豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2017年06月

祭りの後も戦いは続く


陸上競技ファンにとってのお祭り・興奮の3日間が終りました。
昨年に引き続き最も注目を集めた男子100mの狂騒ぶりと意外な結末が象徴的でしたが、全体を眺め渡すと日本新記録は一つもなし、事前に発表されている世界選手権代表内定条件を満たした種目は男子9、女子2(混成含む)に留まり、予想以上に厳しい結果だったように思われます。今回は派遣設定記録到達者が一人もいないため、その計11種目の優勝者10名だけが「代表内定」を得たことになります。
特に女子は、5000m以外で新たな「標準」到達者は現れず、このままですと大会前に懸念されたとおり、長距離2種目のみの代表派遣という事態になりかねない状況となってきました。

今回の代表選出ロジックは種目そのものの期待度に応じてランク分けされたA~Hの8通りに分類されており、種目によって選考基準が異なるという、非常に複雑なものになっています。「内定」者以外で、理論的に「当選確実」(?)と言える選手を含めると、26日の時点で陸連から発表される代表選手は次のような顔ぶれになるものと思われます。

<男子> ※★は内定者
◇100m ★サニブラウン・ハキーム(東京陸協)、多田修平(関西学院大3)、
ケンブリッジ飛鳥(NIKE)
◇200m ★サニブラウン・ハキーム、飯塚翔太(ミズノ)
◇400m ★北川貴理(順天堂大3)
◇110mH ★高山峻野(ゼンリン)、増野元太(ヤマダ電機)
◇400mH ★安部孝駿(デサントTC)
◇走高跳 ★衛藤昴(AGF)
◇棒高跳 ★山本聖途(トヨタ自動車)、荻田大樹(ミズノ)
◇三段跳 ★山本凌雅(順天堂大4)
◇十種競技 ★中村明彦(スズキ浜松AC)、右代啓佑(スズキ浜松AC)

<女子>
◇5000m ★鍋島莉奈(日本郵政G.)、鈴木亜由子(日本郵政G.)
◇10000m ★松田瑞生(ダイハツ)、鈴木亜由子(日本郵政G.)、
上原美幸(第一生命G.)

複数の標準到達者がいる種目では、到達者が日本選手権3位以内に入っていればまず選出は間違いありません。棒高跳の荻田は3位以内ではありませんが、「GP(織田記念)日本人1位+日本選手権出場」という条件を満たしているため「当確」です。

微妙なところでは、110mHの大室秀樹(大塚製薬)が日本選手権で準決勝敗退となってしまいましたが、「GP(織田記念)orGG川崎日本人1位+日本選手権出場」という選考条件を満たしています。ただし、2位に入った矢澤航(デサントTC)が『アジア選手権』で優勝または新たに標準到達者となる可能性を残しているため、その結果次第ということになるでしょう。

男子400mHでは日本選手権予選で小西勇太(住友電工)、前野景(ドーム)、鍛治木峻(城西大4)と複数の「標準」到達者が出たものの、いずれも決勝で3位以内に入ることができず、やはり『アジア選手権』と7月9日『南部記念』の結果待ちということになります。この場合、選手権2・3位の石田裕介(早稲田大4)、松下祐樹(ミズノ)が標準に到達すれば、そちらが優先されます。

女子5000mには残り1枠があります。標準到達者のうち最上位は6位の松﨑璃子(積水化学)。7位の木村友香(ユニバーサル)はGP織田記念で「日本人1位」となっているのですが、この種目の選出条件は「日本GP優勝(日本人1位ではなく)+日本選手権8位以内」なので、今のところ「当確」は出せません。この種目も、『ホクレンディスタンス』(9日の北見、13日の網走)の結果次第では3位の小笠原朱里(山梨学院高2)にもチャンスが出てくるのですが、さてインターハイを間近に控える小笠原がホクレンにエントリーするでしょうか?
いずれにせよ、26日の段階で代表に選出されるのは標準到達者のみですので、これ以上はいないと思われます。(リレー要員としての桐生・山縣・藤光などはどうなるのか、分かりません)

18歳キーム、天下を獲る!


