豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2017年03月

日本マラソン界への提案(3)



前回の続きです。
私なりに「とりあえず」まとめてみた、ロードレース・シーズンの新しいスケジュール案は、
①『マラソン日本選手権』を独立したレースとして新設し、当該シーズンの日本王者決定戦とするとともに、オリンピックなど重要国際大会の最終にして唯一の代表選考会として位置付ける。(=欠場者は選考対象としない)
②上記の実施日程を3月中旬と仮定し、それに伴って既存大会の開催時期を変更・調整する。
③上記変更に際して、実業団連および学連の主催する主要駅伝大会の日程は、原則として変更しない。 
という主旨のもとに設計しています。
国内3大レースと呼ばれる男女6大会の日程を単純にずらすだけでも大変な調整作業が必要な上に、一部は国民的行事ともなっている駅伝大会の日程には実業団連や学連の思惑が色濃く反映されていることでもあり、これを動かすことはさらに難しい。また、選手が3大レースのいずれかに臨むにあたって、そうした駅伝大会やハーフ・30km等のロードレースを“トライアル”として効果的に利用できる流れも重要視したいと考えました。
その結果、特に男子の『びわ湖』や女子の『大阪』『名古屋』などは開催時期が大きく動くことになり、また『香川丸亀』や『青梅』といった現状2月に開催されているレースを秋口に、4月に行われている『長野』を『北海道』と並ぶ夏のレースにと、3大レース以外のところでも大きな時期変更を提案させていただいています。

もちろん、これがベスト!などと言うつもりはありませんし、公表された「陸連案」(『選考会』を秋に開催)であれば、より小さな変更で済むというメリットもありそうです。(ただし、「陸連案」では3大レースの開催意義がまったく違うものになり、記録の出にくいレースは敬遠されるという結果が目に見えています。『選考会』自体もぶっつけ本番的なスケジュールとならざるを得ません)
ですが、ひとまずこのスケジュール案を踏まえたところで、私の提案をもう少しご紹介したいと思います。

◆「グレード」と「ポイント」という考え方
さて、前回ご提案したレース・スケジュールの中で、個人のロードレースにはそれぞれ【 】でGなにがしという記号をつけてあります。
競馬などがお好きな方はお察しかと思いますが、これはマラソン界にも「グレード制」を導入してはどうか、という提案です。
すでに国際的には、主要ロードレスに「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」というレーベル制が施行されているのはご承知のとおりです。IAAFによるこのランク分けは、大会の規模や実施体制などを勘案した世界中の主要レースの格付けであるのに対し、私が提案するのは国内大会における、あくまでも「代表選考」を軸としたレースの重要性を基準にするものです。
なぜグレード制を設けるかと言いますと、『日本選手権』出場資格や代表選考の判断材料となる「ポイント制」を施行してはどうか、という考えからです。
 
GP(グランプリ)…日本選手権
G1 … (男子)福岡国際、びわ湖毎日、東京 
(女子)さいたま国際、大阪国際女子、名古屋ウィメンズ
G2 … (男子)北海道、別府大分、香川丸亀国際ハーフ
(女子)北海道、東京、香川丸亀国際ハーフ
G3 … (男子)長野、防府讀賣、延岡西日本、全日本実業団ハーフ、全日本学生ハーフ他
(女子)長野、全日本実業団ハーフ、全日本学生ハーフほか

「ポイント」は、各グレード・レースの着順、およびタイムなどによるボーナスポイントを設定し、2年間を有効期限として累積することで、マラソン・ランナーそれぞれの現有する実力をタイム以外の指標で、ある程度数字化するという試みと思ってください。
数字の設定には細かい分析や検討が必要になりますが、たとえば次のように仮定してみます。

GP … 1位:500pt. 2位:300pt. 3位:200pt. 4位:150pt. 5位:125pt. 6位:100pt. 7位:75pt 8位:50pt.
G1 … 1位:200pt. 2位:120pt. 3位:80pt. 4位:60pt. 以下、50・40・30・20
G2 … 1位:100pt. 2位:60pt. 3位:40pt. 4位30pt. 以下、25・20・15・10
G3 … 1位:50pt. 2位:30pt. 3位:20pt.  以下なし

G1~G3については日本人選手のみを対象にした順位とし、外国人選手を含めた総合順位の1~3位には相応のボーナス・ポイントを加算します。
このほか、「オリンピック/世界選手権」については総合順位のみを対象として、
GSⅠ … 1位:1000pt. 2位:800pt. 3位:400pt. 4位:300pt. 以下、250・200・150・100
「アジア大会」や「海外ゴールドレーベル・フルマラソン大会」については
GSⅡ … GPと同等前後のポイント設定
とします。

