豊大先生流・陸上競技のミカタ

陸上競技を見続けて半世紀。「かけっこ」をこよなく愛するオヤジの長文日記です。 (2016年6月9日開設)

2016年06月

リオ代表選手のランキング(6月28日現在)



IAAF集計による今シーズンのランキングから、リオ・オリンピックに出場する日本人選手の位置づけを拾ってみました。

※1つの国につき4番手以降の選手は除外したランクです。このカウントが多少間違っているかもしれませんのでご容赦を。またロシア選手はIAAFのランキングから除外されています。
※長距離・ロードの日本人選手については昨年以降のベストを今年度ランキングに当てはめています。


<男子>
◇100m   9"86  ジミー・ヴィコー(FRA)
10"01  桐生 祥秀(東洋大)
21. 10”06  山縣 亮太(SEIKO)
36. 10"10  ケンブリッジ飛鳥(ドーム)

◇200m 19"78  ラショーン・メリット(USA)
20"11  飯塚 翔太(ミズノ)
23. 20"31  高瀬 慧(富士通)
54. 20"49  藤光 謙司(ゼンリン)

◇400m 44"08  キラニ・ジェームズ(GRN)
28. 45"35  ウォルシュ・ジュリアン(東洋大)
47"96  金丸 祐三(大塚製薬)

◇5000m 12'59"43  ムクタル・エドリス(ETH)
13'08"40  大迫  傑(NIKE O.P.)
31. 13'19"62  村山 紘太(旭化成)

◇10000m 26'53"71  モハメド・ファラー(GBR)
27'29"69  村山 紘太(旭化成)
27'42"71  設楽 悠太(Honda) 
  27'45"24  大迫  傑(NIKE O.P.)

◇マラソン 2:03'05"  エリュード・キプチョゲ(KEN)
2:08'56"  佐々木 悟(旭化成)
2:09'16"  北島 寿典(安川電機)
2:09'25"  石川 末廣(Honda)

◇400mH 48"10  ジョニー・ダッチ(USA)
48"67  野澤 啓佑(ミズノ)
49"10  松下 祐樹(ミズノ)

◇20kmW 1:18'26"  高橋 英輝(富士通)
1:18'45"  藤澤  勇(ALSOC)
1:18'53"  松永 大介(東洋大)

◇50kmW 3:37'48"  ヨアン・ディニズ(FRA)
3:40'20"  荒井 広宙(自衛隊体育学校)
  3:42'01"  谷井 孝行(自衛隊体育学校)
  3;44'27"  森岡紘一朗(富士通)

◇走高跳 2m40  ムタズ・エサ・バルシム(QAT)
2m29  衛藤  昴(AGF)

◇棒高跳 5m95  ルノー・ラヴィレニ(FRA)
5m70  荻田 大樹(ミズノ)
23. 5m63  山本 聖途(トヨタ自動車)

◇三段跳 17m76  クリスチャン・テイラー(USA)
18m88  長谷川大悟(日立ICT)

◇やり投 89m30  トマス・レーラー(GER)
84m54  新井 涼平(スズキ浜松AC)

◇十種競技 8605   アーサー・アベレ(GER)
8180   中村 明彦(スズキ浜松AC)
8160   右代 啓祐(スズキ浜松AC)

<女子>
◇100m 10"78  ミュリエル・アウレ(CVI)
63. 11"38  福島 千里(北海道ハイテクAC)

◇200m 21"93  ダフネ・スキッパーズ(NDL)
27. 22"88  福島 千里(北海道ハイテクAC)

◇5000m 14'12"59  アルマズ・アヤナ(ETH)
  15'08"29  鈴木亜由子(日本郵政G.)
15'16"82  尾西 美咲(積水化学)
24. 15'21"40  上原 美幸(第一生命)

◇10000m 30'26"94  アリス・アプロト・ナウォヴナ(KEN)
31'18"16  鈴木亜由子(日本郵政G.)
31'22"92  関根 花観(日本郵政G.)
31'35"76  高島由香(資生堂)

◇マラソン 2:19'41"  ティルフィ・ツェガエ(ETH)
2:22'17"  福士加代子(ワコール)
2:23'19"  田中 智美(第一生命)
2:24'42"  伊藤  舞(大塚製薬) 

◇400mH 53"51  シャミーア・リトル(USA)
30. 56'14  久保倉里美(新潟アルビレックスRC)

◇3000mSC 8'59"97  ルース・ジェベト(BRN)
40. 8'44"22  高見澤安珠(松山大)

