チーム・オーダーが発表されました。
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これをもとに、各区間の有力選手と区間賞争い、それに伴ってレース展開などを占ってみようと思います。
◇1区(7.0㎞)…鈴木の独走か、若手の瞬発力か?
<区間賞候補>
◎ 鈴木 亜由子(日本郵政G.)
〇 木村 友香(ユニバーサル)
▲ 一山 麻緒(ワコール)
△ 森 智香子(積水化学)
△ 森田 香織(パナソニック)
ほか、竹中 理沙(資生堂)、菅野 七虹(豊田自動織機)、石橋 麻衣(ヤマダ電機)、
小泉 直子(デンソー)、嵯峨山 佳菜未(第一生命G.)、𠮷本ひかり(ダイハツ)、
新井 沙紀枝(肥後銀行)、中原 海鈴(TOTO)、谷本 観月(天満屋)、
松田 杏奈(京セラ) など
前回はある意味“無欲”の勝利となった日本郵政。今回は、現在女子長距離界のトップに君臨する鈴木が1区に入り、当然ながら連覇を強烈に意識した先手必勝の作戦となりました。
鈴木に対抗できる実力者の筆頭は、昨年5000mランキング1位の木村。10000mになるとまだまだ経験不足ですが、6㎞から7kmの距離が多い女子駅伝の1区を走るのは、高校時代から手慣れたものです。
昨年絶好調の竹中を振り切って区間賞・区間記録保持者に躍り出た一山は、今季さらに成長。この距離での実力的には鈴木と遜色ないところまで来ています。
鈴木、木村ともにスプリントの利くタイプではないため、チームの先行逃げ切りを画すならば中盤から残り1㎞にかけてのロングスパートで決着しようと試みるはずです。これに、ラストに斬れのある一山、森、森田香、あるいは菅野あたりがついて行く展開になると、勝負は俄然白熱します。
上位候補チーム以外で面白そうなのは、予選会のアンカーで獅子奮迅のゴボウ抜きを見せた京セラ・松田でしょう。
宮城コースの1区は、風光明媚な景観とは裏腹に、アップダウンの連続するタフなコース。終盤まで団子状態で行ったとしても、中継点では意外に大きな差が付くのが特徴です。
鈴木が圧倒的な走力にモノを言わせて中盤から抜け出す展開になると、早くも日本郵政のV2が見えてきます。抜け切れずにラスト勝負の後塵を拝するようだと、いよいよ「戦国」模様が鮮明になってくるでしょう。
◇2区(3.9km)…新たなるスペシャリスト現るか?
<区間賞候補>
◎ 渡邊 菜々美(パナソニック)
〇 荘司 麻衣(デンソー)
▲ 木﨑 良子(ダイハツ)
△ 藪下 明音(豊田自動織機)
△ 西脇 舞(天満屋)
ほか、宇都宮 恵理(日本郵政G.)、原田 紋里(第一生命G.)、
渋谷 理沙(ヤマダ電機)、樋口 紀子(ワコール)、吉川 侑美(資生堂)、
佐藤早也加(積水化学)、野田 沙織(三井住友海上)、秋山 桃子(ユニバ)
2区のスペシャリストとして“常駐”していた小泉(デンソー)、木村(ユニバ)が今回1区に回ったことで、新たなるスピードスターの台頭が期待されます。
中でも注目は、高卒ルーキーながら予選会で区間賞を奪った渡邊(パナ)。まだ5000m15分台には達していないものの、今季PB更新を連発してきた上昇株です。
小泉の後を承けて起用された荘司(デンソー)、予選会で渡邊と僅差の区間2位と復調気配を見せている藪下(豊田織機)などが続きますが、気になるのはベテラン木﨑(ダイハツ)の存在です。この区間は、本来ならばエース区間を任されるべき選手が不安材料を抱えるために投入されるケースがままあり、今季初レースとなる木﨑がまさにそれ。全国女子駅伝の4区(4km)の区間記録を持つように、本調子ならばこの短い距離でも別格の走力があるランナーです。
ここまでの2区間で、日本郵政、パナソニック、ワコール、豊田織機、ユニバーサル、積水化学といったあたりが上位グループを形成しそうです。ヤマダ電機は出来不出来の差が激しい1区・石橋の調子次第。本命・日本郵政の位置によって、その後のレース展開は大きく変わることが考えられます。
優勝候補の一角・ユニバーサルは、大卒新人の秋山。4区を走らせたかったワンジュグがメンバー落ちしたことによる抜擢ですが、ちょっと未知数です。
◇3区(10.9㎞)…絢爛豪華なエース競演、高島のV4なるか?
