富士通の福島監督でした)
2日前の雪が残るグラウンドは、気温7度、湿度80%強、ほぼ無風の絶好のコンディションです。
こんな設定と環境で記録に挑めるなんて、ここに出られた選手たちは本当に恵まれてますよね。

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順調に66秒から67秒の設定ペースで引っ張っていたカロキが、3000mを過ぎたあたりで謎の(?)失速。しばらくして先頭に戻りましたが、どうしたんでしょうかね?
後半は、失速というよりも、設定ペース以上にスピードが上がった外国人ランナーをやり過ごして、日本人選手をサポートするように後方に下がって声を掛けるあたりは至れり尽くせりのサービスぶりを見せていますから、この前半でのもたつきはちょっと解せません。まあ、いかにケニア代表と言っても、このレベルのペースメイクをするのは容易なことではないとは察しますが。
この日は設楽兄弟の調子が上がらず、終盤までカロキに食らいついたのは大石。前回日本新の村山紘はこの一群の集団から千切れ気味で表情も険しく、一時は大石から20メートルほども遅れる展開。それでもラスト1周を57秒にまでビルドアップして大石を抜き去り、ただ一人標準記録を突破してみせたのは、さすがです。

第7組の結果は次のとおり。
 ①27'33"94 ロナルド・ケモイ (小森コーポレーション)
 ②27'38"24 ジェームス・ムワンギ (NTN)
 ③27'38"69 クリス・デリック (USAバウマントラック)
 ④27'39"25 アレクサンダー・ムティソ (MDソフト)
 ⑤27'41"28 パトリック・ムエンド・ムワカ (愛三工業)
 ⑥27'42"75 テレッサ・ニャコラ (マツダ)
 ⑦27'43"55 カッサ・マカショウ (八千代工業)
 ⑧27'44"39 村山紘太 (旭化成)
 ⑨27'45"27 サムエル・ムワンギ (コニカミノルタ)
 ⑩27'48"56 大石港与 (トヨタ自動車)
 ⑪27'51"67 ベナード・キマニ (ヤクルト)
 ⑫27'52"69 マミヨ・ヌグセ (安川電機)
 ⑬27'53"49 ロジャース・シュモ・ケモイ (愛三工業)
 ⑭27'53"50 サイモン・カリウキ (日本薬科大)
 ⑮27'54"75 大六野秀畝 (旭化成)
 ⑯27'58"32 ダニエル・キプケモイ (西鉄)
 ⑰28'09"35 アンドリュー・バンバロウ (USAバウマントラック)
 ⑱28'14"10 ゲノ・アルフレッド (日清食品グループ)
 ⑲28'14"40 市田 孝 (旭化成)
 ⑳28'16"95 浅岡満憲 (日立物流)
 ㉑28'17"30 サイラス・キンゴリ (SGホールディングス)
 ㉒28'26"61 設楽悠太 (Honda)
 ㉓29'11"59 設楽啓太 (コニカミノルタ)
 DNF 中村匠吾 (富士通)
 DNF(PM) ビダン・カロキ (DeNA)
 DNS 村山謙太 (旭化成)
 DNS パトリック・ワンブイ (日大)

ついでに、1つ前・第6組の結果。このほか前半の組には大学の有力ランナーなども数多く出場しています。元データのページ(東京陸協)があまりにもヒドイ作りで見にくいので、できれば全組リライトして掲載したいところですが、まあこのへんで勘弁してください。
 ①27'49"57 デヴィッド・ジュグナ (ヤクルト)
 ②27'49"89 ダニエル・ムイバ・キトニー (カネボウ)
 ③28'10"54 ベケレ・シフェラウ (マツダ)
 ④28'10"62 猪浦 舜 (八千代工業)
 ⑤28'16"49 潰滝大記 (富士通)
 ⑥28'22"17 戸田雅稀 (日清食品グループ)
 ⑦28'25"48 早川 翼 (トヨタ自動車)
 ⑧28'27"54 矢野圭吾 (日清食品グループ)
 ⑨28'58"54 堂本尚寛 (JR東日本)
 ⑩29'09"68 中川智春 (トーエネック)
 ⑪29'12"83 松本 稜(トヨタ自動車)
 ⑫29'18"53 工藤有生(駒澤大)
 ⑬29'32"28 服部弾馬(東洋大)
 DNF(PM) ウィリアム・マレル(Honda)
 DNS 竹澤健介 (住友電工)
 DNS 山中秀仁 (Honda)
 DNS 菊地賢人 (コニカミノルタ)
 DNS ジョセフ・ジェンガ (富士通)
 DNS 相葉直紀 (中電工)

幹事社のコニカミノルタ勢がやや精彩ないのが気になりますが、スーパールーキーと言われる神野大地は、日曜日に行われた『甲佐10マイル』で「元祖」の今井正人を破って優勝しています。
元旦の『全日本実業団対抗駅伝』に出場する選手の多くは、この八王子または甲佐が本番前のひと叩き。鬼が笑う来年の話にも、そろそろ目を向けていくことにしましょう。