豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2017年05月

サニブラウンもDL上海参戦!


IAAFダイヤモンドリーグ第2戦の上海大会は今週末13日に上海体育場で開催されます。
今季開幕から好調の桐生祥秀(東洋大)、ケンブリッジ飛鳥(NIKE)のエントリーで俄然注目度が高まっていた男子100mに、さらにサニブラウン・ハキーム(東京陸協)の追加参戦が決まりました。
当初出場を予定していたジャスティン・ガトリン(USA)がキャンセルしたための“空き枠”に、幸運にも滑り込んだものです。
2017DL上海

日本人選手以外は全員PB9秒台という状況は変わりありませんが、SBでは桐生の10秒04がトップ、アメリカでの3戦がすべて追風参考ながら10秒0台以下を連発しているケンブリッジも好調で、底知れぬ伸びしろを思わせるサニブラウンはPBを更新済み。まだエンジンが暖まりきっていない感のある各選手の中、好勝負が期待されます。何と言っても、地元の期待を一身に集めるスー・ビンチャンが最大のライバルとなるでしょう。

なお、このレースはDLポイント対象外レースとなります。
初戦のドーハで思わぬ惨敗を喫したガトリンは、次のDLレース(27日・ユージーン大会)へ向けて立て直しを図っての回避と見られ、21日の『GG川崎』にも出てくるかどうか、微妙なところだと思われます。

“ロンドン標準”は不発~GGのべおか


『第28回ゴールデンゲームズinのべおか』が行われ、国内実業団を中心に中長距離トップランナーが多数出場しました。

GW後半に差し掛かるにつれ、各地とも初夏の陽気となってきました。夜になってもさほど気温が下がらなくなり、それも影響してか記録的には物足りない大会となったようです。ちなみに20時時点での気温が22.5℃とのことです。
なおこの大会の模様は動画サイトFRESH/日本陸連公式チャンネルにてストリーミング配信されており、全レースを堪能することができました。(私はリアルタイムで見られなかったので、主要レースのみ後から視聴しました)
途中画面がブラックアウトしてしまうような箇所もあったりしますが、先日の『TOKYO Combined Events Meet』に比べるとずっと手を掛けた中継になっており、臨場感たっぷりに楽しめます。あとは、中継制作サイドの仕事範疇ではないにしろ、場内通告員やインタビュアーなどの喋り手の技量がもう少し良ければ、言うことないですね。
ご覧になりたい方は、コチラへ↓

https://freshlive.tv/jaaf_official/112269
2017GGN3

主要レースの結果を掲載しておきます。

◇男子1500m ① 3'43"16 館澤 亨次 (東海大2)
② 3'44"10 秦 将吾 (大塚製薬)
③ 3'44"65 井上 弘也 (上武大4)
④ 3'46"45 加藤 光 (JR東日本)
⑤ 3'46"73 西岡 喬介 (中電工)
⑥ 3'47"98 遠藤 日向 (住友電工)
⑦ 3'48"27 楠 康成 (小森Co.)
⑧ 3'48"66 河村 一輝 (明治大2)
⑨ 3'48"81 前田 恋弥 (明治大3)
⑩ 3'49"19 阪口 竜平 (東海大2)
⑪ 3'51"76 田母神 一喜(中央大2)

◇女子1500m ① 4'22"46 倉岡 奈々 (デンソー)
(A組) ② 4'22"70 向井 智香 (名城大2)
③ 4'22"73 中川 文華 (積水化学)
④ 4'26"70 平山 歩弓 (神村学園高2)
⑤ 4'26"78 湯田 向日葵(第一生命G.)
⑥ 4'27"72 下田平 渚 (ダイハツ)
⑦ 4'28"09 日隈 彩美 (鹿屋体育大2)
⑧ 4'28"49 久田ちひろ(神村学園高3)
⑨ 4'28"50 岡田 芽 (ホクレン)
⑩ 4'29"60 齋藤 真希 (肥後銀行)
⑪ 4'32"33 藤原 瑠奈 (松山大1)
⑫ 4'38"76 鈴木 瑞季 (名城大2)

