豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2017年01月

なかなか面白かった『北九州駅伝』



九州地区では生放送が見られたのでしょうが、こちら(関東)では1週間遅れの録画放送となった、『第28回選抜女子駅伝北九州大会』を観ました。
北九州市を舞台に、一般(実業団・大学)と高校の精鋭チームが同時に競い合うという、なかなか他では見られない形式の駅伝です。
距離は、『実業団女子駅伝』のフルマラソン・ディスタンスと『高校駅伝』のハーフ・ディスタンスのほぼ中間、32.8km。「高校の部」は「一般の部」の5区を5区・6区と分割して走るため、成績は同列扱いにはなりませんが、4区まではまったくのガチンコ勝負となります。一般チームにとっては大変なプレッシャーを抱えながらのレースとなるわけで、ハンデを貰っているとは言っても高校勢が実際に、一般チームと遜色ない競走を展開しています。女子ならでは成立する駅伝大会、と言ってもいいでしょう。

レースは、地元中の地元、コースの途中で本社正面入り口前を通過するというTOTOが悲願の初優勝を、これまた地元福岡県の九電工が3連覇を狙うという中で、ベストメンバーではないユニバーサルエンターテインメント、そして昨年末の『全国』上位4校が勢ぞろいした高校勢がどこまで絡むか、というのが事前の展望。

気合満点のTOTOは、1区(最短4.2km)で大森巴菜が渾身のスパート。今シーズン好調を続けていた木村友香(ユニバーサル)を置き去りにするという願ってもない絶好のスタートを切り、続く2区(5.9km)では外国人ランナーの最有望株と言われるシュル・ブロが独走態勢を築き上げます。
エース加藤岬が大阪国際女子マラソン準備のため欠場した九電工は、1区6位と出遅れ2区ワイディラもパッとせず3位に上がっただけ。2区終了時点で一般2位は木村-青山瑠衣とつないだユニバーサルですが、青山も高校生の嵯峨山佳菜未、後藤夢に競り落とされる苦しい走りで、大阪薫英女学院と西脇工業がユニバの前に出ています。

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TOTOの3区(5.1km)・川上さくらが2番手の薫英に36秒、一般2位のユニバには1分近いリードをもらってスタートし、悠々とトップを走る姿に解説・増田明美さんが絶賛のコメントを連発している頃、後方では大きな動きが起こっていました。
またまた「キタ!」んです、ユタカ技研の宮田佳菜代が。
首位から1分10秒差の5位(全体7位)でスタートした宮田は、先行する十八銀行、九電工、ユニバーサル、西脇工業を次々とゴボウ抜き。何度か立ちはだかる急坂をものともしない軽快なピッチで、まだ実況席では増田さんが「さくらさんの走り、後半になっても本当に素晴らしいですね!」とか言ってる間に、秘かに迫りくる赤いつむじ風となって薫英をも並ぶ間もなくパス、とうとう中継所寸前でトップを奪ってしまいました。
実は私、当日のうちにリザルトを見ていましたんで、宮田の区間賞・トップ中継は知っていたのですが、テレビで見ている限り、3区が始まった時は、あの位置からたった5km少々の距離で追いついてくる様子は、まったく想像ができませんでした。他にこれといった有力選手がいなかった、ということはありますけれども、ここのところノリに乗っている勢いそのままに、見事な韋駄天走りだったと思います。
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中盤に大きな動きを迎えたレースは、4区(5.9km)で黒田純菜の区間賞でトップを奪い返したTOTOが、一般を上回る区間タイムで猛追する薫英(竹内ひかり)とのデッドヒートに持ち込まれつつも、一般首位は安泰。2位のユタカ技研には13秒、3位ユニバーサルには47秒の差をつけてアンカー・川上わかばへと初優勝を託します。
しかしながら、一般5区は全体の3分の1を上回る11.7kmの長距離区間。ここに、絶好調でないとはいえ大エースの鷲見梓沙を投入したユニバーサルの猛攻の前には、なすすべがありませんでした。
『実業団』でも『全国女子駅伝』でも、ゲームチェンジャーとはなり得ない不本意な走りに終わった鷲見は、たった1週間で劇的に変わったというわけではないのでしょうけど、九電工の実力者・宮崎悠香を44秒上回る36分36秒で区間賞を獲得。「復活」へ向けて、確かな手ごたえを掴んだレースにはなったことでしょう。

