【ミズノ】WAVE EKIDEN 11  ウェーブエキデン/ランニングシューズ/駅伝/ランニングシューズ ミズノ/MIZUNO (U1GD1620) 10 フラッシュオレンジ×ブラック×フラッシュイエロー
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陸上競技開始の1週間前から書き始めた「直前展望」が、Day5で止まったまんまになってしまって、スイマセン。
前にも書きましたように、私はオリンピック全部が大好物なもんですから、序盤はとうぜん競泳・柔道・体操などに熱中し、今もバドミントンに卓球に、自転車にレスリングにと大忙しです。テレビでやらない馬術とかボートとかも見てました。もうじきトライアスロンもあります。(グエン・ジョーゲンセンのランに、ぜひ注目してください!)
意外に時間のかかるこの記事、もういっぱいいっぱいで書いてますんでね、何とぞご理解を。
そういうわけで、Day6以降の「展望」については、日々の「観戦記」の中で要所要所に触れていきたいと思います。


◇女子5000m予選(2組5着+5)
RIO023

いやあ、上原美幸、見事な世界デビューでしたね!
スタート(一度仕切り直しがありましたが、上原がフライングしたわけではなくて、明らかにラインを踏んでいたエチオピアの選手を見咎めてのものと思われます)してすぐ飛び出し、200m34秒のダッシュを決めた上原が、大逃げを打つ展開。一時は集団との差が70mにも開き、「よし行け、プリティキャスト!(…分かる人にしか分からない)」と当方大興奮。
集団の中で翻弄されるよりは行けるところまで先頭を走る、同じ負けるなら目立って負けろ、というのが新谷仁美が日本女子長距離界に授けた遺産なのでしょうか、最近はこうした積極レースが目立ちます。にしても、ここまでの大逃げは初めて見ます。ただ、ラップタイムは75-76秒と遅く、いい記録を目指すとすれば5000なら72-73秒、10000なら73-74秒(まあ新谷でも74秒がやっとでしたが)が望まれるところです。
1000mを過ぎたあたりでいったんイギリス、アメリカの選手が追走を開始しようとしたら、すかさずジャン(TUR)やケニアの2人が「まだ早いわよ!」とばかりに叩いて出て、集団のペースを落としたのは面白い展開。おかげで、上原の逃げは3500mまで持ちこたえ、かなりの長時間楽しませてもらえました。

しかしながら、彼女の真骨頂はここから!こういう展開では、集団に吸収されるとそのままズルズル…というお決まりのパターンを思い描いていたら、意外にも粘るわ粘るわ、力の残っている限りは前を追い越さずにいられないといった感じで再び先頭を奪い返すなど、必死の抵抗を試みます。
いかんせん最後はトップ集団のスピードに置いて行かれたとはいえ、大きく離れることもなく、競り合っていたエチオピアのエシャネを最後はねじ伏せるように先着するという根性を見せてくれました。
素晴らしい!結果的に今日一番のレースを見せてもらえましたね。

2組の尾西美咲、鈴木亜由子はともに昨年の世界選手権で予選を突破していただけに期待が寄せられましたが、いつもの展開に策なし、といったレースになって、敗退です。
鈴木は大会直前に10000mをキャンセルする脚部不安があって、その影響を否定するコメントをしていましたけれども、痛みなどはないとしても調整に狂いが出たことは間違いなく、本来の力を出せずにオリンピックを終えたのは残念でした。
日本の長距離は、多くの競争相手を倒して代表になるのが一番苦労するところなので、せっかくのチャンスは大切にしなければなりません。マラソンとともに、日本選手が今一つ万全のコンディションでリオに臨めていないことが、少々気になります。


◇男子三段跳決勝
ご存知クリスチャン・テイラー(USA)が1回目の17m86であっさりと優勝を決めました。2位ウィル・クレイ(USA)との差は僅か10センチで、意外な僅差に少々浮かない顔。1回目から手拍子を要求し、大きな声を上げて跳躍に臨んでいたのは「6回目のテイラー」にしてはやや珍しい光景で、ピチャルド(CUB)のいない今回、それだけぶっちぎりの楽な展開での金メダルを狙っていたのでしょう。
お得意の6回目、面目躍如とばかりに18メートルラインを超えた着地に見えましたが、赤旗だったのは残念。


◇女子円盤投決勝
「鉄板」と思っていたサンドラ・ペルコヴィッチ(CRO)が、予選で2回ファウルの後Qライン突破、決勝でも2回右のネットにぶち当てて絶体絶命のピンチに追い込まれました。3投目、「この一投」の集中力はさすがで、ややバランスを崩しながらも69m21の大投擲を繰り出し、結果的には2位以下に大差をつけはしたものの、その後の3回もすべてファウル。「絶対女王」の風格は影を潜めて終始おびえたような表情が目についたのは、オリンピックの魔物との戦いだったのでしょうか。
ゲーム前はノーマークだった一番投擲者メリナ・ロベール-ミションが66m73のナショナルレコードで銀メダル。この記録を超えられない3番手以下の記録が、かなり低調でした。