◇男子5000m(C組・出場30人中、日本人選手のみ)
⑩ 13'32"62 松枝 博輝 (富士通)
㉕ 13'58"49 市川 孝徳 (日立物流)
㉚ 14'08"34 服部 弾馬 (トーエネック)

◇男子5000m ① 13'48"41 阿久津 圭司(SUBARU)
(B組) ② 13'48"48 市田 宏 (旭化成)
③ 13'49"28 柳 利幸 (日立物流)
④ 13'50"13 伊藤 和麻 (住友電工)
⑤ 13'54"94 藤川 拓也 (中国電力)
⑥ 13'55"78 文元 慧 (カネボウ)
⑦ 13'56"40 大塚 祥平 (九電工)
⑧ 13'57"24 新庄 翔太 (Honda)
⑨ 13'57"37 松村 康平 (MHPS)
⑩ 13'57"71 山岸 宏貴 (GMOアスリーツ)
⑪ 13'58"98 西島 雄伸 (城西大2)
⑫ 14'00"42 寺内 將人 (愛知製鋼)
⑬ 14'03"17 西川 雄一朗(東海大2)
⑭ 14'05"38 池田 紀保 (プレス工業)
⑮ 14'06"13 柳原 貴大 (八千代工業)
⑯ 14'06"70 竹内 大地 (中央大4)
⑰ 14'11"11 山本 修二 (東洋大3)
⑱ 14'20"21 松田 佑太 (SGホールディングス)
⑲ 14'26"54 吉元 真司 (黒崎播磨)
⑳ 14'26"87 廣瀬 大貴 (大阪ガス)
㉑ 14'31"37 舟津 彰馬 (中央大3)
㉒ 14'53"66 新迫 志希 (早稲田大2)
  PM エネブロ・ビアゼン(八千代工業)

◇男子5000m ① 13'45"00 牟田 祐樹 (日立物流)
(A組) ② 13'50"77 有村 優樹 (旭化成)
③ 13'53"30 木滑 良 (MHPS)
④ 13'54"97 岡本 雄大 (JFEスチール)
⑤ 13'57"72 茂木 圭二郎(旭化成)
⑥ 14'01"13 監物 稔浩 (NTT西日本)
⑦ 14'06"68 渡邉 利典 (GMOアスリーツ)
⑧ 14'07"71 川端 千都 (東海大4)
⑨ 14'08"39 平 和真 (カネボウ)
⑩ 14'11"05 物江 雄利 (駒澤大3)
⑪ 14'11"64 北 魁道 (中国電力)
⑫ 14'13"89 高久 龍 (ヤクルト)
⑬ 14'17"08 一色 恭志 (GMOアスリーツ)
⑭ 14'24"72 山崎 亮平 (中国電力)
⑮ 14'25"08 シテキ・スタンレー(東京国際大4)
  PM ジョナサン・ディク(日立物流)

男子5000mはC組が「インターナショナル・レース」として行われ、ここにランク上位の日本人ランナーがシードされたのですが、残念ながら村山紘太(旭化成)はDNS。
今季好調の松枝博輝が食い下がりましたが、標準突破はならず。
全般に(10000も含め)、日立物流の選手たちの力走が目立ちます。実は私の後輩に去年本社からここに出向になった男がいまして、昨年末の忘年会で会った時に「元旦はニューイヤー駅伝の応援に行かなきゃならない」とボヤいていました。結果は10位とまずまず健闘。次は、もっと応援のしがいがあるレースを繰り広げるかもしれません。