◇20kmW 1:25'56"  リウ・ホン(CHN)
1:29'40"  岡田久美子(ビックカメラ)

◇走幅跳 7m16  ゾステーネ・モゲナラ(GER)
85. 6m36  甲斐 好美(VORVER) ※昨年10月の6m84を適用すると7位

やり投げ 66m87  バルボラ・シュポタコワ(CZE)
62m19  海老原有希(スズキ浜松AC)

陸上用語のまとめ(ごく基礎編)



陸上競技専門ブログを始めて間もないタイミングで日本選手権を迎えたものですから、ついついはしゃぎ過ぎて大量の投稿をしてしまいました。ま、私の勝手なんですが。

ここからリオ五輪に向けては、いろいろと私なりの陸上雑感や思い出話などをご紹介してみたいなと思いますが、ジジイの昔話に興味はないという若い方は、どうぞスルーしてください。(呵々)

その前に…
記事を書き散らしていますと、陸上競技の用語をどういうふうに使って書いたら適切なのかな、ということが気になりました。このブログにお越しになるような方々は(私の個人的知り合いは別として)、ほぼほぼ陸上競技ファン、その多くはご自身が現役あるいは元アスリートでいらっしゃるような、陸上競技には詳しい方だと思います。なので、今さらこんな話は釈迦に説法もいいところなんですが、ちょっと整理してみたくなったので、基礎的な「陸上用語」についてまとめてみたいと思います。
「そんな細かい話はいいよ」と思われるでしょうが、私は携わっている仕事の関係もあって、結構「ことば」にはこだわるタチなもんですから、ご容赦ください。 

まず、種目名の表記について
これは、日本陸連が採用している表記法が「正式」なものと考えるべきだと思います。
つまり、

100m/200m/400m/800m/1500m/5000m/10000m
100mH/110mH/400mH/3000mSC(これらについては、この表記では一般的に伝わらないので、100mハードル・3000m障害物といった表記も可)
4×100m(または4×100mR、4×100mリレー)/4×400m(同様)
走高跳/棒高跳/走幅跳/三段跳
砲丸投/円盤投/ハンマー投/やり投
十種競技/七種競技


※言うまでもないですが、「3000mSC」のSCとはSteeplechaseの略語です。steepleとは教会の尖塔のことで、イギリスでの原始的な長距離走の形態が、教会をゴールに見立て敷地の柵などを跳び越えながら行われたことに由来するのだそうです。陸上競技映画の最高峰『炎のランナー』の冒頭で、砂浜を走る若い選手たちの一群(1924年パリ・オリンピックのイギリス陸上代表チームが合宿中という設定)が、やがて教会ではありませんが尖塔のあるカールトン・ホテルを目指して白い柵を次々に超えていく、という印象深いシーンがあります。

いっぽう、前々回の記事に掲載した日刊スポーツのWEB記事をご覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、新聞などの表記では必ずしもこれに準拠していなくて、「走り幅跳び」「3段跳び」「やり投げ」「10種競技」といった表記が用いられています。
新聞の場合は「正しい(とされる)日本語」について非常に厳格な基準を持っていて、私なども新聞の採用している日本語の表記法を参考にすることはよくあります。この場合も正しい送り仮名を用いるべきだという判断がもとになっているのだと思われますが、これには一言申し上げましょう。
スポーツ競技の種目名というのは固有名詞みたいなもので、極端な例としては「競輪」と「KEIRINもしくはケイリン」では、似て非なる種目であることがよく知られています。そう考えれば、その競技の統括団体が採用している表記法をみだりに変更すべきではない、というのが私の考えです。したがって、私の記事では意識して、(私の使っているパソコンの変換では「走幅跳」と「ハンマー投」「やり投」が出てこないんですが)「正式表記」を用いています。

ちなみに、現在TVでトラック&フィールドを扱っているのはNHK(日本選手権、IH、国体など)、TBS(世界選手権、ゴールデングランプリ、実業団選手権など)、NTV(ダイヤモンドリーグ、関東インカレなど)の3局くらいですが、正しい日本語にウルサイNHKではやはり新聞方式(ただし「3段跳び」とか「10種競技」なんて表記はしていないと思います。日刊スポーツでも、このあたりはWEBでなく紙面になれば「三段跳び」「十種競技」に改めていると思いますが、確認はしていません)。
TBSは基本的に陸連方式ですが、たまに「送り仮名つき」のテロップが入ることがありますので、分かってる人とそうでない人が混在して制作にあたっていて、局として特に統制はしていないことが伺えます。分かってない人の一人が長年世界選手権のメインキャスターを務める某スチャラカ俳優氏で、しきりに4×100mリレーのことを「ヨンカケ ヒャク…」と言うのがとても耳障りだったりします。
日テレはほぼ、陸連方式に則って表記しています。また陸上競技専門誌でも、とうぜん陸連方式の表記です。

