豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2017年06月

第101回日本選手権の見どころ ④ ~男子中長距離


◆男子低迷に風穴は開くか?
例年6月下旬開催の日本選手権では、私の大好きな長距離種目を苛立たしく眺めるのがここのところのお決まりとなっています。
「標準記録(願わくば派遣設定記録)を破っての優勝争い」が日本選手権の重要テーマであるにも関わらず、とりあえず順位狙いだけに終始してペースが上がらない、というレースがとりわけ男子では常態化してしまっているからです。
この時期は気温が20度を下ることはまず考えにくく、長距離種目には不向きなことは重々分かりますが、「日本」の先の「世界」やオリンピックは真夏のレースが待ち構えているのであり、「日本選手権で3位以内に入っておいて涼しいホクレンで標準狙い」という姑息な戦略では、いつまで経っても世界に追いつくことは難しいと言わざるを得ません。むろん、それが現在の身の丈に合った唯一選択できる戦略というランナーも多いとは思いますが、十分に「標準」を狙える選手でもそれに合わせてしまう傾向というのは、見ていて何とも歯がゆいものです。
女子では、昨年は「恵みの雨」に助けられたところはあったとはいえ、ハイレベルな上位争いが迫力たっぷりに繰り広げられましたし、数年前の新谷仁美さんのように積極果敢に夏のレースでPBを連発していた選手もいます。外国人ランナーのオープン参加が認められているのも、好記録を出させたいという陸連の思惑あってこそだと思いますので、何とかそれに応えるレースを、と期待します。
2017GGN3


◆中距離は戸田に期待
800mは横田真人の引退で孤高の存在となった川元奬(スズキ浜松AC)の独擅場となりそうで、この種目でペースメーカーもなく記録を狙うのは大変なこととは思うのですが、何とか45秒台の期待をしたいと思います。(「標準」は1分45秒90)

1500mでは、駅伝1区でも鋭いスパートを見せていた戸田雅稀(日清食品G.)が、今回は長距離種目との二股を回避してこの種目にフォーカス。昨年同様の調子ならば、一歩抜けたスピードがあると思われますが、今季ここまで名前が出てきていないのが気に掛かります。本調子になければ一転して混戦模様となり、好調の館澤亨次(東海大2)が抜け出すかもしれません。昨年高校生で健闘した遠藤日向(住友電工)にも注目です。

3000mSCは、こちらもオリンピック以降フラットレースを走っていた塩尻和也(順大3)が久々に本職復帰。昨年同様、潰瀧大記(富士通)との一騎討ちになることが予想される中で、両者ともに標準記録(8分32秒00)有効期間の前にそれ以上のタイムで走っていることから、ダブルで代表の座を掴むチャンスです。



◆長距離は大迫軸に戦国の様相

大迫傑(NIKE.O.P.)、村山紘太(旭化成)、設楽悠太(HONDA)のリオ代表3人がいちおう「3強」を形成するイメージがある一方、今季は鎧坂哲哉(旭化成)や上野裕一郎(DeNA)が復調気配。さらに上昇株では5000mで松枝博輝(富士通)、10000mで神野大地(コニカミノルタ)の名前が見逃せません。
加えて、10000mではかつて4連覇の実績を誇る佐藤悠基(日清食品G.)がエントリーしてきました。すでに矛先をマラソンにシフトしているので「標準」にこだわるレースをするとは思えません。とはいえ、現在の絶対エースである大迫に3タテを食らわせた勝負強さは健在でしょうから、ラスト1周にまでもつれ込めば、最も怖い存在となりそうです。
冒頭に述べたように、実力者が積極的な記録狙いのレースを展開すれば結果も読みやすいのですが、標準記録にこだわらないペースになると、どんな伏兵が足元を掬うか分かったものではありません。いちおう5000、10000ともに各選手が大迫の動向を気にしながらのレースとなるのは間違いなく、「標準」未到達の大迫や鎧坂が速い展開に持ち込んでくれるのではないかと思ってはいますが、「前半は上野さん、お願いします」みたいな雰囲気になると、膠着してしまいますね。
なお「標準」は5000mが13分22秒60、10000mが27分45秒00、現在の到達者は10000mの村山紘太ただ一人です。