◇男子100m決勝(6月24日20時38分・W+0.6m)
① 10"05=CR サニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)RT0.156
② 10"16 多田 修平(関西学院大3) 0.140
③ 10"18 ケンブリッジ飛鳥(NIKE) 0.140
④ 10"26 桐生 祥秀(東洋大4) 0.131
⑤ 10"38 川上 拓也(中央大4) 0.146
⑥ 10"39 山縣 亮太(セイコー) 0.150

こんな結果を1か月前に予測した人がいたとしたら、お目にかかりたいくらいですね。
5月の時点で、男子100mの「標準」到達者は桐生祥秀と山縣亮太の2人だけ。まあそのうち、ケンブリッジ飛鳥も来るだろう。日本選手権の上位3人=ロンドン代表はこの3人で決まり。あとは誰が勝つのか、だよね……てなことを皆さん思っていたはず。もちろん私もです。
18歳のサニブラウン・ハキームが、10秒0台を3発揃えて文句なしの頂点に立ちました。2着は2週間前の日本個人インカレで急速に頭角を顕した多田修平。日本中を感動の渦に叩き込んだリオ五輪ヨンケイ・メンバー4人のうち、2人が100m代表の座を滑り落ちることになってしまうとは…。
なんという時代の奔流というやつでしょう。そして、なんという日本男子スプリント界の面白さでしょうか。長く焦らされる9秒時代への期待感、誰が勝つのか分からない選手層の充実ぶり、そして新たなリレー・チームへの期待。こんな時代に陸上競技を楽しむことが出来ている私たちは、なんと幸せなんでしょうかね?
JAC1703

予選で久々にサニブラウンが国内で走る姿を目にした時、「うわ、キームでかくなったな!」と驚きました。そう思いませんでしたか?(追記:5月のGG川崎でも見ていたはずなのですが、その時はあまり注目していなかったせいか気付きませんでしたね。)
昨シーズンは故障でリオ選考会もU-20 もインターハイも棒に振っていたわけですから、日本選手権は2年ぶり。高校2年時に大嶋健太(東京高→日大2)と競っていた頃の細身のイメージは一変していて、その雄大な体躯と一見ゆったりとした走りはまさに「和製ボルト」。これは、モノが違います。
どちらかというと「もともとは200mランナー」のイメージなのも、ボルトと同じ。思い返せば世界の頂点に駆け上がった2008年北京オリンピックの時、ボルトは大会直前まで100mに出場することを逡巡していたほどの、200mのスペシャリストだったんですから。
若くして「超高校級」とか騒がれ、その後大きく成長することなく齢を重ねていったアスリートは、たくさんいます。たとえば桐生にしたって、いまだ発展途上とは言いながら100mの記録に限って言えば高校時代から伸びていないのです。そこへ行くとこのサニブラウン、もしかすると「世界のファイナリスト」という日本人スプリンターの悲願を、いとも簡単に達成してしまうのではないかというくらいの底知れなさを感じます。

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多田の勢いも見事でしたが、決勝は得意のスタートでサニブラウンに先行できなかったのが悔しかったですね。両手を大きく広げた、いわゆるロケットスタートからのダッシュは、確かに急成長の証と言えます。インカレでの快記録は条件に恵まれた部分も多々あったかと思っていたのですが、現実に「3強」を総なめにしたわけですから、これもまた文句なしです。

4着の桐生には、まだリレー要員としての代表入りの可能性が残されているでしょう。何度も指摘してきたとおり、100mの速さだけでは務まらないのが400mリレーという種目ですから、サニブラウン、多田という“新顔”を加えたチーム編成は今一つ心もとないというのが間違いないところ。200mの結果次第ではありますが、現時点で200の代表資格を持っているのはサニブラウンと飯塚翔太だけなので、ここに藤光謙司か原翔太が加わったとしても、熟練メンバーとして桐生が招集される可能性は濃厚だと思います。(本人は「世界選手権をテレビで観ることになるとは…」とか言ってるらしいですが)

山縣亮太は、「仕上がっていなかった」の一言でしょう。技術的には間違いなく日本一の100mランナーだと思っていますので、今季は故障の回復と基礎体力の再構築に専念して、捲土重来を期待します。

素晴らしき日本の男子スプリント!次のステージは、一人の先駆者を皮切りに、次々と「9秒台」の領域になだれ込んでいく「その時」を待ちたいと思います。

男子予選で標準突破次々…女子ガンバレ!