高校の部は、高松智美ムセンビを欠きながらも高校駅伝より1区間多いところに隙のない陣容を配置した薫英が、2位・西脇工に1分51秒差の圧勝。最後はユニバには交わされましたが、TOTOには競り勝って2番手でのゴールとなりました。キャプテン嵯峨山は区間賞こそ逃したものの、インタビューに応え、清々しい笑顔で高校最後のタスキリレーを振り返っていました。
3位に筑紫女学園、4位に北九州市立と地元勢が続き、立命館宇治は前週に続く片山弓華の3区区間賞(総合は宮田に次ぐ2位)はあったものの5位。

ユニバーサルは、木村・青山・鷲見の他は、篠塚麻衣と伊澤菜々花という予備軍起用のメンバーでしたが、さすがの貫録、ここでシード外のTOTOや加藤のいない九電工に負けるわけにはいかないですからね。伊澤は大学4年時の『富士山女子駅伝』以来久々にレースで走る姿を見ましたけど、ひと頃に比べて随分と身体が絞れてきているようで、かつての順大エースの復活が楽しみです。
なお、私ご贔屓の中村萌乃は来週、『香川丸亀国際ハーフマラソン』に出場予定です。ユニバを退部した永尾薫も、「浦安市陸協」所属でエントリーしています。
好調の続く宮田は、次のターゲットは次々週の『全日本実業団ハーフマラソン』でしょうか、それとも『クロスカントリー日本選手権』あたりでしょうか?まだ一線級には少し差があると思いますが、引き続き、目が離せません。

なお、この大会の模様は7日、12日にも再放送がありますので、詳しくはGAORA SPORTSチャンネルのHPでお確かめください。

 

女子マラソン、栄光再びへの道




いやもう、恥さらし連続の昨日の記事でしたな。
『第36回大阪国際女子マラソン』の放送が始まったとたん、番組のイチオシは「伊藤・重友」ではなくて「竹中・加藤」…なんだ、ワシの展望はテレビ屋の考えることと同じだったか。
「ペースメーカーがいない」などと書いたら、ちゃんとイロイス・ウェリングス、チェイエチ・ダニエルというお馴染みのラビットさんがいるし。(言い訳しますが、私、この2人はてっきり「招待選手」のリストにいるものと勘違いしてたのです。一昨年までの傾向で「大阪はPMが付かない」という先入観があって、つい早合点してしまいました)
そして、結果は「旧勢力」の一角・重友梨佐の快勝劇。
まったくお恥ずかしい展望記事を書いたもんです…。
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◆『大阪国際』は重友が優勝
PMがちゃんと付いてました、すんません…というのはまずは措いといて、そのペースがレース展開に微妙な波乱をもたらしました。
ウェリングスは昨年の大阪でも名古屋でも10kmあたりまでの導入ペース設定を任されたランナーで、大阪ではフラットな高速ペースを作り出し、名古屋ではしばしば実況で「乱高下」という言葉が叫ばれるほどの不安定なペースにしてしまった、要は巧いんだか下手なんだか分からないヒトです。
で、今回の大阪は「下手」のほうに出て、設定をかなり下回るスローペースでの入りとなりました。
おかげで序盤は、招待選手のほとんどと準招待・ネクストヒロインの何人かが入り混じる大集団が形成されながらも、5kmあたりからはまずまず落ち着いて、穏やかなレース模様になるかな、と思われました。

で、10kmでダニエル一人になったとたん、このPMがレースを動かしちゃいましたね。
このダニエルさん、昨年も中間点で一人になった(昨年は30kmまで担当)とたんに“スパート”をかけたもんで竹中理沙とセリ・チェピエゴが付いていけなくなり、結果福士加代子の独走を演出してしまったんですが、今回は早くも10kmで同じことが始まってしまいました。
集団は一気に縦長になって、重友が、伊藤が、そして竹中が、振り落とされていきます。ペースは10km以降、16分40秒台/5kmに上昇。
このペースアップに果敢に挑んでいったのが加藤岬と堀江美里、そして吉田香織。
堀江の対応力も少々意外でしたが、『さいたま国際』を走って凡走に終わった吉田が、ビックリするほど元気です。『さいたま』では先頭集団のペースに付いていけず、“美熟女コンビ”の那須川瑞穂(残念なことに、この大会を最後に引退したそうです)とともに後方に控える展開で消極性を批判された、なんてこともありましたが。
結果、吉田は残り3kmでリタイアとなりましたが、中盤戦を盛り上げた立役者となりました。35歳の職人は、まだまだ東京オリンピックを諦めてはいないそうですよ。

