◇その前に、『実業団』を振り返り…
『第62回全日本実業団対抗駅伝』は、大方の予想どおりに旭化成・Honda・トヨタ自動車のいわゆる「3強」による優勝争いとなり、充実したメンバーを揃えた旭化成が2年連続23回目の優勝を果たしました。

大物新人が大量加入した一昨年シーズン以来、戦力的には文句なしのナンバーワンと目されてきた旭化成が、今回は創部以来初の2区外国人選手の起用もプラス材料となり、その2区以降一度も首位を明け渡すことのない快勝ぶりとなりました。
逆に言えば、従来同様「純血主義」で臨んでいたとしたら、あるいは当のケニア人ランナー、アブラハム・キプヤティチが平凡な実力であったら2区での“急降下”は免れず、今回の連覇は危うかったかもしれません。近年の駅伝は各チームとも選手の力が拮抗しており、強力メンバーを揃えた旭化成といえども全員が100に近いパフォーマンスを示さなければ、また序盤の1区・2区で後手を踏まないようにしなければ、頂点に立つのは難しいということです。 これは、『箱根』にも通じることですね。

東日本では勝ててもなかなか本戦での栄冠に届かないHondaは、設楽悠太が期待どおりにゲームチェンジャーとしての仕事をやってのけましたが、勝負どころの6区に38歳の石川末廣を起用せざるを得なかった点に、「あと1枚」のコマ不足を印象付けました。

トヨタ自動車はメンバー構成としては万全と思われたにも関わらず、3区・田中、6区窪田の仕上がり具合が今一つだったのが響いたようです。

相変わらず予想よりは上位に来るのがトヨタ自動車九州。今井正人以外にビッグネームのいないチームが毎回この位置前後でゴールするのが、駅伝の不思議なところです。その今井、年齢的にもピークは過ぎていると思われるのに、闘将としての存在感は抜群。7区でコニカミノルタを入賞圏内に引き上げた神野大地にも言えることですが、これが「山の神」の真骨頂=ハートの強さではないかと思わされます。

日清食品グループの凋落ぶりは、村澤明伸をはじめとする中軸選手の区間成績が軒並みあの体たらくでは何とも言いようがありません。7区で区間3位と気を吐いた佐藤悠基には、ぜひとももう一花をと、期待してしまいます。

1区・遠藤日向の「殊勲賞」で波に乗り、目標を大きく上回る11位に来たのが渡辺康幸率いる住友電工。それにしても、インカレで外国人ランナーをも振り切った服部弾馬(トーエネック)のラストスパートに競り勝った遠藤の強さが見られたのは、今大会最大の収穫でした。

そして、私にとって新年最初の「大恥」は、日立物流の撃沈。日本人エース・浅岡満憲の故障欠場で前半の好位置を4区で失うことになり、田口・市川・設楽兄と並べた後半も音沙汰なしのままということになりました。

◇「予想」はしないけど、往路展望
そしていよいよ、『箱根』が間もなくスタートします。もう大手町では、観戦スペースの陣取り合戦が激しくなっている頃でしょう。
こちらの下馬評は、
「青学の4連覇なるか?阻むのは東海か神奈川か?…他にもいろいろいるぞ」
の「3強+6校」説。(6校は、東洋・早稲田・順天堂・中央学院・日体・駒澤)
その実態は、圧倒的な布陣で3連覇を飾った青学の戦力がやや低下し、各チームが拮抗した戦国模様です。

メンバー表だけ見れば、「黄金世代」が2年生となった東海大の層の厚さが群を抜いていますが、このチームは伝統的にスピード駅伝の出雲には強くても、箱根のタフさをクリアすることには疑問符が付きまといます。
もちろん、それぞれがハーフマラソンでも実績を残し、62~63分台をズラリと並べたオーダーは圧巻の趣があります。ですが、その走力が、前に指摘したような各区間の細かいタフさに通用するものなのかどうか、そこが問題なのです。独自のクロスカントリーコースを備え、また佐久長聖高での指導で実績のある両角監督に率いられるチームに、タフなコースへの対策は遺漏ないはずなのに、これまで何度も優勝候補に挙げられながら総合優勝の経験がないということが、どうしても引っ掛かります。
勝つとすれば11時間を切る圧勝、しかし…?というのが私の見立てです。

昨年大会で突如予想外のブレイクを果たした神奈川は、どうでしょう?昨年同様に1・2区の先手必勝作戦が決まれば、昨年以上に厚みを増した戦力でそのまま突っ走る可能性がありますが、どこか1区間でも想定が狂えばガラガラと崩壊する、そうしたギリギリの陣容だという気がします。
連覇を果たした1998年には、横浜高校が春秋の甲子園を連覇し、秋には横浜ベイスターズが日本一になった「横浜の年」。今回はといえば、横浜DeNAは野球で「準日本一」、ニューイヤー駅伝では激戦の入賞争いを制して6位、そして横浜F.マリノスも「準日本一」と、「今一歩」の成績が続いています。果たして『箱根』は…?

対抗格の2校にそれぞれ不安要素があるのに比べると、青学には選手層の厚さと田村・下田・小野田といった切り札の存在、加えてここ数年間で培った箱根を走る経験の強みがあります。往復総合で11時間前後の勝負になるとすれば、やはり「本命」はここではないでしょうか。
今や『箱根』の広報担当となった感のある原監督のコメントを総合すると、往路優勝はせずともよいと考えているような印象を受けます。3区の田村で傷を最小限に抑え、首位から1~2分差で折り返せば、6区・小野田で優勝戦線に復帰し、後半投入が予想される下田で一気に決着させる…やはり復路にコマを持っている強みが、こうした計算を可能にするわけです。


「打倒青学」の芽は、意外に「6校」の中から現れてくるかもしれません。比較的新興勢力と言える中央学院を除いては、いずれも『箱根』の戦い方・勝ち方を熟知する伝統校ばかりです。
中で、私が特別に「ヒイキ」するのは順天堂大。1区・栃木渡(当日エントリー変更で投入されると言われています)、2区・塩尻和也で目論むロケットスタートは、同じ作戦の神奈川の出鼻を挫く可能性を十分に感じさせ、それがハマったほうのチームが、一気に突っ走ることになるような気がします。5区に実績のある山田攻を擁しているのも強みで、ここまで青写真どおりに進めばあとは「復路の順大」の底力で押し切ることもあるのではないか、というのが私の初夢、というか初妄想。

まあとにかく、見ましょう!今年も箱根までのテレビでの旅を、存分に楽しみたいと思います。

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