◇男子1500m予選(3組6着+6)
 15WC ①3'34"40A.キプロプ(KEN) ②3'34"63E.マナンゴイ(KEN) ③3'34"67A.イギデル(MAR)
 15DL ①17p/4 キプロプ ②10p/3 S.キプラガト(KEN) ③4p/1 マナンゴイ
 16DL ①31p/4 キプロプ ②28p/4 マナンゴイ ③10p/1 R.
ケモイ(KEN)
 16SB ①3'29"33 キプロプ ②3'30"49 ケモイ ③3'31"19マナンゴイ
この種目では、アズベル・キプロプという絶対王者がいて、スローペースの優勝争いだろうとペースメーカーつけての記録狙いだろうと、とにかく強い。強さの安定感でいけば、かつてのヒシャム・エルゲルージ(MAR)級ではないかという感じだったのですが、1か月前のモナコDLで惨敗してミソをつけたことから、予選の走りが注目されました。
1周目は後方で様子を伺い、700mでスルスルと前に出て、ラスト1周をぶっ飛ばす、いつものレースパターンでまずは楽勝。この相手では、調子を伺うところまでは行きませんでした。
同僚のマナンゴイ、ケモイ(小森コーポレーション)ではなかなかキプロプの牙城を崩すことはできなさそうですが、ロンドン王者のタオフィク・マクルフィー(ALG)に余裕を感じます。前回も優勝間違いなしと思われたキプロプが謎の失速をしたレースをものにしていますし、DL出場が少ないため直接対決もあまりなく、キプロプにとっては最も警戒する相手だと思われます。
今回男女とも中長距離各種目で健闘が目立つアメリカ勢からも、マシュー・セントロヴィッツのメダル獲りが注目されます。


◇女子100mH予選(6組3着+6)
 15WC ①12"57D.ウィリアムズ(JAM) ②12"59C.ロルダー(GER) ③12"66A.タライ(BLR)
 15
DL ①18p/4D.ハーパー-ネルソン(USA) ②14p/4S.ネルヴィス(USA) ③12p/4J.ストワーズ(USA)
 16DL ①40p/4K.ハリソン(USA) ②28p/4B.ローリンズ(USA) ③13p/4N.アリ(USA)
 16SB ①12"34 ローリンズ ②12"50 K.キャスト
リン(USA) ③12"55 アリ
何度も死んだ子の齢を数えるようですが、現役世界記録保持者でありDL4戦全勝のケニ・ハリソン(USA)のいないチャンピオンシップというのが、残念。ただ速いだけでなく抜群に安定したハードリングを見せていただけに、全米での敗退というのがいまだに信じられません。
代わって王国アメリカ代表になった3人が、出場選手ランキングの上位を独占。しかし、アメリカは昨年の世界選手権でも同じような状況で、しかもワイルドカードで4人出場という優位性を持っていたにも関わらず、一人も表彰台に立てないという結果に終わっています。(上記データの上から3段目までを見ると、すべて異なる名前がベスト3に入っていて、この種目の混沌ぶりを伺わせます。それを“統一”していたのが、今季のハリソンだったのです)

アメリカ3人は順調な立ち上がりを見せましたが、まぎれの多いこの種目で昨年と同じ轍を踏まないとは限りません。しかしWC女王のダニエレ・ウィリアムズは今回エントリーがなく、ジャマイカ勢は全般に低調。WC2位のシンディ・ロルダーやイギリスのポーター/オフィリ姉妹など、ヨーロッパ勢が虎視眈々と狙っている様子が伺える予選でした。

RIO025

◇男子200m予選(10組2着+4)
期待が大きかっただけに、あまりの体たらくに言葉がありません。あの日本選手権での盛り上がりぶりは、何だったのでしょうか?(長距離種目もそうですが…せめて100mくらいの結果を残してくれれば、こんな言い方はしないと思います)
原因は、絶対的な国際レースの経験不足。これに尽きるかと思います。日本選手は、「ボルトのように速く走る」ことを追及する前に、「ボルトのように試合で実力を発揮する」にはどうしたらいいか、それを真剣に研究するべきだと考えます。ダイヤモンドリーグのレースなどで揉まれ続けない限り、同じ光景が繰り返されるだけでしょう。

Evening Session(日本時間今朝)については、また追ってアップします。