加えて、「タイム・ポイント」として、『日本選手権参加標準記録』をたとえば男子:2時間12分、女子:2時間30分と設定し、陸連公認コースまたは海外で行われるフルマラソン・レースでこのタイムをクリアした選手は最低でも10pt.、10秒上回るごとに10pt.を加算したポイントを獲得できます。(男子で2時間9分00秒で走れば180pt.獲得)

ポイントの有効期間は、当該の日本選手権から遡って2年前の成績までが対象。つまり、2020年の日本選手権に出場することになる選手は、2018-19年シーズンと2019-20年シーズンに獲得したポイントの累計が「持ち点」ということになります。
あとは、「スケジュール案」に記載した主要駅伝大会の長距離区間で区間賞を獲得した選手にボーナス・ポイントを付与するなども考えられますが、駅伝の場合は選手の属性によって参加できる、できないが強く出てしまいますので、少し不公平感を持たれるかもしれません。

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◆「ポイント」を、どう使う?
『日本選手権』の出場資格は、有効ポイントを10pt.以上持っていること、でよろしいかと思います。つまり、どの大会でもいいから「参加標準記録」を突破するか、G2以上の大会で日本人8位以内、もしくはG3大会で3位以内を1度でも記録すれば、参加資格を得ることになります。
これで想定出場有資格者数が何人くらいになるのか、ここ数年の記録や大会順位を精査してみないと何とも言えませんが、「数十名」という適切な人数に落ち着くのではないでしょうか。もし少ないようならば、標準記録を引き下げることで簡単に想定人数を調整できます。

さて、肝心の代表選考レギュレーションをどうするのか?
「日本選手権優勝」あるいは「前年の世界選手権またはオリンピック表彰台」であれば、その年のオリンピックまたは世界選手権、アジア大会の代表に「一発決定」でよろしいかと思いますが、残り1~2枠を選考するに際し、累計ポイントが重要な判断材料となります。
有効期間内にG1レースのどれかで日本人1位になった選手が2位に入ってくれば、累計500pt.。G1の成績が総合3位以内なら、さらに加点。
2年連続2位だったら、それだけで600pt.。前年3位でも500pt.。これも当然引っ掛かってきそうです。いずれにしても、ある程度実績(持ち点)のある選手が当該の日本選手権で2位ならば、選出されることは極めて有望、ということになります。
「前年の日本選手権優勝者」や「海外ゴールドレーベル優勝者」「G1レース1位で標準記録を5分上回った」であれば、少なくとも500pt.を持っているわけですから断然有利。当該年度が8位に終わったとしても、550pt.です。2位(800pt.)や3位(700pt.)なら文句なしに選出でしょう。まあ昨今、日本人選手のゴールドレーベル優勝なんていうのも夢みたいな話になってきていますから、それくらいのアドバンテージをあげても良さそうですね。
「G1レースで2勝(日本人トップ)」の有資格者ならば、400点以上を持っているわけですから、これも3位以内ならまず当確でしょうか。4位とか5位とかの場合に、ちょっと微妙なことになりそうですね。
逆のケースで言えば、日本選手権でいきなり2位や3位に飛び込んできたとしても、それまでの実績が乏しい(持ち点が少ない)場合は厳しいことになりかねない、と考えられます。

◆ポイント争いは面白いことになるかも?
ポイントやその運用レギュレーションの設定の仕方でいかようにも変わりますので、それが当事者や世間全般を納得させる材料になるのかどうかは何とも言えないところがあるものの、時間をかけて設計していけば、そこはクリアできるような気がします。
何よりも、これまでタイム・ランキングや過去のレース内容の印象度だけを頼りに、私のような陸上ヲタクではない一般の方々にはおぼろげにしか見えてこなかった「代表争いの渦中にいる選手たち」が、レースごとに変動するポイント・ランキングの力を借りて、くっきりと見えてくるのではないかと思います。
また、さまざまな競技で「ワールドカップ」「ワールドシリーズ」等の名称のもとに行われているグランプリ方式のポイント争いがそうであるように、マラソン界に新たな興味を喚起するに違いありません。とうぜん、年間(シーズン)のポイント上位者は、陸連により別途表彰されて然るべきでしょう。
で、日本選手権の順位が全てではない(優勝者は即決、欠場者は資格なしとしても)、累計ポイントが全てではない、というところに、日本陸連の「この選手を代表にしたい」という思惑が上手く反映される余地が生まれるとも考えられます。

もう一つのメリットは、選手がポイント獲得のためにレースを選択する判断材料が増える、ということです。特定して申し訳ありませんが、女子のG1レースとなる『さいたま国際マラソン』などは、現況のまま、あるいは「陸連案」のとおりにすれば、トップ選手は寄り付かない有名無実の大会となっていく可能性が高いと思います。(選考会の後に3大レースですと、レース間隔の最も少ない『さいたま』や『福岡』には、有力選手はまず出ないでしょう)
記録が出にくくても順位ポイントが獲りやすい「穴場」だということになれば、そうしたトップ選手の大会離れを防ぐことが可能になると思われるのです。
地方都市が主体となって営々と続けてきたG2、G3クラスの大会にも、思わぬ一流選手の参戦ということが頻繁になるかもしれません。
もちろん、最終的に「代表入り」を目指す選手たちは、すべてのレースに100%の心構えで挑む必要などありません。
「今回はポイントが〇点以上取れればよし」と、肩の力を抜いて、練習の一環くらいのつもりで走るレースをこなしていけばよいのです。シーズンに2度、3度とフルマラソンを走る選手も、増えてくるのではないでしょうか。

「マラソンに日本選手権を!」
「グレード制・ポイント制の導入を!」
なかなか面白そうな試みだとは、思いませんか?



