九州地区では生放送が見られたのでしょうが、こちら(関東)では1週間遅れの録画放送となった、『第28回選抜女子駅伝北九州大会』を観ました。
北九州市を舞台に、一般(実業団・大学)と高校の精鋭チームが同時に競い合うという、なかなか他では見られない形式の駅伝です。
距離は、『実業団女子駅伝』のフルマラソン・ディスタンスと『高校駅伝』のハーフ・ディスタンスのほぼ中間、32.8km。「高校の部」は「一般の部」の5区を5区・6区と分割して走るため、成績は同列扱いにはなりませんが、4区まではまったくのガチンコ勝負となります。一般チームにとっては大変なプレッシャーを抱えながらのレースとなるわけで、ハンデを貰っているとは言っても高校勢が実際に、一般チームと遜色ない競走を展開しています。女子ならでは成立する駅伝大会、と言ってもいいでしょう。
レースは、地元中の地元、コースの途中で本社正面入り口前を通過するというTOTOが悲願の初優勝を、これまた地元福岡県の九電工が3連覇を狙うという中で、ベストメンバーではないユニバーサルエンターテインメント、そして昨年末の『全国』上位4校が勢ぞろいした高校勢がどこまで絡むか、というのが事前の展望。
気合満点のTOTOは、1区(最短4.2km)で大森巴菜が渾身のスパート。今シーズン好調を続けていた木村友香(ユニバーサル)を置き去りにするという願ってもない絶好のスタートを切り、続く2区(5.9km)では外国人ランナーの最有望株と言われるシュル・ブロが独走態勢を築き上げます。
エース加藤岬が大阪国際女子マラソン準備のため欠場した九電工は、1区6位と出遅れ2区ワイディラもパッとせず3位に上がっただけ。2区終了時点で一般2位は木村-青山瑠衣とつないだユニバーサルですが、青山も高校生の嵯峨山佳菜未、後藤夢に競り落とされる苦しい走りで、大阪薫英女学院と西脇工業がユニバの前に出ています。
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TOTOの3区(5.1km)・川上さくらが2番手の薫英に36秒、一般2位のユニバには1分近いリードをもらってスタートし、悠々とトップを走る姿に解説・増田明美さんが絶賛のコメントを連発している頃、後方では大きな動きが起こっていました。
またまた「キタ!」んです、ユタカ技研の宮田佳菜代が。
首位から1分10秒差の5位(全体7位)でスタートした宮田は、先行する十八銀行、九電工、ユニバーサル、西脇工業を次々とゴボウ抜き。何度か立ちはだかる急坂をものともしない軽快なピッチで、まだ実況席では増田さんが「さくらさんの走り、後半になっても本当に素晴らしいですね!」とか言ってる間に、秘かに迫りくる赤いつむじ風となって薫英をも並ぶ間もなくパス、とうとう中継所寸前でトップを奪ってしまいました。
実は私、当日のうちにリザルトを見ていましたんで、宮田の区間賞・トップ中継は知っていたのですが、テレビで見ている限り、3区が始まった時は、あの位置からたった5km少々の距離で追いついてくる様子は、まったく想像ができませんでした。他にこれといった有力選手がいなかった、ということはありますけれども、ここのところノリに乗っている勢いそのままに、見事な韋駄天走りだったと思います。

中盤に大きな動きを迎えたレースは、4区(5.9km)で黒田純菜の区間賞でトップを奪い返したTOTOが、一般を上回る区間タイムで猛追する薫英(竹内ひかり)とのデッドヒートに持ち込まれつつも、一般首位は安泰。2位のユタカ技研には13秒、3位ユニバーサルには47秒の差をつけてアンカー・川上わかばへと初優勝を託します。
しかしながら、一般5区は全体の3分の1を上回る11.7kmの長距離区間。ここに、絶好調でないとはいえ大エースの鷲見梓沙を投入したユニバーサルの猛攻の前には、なすすべがありませんでした。
『実業団』でも『全国女子駅伝』でも、ゲームチェンジャーとはなり得ない不本意な走りに終わった鷲見は、たった1週間で劇的に変わったというわけではないのでしょうけど、九電工の実力者・宮崎悠香を44秒上回る36分36秒で区間賞を獲得。「復活」へ向けて、確かな手ごたえを掴んだレースにはなったことでしょう。
高校の部は、高松智美ムセンビを欠きながらも高校駅伝より1区間多いところに隙のない陣容を配置した薫英が、2位・西脇工に1分51秒差の圧勝。最後はユニバには交わされましたが、TOTOには競り勝って2番手でのゴールとなりました。キャプテン嵯峨山は区間賞こそ逃したものの、インタビューに応え、清々しい笑顔で高校最後のタスキリレーを振り返っていました。
3位に筑紫女学園、4位に北九州市立と地元勢が続き、立命館宇治は前週に続く片山弓華の3区区間賞(総合は宮田に次ぐ2位)はあったものの5位。
ユニバーサルは、木村・青山・鷲見の他は、篠塚麻衣と伊澤菜々花という予備軍起用のメンバーでしたが、さすがの貫録、ここでシード外のTOTOや加藤のいない九電工に負けるわけにはいかないですからね。伊澤は大学4年時の『富士山女子駅伝』以来久々にレースで走る姿を見ましたけど、ひと頃に比べて随分と身体が絞れてきているようで、かつての順大エースの復活が楽しみです。
なお、私ご贔屓の中村萌乃は来週、『香川丸亀国際ハーフマラソン』に出場予定です。ユニバを退部した永尾薫も、「浦安市陸協」所属でエントリーしています。
好調の続く宮田は、次のターゲットは次々週の『全日本実業団ハーフマラソン』でしょうか、それとも『クロスカントリー日本選手権』あたりでしょうか?まだ一線級には少し差があると思いますが、引き続き、目が離せません。
なお、この大会の模様は7日、12日にも再放送がありますので、詳しくはGAORA SPORTSチャンネルのHPでお確かめください。