2017GGN4


◇女子5000m ① 15'12"36 シュル・ブロ(TOTO)
(A組) ② 15'13"81 マータ・モカヤ(大分東明高2)
③ 15'14"89 パウリン・カムル(ルートインホテルズ)
④ 15'24"81 アン・カリンジ(豊田自動織機)
⑤ 15'26"62 福田 有以 (豊田自動織機)
⑥ 15'30"28 マリアム・ワイディラ(九電工)
⑦ 15'50"59 井上 藍 (ノーリツ)
⑧ 15'51"75 筒井 咲帆 (ヤマダ電機)
⑨ 15'52"20 高見沢 里歩(松山大2)
⑩ 15'55"06 森林 未来 (諫早高3)
⑪ 15'56"38 藤本 彩夏 (京セラ)
⑫ 15'57"80 カマウ・タビタ(神村学園高2)
⑬ 15'58"06 藪下 明音 (豊田自動織機)
⑭ 15'59"74 佐々木 文華(第一生命G.)
⑮ 16'00"50 宮田 佳菜代(ユタカ技研)
⑯ 16'02"29 沼田 未知 (豊田自動織機)
⑰ 16'04"98 池満 綾乃 (鹿児島銀行)
⑱ 16'09"45 新井 沙紀枝(肥後銀行)
⑲ 16'09"65 竹地 志帆 (ヤマダ電機)
⑳ 16'11"14 飯野 摩耶 (第一生命G.)
㉑ 16'11"19 豊川 真里奈(しまむら)
㉒ 16'19"67 金平 裕希 (シスメックス)
㉓ 16'25"35 宮﨑 悠香 (九電工)
㉔ 16'30"50 宮城 亜支亜(大分東明高3)
㉕ 16'45"31 横瀬彩也香(ヤマダ電機)
㉖ 16'56"08 安藤 実来 (ヤマダ電機)

福田選手は2週前の『マウントサックリレーズ』に続く標準挑戦となりました。先行した3選手に次ぐ第2グループで、チームの同僚アン・カリンジが作る標準記録ペースに食らいついたものの、終盤暑さのせいかまたもや惜しいところで伸びきれず。(インタビュアーが「自己記録おめでとうございます」なんて言ってましたが、間違いですね)
同じチームの横江里沙選手が『マウントサック』のDNFに続いてDNS。状況が気になります。

◇男子10000m① 27'57"63 鎧坂 哲哉 (旭化成)
② 28'09"01 佐藤 悠基 (日清食品G.)
③ 28'13"42 設楽 悠太 (Honda)
④ 28'13"85 横手 健 (富士通)
⑤ 28'15"97 市田 孝 (旭化成)
⑥ 28'16"87 村山謙太 (旭化成)
⑦ 29'00"91 浅岡 満憲 (日立物流)
⑧ 29'09"49 設楽 啓太 (埼玉陸協)
⑨ 29'17"10 大六野秀畝(旭化成)
⑩ 29'27"18 服部 勇馬 (トヨタ自動車)
⑪ 29'30"47 鈴木 健吾 (神奈川大4)
⑫ 29'43"09 猪浦 舜 (八千代工業)
⑬ 29'44"97 工藤 有生 (駒澤大4)
⑭ 29'51"40 藤本 拓 (トヨタ自動車)
  PM ポール・タヌイ(九電工)
2017GGN

ポール・タヌイは、モー・ファラーさえいなければ世界一の長距離ランナーです。その人に9800mまでペースメイクをしてもらえる日本人選手は幸せですが、標準突破の期待に応えることはできませんでした。
設定ペースに遅れがちな日本選手を気遣いつつ、自身はジョギングしているかのようにリードするタヌイにただ一人付いていったのが、佐藤悠基。序盤から余裕がありそうで、久々に「強い佐藤が帰ってきた!」と思わせたものの、3周で1周71秒にまで失速し、いったん引き離した鎧坂の再逆転を受けました。佐藤はマラソン路線にシフトしているためロンドンの標準記録はあまりこだわっていなかったかもしれませんし、復調途上というように解釈しておきましょう。
鎧坂も、持ち味の粘り腰が戻ってきました。大迫傑を別にすれば、日本選手権の本命でしょうね。