さて、正式名称があれば俗称=スラングというものが派生するのも当たり前のことで、特に“陸上仲間”の間で交わされる会話の中ではいちいち「ヨンカケルヒャクメートルリレー」なんて言ってられないので、「ヨンケイ」などの略語を使うわけですね。ご存じとは思いますが、「ヨンケイ」とは4×100mリレーの古い言い方である「400メートル継走(けいそう)」の略です。競泳でも「ヨンケイ=400m継泳」「ハチケイ=800m継泳」という言い方をします。

ヨンケイに対して4×400mリレーは「センロッケイ」と言うのももどかしいので、「マイル(平板読み)」なんて言いますね。日本では1マイル(1609.344メートル)のレースが行われることはあまりないので、「マイル」といったら1600mリレーのこと、という認識が一般的です。

なお、個人的にですが私は4×100mリレーという言い方・表記のしかたが好きではありません。あえて「400mリレー」という言い方を多用します。
なぜかというと、400mリレーは他のリレー種目(駅伝や競泳なども含め)と異なり、「4人が100mずつをつなぐ競走ではない」と考えるからです。100m走力の4人分にプラスされる要素が、あまりにも大きな比重を占める種目だと考えているのです。実際、ヨンケイのメンバーは全員が100メートルをかなり超える距離を全力疾走する必要があるのですから、これを「4×100m」としてしまうのはおかしいだろう、と。
まあ、陸連やIAAFが定めた種目名をないがしろにする気はありません。あくまでも個人的な気持ちとして、です。

このほか、400mHを「ヨンパー」と言ったり、走高跳を「ハイジャン」と言ったり、陸上仲間どうしの話の中では略語はいろいろとありますし、それぞれの学校独自の伝統的な呼び方もあるかと思います。
いっぽうで、会話の中ではあまり使わないものの、 表記上少々面倒くさいな、という場合に使われる略語というのもあります。トラック種目ではすでに「ハードル→H」「スティープルチェイス→SC」「リレー→R」と略していますが、主にフィールド種目名をアルファベット略語で表すような場合ですね。

走高跳→HJ(High Jump)/棒高跳→PV(Pole Vault)/走幅跳→LJ(Long Jump)※私の若い頃にはBJ(Broad Jump)と言ってました/三段跳→TJ(Triple Jump)/砲丸投→SP(Shot Put)/円盤投→DT(Discus Throw)/ハンマー投→HT(Hammer Throw)/やり投→JT(Javelin Throw)/十種競技→DEC(Decathlon)/七種競技→HEP(Heptathlon)



略語と言えば、主に記録表記に関わる用語として、いくつかアルファベット表記が出てきますね。これも整理しておきましょう。オリンピックなど国際映像の画面や会場のビジョンには頻繁に表示される言葉なので、意味を正確に理解しておくとよろしいかと思います。


WR=World Record(世界記録)
NR=Nation Record(その国の国内記録…日本の場合は「日本記録」。日本に限って言うと「国内記録」には「日本国内で出された記録」という意味があるので注意)
AR=Area Record(世界をアジア・ヨーロッパ・アフリカ・オセアニア・北米・南米に分けた場合の国際エリア記録。ただし、「Asia Record」「Africa Record」等の略語である場合もある)
WL=World Leader(シーズン世界最高記録)
CR=Championship Record(世界選手権など選手権大会の大会記録)
MR=Meeting Record(選手権以外の大会の大会記録。ただし日本では国体などでGR=Game Recordも用いる)
なお、「~タイ記録」の場合は「=WR」などと表記します。
PB=Personal Best(自己最高記録…くだんの某知ったかぶり俳優氏は「プライベート・ベスト」と言って視聴者の失笑を買っていました)
SB=Season Best(シーズン自己最高記録…PBを上回ってはいない場合に使われる)
DQまたはDSQ=Disqualified(失格。「予選落ち」の意味にもなるが、陸上競技でこう表記された場合は規則違反による失格を示す。さらに細かい失格理由が略語で併記されることがあるが、ここではそこまで触れない)
DNS=Did Not Start(棄権=「途中棄権」と紛らわしいがエントリーしながら出場を取り止めること)
DNF=Did Not Finish(途中棄権)
Qq=いずれもqualify(予選または準決勝通過)だが、トラック競技では着順で通過した場合はQ、着順で通過できずにそれ以下の中からタイム順に拾われた場合はq、フィールド競技ではあらかじめ設定された予選通過記録に到達した場合はQ、到達者が12名に達しなくてそれ以下から記録順に拾われた場合はqで表記する。