第101回日本選手権の見どころ ③ ~男女ハードル


今夜はDL第5戦オスロからの連戦で、第6戦ストックホルム大会『DNガラン』が行われるのですけど、前回書いたような事情もあって、いま一つ観戦気分が盛り上がりません。それと何より、この伝統の北欧2大会には今回、アメリカ勢がほとんどエントリーしていないんですね。日本と同様、大事な国内大会を控えているから、というところでしょう。日程編成の大失敗でしょうかね。
ということで、放送は後でゆっくりビデオチェックすることにして、「見どころ」を進めておきます。

◆男子110mHは久々のハイレベル
昨年は難関と思われたリオ五輪の標準記録を矢澤航(デサント)がクリアしてオリンピック出場を射止めましたが、今年はすでに到達済みの大室秀樹(大塚製薬)を筆頭に、矢澤ほか複数の選手により標準突破と3位以内を目指しての激戦が期待されます。
先の『布施スプリント』では、予選(第1レース)のみを走った大室が13秒54(+1.5)で余裕の1着となり、決勝は大室を除き、矢澤、高山峻野(ゼンリン)、増野元太(ヤマダ電機)、佐藤大志(日立化成)と実力者が揃う前哨戦さながらの顔ぶれとなりました。レースは+3.2mの追風参考だったものの、増野が標準記録を上回る13秒43で快勝。日本選手権でも、これらに金井大旺(法政大4)、古谷拓夢(早稲田大3)ら学生勢を交えた熾烈な代表争いが繰り広げられそうです。
大室には優勝で代表内定、3位以内でほぼ当確というアドバンテージがありますが、あと1名か2名、標準を突破してくることは十分に期待できます。谷川聡・内藤真人の「2強」時代以来の活況を再現してもらいたいものです。



◆野澤の復調なるか?
昨季は世界のトップ戦線に躍り出るかとまで期待させた野澤啓佑(ミズノ)が、今年はマウントサック・リレーズでの開幕戦以来、絶不調に喘いでいます。5月以降は予定されていた試合もキャンセルして調整に努めているようではありますが、48秒台を連発していた1年前の勢いは取り戻せそうにありません。
現状、この種目での標準到達者は安部孝駿(デサントTC)ただ一人で、その安部にしてもレースにムラが大きく、すんなり3位以内を獲ることは容易ではありません。松下祐樹(ミズノ)、小西勇太(住友電工)、岸本鷹幸(富士通)らがよほど奮起しないと、日本伝統のこの種目で、何十年ぶりかに代表なしという事態も起こりかねません。まずは予選で、各選手の気迫を見てみたいものです。

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◆木村文子が絶好調
『布施スプリント』決勝で男子110mHと同様強い追い風(+3.7m)ながら、12秒99の快記録を叩き出した木村文子(エディオン)が好調です。その前には『GG川崎』で、13秒10(0.0)をマークしています。
ただこの種目は世界のレベルも昨年来急速に上がり、標準記録はとうとう日本記録を上回る12秒98という高いラインに設定されてしまっています。20代最後の日本選手権にピークを作らんとしている木村の孤軍奮闘ぶりには何とか結果で報われてほしいものだと思います。
本来なら木村とともに代表狙いの最前線にいる柴村仁美(東邦銀行)は、今季やや低空飛行。「美女トリオ」の一角・伊藤愛里(住友電工)はエントリーなし。あとは青木益未(七十七銀行)、ヘンプヒル恵(中央大3)、福部真子(日体大4)といった若手の躍進に、期待です。

◆常勝・久保倉の後継者は?
通算9度の日本一とリオ五輪出場、55秒34の日本記録(2011年日本選手権)を置き土産に引退した久保倉里美の後継者を巡っての争い。
本命は世界代表経験のある青木沙弥佳(東邦銀行)か一昨年の優勝者・吉良愛美(アットホーム)かというところ。優勝戦線に入ってくる力を持っているはずの石塚晴子(東大阪大2)は昨季のU-20世界選手権から長いスランプ状態で、その石塚に代わって日本インカレを制した梅原紗月(立命館大→住友電工)も、社会人1年目は苦戦中。あとは本職の七種競技でDNFに終わった宇都宮絵莉(長谷川体育施設)が、男子の中村明彦さながらに大駆けをやってのけるか、というあたりまででしょう。
標準記録の56秒10は、勢い次第で決して不可能な数字ではありません。