男子長距離の標準到達者は今のところ村山紘太(旭化成)ただ一人。今後は気候的に記録が難しくなるため、ロンドンを目指す選手としては海外で狙うか、日本選手権で順位をとってからホクレンディスタンスで狙う、という青写真になりそうです。松枝選手のレース後のコメントが、他の選手たちの考えをも代弁していたように聞こえました。
できたら日本選手権で、標準を破るくらいのレベルのレースが見たいところですけどね。

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松﨑、一山が標準突破!~PJ招待陸上



『ペイトン・ジョーダン招待陸上』が日本時間の今朝9時(現地時間5日17時)から行われ、女子5000mで松﨑璃子(積水化学)、同10000mで一山麻緒(ワコール)が、新たにロンドン世界選手権参加標準記録を突破しました。
5000m1組に出場した松﨑は、昨年の世界室内1500m優勝者シファン・ハッサン(NED)らと先頭争いを繰り広げ、ラスト1周62秒というハッサンのスピードには屈したものの2位に食い込みました。松﨑はすでに10000mの標準は突破していますが、“本業”の5000では木村友香(ユニバーサル)、森田香織(パナソニック)に続く3人目の到達者となります。
また女子10000mでは、リオ長距離代表の4人と一山が参戦。有効期間が昨年1月1日までさかのぼる種目のため、代表の4選手はすでに標準突破を果たしている中、唯一人暮れの記録会で1秒弱及ばず突破を逃していた一山が、新たに16人目の到達者となりました。
この種目の優勝者はリオ五輪1500m6位のメラフ・バータ(SWE)で、PBを2分近く更新する31分13秒06でした。
日本人選手の結果は、以下のとおりです。

◇男子10000m(35人出場・標準記録:27'45"00)
㉗ 29'17"60 大石 港与(トヨタ自動車)

◇女子3000mSC(14人出場・9'42"00)
⑪ 10'12"65 森 智香子(積水化学)

◇女子5000m2組(18人出場・15'22"00)
⑦ 15'31"92 尾西 美咲(積水化学)

◇女子5000m1組(21人出場)
② 15'19"91 松崎 璃子(積水化学)
⑪ 15'27"62 阿部 有香里(しまむら)
⑫ 15'27"97 鍋島 莉奈 (日本郵政G.)
⑯ 15'44"78 森田 香織(パナソニック)

◇女子10000m(36人出場・32'15"00)
⑤ 31'33"33 高島 由香 (資生堂)
⑧ 31'41"74 鈴木 亜由子(日本郵政G.)
⑩ 31'49"01 一山 麻緒(ワコール)
⑬ 32'10"22 関根 花観(日本郵政G.)
㉖ 32'56"38 上原 美幸(第一生命G.)

JTレーラーがビッグスロー!~DL第1戦ドーハ


IAAFダイヤモンドリーグ開幕戦・ドーハ大会が行われ、リオ五輪の金メダリスト9人を含むトップ・アスリートが4カ月間にわたるツアー・シリーズのオープニングを彩りました。
今季はツアー方式が大きく変更になりました。従来各ゲームの順位ポイントの累計でチャンピオンが決まっていたのが、第12戦までの累計ポイント上位者(トラック8名、フィールド12名)が最終戦(第13戦と14戦に分けて実施)に進出し、そこでの勝者がツアー・チャンピオンになる、というものです。
(昨日、「全15戦」と書きましたが、今季は例年2日間開催で2戦扱いだったロンドンが1日のみとなったため、「全14戦」となります。開催地は昨季と変わらず)
また付与されるポイントも、1位の8点から8位の1点まで1点刻みとなり、昨季はトップ4で行っていたフィールド種目の6回試技が、通常の大会同様トップ8になりました。
主に参加選手の契約メーカーで色分けされるユニフォームもガラリと変わり、また記録などの画面表示方式も工夫されて、新鮮な気分で中継を眺めることができました。