 

日本マラソン界への提案(2)



日本陸連が、2020年東京オリンピックのマラソン代表選考方式について、真剣に「大改革案」を検討していることが本日の新聞等で報道されました。
このテーマについては、当ブログではリオの男子マラソン直後だった8月25日の記事で私なりに「提案」し、その後もより具体的なロードマップを思い描いては“続編”の投稿を目論んでいたところ、図らずも今回、自分の考えに近い形で方向性が示されたことに、少なからず驚いています。

「陸連案」の骨子は、
「2019年秋以降の時期に『東京五輪マラソン代表選考会』を開催し、それ以前の主要レース(男女3大レース・北海道・別大・世界選手権・アジア大会)での成績上位者に出場資格を与える」
「『選考会』での上位2名を即時代表決定し、残り1名は選考会後の指定レースで設定記録を突破した最上位の選手、もしくは選考会3位の選手」
というものです。
私が提案した
「『マラソン日本選手権』を新設して選考会をこれに一本化、3大マラソンをはじめとする主要レースはその出場資格を得るための大会と位置付ける」
という考えと、ほぼ一致します。異なる点は、陸連の腹案が「2020東京」の選考に特化した方式と思われるのに対して私の考えは、当面の世界選手権代表選考を含めた改革案であること。そのため陸連案では2019年度(2019年~20年のシーズン)の初頭に「臨時大会」を設けて以後の国内主要レースに関しては特殊な位置づけをするといったニュアンスがあるのに比して、私は「新規大会の創設」を軸に、もう少し長期的・恒常的な選考ロードマップが必要と考えているあたりが違いでしょうか。
むろん、陸連案はこれまでにない“英断”であることは間違いありませんが、「選考会」ですべてを決めきれないことのジレンマ、解決策としての「3大レースで残り1枠をタイムで選考」というあたりに、少々強引さを感じてしまいます。ま、そのあたりは私も決定的な解決策を持っているわけではないんですけどね。


マラソン選考法
http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20170329/ddm/041/050/160000c
毎日新聞WEB記事より


◆日程の整備が急務
今回の陸連のコメントによれば、
「代表選考会の一本化は同じタイプの選手が揃いがちなことや文字どおり『一発屋』が選考されるリスクがあり、またマラソンが注目を集める機会が減ることで強化・普及につながらない」
ということのようですが、これには私の指摘したような、「国内主要大会にまつわる巨大資本との関わり合いを反故に出来ない」という“ホンネ”のところが隠されています。
3大マラソンのどれか一つで「一発選考」とするには、スポンサー‐広告代理店‐主催新聞社・TV局という形で成立する巨大資本グループのいずれかを犠牲にしなければならず、事実上それは不可能…だったら「3つのうちの一つを選ぶ」のではなく、それ以外により上位の大会を新設すればいい。あとは、“格下げ”される格好となる3大レースが有名無実化することのないよう、立ち行きを考えてやらねばならない…ここまでは、私と陸連の考え方はほぼ一致しています。
ただ、そのためには年中行事としてほぼ固定・踏襲されている現行のレース・スケジュールを大幅に見直し、資本や主催者の異なる各大会の間を調整し、また一つのシーズンが次のシーズンへとスムーズにつながるきめ細かいロードマップを作成していくという、気の遠くなるような作業が必要になるものと思われます。

当面の課題は、「新設される『代表選考会』をどの時期に行うか、そのために既存のレースをどう移行させるか」というスケジュール調整でしょう。これには、マラソンだけでなく、日本の陸上界にとっては選手および主催者、さらにファンの立場からも決してないがしろにできない駅伝その他のロードレースのスケジュールとの絡みもありますので、相当に難しい課題です。
陸連だけでないそれぞれの関係団体にとっては、「大学駅伝」や「実業団駅伝」のスケジュールを変更することはまず不可能、というところを大前提に、この課題について検討してみたいと思います。

私の提案では、そのシーズンの集大成的な位置付で開催する『マラソン日本選手権』を最終選考会とする、ということでしたので、これをシーズンの最後に持ってくる、ということが一つの前提になっていました。
陸連案では、『選考会』の後に追試的な意味合いでそのシーズンの3大レースを実施するということですから、ここに大きな違いがあるのですが、私は2020年以降も定着させるために、また東京オリンピック代表選考に先立って前年の世界選手権代表選考でも「予行演習」をできるようにするためにも、各方面の理解を得られることで定着しやすいと思われる「日本選手権案」を提唱していきたいと思います。