<区間賞候補>
◎ 松田 瑞生(ダイハツ)
〇 鍋島 莉奈(日本郵政G.)
▲ 高島 由香(資生堂)
△ 鷲見 梓沙(ユニバーサル)
△ 上原 美幸(第一生命G.)
△ 福田 有以(豊田自動織機)
ほか、西原 加純(ヤマダ電機)、福士 加代子(ワコール)、
堀 優花(パナソニック)、加藤 岬(九電工)、小原 怜(天満屋)、
松﨑 璃子(積水化学)、橋本 奈海(デンソー)、高山 琴海(シスメックス)、
阿部 有香里(しまむら)、井上 藍(ノーリツ)、藤本 彩夏(京セラ)、
岡本 春美(三井住友海上)
いやいや、並びましたね!
それも、ここ2~3年の間に日本トップクラスに上がってきた若手勢が主力を占め、通算103人抜きの大記録を持つ福士に印が付けられないほど充実したメンバーが顔を揃えました。
日本選手権5000m、10000mでそれぞれ鈴木亜由子を破って優勝した鍋島・松田が区間賞候補の筆頭で、この両者は今季の勢いという意味で甲乙つけがたいところがあります。おそらく後位から追い上げる形になると予想される松田を僅かに有利と見ましたが、どうなるでしょう?
3年連続区間賞を継続中の高島も、今季PBを更新するなど相変わらずこの距離では引けを取りません。ここで高島が4年連続の快走を見せるようだと、前回同様、資生堂がトップに立つという場面も十分に考えられます。
私の個人的ヒイキ筋は、△印の3人。特に、豊田織機のエースに成長した福田は、その恵まれた体格やスピードもさることながら、昨年の1区や今秋の実業団選手権のように、遅れかけても終盤巻き返してくる粘り強さが注目に値します。精神的に非常に強い選手だと思います。
あとは、名古屋マラソン直前の痛恨の故障で苦しいシーズンを送り、ようやく復帰してきた小原。3区に起用されたということは、それなりに状態が戻っていることを意味していると思われます。
◇4区(3.6㎞)…最短でも重要なインターナショナル区間
<区間賞候補>
◎ シュル・ブロ(TOTO)
〇 アン・カリンジ(豊田自動織機)
▲ ローズメリー・ワンジル(スターツ)
△ ムルリマリアム・ワイディラ(九電工)
△ 大森 菜月(ダイハツ)
ほか、飯野 摩耶(第一生命G.)、石井 寿美(ヤマダ電機)、須永 千尋(資生堂)、
伊澤 菜々花(ユニバーサル)、尾西 美咲(積水化学)、光延 友希(デンソー)、
小﨑 まり(ノーリツ)
「つなぎ区間」と呼ばれる最短区間だけに、外国人選手のいないチームはもっぱら6番手の選手や中距離専門ランナーを起用する傾向にあるため、それぞれの選手層によって実力差が生じやすく、むしろ順位変動が起きやすい区間となっています。
3区までに上位が予想されるチームでは、カリンジを擁する豊田織機が主導権を握るチャンスを迎えます。一方の日本郵政は、ここが踏ん張りどころ。チームでは“年長組”になる柴田千歳が、安心して走れるだけのアドバンテージが3区までに築かれているでしょうか?
日本人選手の注目筆頭は、大学駅伝の花形だった大森菜月です。学生時代後半から悩まされた故障の回復に専念し、事実上ここが社会人デビュー戦となります。チームとしては本来ならば1区を任せたかったところでしょうが、走れる状態にこぎつけた点が肝心。8割程度以上の走りを見せられれば、ダイハツは優勝に大きく前進することになります。
5000mで一時代を築いた積水・尾西は、これがラストラン(都道府県対抗などに出るかもしれませんが)。彼女に有終の美をと団結してきたチームの順位ともども、目が離せません。
◇5区(10.0㎞)…試練の山越えの先に、帰趨は見えるか?
<区間賞候補>
◎ 関根 花観(日本郵政G.)