第101回日本選手権の見どころ ② ~女子スプリント


オリンピック翌年の静けさ、といっても今までとは少々雰囲気が異なる気がするのが、世界の陸上界です。
どの競技にも言えることながら、己の選手寿命を見限るタイミングというものが先延ばしになる傾向が強くなった結果、オリンピックという節目で姿を消す選手が少なくなり、そのため以前は顕著だった新旧交代という図式が描きにくくなっています。
その一方で、オリンピック翌年のひと息、というムードが充満しているのもまた明らかで、ダイヤモンドリーグなんか見ていますと何となく記録的に盛り上がりが少なく、平板なまま推移している感じもします。DL出場選手の過半数を占めるNIKE契約の選手の場合、リオ五輪金メダリストだけが他と異なるユニフォームを着用しているので非常に分かりやすいのですが、多くの金メダリストが参戦しているにも関わらず、なのです。
今季のDLはツアー・チャンピオンシップ方式が大きく変更されたことや、たとえ総合優勝しても翌年の世界選手権のワイルドカードを得るというメリットがないことも、いま一つ盛り上がりを欠く理由の一つなのかもしれません。

そんな状況ですから、男子スプリントの活況を中心に、日本の陸上界が世界に少しでも追い付くチャンスではあるのです。トラック&フィールド・シーズンの最初の天王山、『第101回日本陸上競技選手権』まで、いよいよあと5日と迫ってきました!

◆女王・福島、大ピンチ
女子スプリント界の、いや日本陸上界のヒロインである福島千里(札幌陸協)の100m8連覇、200m7連覇に黄信号が灯っています。
長年所属した北海道ハイテクACを退団しプロとして独立するという決断をもってスタートした今季は、織田記念でのDNF以降まったく精彩を欠き、選手権前の調整試合に選んだ布施スプリントでも決勝でほぼDNFに近い状態で最下位と敗れました。
オリンピック代表選考戦線が続いた昨季も同じように脚の状態に不安を抱えていたとはいえ、無事に走り切ったレースではそこそこのタイムを出していたのに比べ、今季はまったくいいところがありません。プロとしての選手生活が影響しているのでしょうか、それともそのこととは無関係な不調および体調の悪さと見るべきでしょうか。

これまでの数年間であれば、少々の不調ではあっても福島選手の実力があまりにも図抜けていたために、連覇記録は途絶えることがありませんでした。
ただ今季は、某スポーツ紙が盛んに「美女スプリンター」と囃し立てる(私にはどうしてもそう見えないんですけどね)市川華菜(ミズノ)が、春先から絶好調です。
布施の予選では、実際にガチンコのレースで福島に完勝しており、6年ぶりにPBタイの11秒43(+1.1)を記録。決勝は+2.1mの参考記録となりましたが11秒38と、2着の世古和(クレイン)に3メートル差の圧勝劇を演じました。
過去に福島の前に立ち塞がった髙橋萌木子、土居杏南といったライバルの場合は、福島がそれ以上の実力を見せつけることでねじ伏せてきたのですが、その地力が発揮できるかどうかが疑わしい今回、スプリント界の女王にとっては最大のピンチが訪れた、と言ってもよいでしょう。
 

もう一人、昨年高校2年生で100・200ともに2位となった齋藤愛美(倉敷中央高3)が、今季はスロースタートです。インターハイ岡山県および中国地区大会では相変わらず無敵ぶりを見せてはいますが、+2.8mの中国大会100m決勝では11秒83と、かなり物足りない内容。もし、福島が王座を明け渡すのならば次代を担う齋藤に、と願っているのですが、どうなるでしょう?