レースはご承知のとおり、早々に先頭集団から“脱落”したかに見えた重友が後方で立て直すや、一時盤石の態勢でトップに立った堀江を35㎞過ぎで逆転、2012年オリンピック選考会以来5年ぶり2度目の大阪優勝を飾りました。
女子の3大大会で同一レースを2度制した日本人選手はあまり多くなく、すでに廃止された東京国際の浅利純子(1995年・98年)、名古屋国際の高橋尚子(98年・2000年)、大阪では渋井陽子(2000年・09年)の例があるくらい。大阪の場合は赤羽有希子(2011年・13年)と福士加代子(2014年・16年)もいますが、いずれも1回は1位選手のドーピング失格による繰り上がりで、2度ゴールテープを切ったのは渋井に次いで重友が2人目、ということになります。
ちなみに、3大大会で通算3回優勝したというのは、浅利(上記の他93年大阪国際)、高橋(同・2005年東京国際)、野口みずき(2002年名古屋国際・03年大阪国際・07年東京国際)と、3人の金メダリストのみ。4回以上という例はありません。
こうしてみると、重友は堂々と日本女子マラソン界の歴史に名を刻む存在になった、と言えるかもしれません。あとは海外メジャータイトルか世界大会の金メダルが欲しいところですね。

竹中理沙と加藤岬は、どうしちゃったんでしょうね?
不安定なペースが敗因、とするには、あまりにもひ弱さが目に付く結果でした。
トレーニングやコンディショニングに関する情報が、私たち素人ファンのもとにまで伝わってこないのがもどかしいところですけど、両者とも昨年のタイムとほとんど変わらない結果には、1年間の成長を楽しみにしていただけに残念と言うほかはありません。特に竹中の場合は、大学時代の同級生だった田中華絵に先を越されてしまったことを奮起材料として、また出直しを図ってもらいたいものです。

そこへいくと、堀江の自己ベスト更新・自らレースを作っての2位はお見事でした。
トラックでも駅伝でも大きな実績のない地味な存在が、マラソンという種目に関してはトップランカーに名を連ねつつあるという、女子ではこれまでにないタイプの選手ですね。(ちょっと大南姉妹を彷彿とさせますが)
「25分は切れないだろう」という私の唯一的中した予想が残念ではありましたけど、これで世界選手権代表のチャンスは残りました。強豪が多数控える名古屋ウィメンズの結果によって枠からこぼれる可能性も大ですが、その場合はぜひとも、昨年のゴールドコースト制覇を上回る、海外レースでのさらなるPB更新を目指してもらいたいです。

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◆ネガティブ・スプリットって、簡単に言うけど…
ところで、今回の大会ではしきりに「ネガティブ・スプリットへの期待と評価」が随所でコメントされていました。
近年の女子マラソンの傾向として、後半にペースが跳ね上がるネガティブ・スプリットを刻まないと世界レベルには太刀打ちできない、という考え方なのですが、ちょっと引っ掛かるところがあります。

重友はペースが跳ね上がった10km過ぎでいったん自重したことによって、ネガティブまでは行かずとも絵に描いたようなイーブン・ペース(前半72分10秒・後半72分12秒)を実現したわけですが、これがもし、2年前の代表選考基準にかかっていたとしたら、どうだったでしょう?
2014年の横浜国際女子マラソンで、優勝しながら「前半のペースアップに付いていかなかった消極性」を指摘されて代表選考から漏れた、田中智美選手の事例が思い起こされます。陸連の選考方針が変化したんだと言えばそれまでですが、どうもこの種の、レース展開に関する個々の考え方にまで期待や評価をお上が下すというのは、納得がいかないのです。
先行して逃げ粘ろうが、集団走から一撃のスパートで決めようが、後方集団から追い上げようが、42kmを走った結果がすべてではないでしょうか?結果が悪ければ、「あそこでああしなきゃダメじゃないか!」と批判されるのは仕方ないにしても、ハナから「こういうレースをしないとダメだ」と決めつけるのは、いかがなものかという気がします。