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◆豊大先生流・新スケジュール案

7月上旬 長野マラソン【G3】【G3】
8月最終週 北海道マラソン【G2】【G2】
10月体育の日 大学選抜駅伝(出雲駅伝)
10月第3週 香川丸亀国際ハーフマラソン【G2】【G2】
10月最終週 全日本大学女子駅伝(杜の都駅伝)
全日本実業団女子駅伝予選会(プリンセス駅伝)
青梅マラソン(30km)【G3】【G3】
11月第1週 全日本大学駅伝(伊勢駅伝)
各地区実業団男子駅伝
11月第2週 さいたま国際マラソン【G1】
11月第3週 福岡国際マラソン【G1】
11月第4週 全日本実業団女子駅伝(クィーンズ駅伝)
12月第1週 全日本学生ハーフマラソン【G3】【G3】
12月第2週 大阪国際女子マラソン【G1】
12月第3週 びわ湖毎日マラソン【G1】
12月第4週 全国高校駅伝

防府讀賣マラソン【G3】
12月30日 大学女子選抜駅伝(富士山駅伝)
1月1日 全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)
1月2・3日 箱根駅伝
1月第2週 全国都道府県対抗駅伝(男女を同日または土日祝日実施)
1月第3週 別大毎日マラソン【G2】
1月第4週 名古屋ウィメンズマラソン【G1】
2月第1週 東京マラソン【G1】【G2】
2月第2週 全日本実業団ハーフマラソン【G3】【G3】
延岡西日本マラソン【G3】
2月第3週 クロスカントリー日本選手権
熊日30km【G3】【G3】
2月第4週 駅伝日本選手権(男女同日または土日実施)
3月中旬 マラソン日本選手権(男女同日または土日祝日実施。2019年に関しては東京五輪本番コース)【GP】【GP】


男女各3大マラソンについては、現在では同一シーズン中はいずれか1レースへの出場という
ことが常態化していることを考慮し、レース間隔を短くしてできるだけ早く“完了”させるこ
とを目指したスケジューリングとなっています。
これによって、『日本選手権』参加資格を得るための大会としては、事実上1月下旬から2月
上旬の『名古屋』『東京』がそれぞれ最終機会となり、「本番」の日本選手権までは約1か
月半の間隔が空くことになります。
極端なことを言えば、同じ日にもっと複数のレースを組み込むことも可能ですが、レースを
仕切る陸連の繁忙ぶりや観客・ファンの立場等を考えますと、それはできるだけ避けたいと
いうことになります。
なお『びわ湖』と『東京』は現行のスケジュールとは順番が入れ替わっていますが、師走に
東京でマラソンレースを実施することの影響を考慮して、このようにしてみました。
ところで、各レースにくっついている【 】の記号ですが、これは何でしょう?
これを含め、『日本選手権』出場権を得るまでのプロセスなどについては、次回の記事で、
ご説明させていただきます。


 

もうすぐ春ですね♪~実業団女子の新勢力図やいかに?



春は出会いとともに別れの季節…陸上界では、トラック&フィールドの場合はシーズン終了が晩秋になるため少し事情は異なりますが、冬のロードレース・シーズンを一区切りとする長距離ブロックでは、先週国内の主要レースが終了し、再来週には各チームの新戦力が公式に始動する、というのがこの時期ですね。
私がエコヒイキする女子の長距離界でも、去る人・来る人の話題がちらほらと聞こえてくる、寂しさ半分・期待感半分の微妙な時期。特に「引退」の情報はよほどの大物ランナーでない限りはなかなか表だって報道されるようなこともないので、ふとした記事やコメントからそれと知れると、何とも言えない寂しさを感じてしまいます。

情報的には少し古くなってしまいますが、今季、女子長距離選手の「引退」で最も衝撃があったのは、那須川瑞穂選手(ユニバーサルエンターテインメント)と森唯我選手(ヤマダ電機)。

那須川選手は昨年11月の『さいたま国際マラソン』で日本人1位とはなりましたが記録は2時間33分台と低調で、「世界と戦えるためのトレーニングができなくなった」ことを理由に同月中にチームを退部、年内をもって退社したとのことです。
見るからに人柄の良さが伺える明るい笑顔の美人ランナーとして、世間一般の知名度はともかく陸上長距離ファンの間では絶大な人気を誇っていた那須川選手。女子ではそろそろ“レジェンド”なんて呼ばれ始めている渋井陽子選手(三井住友海上)の1学年下で、その渋井選手と同様、いつまでも元気な姿を見せてくれていそうな気がしていただけに、この「気が付いたら引退していた」という状況は、何とも残念でした。