プロのアナウンサーの中にも、たとえば「世界記録」と「世界新記録」の区別がちゃんとできていない人がたまに見受けられるのは甚だ遺憾なことですが、一般の人となると違いが分からないという人もいるかもしれません。
違いは明らかなんですが、ちょっと言葉で説明するのは難しい…意味が、というよりも使う状況が違うんですね。
「世界記録」というのは、いま現在存在している、その種目の世界最高の記録(陸上競技の場合はIAAFが公認しているという条件付き)のこと。
「世界新記録」とはその記録が出た時の状況、つまり「世界記録が破られた」「新しい世界記録が生まれた」という状態を表す言葉で、記録が出た「その時」に関連付けられた場合の言い方。したがって「現在の世界新記録」「世界新記録保持者」といった言い方は間違い。
「一つのレースで2人が世界新記録」ということも、同着でない限りあり得ません。理論上は、1着の選手がゴールを通過した時点で世界記録は変わってしまっている(ビッグゲームの場合は即時公認)ので、2着の選手がそれを上回ることはできないからです。「それまでの世界記録を2人が破った」というのであれば、いいでしょう。また、フィールド種目であれば、一つのイベントで「2人以上が世界新記録」という状況はあり得ます。
なお、世界新記録誕生の瞬間であっても画面表記上は「NWR(New World Record)」などと表示されることはあまりないようで、だいたい「WR」の文字が点滅する、といった表現になります。

もっといろいろな用語にも言及しようと思ったのですが、結構長くなってしまいましたんで、このあたりで。
で、結局何が言いたかったのかというとですね、このブログ上では原則正しい陸上用語の表記に努めますが、たまにこうした略語も使いますよ、てなことです。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。

世界に注目、世界も注目



第100回日本陸上競技選手権が行われていた先週末は、イギリス、フランス、イタリア、南アフリカ、ポーランドなどでも国内選手権が開催され、オリンピック代表が続々と名乗りを挙げているようです。


日本選手権の模様も、IAAF(国際陸連)のHPに紹介されています。
世界に通用する選手としては、新井涼平(Shohei Araiと誤記)、野澤啓佑の2人が紹介され、ほかに話題として男子100mのケンブリッジ飛鳥、女子200mの福島千里、そして何といってもラスト・ステージを迎えることになった室伏広治について、長々と記述されています。

話題性は別として公平に見渡した場合、日本のトラック&フィールドではIAAFの見立てどおり、新井と野澤のレベルは最も大きな期待が寄せられてしかるべきものでしょう。

特に野澤が5月に記録したPB48秒67は今季世界ランク2位。今年の世界のヨンパーはいつになく低調で、王国アメリカは相変わらずマイケル・ティンズレー、バーション・ジャクソン、カーロン・クレメントらのオールドタイマー頼り、昨年世界選手権であっと言わせたニコラス・ベット(KEN)やクルソン(PUR)、バンジル(RSA)といったあたりもパッとしません。ダイヤモンドリーグでも、日本の国内大会とさして変わらないレベルでのレースが続き、48秒台なら確実にトップ3入り、しかも毎回上位の順位が入れ替わるという有様です。すでに3回48秒台で走っている野澤の安定感が、際立ちます。
もちろん全米選手権では47秒台~48秒前半のタイムが続出してくることが予想されますし、オリンピックまでには大きく勢力図が変わってくることでしょう。しかしながら、野澤のこの安定ぶりは本番でその域に近づくことさえ期待できるもので、日本ヨンパー陣の悲願であるオリンピックでの決勝進出は、大いに可能性を感じさせます。
あとは、怪我をしないよう、本番までの1か月半を順調に過ごしてほしいと願うばかりです。

↓ http://www.iaaf.org/news/report/japan-champs-arai-nozawa
JAC38
(IAAFホームページより)


 