ネガティブ・スプリットというのは、前半のハイレベルな探り合いがあって、勝負所で圧倒的なスピード変化を実現してこそのものだと思います。私たちが目の当たりにできた典型的な事例は、2000年名古屋国際での高橋尚子による、中間点過ぎからの破壊的なペースアップです。あれこそは、日本女子マラソン黄金時代の象徴とも言えた、「女王のレース」でした。それを実現する走力があって、初めてネガティブ・スプリットは戦術として意味が出てくるものだと思うのです。
人為的に前半抑え目のペースを造って、「さあ、後半は上げなさい」というやり方で、果たして今のレベルの日本の女子選手たちが本当に世界のレースを体感することができるのかどうか、甚だ疑問です。
その意味では、ある意味無茶なペースをメイクした今回のPMの仕事ぶりは、かえってレースに波風を立たせた結果となって、良かったのかもしれません。穏やかなスローペースで中間点まで進んで、大集団から誰が仕掛けるか、という展開も見てみたかった気はしますけど、レースは生き物ですからどうなっても対応する力がないと、世界には出ていけない、ということですね。

その点、重友の優勝は、まだまだ世界に抗するには力不足。前半を自重したのであれば、せめて35-40kmを16分台でまとめて実際に後半を1分以上は速くしないと、世界基準のレースには敵いません。
ただ、一つ勝つパターンを経験したことによって、ようやく5年前の輝きを取り戻すきっかけにはなった、と言えるでしょう。 本当なら、速いペースや乱高下するペースにも付いて行って、その上で後半自らペースアップする、35㎞までの堀江の走りと中間点過ぎの重友の走りが一人の選手によって実現できたとき、日本の女子マラソンは再び世界の中心軸となり得るのだろうと思います。

 

大阪はニューヒロインに期待




久しぶりに土曜日が休日となりましたんでノンビリしとりますところで、明日行われる『第36回大阪国際女子マラソン』の展望記事など、ぶちかましてみたいと思います。

番組上は、リオ五輪代表の伊藤舞(大塚製薬)、ロンドン代表の重友梨佐(天満屋)、8回目の出場となる“大阪国際のヌシ”、41歳のママさんランナー・小崎まり(ノーリツ)などのネームバリューがメインで取り沙汰されることになると思いますが、私の注目はそれらに続く世代の選手たちです。

その筆頭は、ここのところ着実にマラソンでの実績を重ねてきた竹中理沙(資生堂)。
何といっても、昨年の高速ペースに中間点過ぎまで余裕をもって対応し、終盤フォームを崩して失速しながらも3位に粘ったレースが評価できます。中間点を、ハーフのPBとさして変わらない70分27秒(奇しくも同日行われた『大阪ハーフマラソン』に調整参加した伊藤の優勝タイムと同じ)で通過できたことは、大きな自信と希望につながったに違いない内容でした。
その後の1年間でどのようなトレーニングを積み上げてきているのかは情報不足で判りませんが、2度の実業団駅伝を見る限りは良い調子を続けてきているように感じられます。
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今回は世界選手権の選考会とはいってもペースメーカー不在、また格別に飛ばしそうな外国人ランナーも見当たらないため、昨年のような3分20秒/kmというようなペースにはならないと思われますので、竹中にとっては後半まで勝負に持ち込める条件が整うのではないでしょうか。
立命館大黄金時代の中心選手も卒業後はしばらく低迷が続いたものの、マラソン進出を目標にじっくりとフォームの矯正と走り込みに費やした数年間は、無駄にはなりませんでした。2015年名古屋で4位、同年ゴールドコーストで優勝、そして昨年の五輪選考会での健闘と、マラソンでは開花まで「もう一歩」のところに差し掛かってきています。全日本実業団女子駅伝で望外のシード権を獲得したチームの雰囲気も急上昇中で、精神的にはいい影響をもたらしていることでしょう。
これまで3度のレースで、いずれも2時間28~29分台と記録的にはやや伸び悩みを続けてきているとはいえ、優勝したゴールドコーストは気温20度以上、そして昨年は前半のオーバーペースと、致し方ない原因もあります。潜在能力的には、2時間23分前後で走れるものを十分に持っているのではないか、と見ています。
伝統のピンクのユニフォームが映える美女ランナーが、スターダムに駆け上がるチャンスです!