〇 中村 萌乃(ユニバーサル)
▲ 前田 彩里(ダイハツ)
△ 沼田 未知(豊田自動織機)
△ 筒井 咲帆(ヤマダ電機)
ほか、佐々木 文華(第一生命G.)、森田 詩織(パナソニック)、
前田 穂南(天満屋)、桑原 彩(積水化学)、水口 侑子(デンソー)、
永岡 真衣(シスメックス)、宮内 宏子(ホクレン)、堀江 美里(ノーリツ)
事実上優勝争いを決するという場面もしばしば見られる、10キロの準エース区間。高低差30m超の難コースです。
区間歴代2位の記録を持つ関根が、本調子ならば筆頭候補。ここに彼女を配置できるところが、日本郵政絶対有利の下馬評を支えていると言ってもよいでしょう。
対抗は、個人的な期待を込めて“駅伝女”の中村。4区でワンジュグを使えないユニバーサルの誤算は、中村の美しき豪脚で挽回するしかありません。
復帰3レース目ということで▲の位置に留めましたが、マラソン界のホープ前田彩里も有力な区間賞候補です。ダイハツが初優勝に王手をかけられるかどうか、すべてこの人にかかってきます。
もう一人の前田、天満屋の前田穂南も、北海道マラソンでブレイクした力の真価を問われる一戦となります。シード権の当落線上にあると思われるこの区間で、実力を証明することができるか?
豊田織機はここが正念場。本当なら横江里沙か林田みさきを投入したかった区間ですが、実力者のキャプテンがどうまとめるか。それ次第で、まだまだ優勝の目は残っています。
ヤマダ電機の筒井は、昨年ほどの勢いが感じられないところで△印。ここまでチームが隙なくつないで上位にいれば、一気にトップに立つ力は持っています。
◇6区(6.795㎞)…優勝は?シードは?20分間のドラマは必見
<区間賞候補>
◎ 林田 みさき(豊田自動織機)
〇 竹地 志帆(ヤマダ電機)
▲ 寺内 希(日本郵政G.)
△ 重友 梨佐(天満屋)
△ 湯田 向日葵(第一生命G.)
ほか、陣内 綾子(九電工)、猿見田 裕香(ユニバ)、宮内 洋子(ホクレン)、
竹本 香奈子(ダイハツ)、大森 巴菜(TOTO)
アンカー勝負となった場合に“切り札”を持っているのは豊田織機とヤマダ電機。日本郵政・寺内は、前回鍋島が叩き出したリードを堅実に守って区間4位でまとめ、初優勝のテープを切っていますが、競り合いともなればやや分が悪いかもしれません。ダイハツも、5区までの実績あるメンバーがどれだけの順位を築き上げるかで、竹本への負担が変わってくることになります。
優勝争いとともに白熱の最終局面を迎えるシード権(いわゆるクイーンズ・エイト)争い。
前回まで3年連続9位のホクレンは、いずれもアンカーを務めた大蔵玲乃をメンバーから外して大ベテランの宮内姉妹に終盤を託します。が、エース・清水美穂の不在が何とも痛い。
シード・チームのうち、ワコール、天満屋、資生堂あたりは今回もシード権争いに汲々としそうです。
ワコールは一山の躍進が上積み要素ながら、その分、大黒柱の福士が着実に衰えてきています。今季はギリギリのチーム編成で、若い選手の奮起が入賞確保の絶対条件です。
天満屋には前田穂の躍進というプラス材料の一方、小原の休養、重友の不振と不安要素も多く、西脇、谷本といった中堅どころの成長が頼み。この大会は外さない、武富マジックが今年も見られるでしょうか。
資生堂は引退した池田睦美に代わって真柄碧が6区に入ったほかは、前回と同じオーダーで臨みます。前回の4区までが「出来過ぎ」の感があったことを思うと、昨年の都道府県対抗駅伝で大失速して以来まるでいいところのない5区・奥野有紀子の奮起次第ということになります。
予選組から這い上がってきそうなのが、パナソニックと積水化学。いずれも、主力選手の出来如何では優勝戦線にまで顔を出しそうな勢いがあります。
最後に、今回の「クイーンズ・エイト」として、
日本郵政グループ、第一生命グループ、ヤマダ電機、ユニバーサルエンターテインメント、豊田自動織機、天満屋、パナソニック、積水化学
の8チームを予想しときましょう。
とはいえ、3年前のユニバーサル、去年のデンソーのように、優勝候補がいきなりシード外に転げ落ちるようなことが普通に起きるのが駅伝。
外れても、いぢめないでくださいな。