好況を呈したのは男子やり投。
ドイツ三羽ガラスの一人、ヨハネス・フェテルが3投目に89m68の大投擲。PBを11㎝更新して、普通なら「今日は決まり!」の局面です。
ところが昨季のツアー・チャンピオン、ヤクブ・ヴァドレイヒ(CZE)が4投目に87m91で「このまま終わると思うなよ」とニラミを効かせた直後、今度は金メダリスト、トマス・レーラーが渾身の一発。投げた瞬間に解説の石塚浩さんが「あっ、行った!」とつぶやいたほどの会心のやりは、計測員の頭上も90mラインも遥かに超えて、正面映像を撮影するカメラの直前で地面に突き刺さりました。(カメラマン、微動だにせず)
世界歴代2位の93m90!…真夜中なのに思わず「ウォッ!」と声をあげてしまいました。
昨年に続いてDL参戦の新井涼平(スズキ浜松AC)は、3回とも75mを越せない残念な投擲で、トップ8にも残れず10人中9位。ノーポイントに終わりました。めげずにまたチャレンジしてください!
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女子800mにサプライズ・エントリーしたゲンゼベ・ディババ(ETH)でしたが、さすがに見せ場を作ることもできず5着。勝ったセメンヤ(RSA)、2着のマーガレット・ワンブイ(KEN)がともに“巨漢”女性なだけに比べるのは気の毒ですが、この種目の中に入ると線の細さが目立ってしまいます。それでも集団の軋轢を避けて前に出て行った序盤のスピード、そして2分を切ったタイムは、5000mを走る上では自信になるのではないでしょうか?

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女子200mの「オンナの熱きバトル」を制したのは、エレイン・トンプソン(JAM)。-2.3mで22秒19は、シーズン初めとしては好仕上がりと言っていいでしょう。対するダフネ・スキッパーズ(NED)はせっかくスタートが良かったのに肝心のコーナー出口でもたつき、本領の差し脚も不発。石塚さんも言ってましたが、少しぽちゃっとした感じだったので、仕上げはまだまだこれから、ということならいいんですが。

それにしても、いくらお下げに結っているとはいえスタートの構えで地面に着いちゃうほどに髪を長く伸ばしたトンプソンといい、100mHでスタートに失敗しつつ平凡な記録ながら他を寄せ付けなかったケンドラ・ハリソンのキノコ頭といい、どう見ても走るのに邪魔だろうという気がするんですけど、いかがなもんなんでしょうね?
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男子100mは、アカニ・シンビネ(RSA)が9秒99(-1.2)で優勝。南半球の国だけにすでに自国のトップシーズンを経てきているとはいえ、相当強いです。
ここ数年、抜群の安定感を誇っていたジャスティン・ガトリンは珍しく4位と大敗。好調時に見せる「檻開き」のアクションがなかったので、不調を自覚していたのでしょう。アンドレ・ドグラス(CAN)もいいところなく5着。この両者は『ワールド・リレーズ』にも出ていたので、特に調整が不順ということはないと思いますが。

男子400mH(ポイント対象外)を圧勝した地元カタールの21歳、アブデルラーマン・サンバも強力な新興勢力です。48秒31のWLが伊達ではないことを証明する48秒44。2位クレメントが49秒40ですから他の選手が軒並み不甲斐なさすぎたとも言えますが、バックストレートでの加速力は圧巻でした。昨季全般的にやや精彩を欠いたこの種目では、女子のダリラ・ムハマドのようにいきなり頭一つ抜け出す存在となるかもしれません。

女子棒高跳はエカテリニ・ステファニディ(GRE)が相変わらず定位置の4m80を綺麗にクリアして優勝。私の“I LOVE”サンディ・モリス(USA)は、金髪にピンクのメッシュを入れてますますビューティフル…成功時にはかなり高い所を跳んでいますがまだ助走にムラがあって、4m80、85で3回失敗。この高さの勝負になるとやっぱりステファニディですね。今季は着実に、自己記録を数センチ伸ばしてくるような気がします。
がっ!5mの勝負になれば、モリスのもんだぜ!
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2017DLがスタート!


