『全国高校駅伝』は、ご承知のような結果となりました。(手抜き)
いやね、前にも書いたような気がしますけど、私、高校生スポーツにはイマイチ身が入らないタチでしてね、どこかチームを応援しようにも、毎年メンバーも戦力分布もガラリと変わることが多いもんで、その変化にどうも付いていけないところがあります。
(追記…詳しくは1年前の記事をご参照ください。同じようなことを、もっとシツコク書いてました)
したがって、『高校駅伝』は勝負を楽しむというよりも、個人の動向に注目ですね。何年か経った後に記録やビデオ映像を見返してみて、「ああ、あの年はこんな連中が走ってたのか」と振り返るクチ。
その点、今回の女子の1区はなかなか見ごたえがありました。
39

どうしても1区の区間賞が欲しかった田中希実(西脇工)の果敢な飛び出しと終盤での粘り。5000mランキングではダントツの小笠原朱里(山梨学院)が置いていかれるほどのラストのビルドアップ。そして駅伝1区の勝ち方を知っている、和田有菜(長野東)の斬れ味!
他にも、最後まで区間賞を諦めなかった御崎舞(筑紫女学園)、森林未来(諫早)、矢田みくに(ルーテル学院)、林英麻(健大高崎)などなど、上位20人くらいまで逸材には事欠きません。今は目立った存在でなくとも、こうした世代の中で揉まれるうちに遅ればせながら素質を開花させていく選手もいることでしょう。
何年か後(早ければ来年にも)の、実業団や大学の中心選手として活躍する彼女たちの姿を見るのが、とても楽しみです。個人的には、来年もう1回都大路を走るチャンスを残している、小笠原選手に大きく期待しています。



さて、高校駅伝が終ったということは、年内あと残すは『全日本大学選抜女子駅伝』のみ。
この大会、『富士山女子駅伝』として行われるのは今年で5回目ですが、過去4回はすべて立命館大が優勝しています。『全日本大学駅伝(杜の都駅伝)』で3位と惨敗した今年、女王の座を守ることはなかなかに難しそうですが、どうなるでしょう?
昨日行われた『第18回日本体育大学女子長距離競技会』に、その立命館の主力選手が一部出場し、佐藤成葉が15分48秒72で4組(最終組)9着、以下、関紅葉が16分02秒37で14位、加賀山恵奈が16分03秒17で15位、田中綾乃は16分24秒01で3組10位と、それぞれまずまずの調整を見せました。
4年生コンビの太田琴菜と和田優香里の仕上がり具合がどうかというところで、また昨年山登りの7区2位と健闘した松本彩花がエントリー落ちで、誰が富士の裾野を登るのか、というのも課題です。
今回も、名城大の充実ぶり、松山大の巻き返しなどが立命館にとっては厳しく行く手を阻みそうな気配を感じますね。

なお、日体大競技会の5000m4組には豊田自動織機の主力メンバーの多くが出場、福田有以が15分31秒83で渡邊菜々美(パナソニック)、岡本春美、野田沙織(以上三井住友海上)らを抑えて1着、リッツの先輩・藪下明音が5着に続きました。(菅野七虹は12着)
ちなみに、3組の1着は「お久しぶり!」の高松望ムセンビ(大阪陸協)で、タイムは15分53秒01でした。

実業団も大学も、いま女子で元気なのは高卒2年目の世代ですね。代表格は一山麻緒(ワコール)ですが、前述の岡本や高松姉もそう。学生では、リッツのエース佐藤のほか、棟久由貴(東農大)、関谷夏希、山口可純(以上大東大)、向井智香(名城大)、森紗也佳(関大)、高見沢里歩(松山大)等々、いいタレントが揃っています。
年末の女子駅伝、優勝争いは二の次で、これらの選手に注目してみようと思っています。
きょう見た高校駅伝の選手たちも、何年後かに「ああ、あの年は豊作だったねえ」と振り返る、そんな将来を願ってやみません。