「代表発表」に想う



リオデジャネイロ・オリンピックの陸上競技日本代表選手が発表されました。
すでに発表済みのマラソン6名(男女各3)、競歩6名(男子20km、50km各3)に加えて、トラック&フィールド31名(男子21、女子10)、競歩女子1名が確定し、陸上の代表は現時点で44名となりました。
現状では前回ロンドン大会の46名を下回っていますが、今後リレー・メンバーほかでの追加選考の可能性がありますので、前回並みもしくは僅かに上回る人数になるものと思われます。

nikkansports06271
nikkansports06272
  ※日刊スポーツWEBサイト記事

前の記事で私なりに予想した顔ぶれと、ほぼ同じになりました。これは当然のことで、陸連が事前に定めた選考基準に細かく照らしていけば、そういう予想になるのです。
つまり、今回の選考基準ならびに選考過程は、とかく巻き起こりがちな外野席からの批判を極力排除するべく、よく練り上げられていた、ということになります。
細かいところを言いますと、男子200mでの藤光と女子5000mでの上原は、名前こそ挙げていましたが私的には「ちょっと意外」に感じられました。

男子200の場合は、選手権で好タイムの3位に入った原のほうが有利かな、と思っていました。上位の2人(飯塚・高瀬)を抜きにして考えた場合、「日本選手権最上位」と「派遣到達で入賞」の優先順位は甲乙つけがたく、それならば現時点で上にいる前者のほうを選ぶだろう、と考えたのです。
それだけ、藤光の20秒13という持ちタイムと経験、そしてリレーメンバーとしての錬成度やチームリーダーとしての存在感は捨て難かった、ということなのでしょう。いざという時のマイル要員、という意味もあったかもしれません。激戦種目ならでは、レースだけでなく選考までスリリングでしたね。
原選手にはどうかクサらず、来年の世界選手権以降を目標に頑張ってもらいたいものです。

上原の滑り込みは、選考会で複数の標準未到達選手に先着されていただけに意外でした。本人も半ば諦めていたんではないでしょうか?「女子が少ないのでもう一人」という思惑もあったかもしれません。
標準を破るだけの力をつけたとはいえ、跳びの大きな走りはスピード変化への対応が難しく、苦戦が予想されます。しかし、関根とともに台頭著しいこの世代の代表として、次につながるレースを見せてほしいものです。本番は予選からになりますが、一度はトップを引っ張ってもらいたいですね。

選手権で予選敗退した金丸が代表入りしたのは、まだ派遣が決まっていないがおそらく行けるだろう、というマイルリレーを睨んでのことだと思われます。これで、選手権上位の加藤・北川の追加が濃厚になりました。
一方で、条件的には金丸と同じながら落選したのがHJの戸邉です。私も「やや厳しい」と予想しましたが、海外で何度も2m30以上をジャンプしている実績を考えれば、代表内定の衛藤以上に活躍が期待された存在だけに、残念なところでした。

近年、オリンピックの代表選考にあれこれ物申す外野席が喧しいところから、特にマラソンでさんざん苦労させられている陸連は、大変ですよね。
私個人としては、もっと「陸連が選びたい選手を選ぶ」という要素があってもいいと思うんですが、それでは当事者が納得しなかったり、関係のない輩がギャアギャア騒ぐという事態を招きかねない、だったら文句のつけようがない「選考論理」を作ろうじゃないか、ということでこうまで細かくなったんでしょう。
それでも、4月の競泳の時に「なんで北島が代表になれないんだ?」と抗議の電話があったというように、世間を納得させるのは容易なことではありません。今回の陸上代表は、まあ無事に収まりそうではありますが、男子200mの例なんか、原選手には失礼ながら桐生・山縣のような人気選手が対象になっていたとしたら、やっぱり揉めたでしょう。
同じく今日発表された女子バレーボールの代表なんて、監督の胸一つみたいなところがあるんですが、ああまで明確に言いきられちゃうと、かえって外野は沈黙せざるを得ないんでしょうかね。
競技それぞれですね。


 

日本代表きょう発表!