header2017-v2

時系列的にはこっちを先に展望すべきでした。
いよいよ今季のIAAFダイヤモンドリーグ全15戦が、カタール~ドーハのスハイム・ビン・ハマド・スタジアムで開幕します。
まあ展望と言いましても、4月23日の投稿で結構なところまで書いちゃってますんで、あとは見てのお楽しみ、ということで、いつものように実施スケジュールと主な出場選手をご紹介しておきます。

(スケジュールは日本時間で紹介。太字はリオ五輪優勝者)

24:00 女子砲丸投(M.カーター,A.マールトン,Y.レオンチュク)

24:15 女子棒高跳(E.ステファニディ,S.モリス,Y.シルバ,N.ビュヒラー)

24:45 男子走高跳(M.E.バルシム,A.プロツェンコ,R.グラバーツ,D.トーマス)

25:03 男子400m(L.メリット,T.マッケイ,S.ガーディナー,K.シバンダ)

25:05 男子やり投(T.レーラー,J.イェゴ,J.ヴァドレイヒ,新井涼平)

25:14 男子1500m(E.マナンゴイ,S.キプラガト,R.ビウォット,B.ブランケンシップ)

25:25 女子800m(C.セメンヤ,E.J.スム,M.N.ワンブイ,G.ディババ)

25:35 女子200m(E.トンプソン,D.スキッパーズ,B.オカグバレ,V.キャンベル-ブラウン)

25:45 男子三段跳(C.テイラー,A.コペイヨ,ドン・ビン)

25:50 女子100mH(K.ハリソン,N.アリ,S.ネルヴィス,S.オフィリ)

26:05 女子3000mSC(R.ジェベト,H.キエン,E.コバーン,H.グリビ)

26:25 男子100m(J.ガトリン,A.デグラス,A.パウエル,K.コリンズ)

26:35 男子400mH※nonDL(K.クレメント,N.ベット,LJ.ヴァンジル)

26:45 男子3000m(Y.ケジェルチャ,M.エドリス,T.ロンゴシワ,C.キプルト



まずは女子棒高跳。ステファニディ(GRE)とモリス(USA)の頂上決戦が早くも見られます。モリスぐぁんばれ!

同じく頂上決戦は女子200m。トンプソン(JAM)とスキッパーズ(NED)のライバル関係は北京世界選手権がスキッパーズ、リオ五輪がトンプソン。今年はどっちに傾くでしょうか??

男子やり投には新井涼平が参戦。昨年日本人最多ポイント獲得者です。こちらの種目も、五輪王者レーラー(GER)に銀の剛腕イェゴ(KEN)、DL覇者のヴェドレイヒと揃いました。リストは最大4名にしようと思ったので書き切れませんでしたが、テロ・ピトカマキ(FIN)やヨハネス・フェテル(GER)もエントリー。新井はぜひともトップ4を!

驚いたのは、ゲンゼベ・ディババ(ETH)の800m参戦です。IAAFの情報では公式記録を持っていませんので、この種目は初レースということなのでしょう。日本ではあり得ないような短い距離への転身ですけど、むかし、モロッコの名ランナー、サイド・アウィタが5000mから800mにシフトしていったケースを思い出します。今年は1500mを中心とした参戦になるということでしょうか?セメンヤには勝てないまでも、最後の直線まで勝負出来たら凄いですよ。

同じように、いつもは障害物つきで走っている3000mのフラット・レースにエントリーしているのがコンセスラス・キプルト(KEN)。こちらは、本業がプログラムにないのでこっちでいいやという感じですかね。

ボルトの最終章となる今季の男子100mは、新興勢力の筆頭アンドレ・デグラス(CAN)にとってのチャンスです。さすがに上がり目の期待できないガトリン、パウエルを相手の試金石がこのレースとなるでしょう。

あとはケンドラ・ハリソン!今季はまだ12秒56がSBとゆったりめの立ち上がりですが、ここで流れに乗れるか?

放送は明日の深夜24時45分から日テレG+で、25時頃から現地映像の生中継に入るはずです。



ギャラリー
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