これに対抗するのは、同じく昨年大会で6位と健闘した加藤岬(九電工)。
前回は序盤に形成された6人の先頭集団から比較的早い段階で脱落したのですが、その後は大きく崩れることなく順位をキープして、初マラソンとしてはまずまずの成績でまとめました。
その後のトラックシーズンでさらに成長を見せ、全日本実業団選手権では10000m2位(1位は松田瑞生)、5000m4位(日本人トップ)、31分59秒72(世界選手権標準記録突破)、15分23秒98といずれもPBを大幅に塗り替えています。このスピードは今大会参加選手の中でも出色で、ペースが遅くなった時には強力な武器となるに違いありません。波に乗れば、こちらも2時間25分は切ってこれる素材だと思います。
マラソンは2度目ながら、彼女もまたブレイクの大チャンスを迎えている、と言えそうです。
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もう一人、昨年ラストの5kmほどで加藤・重友・竹中をゴボウ抜きにして2位に突っ込んできた堀江美里(ノーリツ)を挙げておきましょう。
先頭集団のハイペースには対応せずに第2グループでじっくりと構え、終盤にペースを落とさず順位を上げてくるあたり、何やら「昭和の“叩き上げ”マラソンスタイル」を思わせる走りっぷりです。昨年はゴールドコーストで優勝し、PBを2時間26分40秒まで上げてきました。年齢的にはやや“遅咲き”のイメージとはいえ、こちらも先頭集団に食らいつける程度のペースに恵まれれば、優勝争いにまで絡んでくることがあるかもしれません。ただし、2時間25分を切るまでの力はないかな、という気がするのですが、どうでしょう?

もちろん、国内3大マラソンに5回出場してすべて5位以内と抜群の安定感を誇る伊藤、歴代11位の持ちタイムがある重友も優勝候補の一角ではありますが、オリンピック翌年の今回に関しては「それ以外」のところからニューヒロインが出てきてほしい、という思いが強くあります。
その意味では、「ネクストヒロイン枠」で招待された前川晴菜(十八銀行/ 実業団駅伝予選会で竹中を抑え1区区間賞)、床呂沙紀(関西外語大4年/ 昨年14位)、新井沙紀枝(大阪学院大4年/ 3年時に全日本インカレ5000m優勝)、前田穂南(天満屋/ 全日本実業団駅伝5区11位)といった選手たちにも、先頭集団でどこまで行けるか、をチャレンジしてもらいたいところです。
いずれにしても、強い外国人ランナーがいない今回、ぜひとも日本選手どうしの優勝争い、そしてニューカマーの活躍を願っています。

 

元陸上競技王者の、いま<第2弾!>




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この顔、この名前、陸上競技ファンならば「おぉ!」と膝を叩くでしょうね。
100mHのU-20日本記録(13秒05)保持者であり、ベルリン世界選手権にも出場した元日本チャンピオン、寺田明日香さんです。

恵庭北高時代はインターハイの100mHで3年連続優勝、さらに3年時には100mと400mRも制して今年青山学院大が達成したのと同じ「3連覇・3冠」を達成、日本選手権でも100mH3連覇、とくれば堂々の「トリプル3」。
社会人2年目の2009年には、2度にわたって13秒05をマークして、一躍「12秒台突入」の急先鋒に躍り出ました。100mでもランキング上位にいたため、ヨンケイの代表チームに加わることもありました。当時在籍していた北海道ハイテクACでは、1つ先輩の福島千里と並ぶ2大スター選手であり、掛け値なしに日本短距離界にとって最大のホープだったのです。
2010年、20歳での日本選手権3連覇を最後に精彩を欠くようになり、おそらく度重なる故障のためでしょう、そのままひっそりと名前を聞かなくなっていきました。
その後、結婚して現姓は佐藤、1児の母親になっているとのことです。

その寺田選手の近況が、今週のテレビ朝日系『Get Sports』の中で、ほんの1分ほどではありましたが紹介されました。なんと、7人制ラグビーの日本代表候補として、東京オリンピック出場を目指しているというのです。
故障で陸上生活を断念したとはいえ、彼女の「黄金の脚」をもってすれば、女子ラグビー界のスピードスターとしての大活躍が、もしかすると見られるかもしれませんね。

※なお<第1弾>は、昨年8月2日の投稿で、元ハンマー投チャンピオンの野口裕史選手について紹介しています。

主要駅伝今季最終戦



…ということになります。早いものですね。
いつものことながら、『全国都道府県対抗男子駅伝』が終了すると、TVで楽しめる駅伝シーズンはひと区切り。この後は、ロードレース・シーズンの後半戦という形で、マラソンやハーフマラソンのビッグレース、クロスカントリー日本選手権などが続くことになります。
地上波ではありませんが、同じく昨日行われた『第28回選抜女子駅伝北九州大会』というのが、後日CSチャンネルのGAORAで放送される予定です。視聴できる方は、そちらもお楽しみに。ちなみに、優勝は一般の部がユニバーサル・エンターテインメント(木村友香-青山瑠衣-篠塚麻衣-伊澤菜々花-鷲見梓沙)、高校の部が大阪薫英女学院(中島紗弥-嵯峨山佳菜未-村尾綾香-竹内ひかり-木下文音-高田晴香)でした。

