世界は慌ただしい。休む暇もなく、明後日1日深夜(2日未明)には、ダイヤモンドリーグ第14戦・チューリッヒ大会が行われます。ダイヤモンドレース32種目のうち、半数の16種目で年間チャンピオンが決まる最終戦が行われます。

プログラム(時間は日本時間)と主なエントリー選手は次のとおり。選手の順番はDLポイント順で、太字の選手は年間王者が確定済です。(最終戦は1位20点、2位12点、3位8点、以下6点・4点・2点。年間王者となるには最終戦出場が条件となります)

 1:45 男子棒高跳 R.ラヴィレニ、ケンドリクス、バーバー、ティアゴ・ブラズ・ダ-シルバ
 2:05 女子走幅跳 I.スパノヴィッチ、ウゲン、リース、バートレッタ、モケナラ、クリシナ
 2:35 女子円盤投 S.ペルコヴィッチ、カバジェロ、ミュラー、ロベールミション
 2:45 女子走高跳 R.ベイティア、スペンサー、トロスト、リキンコ、デミレワ、ユンクフライシュ
― ここから生中継開始 ―
 3:05 女子400mH ※ポイント対象外 ペテルセン、ドイル、リトル
 3:05 男子砲丸投 T.ウォルシュ、コヴァックス、クラウザー、マイエフスキー、シュトール
 3:13 男子5000m M.エドリス、ケジェルチャ、ゲブリウェト、ロンゴシワ、タヌイ、ラガト
 3:34 女子200m D.スキッパーズ、フェイシー、アシャー-スミス、トンプソン、フェリックス
 3:41 女子1500m F.キピエゴン、ミュアー、バータ、ハッサン、セヤウム、シンプソン
 3:50 男子三段跳 C.テイラー、コペイヨ、カーター、ベナード、エヴォラ
 3:53 男子400m L.メリット、マクワラ、タプリン、ガーディナー
 4:00 男子やり投 T.レーラー、ヴァドレイヒ、ウォルコット、ヴェーバー、ピトカマキ
 4:02 女子800m C.セメンヤ、ニヨンサバ、サム、シャープ、ビショップ
 4:12 女子100mH K.ハリソン、ハーパー-ネルソン、ストワーズ、オフィリ、ロールダー
 4:20 男子100m B.Y.メイテ、パウエル、ロジャーズ、マルティナ、コリンズ、マクレオド
 4:28 男子400mH K.クレメント、クルソン、ベット、トゥムティ、マギ、野澤啓佑
 4:36 女子3000mSC R.ジェベト、キエン、アセファ、チェプコエチ、コバーン

放送開始前から始まるフィールド各種目では、すでに年間優勝が確定している種目が並びますが、いずれもトップランカー勢ぞろいという感じで目移りがします。特に注目は、男子棒高跳に、オリンピック・チャンピオンのティアゴ・ブラズ・ダ-シルバが最終戦にして初参戦すること。王者ラヴィレニにとっては千載一遇のリヴェンジのチャンスが、向こうからやって来てくれました。
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トラック種目では、女子200m、100mHを除いて年間優勝争いは大混戦。
最初の男子5000mは、モー・ファラーが1試合にしか出場しなかったことでエチオピアの若手勢にチャンスが生まれました。エドリスとゲブリウェトが22歳、ケジェルチャが19歳…顔を見ただけじゃ分かんないもんです。

女子200mは、すでに年間優勝を決めているスキッパーズとトンプソンの女王対決が実現しそうです。ローザンヌとパリでの走りを見た限りでは、トンプソンが引き続き波に乗っている感じがします。さらにはアリソン・フェリックスやヴェロニカ・キャンベル-ブラウンなどの参戦も、白熱のレースに華を添えてくれます。

女子1500mはフェイス・キピエゴンの独走気配でしたが、パリで鮮やかな逃走劇を決めたローラ・ミュアーが「待った!」をかけました。今度はキピエゴンも楽には逃がさないでしょうし、展開ひとつでどう転ぶか分かりません。

男子三段跳は、意外にもまだクリスチャン・テイラーの優勝が確定していませんが、4位以内なら自力確定ということで問題ないでしょう。今年のテイラーは同僚のウィル・クレイにはたびたび冷や汗をかかされたものの、18mを跳ばないと勝てないというほどのライヴァルには恵まれませんでした。

男子400mはウェイド・ヴァンニーケルクとキラニ・ジェームズが回避したためラショーン・メリットの独擅場になりそうです。


男子やり投は、イハブ・アブデルラーマン(ドーピング)とジュリアス・イェゴ(オリンピックで負傷)が脱落してしまいましたが、今季最も好況を呈した種目の一つでした。タレントが多彩で、一発の面白さもあり、またそこに日本の新井涼平が加わるといっそう興味深い試合が繰り広げられたものです。今回、その新井の参戦がないのは残念ですが、テロ・ピトカマキが久々に登場します。


女子800mは、キャスター・セメンヤの独り舞台でしょうね。今季は出場したすべてのレースで、まったく負ける姿を想像させない強さを見せ続けました。2番手にニヨンサバ、というのも定着してきたパターンです。

女子のMVP候補筆頭のケンドラ・ハリソンが、最終戦をどんな記録で締めくくるか?圧倒的な選手層を見せつけたアメリカ・チームから、オリンピックのメダル・トリオの参加がないのは少しガッカリです。その分ハリソンのぶっちぎりぶりを楽しみたいと思います。

男子100mはボルトはじめ、年間チャンピオンが有望だったガトリン、あるいはデグラスといったメダリストの名前がなく、ファイナリストもシンビネとメイテの2人のみ。元世界記録保持者のパウエルには失礼ながら、DL最終戦にしてはB級メンバーといった中で、面白いのは110mHのチャンピオン、マクレオドの参戦。9秒台の実力がどんなものか、楽しみはここですね。

そして男子400mH、野澤啓佑の勇気あるチャレンジに大喝采!…これです、これが日本の選手にどんどんやって欲しいことなんですよ。オリンピック前までは世界ランキング上位だった野澤も、気が付けばこのメンバーではシーズン7位、PBでは最下位。ですが、こうした経験を積み上げることで、世界と戦える実力を培ってほしいと思います。(ほとんどの選手が契約メーカーのユニフォームを着て出てくるDLには、所属のミズノとしても「もっとアピールせにゃならん!」と思ってるんでしょうね。何せ半分以上がブラック・ストライプのウェアに黄色/ピンクのシューズ履いて出てきますから)

最終戦・前半の締めくくりは、女子3000mSC。よもや中5日で世界記録更新を狙ってくるとは思えませんが、ルース・ジェベト、ハイヴィン・キエン、エマ・コバーンらの走りを堪能しましょう。

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