佛教大時代から「カリスマ・キャプテン」の異名をとった森唯我選手も、今年1月に同じく佛教大出身の森知奈美選手とともに、引退が発表されました。むろん、一般のメディアで話題となることはなく、チームのHPに告知が出ただけです。
ヤマダ電機をいったん退職して母校のコーチに就きながら、思い断ちがたく2012年に現役復帰。2013年、14年と連続して『全日本実業団女子駅伝』の1区で鮮烈なラストスパートを決め、区間賞を獲得しました。後輩たちに「背中を見せ続ける」ことで佛教大やヤマダ電機を強豪チームにまで引き上げた、女子には珍しいタイプの名リーダーだったと言えるでしょう。
そういえば、那須川選手も『実業団駅伝』ではしばしば1区を務め、岐阜で行われた最後の大会で区間賞を獲ったのではなかったでしょうか?

森選手と同期で大学時代は宿命のライバル関係にあった立命館のキャプテン、小島一恵選手(豊田自動織機)も、1月の『大阪ハーフマラソン』がラスト・ランとなりました。
こちらの方は、実業団入りしてからは故障続きで駅伝の出場もルーキー・イヤーのみ。7年間の実業団生活は苦悩ばかりの日々だったかと察します。最後にハーフを元気に走り切ることができたのは、何よりでした。 

森選手や小島選手の場合は、チームのHPに控え目ながらも告知が掲載されたのですが、どうも傾向としては、何のお報せもなくプロフィールページから姿を消してしまう、ということが多いみたいです。私みたいに選手個々と同様にチームの戦いとして『実業団駅伝』などを注視している人間にとっては、何ともやり切れない気持ちがします。
たとえばダイハツの岡小百合選手や樋口智美選手。地味めな存在でしたが伝統チームの中堅で活躍、特に岡選手は長い故障がようやく癒えてこれから、というところだったように見えていましたが…。
『実業団駅伝』で思いもかけぬ「失格」劇を演じてしまった豊田自動織機の島田美穂選手、『予選会』でユタカ技研躍進の一翼を担った高野智声選手は、ともに期待の高卒ルーキー。いったい、何があったんでしょうか?
若くして選手生活を断念するような故障に見舞われたのか、島田選手はよもや失格騒動が原因で、ってことはないでしょうけど…あるいは環境を変えての再出発ということもあるかもしれませんが、このあたりの情報不足がプロ野球やサッカーなどと違って、もどかしいところですね。
まだチームHPには残っていますが、清水裕子選手(積水化学)や松見早希子選手(第一生命G.)のように、レース実況の中で「ラストラン」が伝えられている選手もいます。お疲れさまでした。

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さて、去る人がいれば来る人もいる、ということで、各チームの補強状況を分かっている限り見てみますと。
前述のダイハツは、前年の坂井田歩キャプテンに続いて中軸2人が抜けて、現有戦力は僅か7名。その顔ぶれは木﨑良子を筆頭に前田彩里、松田瑞生、吉本ひかり、久馬姉妹とビッグネームがズラリ、ではありますが、松田以外は故障との付き合いが長い選手ばかり。現在のメンバー紹介ページを見る限りは、チーム編成にすら苦労しそうです。
ここに「救世主」のごとく加入するのが、大学長距離界のヒロイン・大森菜月(立命館大)。大森自身もここ2年間は故障との戦いでしたが、何とか名門チームを立て直す力になってほしいものです。また大森の同級生・池本愛と高校生2人(下田平渚、柴田佑希)も加わって、どうやら駅伝メンバーが組めないという事態は免れそうです。

大森世代が無類の強さを誇った立命館では、結局その代で最後まで続けたのは7名だけだったようです。
キャプテン菅野七虹は、豊田自動織機。昨年「失格」がなければ優勝争いを繰り広げていたはずの駅伝チームにとっては、3000m9分15秒の川口桃佳(岡崎学園)、移籍加入の萩原歩美(前ユニクロ)とともに強力な補強となりそうです。また、引退した小島一恵から沼田未知、藪下明音に続く「リッツのキャプテン」の系譜は、良くも悪くもこのチームのカラーを形成していくことになるのかもしれません。(小出門下時代には考えられなかったようなチームカラーです)
京美人の池内綾乃は、デンソー。駅伝3連覇の後に戦力が急降下してしまったこのチームは、今年は予選会からの立て直しとなります。
園田聖子は九電工、廣田麻衣は積水化学。青木奈波は…すいません、不明です。

大学女子のライバルに急成長した松山大学では、キャプテンの中原海鈴が昨年予選会1位のTOTO、『富士山』アンカーの松田杏奈が同3位の京セラと、実業団でも下剋上ねらい?…いっぽう上原明悠美は日本郵政G.、三島美咲はユニバーサルと、強豪チームでレギュラーを目指します。
名城大エースの湯澤ほのかは積水化学、大東大の木村芙有加は日本郵政G.、小枝理奈は第一生命G.、瀬川帆夏はシスメックス。今年に入って精力的にマラソン、ロードレースに挑んでいる新井沙紀枝(大阪学院大)は肥後銀行。