夜勤明けです。眠いです。しかし昨日の初日をビデオでしか見られなかった分、今日はインターネットLIVEに最初から噛り付いています。
LIVE配信、たいへんありがたいのですけど、どうせならばもうちょっとお金かけて、ましな中継にできないもんでしょうかね。
昨年からはだいぶ改善されたとはいえ、それは「お金をかけて」の成果ではないと見受けられます。単に制作業者がいくらか経験を積んだというだけでしょう。相変わらず見たいフィールド種目が寸断されるもどかしさ、タイマーもテロップも出ないので戦況がなかなか判らない不便さ(LIVEリザルトを併用すればいいのですが、いちいち別の画面に移行しなければなりません)、そして場内実況のなかなかなお粗末ぶり。(何度、「失礼いたしました」を聞かされたことでしょう)
まあトラック種目はフルに見ることができますから贅沢は言える立場じゃありませんけど、複数の種目が同時進行する陸上競技ならではの魅力を、もう少し陸上がわかってる人が采配して私たちに伝える工夫をしてもらいたいものだと、思います。発注者の陸連担当者さんも、もう少しキツく言ったほうがいいですよ。ただしお金は出してね。

さて、昨日の男子400mH、今日の女子100mH、男子110mH、女子400mHと、ハードル種目の予選で好記録が続出しています。昨日の100m予選をはじめ男子スプリント種目もまずまずの盛況で、やはり高速トラック長居の看板はダテじゃありませんね。
特に出色は男子110mH。予選で増野元太(ヤマダ電機)が13秒40(0.0)と日本記録に0.01秒と迫る大会新記録で、世界選手権標準記録を大きく突破しました。次の組でも高山峻野が13秒50(+0.5)と従来の大会記録を上回り、標準まではあと0.02秒と迫る好タイム。すでに標準に到達している大室秀樹(大塚製薬)も順調の様子で、複数代表が輩出される公算大となりました。

昨日の男子400mH、野澤啓佑(ミズノ)の予選落ちにはガッカリさせられましたが、「大器」と呼ばれ続けた安部孝駿(デサント)が48秒台に突入したのをはじめ、新たな標準到達者が3人、さらに間近に迫った選手もいて、やはりヨンパー日本は健在という頼もしい状況になってきています。

女子では「標準」の壁が厚く立ちはだかる中、それでも100mHの木村文子(エディオン)、柴村仁美(東邦銀行)、400mHの青木沙弥佳(東邦銀行)が、可能性を感じさせる走りを見せてくれました。

スプリントの話題の中心はもちろん男子100mですが、きょうは200m予選で飯塚翔太(ミズノ)が余裕の「標準」突破。サニブラウン旋風を簡単には許さないぞという自信が伺えます。

一方女子では、福島千里(札幌陸協)の連覇記録にいよいよ赤信号が灯った感があります。
100m予選では同一組で市川華菜(ミズノ)に再び完敗。今日の200m予選も、23秒39(-0.2)のPBで満面の笑顔を浮かべた市川に対して終盤抜いたとはいえ23秒69(-0.4)と絶体絶命の雰囲気です。本来ならば100m以上に日本で図抜けた力を持つ200でこのタイムしか出ないとなると、今夜の100m決勝は暗澹としてきますね。

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フィールドでは、女子やり投で「標準」こそならなかったものの、期待どおりにハイレベルな激戦となりました。
唯一60mを投げた海老原有希(スズキ浜松AC)が2年ぶりの優勝、今季大躍進の斉藤真理菜(国士舘大4)が2位、昨年北口榛花(日大2)とともにU-20世界選手権に出場した山下実花子(九州共立大2)が59m53の大ベストで3位。久しく不振をかこっていた森友佳(東大阪市陸協)がかつてのジュニア日本記録だったPBに迫る59m10で4位。高校生の長麻尋をはじめ期待外れに終わった選手も何名かいましたが、「今年の女子はやり投!」の見込みは間違っていないようですよ。

JAC1701
 森(旧姓・佐藤)友佳選手

さて、トラック種目でも決勝が始まりました。
19時からはTV中継の視聴に移行します。9秒台、頼むぞ!

