…ということになります。早いものですね。
いつものことながら、『全国都道府県対抗男子駅伝』が終了すると、TVで楽しめる駅伝シーズンはひと区切り。この後は、ロードレース・シーズンの後半戦という形で、マラソンやハーフマラソンのビッグレース、クロスカントリー日本選手権などが続くことになります。
地上波ではありませんが、同じく昨日行われた『第28回選抜女子駅伝北九州大会』というのが、後日CSチャンネルのGAORAで放送される予定です。視聴できる方は、そちらもお楽しみに。ちなみに、優勝は一般の部がユニバーサル・エンターテインメント(木村友香-青山瑠衣-篠塚麻衣-伊澤菜々花-鷲見梓沙)、高校の部が大阪薫英女学院(中島紗弥-嵯峨山佳菜未-村尾綾香-竹内ひかり-木下文音-高田晴香)でした。

さて、『全国男子駅伝』は、今回が第22回。女子の35回に比べてだいぶ後発ということになり、こういうケースはスポーツ界では珍しいですね。
女子のように高校生と一般(社会人・大学生)が同じ区間を走るということはなく、中学生・高校生・一般が完全に区分けされています。特に高校生区間は、年末の『全国高校駅伝』の個人レベルでのリベンジ・マッチといった趣が強く、駅伝としての妙味よりはむしろ、そうした高校生や中学生のニューヒーロー争い、それをフォローするオトナたちの余裕の走り、といったあたりがワタクシ的にはちょっと微妙です。
区間も7区間と女子より少ないため、選ばれる各チームの選手も限られてきます。とうぜん、「どのチームが勝つか?」ということには、あまり興味が湧いてきません。

そんな中で、私が特に注目していたのは1区に登場したヒーロー候補・遠藤日向(福島/学法石川)と、3区でいったん先頭に躍り出た戸田雅稀(群馬/日清食品G)。
昨年中距離戦線でブレイクし、2度の実業団駅伝でも素晴らしいラストスパートを見せてくれた戸田。その戸田が優勝した日本選手権の1500mで4位に食い込み、インターハイでは1500m優勝、5000m日本人1位、昨シーズン以来トラックでも駅伝でも、日本人高校生にはほとんど先着を許していない遠藤。いずれも、「東京2020」へ向けての最大のスター候補の一角です。
しかしながら、今回は両者ともに大コケに終わりました。
遠藤は、高校駅伝をインフルエンザで欠場した影響で、練習不足だったのでしょう。さほど強力とも見えないペースアップに付いていくことができず、区間13位の惨敗。
戸田の方も、3位でもらったタスキをトップにまで押し上げたところまでは良かったのですが、駅伝ならではのペース配分ミスがあったのか、後半は京都に抜き返されたばかりか追走集団にも追い抜かれる失速ぶりで区間21位。
ちょっとガッカリでした。

中学生区間2つでともに区間新記録が樹立されたのはお見事でした。2区で林田洋翔(長崎/桜が原中)、6区で松山和希(栃木/大田原中)。ただ、どちらも先頭争いからは遠く離れた下位での出来事で、その走りも表情も、ほとんど見ることができなかったのは残念。

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唯一の見どころと言えば、アンカー区間で繰り広げられた神野大地(愛知/コニカミノルタ)・一色恭志(京都)・下田裕太(静岡)の青学各世代エース軍団+オリンピアン塩尻和也(群馬/順天堂大)による、豪華な3位争いでした。
この4人、3位で中継した一色から6秒遅れで塩尻、さらに5秒遅れて神野と下田が続き、ほどなくして4人の集団で7区13kmのうちの約10kmを集団走。一色が「まるでふだんのポイント練習のようだった」というようなシーンを楽しませてくれました。
OB1年目の神野から大学2年の塩尻まで、ちょうど1つずつ学年が違う(このあたり、「1つ違い」をものすごく意識する年頃なんですよね)という絶妙の取り合わせの3位争いは、最上級生の権利とばかりに後ろでじっくりと構えた神野が最後に抜け出して学年のとおりの順位で決着したのは、予定調和劇のようで何やら妙な爽快感がありました。
一色いわく「(勝負にこだわって前に出ない)神野さんは大人げない。塩尻君には(ずっと先頭を引っ張らせて)申し訳ないことをした」…仏頂面ながらなかなかの正論を言う、ナイスガイですね。

この7区には、優勝した長野のアンカー・上野裕一郎(DeNA=区間2位)をはじめ、今井正人(福島/トヨタ自動車九州=14位)、井上大仁(長崎/MHPS=11位)、鎧坂哲哉(広島/旭化成=22位)、鈴木健吾(愛媛/神奈川大=7位)、有村優樹(鹿児島/旭化成=5位)、横手健(栃木/富士通=8位)、潰瀧大記(千葉/富士通=19位)、西山雄介(三重/駒澤大=27位)、森田歩希(茨城/青山学院大=23位)、大塚祥平(大分/駒澤大=15位)等々、箱根のスターたちが目白押しでした。そうした中で、サラッと区間賞を奪っていったのが設楽悠太(埼玉/Honda)。返す返すも、実業団駅伝での大失速は痛恨でしたね。
こうした選手たちも、できれば、もっと先頭に近い位置での争いを見たかったところです。
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