高卒組はどうかと言いますと、昨年の女子中長距離は高1・高2の当たり年で、各種目ランキング上位のかなりの部分を占めており、卒業生はやや押され気味。そんな中で注目度の高かった選手では、加世田梨花(成田高→名城大)、樺沢和佳奈(常盤高→慶應義塾大)、高橋ひな(西脇工業→早稲田大)など、多くは大学進学。
実業団入りの動向で目を惹くのは、第一生命G.の嵯峨山佳菜未(大阪薫英女学院)と向井優香(世羅高)、そしてユニバーサル入りの猿見田裕香(豊川高)。それから忘れちゃいけない大物、モニカ・マーガレット(青森山田高)が三井住友海上。このチームで外国人ランナーは初めてかな?

まだ動向の不明な選手もいて、実業団各チームのホームページの更新精度にもバラつきがあるので年度が変わってからしばらくしないと確定情報は掴めないかもしれませんが、実業団女子長距離各チーム「2017年度戦力」のおおよそのところは、朧げに見えてきました。
昨年アッと驚く日本一の座に駆け上がった日本郵政グループは、新興チームなだけに主力選手が引退するということもなく、去年の戦力はそのままに、いま判っているだけでも4名の新人を加入させ、部員17名という名実ともに最大勢力になります。さすが、金持ってるとこは違いますねぇ。
昨年はじめまで15名の最大チームだったユニバーサルは、後藤奈津子(宮崎銀行)、永尾薫(Team AOYAMA)、那須川と主力が相次いで抜け、補強は三島、猿見田のほか秋山桃子(筑波大)で分厚い選手層はキープ。
豊田自動織機は前述のとおりで、島田が抜けたのは痛いがそれを上回る戦力アップの様相。何と言ってもユニクロから移籍の萩原の復調次第で、どんなチーム編成になるか、楽しみです。
ヤマダ電機は大きな補強はないものの、新リーダーとなる西原加純の勢いが、そのままチームの勢いとなるような気がします。
昨年躍進した京セラは、松田のほか鹿屋体育大から盛山鈴奈と藤田理恵、関西外語大からマラソン経験もある床呂沙紀と即戦力が大量加入して、今年の台風の目になるかもしれません。

いやあ、11月の『全日本実業団女子駅伝』がどうなるか、楽しみですねえ…その前にいろいろあるだろう!、って、まあそのとおりなんですけど。
え、男子はどうなんだって?…あんまり詳しく調べてないんで、まだよく分かりません!


スタア誕生!!



私の地元のヒーローでもある稀勢の里フィーバーに沸いた、大相撲春場所初日。
2次ラウンドを迎えたWBCでは、日本がオランダとの死闘に劇的勝利。
かと思えば、サッカー界のレジェンドが世界にも例がないという50歳での公式戦ゴール。
海の向こうでは、スピードスケートの小平奈緒が500m15連勝で今季の締めくくり。
“小さな女王”スキージャンプの高梨沙羅は、W杯最多勝更新を来季に持ち越し…
…しかしっ!
あたしゃ、そんなこんなはどうだっていいです。
遂に、遂に、日本マラソン界の閉塞状態に風穴が開いた、記念すべき日曜日。
初マラソン日本最高記録!(これまでの記録保持者は、あの坂本直子)
日本歴代4位! (上位3人は、サブ・トゥエニィのレジェンドたち!)
日本人国内歴代2位!(1位の野口みずきまで18秒!)
2017年世界ランク4位!(キルワは2位)
鮮烈としか言いようのないデビューを飾ったニュー・ヒロイン、安藤友香(スズキ浜松AC)こそ、昨日のトップ・アスリートと申し上げて、はばかりませんよ。

単に好記録というだけではなくて、その内容が素晴らしいじゃありませんか。
ペースメーカーが何をトチ狂ったか、キロ3分10秒を切るペースに跳ね上がった序盤の揺さぶりにビクともせず、いま世界で最も安定した強さを誇るユニス・ジェプキルイ・キルワ(BRN)のためのペースに淡々と対応。世界のキルワと10km以上にわたってマッチレースを戦いながら、30km以降も自身のペースは決して落とすことなく、最近陸連が盛んに騒ぎ立てる「ネガティヴ・スプリット」に近いフラットな前後半でフルマラソンを走り切りました。34kmからキルワには引き離されたとはいえ、それは自身のスタミナ切れによるペースダウンではなく、単にキルワとの地力の差が出たというもの。その地力の差も、キルワにとってのPBに対して僅か19秒=100m足らずということです。