さて、『全国男子駅伝』は、今回が第22回。女子の35回に比べてだいぶ後発ということになり、こういうケースはスポーツ界では珍しいですね。
女子のように高校生と一般(社会人・大学生)が同じ区間を走るということはなく、中学生・高校生・一般が完全に区分けされています。特に高校生区間は、年末の『全国高校駅伝』の個人レベルでのリベンジ・マッチといった趣が強く、駅伝としての妙味よりはむしろ、そうした高校生や中学生のニューヒーロー争い、それをフォローするオトナたちの余裕の走り、といったあたりがワタクシ的にはちょっと微妙です。
区間も7区間と女子より少ないため、選ばれる各チームの選手も限られてきます。とうぜん、「どのチームが勝つか?」ということには、あまり興味が湧いてきません。

そんな中で、私が特に注目していたのは1区に登場したヒーロー候補・遠藤日向(福島/学法石川)と、3区でいったん先頭に躍り出た戸田雅稀(群馬/日清食品G)。
昨年中距離戦線でブレイクし、2度の実業団駅伝でも素晴らしいラストスパートを見せてくれた戸田。その戸田が優勝した日本選手権の1500mで4位に食い込み、インターハイでは1500m優勝、5000m日本人1位、昨シーズン以来トラックでも駅伝でも、日本人高校生にはほとんど先着を許していない遠藤。いずれも、「東京2020」へ向けての最大のスター候補の一角です。
しかしながら、今回は両者ともに大コケに終わりました。
遠藤は、高校駅伝をインフルエンザで欠場した影響で、練習不足だったのでしょう。さほど強力とも見えないペースアップに付いていくことができず、区間13位の惨敗。
戸田の方も、3位でもらったタスキをトップにまで押し上げたところまでは良かったのですが、駅伝ならではのペース配分ミスがあったのか、後半は京都に抜き返されたばかりか追走集団にも追い抜かれる失速ぶりで区間21位。
ちょっとガッカリでした。

中学生区間2つでともに区間新記録が樹立されたのはお見事でした。2区で林田洋翔(長崎/桜が原中)、6区で松山和希(栃木/大田原中)。ただ、どちらも先頭争いからは遠く離れた下位での出来事で、その走りも表情も、ほとんど見ることができなかったのは残念。

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唯一の見どころと言えば、アンカー区間で繰り広げられた神野大地(愛知/コニカミノルタ)・一色恭志(京都)・下田裕太(静岡)の青学各世代エース軍団+オリンピアン塩尻和也(群馬/順天堂大)による、豪華な3位争いでした。
この4人、3位で中継した一色から6秒遅れで塩尻、さらに5秒遅れて神野と下田が続き、ほどなくして4人の集団で7区13kmのうちの約10kmを集団走。一色が「まるでふだんのポイント練習のようだった」というようなシーンを楽しませてくれました。
OB1年目の神野から大学2年の塩尻まで、ちょうど1つずつ学年が違う(このあたり、「1つ違い」をものすごく意識する年頃なんですよね)という絶妙の取り合わせの3位争いは、最上級生の権利とばかりに後ろでじっくりと構えた神野が最後に抜け出して学年のとおりの順位で決着したのは、予定調和劇のようで何やら妙な爽快感がありました。
一色いわく「(勝負にこだわって前に出ない)神野さんは大人げない。塩尻君には(ずっと先頭を引っ張らせて)申し訳ないことをした」…仏頂面ながらなかなかの正論を言う、ナイスガイですね。

この7区には、優勝した長野のアンカー・上野裕一郎(DeNA=区間2位)をはじめ、今井正人(福島/トヨタ自動車九州=14位)、井上大仁(長崎/MHPS=11位)、鎧坂哲哉(広島/旭化成=22位)、鈴木健吾(愛媛/神奈川大=7位)、有村優樹(鹿児島/旭化成=5位)、横手健(栃木/富士通=8位)、潰瀧大記(千葉/富士通=19位)、西山雄介(三重/駒澤大=27位)、森田歩希(茨城/青山学院大=23位)、大塚祥平(大分/駒澤大=15位)等々、箱根のスターたちが目白押しでした。そうした中で、サラッと区間賞を奪っていったのが設楽悠太(埼玉/Honda)。返す返すも、実業団駅伝での大失速は痛恨でしたね。
こうした選手たちも、できれば、もっと先頭に近い位置での争いを見たかったところです。
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