陸上競技ファンにとっての至福の3日間が終わりました。
競泳などと違って、日本代表=世界と戦える選手、といいきれないほどに“本番”で高い壁が待ち構える陸上競技ですが、それとは別に「日本一」そして「オリンピック選手」というかけがえのない称号を目指す競い合いには、熱く心踊らされるものがあります。ロードシーズン、トラック&フィールドシーズンと、1年間を通して楽しめる陸上競技の中の、まさに国内最高峰の3日間を堪能しました。

さて、一息ついたところで今大会の結果を承けての、「陸上日本代表内定者」と「有力候補」を整理してみましょう。
選手団の派遣枠は最終的にはJOCの裁可を受けますが、陸上の場合はリレー種目派遣の有無などによっても変動するため、若干流動的なところがあるようです。
ロード種目(マラソン・競歩)を除いたトラック&フィールドに限りますと、前回2012年は31名(男子19・女子12)、2008年は29名(18・11)、2004年は30名(21・9)と、だいたい30名前後で落ち着いていますので、いちおう「上限30」を目安に考えてみましょう。

◆代表内定選手
陸連があらかじめ設定した条件を満たして「代表内定」を得た選手は、次のとおりです。

<男子>
◇100m ケンブリッジ飛鳥(ドーム)、桐生祥秀(東洋大)
◇200m 飯塚翔太(ミズノ)
◇400m ウォルシュ・ジュリアン(東洋大)
◇5000m・10000m 大迫傑(NIKE O.P.)
◇10000m 村山紘太(旭化成)
◇110mH 矢澤航(デサントTC)
◇400mH 野澤啓佑(ミズノ)
◇走高跳 衛藤昴(AGF)
◇棒高跳 山本聖途(トヨタ自動車)、荻田大樹(ミズノ)
◇やり投 新井涼平(スズキ浜松AC)
◇十種競技 中村明彦(スズキ浜松AC)

<女子>
◇100m・200m 福島千里(北海道ハイテクAC)
◇5000m 尾西美咲(積水化学)
◇10000m 鈴木亜由子(日本郵政G.)
◇400mH 久保倉里美(新潟アルビレックスRC)
◇3000mSC 高見澤安珠(松山大)
◇走幅跳 甲斐好美(VORVER)
◇やり投 海老原有希(スズキ浜松AC)

以上、男子13、女子7の20名

◆有力候補(ほぼ確実)
次に、派遣設定記録または標準記録到達者で「内定者以外には負けなかった(2位または3位)」という条件により、理論的には「ほぼ内定」と考えてよい選手が次のとおり。

<男子>
◇100m 山縣亮太(SEIKO)
◇200m 高瀬慧(富士通)
◇10000m 設楽悠太(Honda)
◇400mH 松下祐樹(ミズノ)
 ※200mの原翔太(スズキ浜松AC)も該当するが藤光謙司(ゼンリン)との兼ね合い。1名は確実。

<女子>
◇10000m 関根花観(日本郵政G.)、高島由香(資生堂)
※5000mの鈴木亜由子も該当するが10000mで内定済み。

これで男子18、女子9となり27名。残り3枠。

◆有力候補(当落線上)
ここで重要になってくるのが「男子4×400mリレーに派遣するか(できるか)否か」ということで、「派遣」ということになれば+3名の枠が埋まります。(まだリレー出場資格が確定していません)

◇男子400m上位3名・・・加藤修也(早大)、北川貴理(順大)、田村朋也(住友電工)
※標準到達者・金丸祐三(大塚製薬)についても要検討。リレーチームは5~6名の要員が必要ですが、400のスペシャリストとしてはウォルシュを含め4名、プラス補欠要員として200mまたは400mH代表からの補充ということになると思われます。

その他の有力候補を整理します。参加標準記録到達者のうち、日本選手権に出場したが内定条件を満たさなかった選手が対象になります。

<男子>
◇三段跳 長谷川大悟(日立ICT)・・・選手権2位ながらGP織田記念を制していることで現時点(マイルリレー派遣が見送られた場合の)+3名の最有力候補。
◇十種競技 右代啓祐(スズキ浜松AC)・・・選手権途中棄権ながらGP選抜和歌山で優勝。
◇走高跳 戸邉直人(安藤財団)・・・理論的には厳しいが、昨年までの実績を考慮されれば…

<女子>
◇5000m 上原美幸(第一生命)・・・標準到達者のうち選手権3番手。当種目標準未到達で10000m代表入りの濃厚な関根の今後のスケジュール次第では… 

意外にきっちりと30名の仮想枠が埋まりそうな感じですね。
このほか「女子リレー」の可能性、有力者ながら標準記録に到達していない選手(男子800mの川元奬、やり投の村上幸史=いずれもスズキ浜松AC=など、選手権3位以内またはGP日本人1位が条件)の追加もあり得ますが、まずはここに挙げた選手で、ほぼ固まるでしょう。
今日27日に、とりあえず「陸上競技日本代表」が発表されますが、まずは「ほぼ確実」までの27名、プラス長谷川・右代あたりまで名を連ねることになるのではないか、と思っています。 

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