大阪を制した重友梨佐(天満屋)にしても、前半を自重してネガティヴ・スプリットが可能な展開に持ち込みながらも終盤の落ち込みは抑えきれず、ともにキルワに挑んだ同僚・清田真央がそのペースに付いていけなかったのと比べて、安藤の完璧なレース運びには何も言うことがありません。2年前に同じようにキルワに挑み、近年稀な22分台の好タイムを叩き出した前田彩里(ダイハツ)にしても、昨年大阪の福士加代子(ワコール)にしても、これほど42.195kmを最後までまとめ上げたわけではなかったのです。

どの局のTV中継でもレースの前半から盛んに繰り返される「ゴールタイム予想」で、これほど最後までぶれない数字が続いたレースというのも、なかなか見ることができないですよ!(20~25kmに“中だるみ”があったために、むしろ良いほうに数字が変わりました…前週の『びわ湖毎日』なんて、村澤明伸のゴール予想が2時間6分30秒なんて出てましたからね)
ここ数年、「マラソン界期待の新星」たちは、どうしても42kmを自分のものにすることができていない。現在のエースである福士選手にしたところで、突き詰めていくと「マラソンを走り切る」力を十分に持っているとは言えないんじゃないかと、私はそう考えます。
昨日、男女を通じて本当に久しぶりに、「マラソンを走り切った」日本人選手を見せてもらえた、という思いなんですよ。

早くもマスコミからは「忍者走り」なんて形容が奉られていますが、その特異なフォームに孫英傑(CHN)のシルエットをつい重ね合わせてしまうのは、昨日の記事のとおり。あんな走り方でもあんなに速い、というのは当時本当に衝撃的でしたからね。
そして、安藤も、速い!
本ブログではしばしば、2012年に『全国高校駅伝』2位になった豊川高校の“黄金メンバー”(岩出玲亜・宮田佳菜代・鷲見梓沙・関根花観・堀優花)を引き合いに出しますけれども、安藤はその前年、3回目となった豊川全国制覇時の不動のキャプテン。1年時は2区(区間6位)でしたが、2年(11位)、3年(3位)と1区を走り、同じコースの『全国女子駅伝』1区でも高校時代から常連。今年こそ7位に終わったものの、2015年、16年と続けて鮮やかなラストスパートを決めて区間賞を獲っています。

走りの切れ味もさることながら、まるで能面のような無表情で淡々と走る姿と、区間賞のインタビューなどに応える時の柔和な笑顔…そのコントラストが、彼女の魅力ですね。「スタア」の素質は十分、と私はずっと注目してきたわけです。


『びわ湖』前の記事で、「今季の日本マラソン界は日進月歩の僅かな一歩」てなことを述べました(結果的には、安藤・清田の快走で「大きな一歩」ということになっちゃいました)が、その根拠としては、早い段階からマラソンにチャレンジする若いランナーが少しずつ増えてきた、ということがあります。
ここしばらく男女を通じて続いてきた傾向は、「トラックでじっくりとスピード能力を蓄えて、実績を積んだ上でマラソン転向」というロードマップ。高岡寿成さんや弘山晴美さん、あるいは福士選手などが「ある程度それで上手くいった」ことも影響してか、この方針はスタンダードなものになりつつあり、素質に恵まれながらもマラソン・デビューに時をかけ、そうこうしているうちに故障やら何やらで、中にはとうとう一度もマラソンを走ることもなく姿を消してしまう“元”有望選手も少なくありませんでした。

女子では10代日本最高記録をマークした岩出玲亜選手(ノーリツ)や、佛教大学時代にデビューを果たし好走した前田彩里選手などが引き金となって、徐々に早くからマラソンに取り組む選手が出始めてきました。男子でも、先日NHKの『クロ現』で原晋監督も語っていたように、「そればかりじゃいかん!」とこの点に問題意識を持つ関係者が増えているようです。現に、青学勢をはじめとして学生のマラソン・チャレンジが少しずつ増えてきています。
「東京オリンピックに間に合わせるには、もう実戦を走り始めないと…!」という意識も、大きく作用していると思われます。
今回も、初マラソン組では安藤選手は破格としても、石井寿美(ヤマダ電機)、宇都宮亜依(宮崎銀行)などが上々のデビュー戦を走っています。
近年では、最も鮮烈な若手デビュー戦として、2007年の第1回東京マラソンで初マラソン初優勝を飾った新谷仁美(当時豊田自動織機)が思い出されます。彼女の場合は本質的に長い距離を走ることが好きでなく、その後トラックやクロスカントリーに専念する道を歩むことになったわけですが、こうした向こう見ずなチャレンジが好きそうな小出義雄監督など、もっと自チームの選手をマラソン戦線に送り出してもらいたいものです。(鷲見梓沙が順調に来ていれば、今頃デビューしていたかもしれませんね)