注目の女子100mは、全種目のオープニングレースとして、23日(金)の15時過ぎから予選が始まります。

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◆女子400も混戦
日本記録保持者の千葉麻美が引退、99回大会優勝の青木沙弥佳(東邦銀行)、さらには石塚晴子(東大阪大2)や吉良愛美(アットホーム)らが400mHに専念する中で、不動の第一人者の地位を築きつつあった青山聖佳(大阪成蹊大3)が日本個人インカレで5位と惨敗して、こちらも混戦模様です。
昨年高校3年で2位と奮闘した青木りん(東邦銀行)の近況が先日TVで紹介されましたが、虎視眈々と狙っている感じがします。あとは関東インカレ(54秒36)、個人インカレ(54秒05)を制した岩田優奈(中大2)が好調。毎回高校生の活躍が目立つ種目ですので、IH近畿大会で53秒台に突入してきた川田朱夏(東大阪大敬愛高3)にも注目しておきたいところです。

第101回日本選手権の見どころ ① ~男子スプリント


お陰様で、当ブログも開設1周年を迎えました。いつもご愛読いただいて、ありがとうございます。
しかしながらここんとこ、生活がちょっと多忙につきブログの更新がままならず、ご訪問いただいた方々にはご迷惑をおかけしましてすんません。
今週末もDLローマ大会に始まって、個人インカレ、日本選手権混成競技と陸上競技のイベントは盛りだくさん、好況の男子スプリントを中心に話題のネタは尽きません。本来なら、競技の結果速報を含めて大車輪で戦評をお伝えしたかったところですが、無念なことに混成のライブ配信すら、ほとんど見る時間がありませんでした。

何はともあれ、『第101回日本選手権』を2週間後に控えて、ロンドン世界選手権を目指す有力選手たちのスケジュールが一段落し、あとは代表権争いの本番までの調整期間ということになります。参加標準記録到達者が思いのほか少ないのが気がかりではあるものの、そこは本番で大挙して突破~上位入賞というシーンを期待して、再来週を待つことにしましょう。
そこで、今回からはしばらく、『日本選手権』の展望という形で、今シーズンここまでの状況を確認してみたいと思います。

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 日本陸連HPより

◆男子100mは激戦模様
10日に行われた『日本学生陸上競技個人選手権』男子100m決勝で、多田修平(関西学院大3)が10秒08(+1.9)を叩き出したことで、安泰と見られていた「3強」(桐生祥秀・山縣亮太・ケンブリッジ飛鳥)による100m代表独占が、俄かに風雲急を告げる展開となってきました。
男子で現在最も「標準」到達者が多い激戦区が、この100mです。

むろん、多田は昨年来関西学生スプリント界の旗手として名のある選手であり、決してぽっと出の“新星”などではありませんが、1年前の段階では桐生の前にまったく歯が立たなかった(桐生10秒10、多田3着10秒36)ことを思えばその躍進ぶりは確かなものがあります。もっとも、桐生にしてみればローマまで遠征してまたもや向い風に祟られ、「個人インカレに出ていれば9秒台が出ていた」と、臍を噛む思いもあるかもしれません。
「標準」に到達済みの選手が4人(100mにエントリーのない飯塚翔太は含まず)。加えて、多田とともに「4番手」の位置を競い合ってきた大瀬戸一馬(安川電機)、長田拓也(富士通)、竹田一平(中央大)、さらに忘れちゃならないサニブラウン・ハキーム(東京陸協)と、9秒台一番乗りを虎視眈々と狙っているスプリンターはまだまだいます。今季いま一つの状態ながら、高瀬慧(富士通)もエントリーしています。
誰が優勝するかの前に、決勝進出することが一苦労という、大変なトーナメントになりそうです。

現状、「9秒台」に最も早くたどり着く実力を有しているのは山縣だと考えている私ですが、3月の海外初戦以来、足首の故障で戦線を離れている間の動向が気になるところです。先日放送されたNHK『“栄光なき天才たち”からの物語』(アニメの吉岡隆徳物語に山縣の近況を重ね合わせたドキュメンタリー番組)によれば、少なくとも5月下旬までは順調に練習を積んでいる様子が伝えられており、『布施スプリント』の欠場も大事をとってのことと思われ、日本選手権にはきっちりと仕上げてくるものと見ています。
そうは言ってもやはり、「ガラスの脚」が最大の懸念材料ということになるでしょうか。