第101回日本選手権の見どころ ⑥ ~男女フィールド


いよいよ『第101回日本陸上競技選手権』が、明日からの開催と迫ってまいりました。
2週間前から書き始めた「見どころ」ですが、会期前にひととおり書き終えるかどうか、どうも怪しくなってきました。
ブログデビュー直後だった昨年は、会期前から会期中と、書く時間がたっぷりあったんですが、今回は仕事の合間を縫ってということで、なかなか思うに任せないんですよ。初日の金曜日もリアルタイムでのインターネット観戦~速報記事という去年のパターンはできません。ということで「見どころ」も少々端折りますけど、よろしくご容赦願います。

◆<跳躍>活況の男子、不況の女子
1990年代であれば、跳躍種目の注目度ナンバーワンといえば女子走高跳、2000年代なら女子走幅跳、というのが日本陸上界の傾向でしたが、現在のところは男子が各種目に代表を送り出す勢いがあるのに対して、女子はまったくいけません。
男子では、走高跳=衛藤昴(AGF)、棒高跳=山本聖途(トヨタ自動車)・荻田大樹(ミズノ)、三段跳=山本凌雅(順天堂大4)と「標準」到達者が4名。走幅跳でも、サラブレッド橋岡優輝(日大1)を筆頭に8m15の「標準」を視野に入れている選手は大勢います。
対して女子はというと、各種目の「標準」が、HJ=1m94、PV=4m55、LJ=6m75、TJ=14m10ということで、現有戦力ではとても「無理無理!」。唯一リオ五輪代表になったLJの甲斐好美(VOLVER)はノー・エントリー。どうにもなりません。
何か、理由というか、この傾向をもたらしている要因があるのでしょうね。私には今のところ思い当たることがありません。なぜ、日本の女子アスリートはバネをなくしてしまったのでしょう?

種目別に見ると、男子走高跳は「標準」を2度クリアしている好調の衛藤に対してエースの意地を見せたい戸邉直人(つくばTP)、ベテランの高張広海(日立ICT)が絡む展開。平松祐司(筑波大3)が不参加のため、「標準」に近い争いになるとこの3人以外ではちょっと荷が重くなります。
棒高跳は「標準」の2人に今季はセミリタイア状態か?とも思われた澤野大地(富士通)が巻き返しを図る構図は去年と同じですが、ここに進境著しい江島雅紀(日大1)が加わります。標準記録云々はともかく、自身が塗り替えたばかりのU-20日本記録5m61の更新を狙っていただきたいものです。
走幅跳は今季唯一8mを超えているのが関東インカレの橋岡。昨年大台に乗せた城山正太郎(ゼンリン)、山川夏輝(日大4)、他は峯村鴻汰(モンテローザ→富士通)、下野伸一郎(九電工)、小田大樹(日大4)などが7m90台にひしめくという感じですが、条件次第で8mラッシュという状況も起きるかもしれません。8m18を持つ菅井洋平(ミズノ)の復活にも期待したいところです。
三段跳はリオ組の長谷川大悟(横浜市陸協)と山下航平(福島陸協)がともに「一発屋」で終わっており、唯一の「標準」到達者・山本の安定感が群を抜きます。昨年大会新記録を跳びながら山下に敗れた関東インカレの悔しさが、いいモチベーションになったのではないでしょうかね。

女子は、優勝者予想くらいしかできないのが寂しいですけど。
走高跳はここのところ安定して1m80をクリアしているのが仲野春花(早稲田大3)くらいという状況。本人はユニバ標準記録の1m84を大目標に掲げていますので、視線が高い分、有利だと思います。大雨の中で行われた昨年を制した京谷萌子(北海道ハイテクAC)やベテランの福本幸(甲南学園AC)らがどこまで食い込めるか。
棒高跳は第一人者の我孫子智美(滋賀レイクスターズ)の出来次第というところ。4m20程度のバーであれば、まだ優勝経験のない仲田愛(水戸信金)、昨年の覇者・青島綾子(新潟アルビレックスRC)、最近ネットで注目度の高い今野美穂(トーエル)らが台頭してきそうです。
走幅跳はまさにドングリの背比べ状態で予測不能。持ち記録最上位の枡見咲智子(九電工)も全盛期の勢いはなく、ヘンプヒル恵(中央大3)に初優勝・混成と二冠のチャンスがあります。
美人の多い三段跳は、宮坂楓(ニッパツ)の独擅場でしょう。