若い選手が安藤選手のようにブレイクするということは、「トラックの王(女王)」的なベテランがマラソンに進出してくるのとは、まるで違う影響を周囲に与えると思います。清田選手を筆頭に、現役の大多数を占める同世代のランナーたちが、一斉に目の色を変えるはずだからです。前述した「豊川高校の後輩たち」なども、測り知れないエネルギーを注入されたのではないでしょうか。
かつて、高橋尚子さんが猛暑のバンコクで当時の世界記録に1分差と迫る2時間21分47秒を出した時、それは従来の日本記録を4分も破る大記録だったのですが、堰を切ったようにそれに近いタイムで走る日本人選手が続々と現れました。反面、当時まだ現役だった有森裕子さん、浅利純子さん、安倍友恵さん等々の「旧勢力」が、時代の変わり目を悟ったかのようにレースから去っていくことにもなりました。
いよいよ、ほとんど20年ぶりにそういう流れが来るんじゃないか…そう思わせてくれるほど、安藤友香選手の走りは大、大、大殊勲だったと、声を大にして言っておきましょう!


 

孫英傑のシルエット



2000年代の初頭、マラソン強国の一角にあった中国に、孫英傑(スン・インチェ)という強い選手がいました。
活躍期間は短かったのですが、両腕をダラリと下げ、まるで「気をつけ!」をしているかのようにほとんど腕振りをしない独特のフォームで、強烈な印象を残したランナーです。
2002年プサンのアジア大会では、当時日の出の勢いにあった福士加代子選手をまったく寄せ付けずに長距離2冠を達成します。この時の福士選手のパフォーマンスが5000m=14分55秒19(セカンドベスト)、10000m=30分51秒81(PB・日本歴代2位)というハイレベルなものだったことからも、いかに孫選手の走力が凄まじかったかが伺えます。さらに驚いたことに、アジア大会の翌週には北京国際マラソンに出場して、2時間21分21秒の好タイムで初優勝を飾っているのです。
翌年のパリ世界選手権・5000mで銅メダルを獲得した孫は、その年の北京国際マラソンで2時間19分39秒、これは高橋尚子選手が持っていたアジア・レコードを破る快記録で、2005年に野口みずき選手に更新されるまで記録の上ではアジア最強の女子マラソン・ランナーとして、日本にとって脅威の存在となりました。
2004年のアテネ・オリンピックにはトラックで出場し、同僚の邢慧娜(シン・フイナ)が大番狂わせの金メダルを獲得する一方で6位に終わっています。
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http://www.lifeweek.com.cn/2005/1117/13647.shtml より

2005年10月、北京国際マラソンで4連覇を達成した孫は、なんと翌日行われた中国全国運動会の10000mにも出場。ここで、思いもかけない厄災に遭遇します。
レースでアテネ金の邢に次ぐ2着、タイムも31分03秒09とマラソン(2時間21分01秒)の翌日とは思えないタフネスぶりを発揮した孫選手はしかし、ドーピング検査で筋肉増強剤に陽性反応を示して、失格・出場停止処分を受けることになったのです。
後の調べで、チームメイトの某選手が10000mレース当日に孫選手のドリンクに禁止薬物を混入したためと判明したものの、ドーピング管理はあくまでも“自己責任”ということで、孫選手の処分が取り消されることはありませんでした。むろん、北京国際マラソンの時点では検査に引っ掛かることもなく、成績はそのまま残されています。
2008年の北京オリンピックを大きな目標にしていた孫選手は、この2年間の出場停止で競技への意欲を失い、フェードアウトするようにして国際舞台から姿を消していってしまいました。中国マラソン界ではその後継者として、周春秀(2006年アジア大会優勝)、白雪(2009年世界選手権優勝)といった好ランナーが輩出されましたが、現在では日本以上に深刻な低迷状態を迎えています。

あの、孫英傑ほどに極端ではないとはいえ、同じように両腕をダラリと下げる走法の2人の女子ランナー…同じスズキ浜松ACの清田真央と安藤友香が、今日の『名古屋ウィメンズマラソン』の注目選手です。
オリンピック代表を賭けたデッドヒートで名勝負の一つとなった昨年のレースから1年。みごと代表の座を射止めた田中智美(第一生命G.)と1秒差に泣いた小原怜(天満屋)の姿はありませんが、その後に続いた清田、岩出玲亜(ノーリツ)、桑原彩(積水化学)、竹地志帆(ヤマダ電機)、加藤麻美(パナソニック)らがこぞって出場。初マラソン組として、清水美穂(ホクレン)、石井寿美(ヤマダ電機)などとともに、屈指のスピードランナー安藤の名が目を惹きます。成長株の宇都宮亜依(宮崎銀行)や、19位に終わった大阪に続いてチャレンジする新井沙紀枝(大阪学院大)などの若手もいて、なかなか楽しみなメンバーが揃いました。
国内ロードレース・シーズンを締めくくるビッグ・レース、大いに満喫したいものですね。



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