潜在能力随一の桐生にはスタートの課題(完全に修復されたとは思えません)から来るメンタル面の不安、抜群の勝負強さを誇るディフェンディング・チャンピオン、ケンブリッジにはやや連戦の疲労もしくは実戦を重ねる中での競走への迷いが感じられ、飯塚に先着を許した布施スプリントのレースは、どこか中途半端なものでした。
このように「3強」それぞれに不安材料があり、ここに割って入ろうとするのが多田そしてサニブラウン、ということになるでしょう。
100m代表の「3枠」だけではなく、200mと併せたリレーメンバーの「6枠」争いもまた、熾烈なものになります。100mのスペシャリストである多田はこの点、日本選手権で3位以内に入って100mの代表権を得ておかないと「補欠」の芽はなくなるのではないでしょうか。(400mリレーには200mの走力が必要、という私の持論は下記に紹介する以前の投稿をご参照ください)

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◆さらに混戦?男子200m
飯塚が布施スプリントで「絶好調」を証明したことで、日本選手権では予選から「標準」突破を余裕で果たして代表に名乗りを挙げることが予想されます。
現在唯一の標準到達者であるサニブラウンは、その後レース出場がないようですが、100、200ともに3位以内を狙ってくるでしょう。海外での修行の成果が非常に楽しみです。
もう一人、好調なのが原翔太(スズキ浜松AC)。飯塚が10秒08(+1.9)を出した布施スプリントでは2着のケンブリッジに0.01秒差の10秒13でPBを更新しています。昨年僅かのところでオリンピック代表を逃した無念を、今度こそ晴らすことが出来るでしょうか。
こちらの「3強」のうち、藤光謙司(ゼンリン)は同じ布施のレースでPBを0.01秒更新する10秒23で走っており復調気配ですが、今季200mの実績がないのが気がかり。また高瀬の低迷ぶりは日本選手権に間に合うかどうか、かなり疑問です。
予選で規定内の風で「標準」を突破し、精神的に余裕を持った選手が決勝では優位に立つような気がしています。


◆マイル代表争いも熾烈
400mでは、本来ならば大本命となるウォルシュ・ジュリアン(東洋大3)が『ワールドリレーズ』でパンクしたきりインカレ戦線にも戻って来れませんでした。非常に心配なところですが、7月の『アジア選手権』代表に名を連ねたことで、復帰の態勢は整ったものと見てよさそうです。
同じリオ代表の加藤修也(早稲田大4)もインカレ欠場。この2人の状態如何で、マイルリレー代表争いはどう転がるかまったく分かりません。
『ワールドリレーズ』で初代表となった藤原武(ユメオミライ)、関東インカレを制した北川貴理(順天堂大3)、また小林直己(HULFT)、田村朋也(住友電工)、佐藤拳太郎(富士通)、堀井浩介(住友電工)ら、初優勝を狙う面々の誰が上位4人に入るか、何人が45秒台の声を聞かせられるか…。現状、ウォルシュ以外に標準突破の期待がかけにくいのが残念なところではありますが。
言うまでもなく、昨年連覇を途絶えさせられた金丸祐三(大塚製薬)の巻き返しにも期待です。ただ、近況は芳しいものではないようで、予選の走りに注目したいところです。

※参考記事
<連載>100m競走を語ろう

http://www.hohdaisense-athletics.com/archives/cat_172993.html
日本リレーチームはなぜ37秒60で走れたのか
http://www.hohdaisense-athletics.com/archives/6261252.html

注目の桐生登場は3時30分頃…DLローマを地上波緊急生中継!



IAAFダイヤモンドリーグ第4戦・ローマ大会『ゴールデン・ガラ』が、日本時間の9日未明に行われます。日本テレビでは、通常のCS日テレG+での生中継に加えて、地上波でも3時からの1時間のみ、緊急生中継を実施します。
9秒台への機運、いよいよ最高潮といった雰囲気ですね。
桐生選手、スタート改善の進捗状況がどうなのか、少し気になりますが、どうでしょうか?
なお、男子100mはDLポイント対象外レースとして行われます。

 2017DLROME

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