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◆<投擲>ごめんなさい!注目は男女ともやり投だけ
ということで、男子は今季スランプの新井涼平(スズキ浜松AC)に「標準・楽勝」の斬れ味が戻っているかどうか。うかうかしていると、重鎮・村上幸史(スズキ浜松AC)はおろか、長谷川鉱平(福井陸協)や伸び盛りの佐藤隼矢(東海大3)あたりにも足元を掬われかねません。

そして女子は、私的には今季のフィールド・イチオシ注目種目。
大エースの海老原有希(スズキ浜松AC)、時々穴をあける宮下梨沙(大体大TC)、若手最有望株の北口榛花(日大2)、そして今年新たに60mスロワーに仲間入りした斉藤真理菜(国士舘大4)。さらには瀧川寛子(中京大大学院)、當間汐織(九州共立大4)、山下実花子(九州共立大2)、長麻尋(和歌山北高3)といったイキのいい若手が55~60mの間にズラリと順番を待っています。嫁に行って(だと思いますが)名前が変わった森友佳(東大阪市陸協)も元気です。
やり投って、冬のスキージャンプ競技に似た面白さがありますよね。いい向かい風を貰って、白熱の空中戦を、ぜひとも!

ほんと、思いっきし端折っちゃって、スイマセン。

第101回日本選手権の見どころ ⑤ ~女子中長距離


このカテゴリーは、私にとってのメインイベントです。
特に女子10000mは、創成期の松野明美と朝比奈美代子の大逆転レース、鈴木博美・千葉真子・川上優子らをラスト1周62秒の猛スパートで一網打尽にした弘山晴美、無敵の6連覇で時代を創った福士加代子、北京代表を争った福士・赤羽有紀子・渋井陽子の鍔迫り合い、2位以下を全員周回遅れにした新谷仁美の圧巻の独走など、いくつもの名勝負・名場面が思い浮かびます。昨年の雨中の激闘も素晴らしいレースでしたが、放送の演出にこだわって大部分を見せなかったNHKのボーンヘッドにはやきもきしました。
今年も、タレントは豊富です。秘かに自分が注目する選手がどんな走りをしてどのポジションに入ってくるか、期待に胸躍るここ数日です。
2016日本選手権10000

◆「女王」待望の800m
400mと並んで、ここのところ上位の顔ぶれが猫の目のように変わる女子800m。2011年の岸川朱里(長谷川体育施設)以降、連覇した選手がいません。昨年高校生で制覇した福田翔子(松江北高→島根大学)も今季はまったく音沙汰なしで、競技を辞めてしまったのでしょうか、エントリーリストにも名前がありません。記録的にも、停滞が続きます。
その中ではインカレの関東・個人を連覇した北村夢(日本体育大4)が2分4秒台で安定した力を発揮、一歩リードの感があります。これに福田の好敵手・池崎愛里(順天堂大1)や卜部蘭(東京学芸大4)といった学生勢、大森郁香(ロッテ)や山田はな(わらべや)といった優勝経験者がどう絡むか。400とのダブルエントリーとなる川田朱夏(東大阪大敬愛高3)、塩見綾乃(京都文教高3)、後藤夢(西脇工業高3)らの高校勢はどうか…・
これだけ大勢の名前を挙げなければならないということは、主役不在ということです。個人的には、2011年の400m優勝者、新宮美歩(東邦銀行)にももう一花咲かせてもらいたいものですが。

◆1500mはニューカマーに期待
昨年何度目かのブレイクを果たした木村友香(ユニバーサル)が、今回は代表権にリーチをかけている5000mをメインで狙ってくると思われますので、この種目も混戦模様です。
優勝経験のある陣内綾子(九電工)や須永千尋(資生堂)、森川千明(ユニクロ)、飯野摩耶(第一生命G.)といったベテランもまだまだやる気の一方で、エントリーリストには高校中長距離界の一線級や高卒ルーキー・2年目の名前がズラリと並びます。
髙橋ひな(NIKE TOKYO)・田中希実・後藤の「西脇工3人娘」やインターハイ戦線での主役が期待される高松智美ムセンビ(薫英女学院高3)、リンズィーヘレナ芽衣(市立金沢高3)、林英麻(健大高崎高3)らにも食指が動きますが、イチオシは昨季の駅伝での快走ぶりが印象深い和田有菜(長野東高3)でしょうか。
かつて小林祐梨子、小林美香(ともに須磨学園高)といった高校生が優勝をさらってあっと言わせたこの種目、今年もその再現が見られるかもしれません。

◆オリンピアン高見澤の安定政権?
3000mSCは、予想外のリオ五輪出場を勝ちとった高見澤安珠(松山大4)の長期安定政権が続きそうな気配です。対抗格の森智香子(積水化学)も故障のない順調ぶりで追随しますが、とにかくあのお粗末なハードリングを改善しないことには、ラスト勝負に持ち込んでも勝ち目はありません。3番手も三郷実沙希(スズキ浜松AC)で安定状態。新勢力、たとえば向井智香(名城大2)あたりに一波乱を期待したいところでしたが、エントリーは1500だけでした。
もちろん(?)、早狩実紀(京都陸協)も出場します。レジェンドです。

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◆百花繚乱の5000、10000
長距離2種目は、セットで語る必要があります。男子も同様ですが、先に行われる10000mの結果を承けて、5000mの動向が変わってくるところがあるからです。
現在、女子の「標準」到達者は全種目を通じて5000mの3名、10000mの16名、これだけです。世界選手権代表が長距離オンリーになってしまう危惧を孕んでいる状況ですが、中で10000の到達者数が突出しているのも珍現象です。(10000mは標準記録の有効期間が昨年1月1日からと長いことと、世界的にレース数が少ない、あるいは強豪国が偏っているためレベルが引き下げられていることが原因)

10000m到達者16人のうち、すでにマラソン代表を決めている安藤友香・清田真央(ともにスズキ浜松AC)と5000mに専念する松﨑璃子(積水化学)を除いた13人が、全員エントリーしています。
リオ代表の鈴木亜由子、関根花観(ともに日本郵政G.)、高島由香(資生堂)はいずれも5月のペイトン・ジョーダン招待を走って順調の模様。この3人が今のところ実力上位である状況は、昨年とそう変わりありません。食い下がる存在としては、5000代表の上原美幸(第一生命G.)、実業団覇者の松田瑞生(ダイハツ)、進境著しい一山麻緒(ワコール)あたりでしょうか。石井寿美(ヤマダ電機)はマラソンにチャレンジした影響が懸念されますし、私が大好きな中村萌乃(ユニバーサル)では今一つ実力不足か?…。

5000の到達者は木村友香、松﨑璃子、森田香織(パナソニック)の3人。ランキングトップの木村が真剣に代表を狙ってきますが、まだ5000mの経験が十分ではなく、一抹の不安を感じさせます。その意味では安定した実力を発揮している松﨑が、5連覇・3大会連続代表を目指す尾西美咲との連携を含めて優位な立場にいると見られます。
先に10000で代表権を確保した選手がどういうレースに持ち込もうとするかで、展開は大きく変わってくるところがあります。その中で、福田有以、横江里沙という有力選手2人を擁する豊田自動織機勢が、助っ人アン・カリンジを使って主導権を取りにくる展開が予想されます。特に春先から好調の福田はあと一歩のところで「標準」を逃すレースが続いており、盤石の仕上げで臨んでくるものと思われます。
男子と違ってまず間違いなく「標準」を見据えた速い展開になるだろうと思いますが、その中で「代表」云々をあまり意識せずに追随する、矢田みくに(ルーテル学院高3)、小笠原朱里(山梨学院高2)、森林未来(諫早高3)といった高校生ランナーの一発にも注目です。となると、佐藤成葉(立命館大2)、関谷夏希(大東文化大2)、岡本春美(三井住友海上)などの若手勢にも奮起を期待したいところ。言うまでもなく、“復活”が待ち望まれる鷲見梓沙(ユニバーサル)からも、目が離せません。

2017日本選手権5000
2017日本選手権10000

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